社会福祉関連
2018年2月初旬、長野県内の市町村社協の仲間と食事をする機会が与えられました。私が長野県の方々とお会いしたのは、1980年代ですが、一緒に地域福祉の推進をめざし、汗をかき、語り合ったのは、1990年代からです。ボランティアコーディネーターの全国研修プログラムを作成した90年代中頃に、委員であった長野市社協の小林博明さんにお会いし、またふれあいいきいきサロンの普及を目指した検討委員会で三水(現 飯綱町)の沖弘宜さんにお会いし、三水での実践の取り組みをいたしました。その後、10数年、長野市社会福祉協議会の地域福祉活動計画に委員長として関与し、土屋ゆかりさんや職員の方々、内山次郎さん等の社協以外の実践者の方々とも話し合い、長野市に合った地域福祉を築こうとしてきました。また、2000年以前からの、長野県社協の小池正志さん、松本市社協の山岸勝子さん、塩尻市社協の上條通夫さんとの出会いも、私にとって宝物です。2000年代以降に出会った大桑村社協の杉村信子さん、上松町社協の尾崎陽子さん、その他、ここでは名前を挙げませんが、たくさんの社協の方々も、知識と思いと経験において卓越した方々でした。
このように、長野県は、地域でたくさんの実践をしています。そのことを踏まえ、新たな木を、今までの木に接ぎ木して、各地域らしい地域福祉が推進されることを願っています。
私にとって、長野県は、学ばせて頂き、成長させて頂いた原点であり、ふるさとです。本当にありがとうございます。
投稿日 18年02月05日[月] 7:02 PM | カテゴリー: 共助社会づくり,社会福祉関連
2017年12月、青森県社会福祉大会で、『民生委員制度創設100年を振り返る〜地域に根ざした活動を次世代へつなぐために〜』をテーマに講演させて頂きました。
20数年前、日本海に出た台風が青森を通過し、収穫期のリンゴが落ち、農家は大きな被害を受けました。私は、仲間と一緒に、落ちたものの、十分食べられるリンゴを段ボール何箱も阿佐ヶ谷教会に送って頂き、買いました。おいしいリンゴを食べた記憶が残っていましたが、食べた後は、送って頂いたことをすっかり忘れていました。しかし、翌年、青森から段ボールが届きました。その中には、いっぱい花がついた、リンゴの枝がたくさんに入っていました。青森の方々の思いに、私は感動したことを思い出します。
青森には、何十年と民生委員児童委員活動を続けておられる方々がたくさんおられます。青森市民生委員児童委員協議会の副会長であられる工藤さんもその一人です。私の原点は、そこにあります。

