2021年04月の投稿

希望ある明日に向かって歩むぞメッセージ

メッセージを拝見致しました。またまた涙がでてしまったのですが、確かにそうですね。私たちは今、コロナに試されているのだと思いました。これをマイナスに考えるか、またはプラスになるものとして捉えて、今後の社会の本当のあり方を考えていくかは、私たち次第です。中央政府、地方政府への不信が広がる中、これからは上からの力ではなく、私たちが下からの力で少しずつより良い社会をつくっていくべきなのですね。草の根運動、時間はかかりますがこれこそが社会を変えていく方法です。一人ひとりの参加、大切です。今はリモートで誰もが会える時代なのでここでのネットワークを使って卒業生グループを作るのも良いかも知れません。私も日本の看護師さんたちとネットワークをつくって看護の環境改善の話などをするのですが、みんながみんな各々の場所で同じような問題がある中、横のつながりがないために問題をシュアして話し合い、解決策を見出す場がないと気づきました。横のつながりも大切ですね。この場を使って卒業生やソーシャルワーカーたちのフォーラムをつくってみませんか?

2021年度キリスト教月間メッセージ テーマ「希望ある明日に向かって歩むぞメッセージ」(2021.4.20)

聖句「わたしは、既にそれを得たというわけではなく、既に完全な者となっているわけでもありません。何とかして捕らえようと努めているのです。自分がキリスト・イエスに捕らえられているからです。」フィリピ第3章12節 

今日は、この1年の経験を通して私が学んでいる2つのことをお話をします。それは、第一に、聖句に書かれている「何とかして捕らえようと努めていること」と、第二に、「自分がキリスト・イエスに捕らえられていること」です。

2020年4月2日午前8時、ニューヨークにいる卒業生の岩間さんよりラインが届きました。そこには、ニューヨークにおける医療現場の厳しさが書かれていました。

「私は今、マンハッタンのMount Sinai Hospital と言う大きなhealthcare system の中の一つのHospital のCOVID ICUで働いています。死者が増え、霊安室も一杯でご遺体を置く場所もありません。ICU(集中治療室 (Intensive Care Unit))ベッドもICUナースも足りないし、人工呼吸器も足りません。自分の身を守るためのマスクやガウン、フェイスシールドなども不足して、自分の身も守れません。まさに、戦場下です。数週間前までは普通に生活をしていたのに、人間の生活ってこんなにまで急に変わってしまうのですね。こんな時ですが、いつも私が神様に願っていたこと「神様のために私を用いて下さい」と言うことが、もしかしたらこれなのかも知れません。・・・・・。」 

私は、そのラインを受けて、心配で激しく心が揺さぶられました。そして、ニューヨークにいる岩間さんを支えるために何ができるか、悩みました。そこで、私と繋がっている卒業生に対して、メールやラインで以下の文章を送りました。 「1992年度卒業の岩間さんから、ラインが届きました。励ましのメッセージを送ろうと思います」

そのラインを受けて、たくさんの卒業生から私に岩間さんへの励ましのメールやラインが届きました。2日後、それをまとめて岩間さんに送りました。

「市川先生、ルーテルの皆さんからのメッセージを一つひとつ大切に読ませて頂きました。涙が止まりません。皆さん、本当にありがとうございました。そして、多くの方の祈りに支えられて私の毎日があるのだと思いました。皆さんの祈りを大切にこれからも頑張っていきます。どうぞ、これからも私たちのために祈ってください。(略)私も皆さんの祈りに支えられて頑張っていきます。本当にありがとうございました」

岩間さんは、今も元気で、病院での仕事を続けながら、大学でも教え、昨年の12月には、社会福祉原論Ⅱの授業を1コマ、ニューヨークからzoomで行って下さいました。

また、岩間さんとの連絡を契機に、卒業生や大学関係者による「希望ある明日に向かって歩むぞメッセージ」が始まり、岩間さんとのメッセージを含めて、80近いメッセージが市川一宏研究室に掲載されています。児童養護施設、老人福祉や障害者児福祉の現場で働いている卒業生が、利用者の方々の支援を通して、明日への希望を書いています。児童養護施設で子どもの生活を支えながら、コロナから守り、そして子どもたちのために祈るメッセージ。癌センターに入院している高校生が感染予防のためになかなか家族と会えず、また家族も子どものことを思い続けているその現実にあって、日々共に歩んでいる思いを綴ったメッセージ。それらのメッセージを読み、私は、勇気づけられています。

正直に申し上げると、今、何をすべきか、私自身、日々迷いの連続です。確信できることを捕らえようと日々努めています。しかし、コロナ禍における困難な時に大切なことが見えてくる。困難を感じていない時に気がついていなかったが、大切であったことが分かってくる。確かに、コロナウイルスの広がりは、今までの関係を打ち砕き、不安、恐怖、不信、怒りを生み出し、負の連鎖が広がってきています。しかし、だからこそ、絆、「人への思いやり」の大切さが分かる。私は「絆」「人への思いやり」を守り、強めたいと思っています。それが、「何とかして捕らえようと努めている」現実です。