なお、講演が始まる前に、青森市内の市場に行きました。ご紹介します。おすすめです。

投稿日 18年02月03日[土] 9:36 PM | カテゴリー: 共助社会づくり,社会福祉関連
2018年1月18日、東京都庁の7階会場において、第2回東京都社会貢献大賞授与式が行われました。
私は、同表彰団体に選考に関わりましたので、授賞式に出席させて頂きました。表彰団体の選考は、たいへんな作業でした。推薦されたそれぞれの団体が、それぞれの活動実績、活動方針、社会的影響において、十分評価できるものでありましたし、すべての団体を表彰したいという思いをもちました。その意味で、今回の受賞団体は、名誉とともに、これからも社会に貢献して頂く責任があると思います。
東京都共助社会づくりを進めるための社会貢献大賞表彰基準
(趣旨)
第1 この基準は、多様な立場の都民や団体が互いに支え合う共助社会づくりの実現に向け、ボランティア活動推進の気運醸成を図るため、継続的・先進的取組を行う団体に対し、共助社会づくりを進めるための社会貢献大賞(以下「大賞」という。)を贈呈し、これを表彰するために必要な事項を定める。
(被表彰団体の区分)
第2 東京都知事(以下「知事」という。)は、次に掲げる区分により、東京都の区域内に事務所を置く団体のうち、ボランティア活動に関して顕著な功績を上げ、他の団体の模範となる取組を行うものに対して大賞を贈呈する。
(1)企業
(2)教育機関
(3)その他の団体(特定非営利活動法人、町会・自治会等)
2 大賞の贈呈は、1(1)から(3)までの区分ごとに1又は2団体程度に対して行う。
3 知事は、必要があると認めるときは、1(1)から(3)までの区分ごとに1又は2団体程度に対して、特別賞を贈呈することができる。
(被表彰候補団体の推薦)
第3 東京都ボランティア活動推進協議会の構成団体及び東京都ボランティア活動推進協議会気運醸成分科会の構成団体(以下「推薦団体」という。)は、ボランティア活動に関し、次に掲げる(1)から(3)までの全てに該当し、共助社会づくりの推進に寄与する取組を実施している団体があるときは、その業績を精査し、知事へ推薦することができる。ただし、知事が必要と認めるときは、推薦団体以外のものから、推薦を受けることができる。
(1)都内で活動又は支援を行っている。
(2)長期間(10年程度を目安とする。)取組を継続し、現在も行っている。
(3)他の団体の模範となる取組を行っている。
2 1により推薦しようとするものは、次に掲げる書類各1部を知事に提出するものとする。
(1)東京都共助社会づくりを進めるための社会貢献大賞表彰推薦書
(2)団体の定款、寄附行為又はこれに類する規約等
(3)団体の沿革及び概要が分かる書類
(4)団体の取組の概要が分かる書面又はパンフレット
(被表彰団体の決定)
第4 知事は、「共助社会づくりを進めるための検討会」設置要綱(平成27年6月1日付27生都地597号)第7に基づく社会貢献表彰専門部会(以下「専門部会」という。)の意見を聴いて、被表彰団体を決定する。
2 知事は、法令等に関し重大な違反がある団体、その他法令上又は社会通念上、表彰するにふさわしくないと認められる団体については、表彰しない。
(審査)
第5 専門部会は委員の合議によって、推薦を受けた団体の審査結果を取りまとめ、知事に意見を具申する。
2 推薦を受けた団体の審査に当たっては、別紙「東京都共助社会づくりを進めるための社会貢献表彰 審査の視点」に基づき、第3 2に掲げる書類等により、共助社会づくりの推進により大きく寄与しているかを総合的に判断する。
3 意見の公正を期するため、審査の対象となる団体と利害関係を有する専門部会の委員は、当該案件に関する審査に加わることができない。
(贈呈)
第6 大賞及び特別賞は、書状をもって贈呈する。ただし、知事が必要があると認めるときは、書状に添えて副賞を贈呈することができる。
(その他)
第7 大賞及び特別賞の贈呈に関しては、この基準に定めるもののほか、生活文化局知事名による賞状及び感謝状の贈呈基準(平成5年4月12日付4生文総第1598号)の定めるところによる。
附 則
この基準は、平成28年10月17日から適用する。
附 則
この基準は、平成29年7月14日から適用する。
別紙「東京都共助社会づくりを進めるための社会貢献大賞 審査の視点」
1 地域密着性
(1) 都内で活動又は支援を行っている。
(2) 都内で地域の課題解決に取り組んでいる。
(3) その他、地域社会に根ざし、共助社会づくりの推進に寄与する取組を行っている。
2 普及性
(1) 他の団体の模範となる。
(2) より多くの活動参加者にボランティア活動の場を提供している。
(3) 活動参加者をより多く増やすための取組を行っている。
(4) その他、他団体や都民に広く影響を与えるなど、共助社会づくりの推進に寄与する取組を行っている。
3 先駆性
(1) 柔軟な発想の下で創意工夫し、活動している。
(2) 活動参加者の専門性をいかしている。
(3) 短時間で気軽に実施できるメニューを実施している。
(4) 第三の居場所を創出し、活動を行っている。
(5) その他、工夫が見られる先駆的な内容で、共助社会づくりの推進に寄与する取組を行っている。
4 安定性
(1) 長期間継続し、現在も行っている。
(2) 活動参加者が活動に参加しやすい取組を行っている。
(3) その他、継続して活動が行われ、共助社会づくりの推進に寄与する取組を行っている。
5 協働
(1) 多様な主体と連携している。
(2) その他、他の主体と連携し、共助社会づくりの推進に寄与する取組を行っている。
6 時代適応性
(1) 時代の必要性に合致した取組を実施し、共助社会づくりの推進に寄与する取組を行っている。
受賞団体を紹介いたします。