また、私は、コロナを通して、私がキリスト・イエスに捕らえられていることを学んでいます。嵐の中にあって、増水した川に流されそうになる時、流れないように私の手を離さない方がおられる。立ち戻る場を、自分が疲れを癒やし、回復して新たに歩む場を私たちに与えてくださっている。私は、「自分がキリスト・イエスに捕らえられている」ことを実感しています。

私たちは、今を、そしてこれからをどのように生きていくか、コロナに試されているのではないでしょうか。私は、これからも、卒業生や関係者の方々と、「希望ある明日に向かって歩むぞメッセージ」を書き続けていきたいと思っています。

神に感謝。

岩間さんより  新型コロナの患者さんが急激に増え、医療崩壊の起こった一年前のことをいつも思い出します。当時、有効な治療法もなく、ワクチンの開発などなかった中で、毎日黙々と仕事にむかっていた頃、本当に終わりが来るのだろうか、と思い続けていました。明けない夜はないと言いますが、明けない夜もあるのではないなかと心を疑うこともありました。そのような中で、希望ある明日に向かって歩むぞメッセージは、夜が明けなくても、明けない夜の中で灯火を絶やさないようにすることを考えさせてくれたと思います。多分、暗い夜の中でみんなが灯火を絶やさなかったので、今の落ちついた生活がやってきたのでしょう。メッセージを送ったり受け取ったりすることがこんなにパワフルだとは知りませんでした。とてもありがたく、貴重な経験でした。そして、メッセージを送ってくださったルーテルの仲間たちにたくさんの感謝をこめて。

阿部志郎監修・著『福祉に生きる君へ』

3月には卒業して社会に巣立っていく学生を見送り、4月には新入生が入学し、また新たな歩みが始まったという感動を繰り返して、今年で38年目になります。

この間をふりかえって、私は、さまざまな思いがわき上がります。大学を献身的にご支援下さった前理事長の故石原寛先生、現理事長の松沢員子先生をはじめとする、たくさんの方々への感謝、社会福祉、教育、医療、宣教、地域の現場で困難に直面する人と共にいる卒業生への敬意、全国各地、全世界でルーテルのミッションを掲げて働いている方々との信頼が、今までの私の行動の原動力になっていたと実感しています。

定年まであと2年となり、これからの自分の歩みを考えている時に、阿部先生よりお誘いがあり、阿部志郎監修・著『福祉に生きる君へ〜私は何を伝えてきたか』(燦葉出版社) に「専門職である前に一人の人間であれ〜阿部志郎先生との出会いをとおして」という原稿を書かせて頂きました。阿部先生には、自分が歩んでいく道に迷い、横須賀基督教社会館を訪問した大学生の時に始まり、今日に至るまでご指導頂いております。今回の原稿は、自分の原点を考える大切な機会になりました。

そして、今、新型コロナ感染症が拡大し、不安、恐怖、不信、怒りが生まれ、貧困、孤立等の負の連鎖が広がってきています。だからこそ、私は、大切なもの、大切なことを守る決意が必要だと思います。その中に「人への思いやり」を加えたい。そして、コロナウイルスの脅威にさらされている今、すべきことを考え、できることを実践していきたいと思っています。

今後とも、ご指導頂けますよう、お願いいたします。

                           2021年4月 市川一宏

コロナ禍における地域ケアを考える

埼玉県社会福祉協議会が発行する月刊紙S・A・Iに以下の原稿を寄稿しましたので、ご報告いたします。

2020年度の業績一覧

研究業績一覧(ホームページ公開用)

  1. 著書

・2021年3月「専門職である前に、一人の人間であれ〜阿部志郎先生との出会いをとおして〜」p.67〜p.111阿部志郎監修・著『福祉に生きる君へ〜私は何を伝えてきたか』燦葉出版

2.書評 他 

・2020年5月「ボランティコーディネーターの皆さんへ〜皆さんへのエールと今の私たちにできること」『ボランティア情報2020年5月号』p.4〜6全国社会福祉協議会ボランティアセンター

・2020年7月東京都生活文化局「新しい日常における共助」におけるコメント。

https://www.seikatubunka.metro.tokyo.lg.jp/chiiki_tabunka/chiiki_katsudo/kyouyo/0000001479.html

・2020年9月『日本の都市特性評価 Japan Power Cities DATABOOK 2020』森記念財団  

・2020年9月東京都民生委員児童委員連合会『地域福祉の支え手としての民生委員・児童委員』DVD

・2020年10月全社協中央福祉学院社会福祉主事養成講座『特別講義:求められる社会福祉―コロナ禍における共生社会の再生をめざして』録画

・2020年10月「希望ある明日に向かって歩もう」やまばと534号 やまばと学園

・2021年1月全国民生委員児童委員連合会「民生委員・児童委員活動をすすめるために都道府県・指定都市民児協のリーダーに求められる役割」録画 

・2021年2月福祉系大学経営者協議会勉強会「第2部シンポジウム「withコロナ時代の福祉専門職の育成を考える」-Zoom開催-『記録』(HP掲載)

・2021年3月「東社協のこれまでの10年とこれからの取組への期待」『創立70年記念 東社協の歩み この10年 平成23年(2011年)〜令和2年(2020年)』3月8日、p.3

・2021年3月「全国民生委員指導者研修会(第30回全国民生委員大学)総評」

・2021年4月「コロナ禍における地域ケアを考える」『S・A・I2021年4月号』埼玉県社会福祉協議会

・三鷹ネットワーク大学・ルーテル学院大学共催 新型コロナウイルス時代の地域ケアを考えるトークセッション【Zoom講座】~三鷹市・調布市・小金井市の現場から~中間報告

3.講演(研修会講師等)

・長野県地域福祉コーディネーター養成講座、東京都民生委員児童委員初任者研修、全国社会福祉主事養成講座、長野市生活支援コーディネーター養成研修・島根県民生児童委員会長副会長研修・栃木県民生児童委員会長副会長研修等

4.学会活動および地域・社会における主な活動 (学会の役員、査読委員、その他役割など)

<学会等の活動>日本社会福祉学会監事、三鷹ネットワーク大学副理事長

<法人の役員>・東京神学大学評議員・医療法人財団慈生会野村病院監事・東京都つながり創生財団評議員・東京都社会福祉協議会理事・福祉系大学経営者協議会理事

<委員会等>

・三鷹市介護保険事業計画検討市民会議議長『三鷹市高齢者計画・第八期介護保険事業計画』

・小金井市介護保険運営協議会会長『第八期小金井市介護保険・高齢者保健福祉総合事業計画』

・武蔵野市健康福祉総合計画推進会議会長

・調布市高齢者福祉推進協議会顧問『調布市高齢者総合計画(第8期)』

・世田谷区共同募金配分委員会委員長、世田谷区社協評議員専任・解任委員会委員長

・練馬区介護保険運営協議会会長『練馬区保健福祉計画・介護保険事業計画(第8期)』

・東京都社会福祉協議会総合企画委員会委員長、法人理事

・東京都高齢者保健福祉計画策定委員会委員長『第八期東京都高齢者保健福祉計画』

・共助社会を進めるための検討委員会委員長『令和元年度共助社会づくりを進めるための検討会検討結果報告〜2020大会を契機としたボランティア文化の定着に向けた新たな仕組みについて〜』(令和2年3月)、共助社会づくりを進めるための検討会社会貢献表彰専門部会会長

・全国ボランティア市民活動振興センター運営委員長、評議員専任・解任委員会委員長

・ニッセイ財団高齢社会助成審査委員

・寄り添い型相談支援事業等選定・評価委員会委員会委員(厚生労働省)令和3年度選定・評価

・『日本の都市総合力評価(JPCI)有識者委員会(Expert Committee)』 委員<社会福祉担当>(森記念財団)

武蔵野市健康福祉総合計画・地域共生社会推進会議

3月29日午後6時30分より、武蔵野市役所において、同会議が開催され、①武蔵野市高齢者福祉計画・第8期介護保険事業計画について、②武蔵野市障害者計画・第6期障害福祉計画について、③第3期健康福祉総合計画の進捗状況(各課報告)について審議されました。武蔵野市行政説明を聞き、伝統の底力を見る思いがしました。 

東京都で関わっている計画・事業関係情報

高齢者保健福祉計画(令和3年〜5年)が公表されました。

https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/kourei/shisaku/koureisyakeikaku/08keikaku0305/08keikaku-pdf.html

また、生活文化局より、以下の事業が進められています。

2021年度入学式が挙行されました。

 2021年4月1日、大学の新入生は2回に分けて、そして大学院は午後3時から、入学式が行われました。出席者は、入学する人のみに限定し、保護者等の方は映像で参加する形態をとりました。新たに集う学生一人ひとりの名前を呼び、その場で立って返事をする姿を見て、私たち教職員も、一人ひとりを育てていこうと確認しました。

強い風や雨にもかかわらず、散らずに、一緒に新入生を迎えてくれた桜の木(トリニティホールより)

ルーテル学院大学で育ってきた木々

 ルーテル学院の校庭には、いたる所に力強く育った木があります。私が就職した1983年には低かった木も、今のように、育ちました。木々たちは、学生時代の一人ひとりの生活を見守っていたと思います。その意味で、私の同僚です。