受賞前の様子
団体の紹介
社会貢献大賞 受賞団体概要
社会貢献大賞_IBM_v3 社会貢献大賞_スープの会_v2 社会貢献大賞_ダンボの会_v2
社会貢献大賞_リバーサイド舟渡_v2 社会貢献大賞_住友生命_v2 社会貢献大賞_都立六本木高校_v2 社会貢献大賞_八王子市立愛宕小_v2
特別賞_JCA日本語教室_v2 特別賞_お茶の水小学校_v2 特別賞_池袋東地区_v2 特別賞_東京ソワール_v2 特別賞_八王子町自連_v2
2年後に迫った東京オリンピック・パラリンピックに向けて、都民のボランティア活動への理解を深めていきたい東京都は、活動に積極的に取り組む企業や団体を表彰しました。
東京都は昨年度からボランティア活動に積極的に取り組む企業や団体を、社会貢献大賞として表彰しています。
都庁で開かれた表彰式には大賞に選ばれた7団体と特別賞に選ばれた5団体が出席し、小池知事から表彰状を贈られました。
大賞に選ばれた団体のうち、港区の都立六本木高校はボランティア活動を単位として認定していて、生徒たちが上野動物園で迷子の相談に乗ったり、1人暮らしのお年寄りに年賀状を送ったりするなどさまざまな活動を行っています。
また、板橋区のボランティア団体「リバーサイド舟渡」は地域のイベントで特製のしょうゆラーメンを年間1万食程度提供し、収益をボランティア団体や学校に寄付しています。
小池知事は「ことしはラグビーワールドカップや2020年東京大会のボランティアの募集が始まる。ボランティアを文化として定着させたい」と述べ、活動の輪が広がることに期待を示しました。
東京都は2020年度までにボランティア活動を行う都民の割合を40%にすることを目標にしていて、ボランティア活動への理解を呼びかけていく方針です。 NHK NEWS
私は、地域で、広く日本で、世界で活動されている団体から多くのことを学び、また勇気づけられます。確かに、今の社会は、大きな問題を抱えています。地域が壊れつつある。一人の個人、一つの団体では、本当に太刀打ちできない。しかし、砂漠の緑化に取り組んでいるNGOの代表が、こう言われていました。「砂漠をつくることは簡単です。森の木々を切り倒せば、自然の循環は破壊され、数年で砂漠になります。しかし、それを森に戻すには、50年、100年、いやそれ以上かもしれない。しかし、一本の木を植えなければ砂漠の緑化は始まらない。」
一本の木を植え続ける働きを大切にしたいと思っています。

表彰式にて。
投稿日 18年01月20日[土] 10:36 PM | カテゴリー: 共助社会づくり,社会福祉関連
2,017年12月3日、三鷹市芸術文化センターにおいて、社協60周年記念会があり、表彰状を頂きました。表彰の理由は、当初からの社協地域福祉活動計画策定、三鷹市ファシリテーター研修、様々な案件に関する助言提言、副会長経験等をあげられていましたが、計画も和田敏明先生、山口麻衣先生、秋貞由美子先生が関わられていますし、計画の評価事業は福島喜代子先生が関わられてきました。またファシリテーター養成は、和田先生、秋貞先生、学内で行われているサロン「食で絆」も秋貞先生が中心に行われてきました。その意味で、皆さんを代表して、表彰されたと思います。(ファシリテーター研修は、一人ぐらし高齢者宅などを訪問して話を聴く傾聴ボランティア、自らが住む地域を大切に思い、地域の課題発見や、福祉活動の企画、様々な住民や当事者の力を活用し、地域ケアネットワークの活動をサポートする住民の活動者である地域福祉ファシリテーターの養成プログラムです。小金井市・三鷹市・武蔵野市の行政、社協、大学が協働で運営しています)

写真右は社協会長、左は、社協理事で、本学の地域福祉開発コース主任の我が大学の山口先生です。
現在、私は、65歳になりました。大学に勤めて、34年目になります。この間、たくさんの卒業生が大学・大学院から巣立っていきました。卒業生は大学のブランドです。また、今まで、住民、民生委員児童委員、ボランティア、社協、行政、社会福祉法人、NPO等の様々な方々と社会福祉、地域福祉の推進に取り組み、一緒に汗をかき、教えて頂いてきました。私は、これらの方々や、困難に直面する人を支援している方々をお支えする仕事ができたならば、本望と思っています。そのような現役最後の人生を生きていきたいと願っています。
投稿日 17年12月15日[金] 10:46 PM | カテゴリー: 大学関連,社会福祉関連



2017年11月9日、岡山県・岡山市の民生委員制度100周年記念大会が開催された。100年前に済世顧問制度が岡山県で始められたことを考えると、正真正銘の100年である。内容に関しては、山陽新聞の記事を参考にされたい。
山陽新聞2017市川講演
また、講演前に、岡山市後楽園を歩きました。岡山城が見え、また池と木々、花、建物が並び、結婚や753、成人を祝ういくつもの家族が写真を撮っていました。それだけ由緒ある公園だと思います。

岡山城の下から

投稿日 10:01 PM | カテゴリー: 社会福祉関連
2017年10月、秋田市で記念大会が開催されました。県内各地より、バスを連ねて来られた民生委員の方々の熱き思いに、私は心を揺らされました。

秋田県民生委員児童委員の方々が担って来られた・子どもが生まれた家庭に届ける「ハッピーメッセージ」・子育て支援・孤立を防止する様々な取り組み・要援護者の対する緊急時のマップづくり・多様な小地域福祉活動は、大きな実績です。その原点は、以下の歌詞と近いと思いました。

講演の前、千秋公園に向かう道を歩いていましたら、歌が聞こえました。思わずその場所に行くと、千秋公園の近辺で生まれ、秋田を代表する歌手、東海林太郎の歌でした。「母に捧げる歌」の一節に感銘を覚えました。
「胸もさけよと 声かぎり われは歌わん 高らかに 歌うことこそ わがつとめ 我がのぞみなり わが命」
東海林太郎の歌う姿勢と、秋田県内の民生委員児童委員の方々の活動の姿勢に共通点を感じています。
千秋公園の紅葉




投稿日 17年10月26日[木] 10:02 AM | カテゴリー: 社会福祉関連
170831_縁の会案内資料案_(171029実施分)
縁の会は、高齢者福祉関係で働く方々、高齢者福祉に関心のある方々が中心に企画をたて、実施するのが縁の会です。その意図は、実践報告を聞き、話し合い、情報交換をし、そして励まし合うこと。
報告者紹介
・岩崎智之@おとなりさん。
地域の方々と繋がることを大切にしている「~お散歩&日常デイ~おとなりさん。(http://otonari30.com)」そして、農業と福祉の連携である「ノウマチ(http://www.minhata.com/management)」を運営。どちらも、ホームページは要チェック。掲げられている理念は、心に語りかけられているような強い想いを感じます。「地域の方々と共に、地域のために。」をテーマに、「地域力再生業」を目指し、児童福祉や農業も視野に入れ「地域が本来持つ力」を引き出すべく活動中。「未経験であることが嫌い」な性格。
趣味は路地裏散歩、ラーメン食べ歩き、そして対称的にマクロビオティック。好きなアーティストはエンヤ。介護事業経営研究会(C-MAS)スペシャリスト(特別専門家)みそソムリエ協会認定みそソムリエ。
練馬区 街かどケアカフェ
・オレンジカフェ金のまり
テーマ「自宅を改造!デイサービス・認知症カフェに」
地域のお年寄り、一人ひとりの中にある「つながり」の結び目は、ゆるやかにほどけはじめていると考えます。そこから生まれる「ゆらぎ」に正面から取り組むために、オレンジカフェを始めました。デイサービスや居宅介護支援だけではどうにもならない。私たちは限界を感じ始めていました。
日々の暮らし、近所の人々とのつながり、近所の人の持つ力…。そんな時、私たちは「オレンジリング」そして、「京都式オレンジカフェ」を知りました。それが今の街かどケアカフェにつながっています。人と人とのゆるやかなつながりの中で「老いを生きる」場を作ろうと思いました。顔見知りができた。顔見知りに会えた。頼りたいお医者様に出会えた…。
そんなささやかなできごとを大切に、これからもオレンジカフェを続けていきます。
金のまり講演会
今回は、ノウマチと金のまりの実践から学びます。どうぞお気軽にご参加下さい。
投稿日 17年09月10日[日] 12:09 AM | カテゴリー: 社会福祉関連
2017年8月31日、京都市ロームシアターのメインホールにおいて、大会が開催されました。テーマは、「これからの民生委員・児童委員活動に期待されるもの〜民生委員制度のこれまでの歩みを振り返り、これからの展開を考える〜」。表彰式等の公式行事が終わり、私の講演にどれだけの方が残って下さるか、実は心配していましたが、実際に講演を行う時には、たくさんの方々が、熱心に聞いて下さいました。
京都市は、校区の強い地域福祉活動のメッカと言える地域。伝統に裏付けられた地域への愛着と、人々の幸福を願う思いを根底に据えた民生委員児童委員活動が京都市に存在することを実感し、私自身が参加なさった方々に励まされた時でした。
感謝。

投稿日 17年08月31日[木] 6:00 PM | カテゴリー: 社会福祉関連
宮崎県民生委員2017大会開催要綱
2017年8月24日、シーガイアコンベンションセンター4階サミットホールにおいて、宮崎県民生委員児童委員大会が開催されました。県内2,400人の民生委員児童委員のうち、約2,300人が参加しておられ、会場はいっぱいになっていました。その熱気に、私は、宮崎県民生委員児童委員を象徴する『3つの木<き>』を思い浮かべました。
1.絆(人と人との絆)
2.郷土愛(生活する地域の文化・宗教に対する誇りと愛着)
3.希望(生活の困難を抱え、明日への希望を失う危機に直面している人に寄り添うことによって、希望の光を届ける)
宮崎県から学ぶ機会を頂いたのが、今から20年前でした。県社協と県内の地域福祉の強化のために検討したいとのご依頼がありました。それをお引き受けする決意をした理由は、孤児の父である石井十次が宮崎県高鍋町茶臼原で行った実践を学びたいというものでした。その後、高鍋町を訪問し、高鍋藩第7代藩主秋月種茂(あきずきたねしげ)による試みがあったことを知りました。貧しさ故に行われていた間引きを禁止し、生まれてくる3人目以上の子どもに対し、一日米二合または麦三合のいずれかを支給し、産婆を大阪から呼び、当時多かった出産による死亡を防ごうと努力したのです。その影響を受けたと言われる石井十次は、今の児童福祉の原点を作った人です。
岡山孤児院20周年となる1907(明治40)年、宮崎県の茶臼原に孤児院を移動しました。たとえば、1905年の東北凶作によって生まれた800名の孤児を受け入れる等、地域、家族が壊れ、捨てられる児童を保護する篤志家です。岡山孤児院12則(1902=明治35年)は、家族主義=小舎制をとり全体の統一を破らない限り各小舎の特殊性を尊重、満腹主義=各自に十分食べさせること、宗教主義=形式的な信仰の強制でなく、人生における信仰の必要性を自覚させること、密室主義=個人的な話し合いによる教育、旅行主義=見聞を広めるように努力、米洗主義=米をとぐようにそれぞれの特質を現させる、小学教育=孤児院小学校で行う、托鉢主義=孤児院の維持を零細な寄付金募金によること。委託主義、実行主義、非体罰主義、実業主義を内容としています。
宮崎県の民生委員・児童委員の方々の絆をつくろうとする働きと、石井十次の生き方に、私は、共通点があると考えています。
また、私は、県社協の方々と、いくつもの市町村を訪問しました。宮崎、都城、日南、日向、日之影、西都、えびの、串間、西米良、須木村(現小林)、山田(現都城)、門川、諸塚、等々を訪問し、地域福祉実践を学び、住民の方々と話し合いました。そこで、それぞれの伝統文化を知りました。また高千穂にも行きました。住民の方々は、伝統文化を尊重し、また今まで活動なさってこられた先輩の民生委員児童委員が築かれた助け合いの文化に敬意を表し、郷土への愛、愛着をもっておられることに気づいています。
今、社会は、混迷の中にあります。家族、地域の絆が弱まってきて、孤立、虐待、自殺が増加しています。だからこそ、互いの違いを尊重する社会、相互理解に基づく社会、協力し合って問題を解決していく社会、明日への希望を実現する社会、お互い様の心が根付いた社会という『共助社会』を築くことが必要になっています。それは、日々の希望の光を灯す働きから生まれます。宮崎県民生委員児童委員の方々の日々の実践から、私はそのことを学んでいます。
今回の訪問は、宮崎県の友人に、今までの感謝を述べる意味もありました。そして、講演は、20年近くご指導頂いた民生委員児童委員の方々へのお礼を申し上げる機会と考え、精一杯努力したつもりです。感謝。


投稿日 17年08月25日[金] 1:50 PM | カテゴリー: 社会福祉関連
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