2014年07月の投稿

各地の牧師 part2.

7月中旬、下関の地域福祉推進大会の講演を依頼され、下関に行く機会を与えられました。講演の前、私が宿泊していた割烹旅館に日本福音ルーテル下関教会の竹田大地牧師と絵美夫人をお招きし、朝食をご一緒することができました。下関という地に馴染もうとしておられるお二人のお働きをせめても応援したいと思い、一緒に食卓を囲みました。教会員の方々とともに、そして地域とともに歩んでほしい。神様のみ恵みが豊かに注がれますことを、祈っています。

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下関の春帆楼での朝食
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朝食の場の窓から見えた船
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一緒に訪問した地域の居場所

関門海峡を通る船(ホテルより)

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2014年下関市地域福祉推進大会

2014年7月29日(水曜日)に、下関市地域福祉推進大会で講演をさせて頂きました。下関市は、坂道の多い地域ですが、その分、地域の助け合い活動が活発な市だと思いました。

前日、豊城東自治会を訪問しました。長府駅がからタクシーで約15分ほど丘に向かって走りますと、自治会館がありました。自治会の戸数は130戸、人員320名で、2011年段階で、高齢化率は36.7%に達していました。自治会は、3年前にサポート隊を発足させ、「高齢者。お一人様、不自由な方を対象に、話し相手、電球などの取り替え、水回りの簡単な修理、庭掃除、庭木の伐採、買い物、簡易な家具の移動」をサポートするようになりました。高齢者自身も、担い手として参加し、地域の支え合いのメンバーになり、「一生現役いきいき活動」「安全・安心で温かい町づくり」「一人ひとりが健康づくり」の町づくりを目指して活動しておられました。
2013年より、自治会組織の中心に福祉推進の企画、新しい活動計画の策定等を行う福祉推進委員会を位置づけ、また自治会役員会の下に、サポート隊、ふれあい・いきいきサロン、リフレッシュ豊城東(自主活動グループ)を置き、支え合いを強化していました。日頃の町内行事が活発であったこと、自主活動が盛んであったこと、知識・技術・技量の持ち主が多い等の強みを積極的に活用した取り組みでしたが、このような活動が下関市の地域福祉の基盤をつくっていると思いました。
豊城東自治会館

また、当日の午前中に、日本福祉ルーテル下関教会牧師竹田大地牧師ご夫妻と、合同会社「有歩道」を訪問しました。有歩道は、居宅介護支援事業所、デイサービスセンター道、お年寄りの住まい道がある下関市本町の本店、デイサービスセンターさんぽ道、お年寄りの住まい道の家がある唐戸店、通い所歩き道、住まい所道の家、集い所より道、旬肴旨酒処一颯のある赤間町の商店街という3カ所の地域拠点を運営しています。まちづくりの視点、運営の柔軟性、地域への広がり等、多くを学ぶことができました。
下関市NPO1
下関市NPO3
下関市NPO2

下関NPO1 下関NPO2 下関NPO3

午後2時より、「これからの地域福祉と住民参加によるまちづくり」というテーマで話させて頂きました。そして、下関市の伝統と文化、地域の根底を築く絆を大切にする自治会活動、さまざまな地域福祉活動を学び、下関市の成熟した福祉文化と明日の社会を切り開こうとする熱き思いを確信することができました。是非、日本全国に発信して頂きたく思っています。

下関市大会 下関市大会2 下関市大会3

日本学術会議『大学教育の分野別質保証のための教育課程編成上の参照基準(社会福祉学分野)

大学教育の質の保証

参照基準

日本学術会議社会学委員会は、大学における社会福祉分野の質保証について報告をまとめ、公開しました。今回の21日に大正大学で開催された以下のシンポジウムは、改めてその意味を確認するものでした。
私は、指定討論者として、以下のことを申し上げました。 「学術会議連携会員として、また日本社会福祉士養成校協会前会長白澤先生を長とし、現副会長上野谷先生、前副会長で現相談役である3名を作成委員としている今回の報告書に対し、責任をとる立場であり、その意味で意見を申し上げたい。
1.今回の報告は、各大学の多様性を尊重し、今後のカリキュラムの選択肢を提示した意味で、現実にあったものである。
2.市民性の涵養をめぐる専門職教育と教養教育についての記述は、福祉教育の根幹である。すべての学生に対する福祉学教育は、意義がある。但し、自分の将来に向けて、ソーシャルワーカーとしてのアイデンティティを養う教育も重要視する必要がある。
3.国際NGO論やNPO論、まちづくり論等の幅広い学問を取り入れたカリキュラムの可能性を模索している。
4.価値を踏まえて役割を実行する福祉マインドを示した。そして。獲得すべき基本的能力を、①個人の尊厳を重視し支援する能力、②生活問題を発見し、社会化・普遍化する能力、③社会資源を調整・開発する能力、④社会福祉の運営に貢献する能力、⑤権利を擁護する能力、⑥個人の力を高め社会を開発する能力と示した。
5.社会福祉専門職間のネットワークに留まらず、保健学、医学、看護学、教育学、介護福祉学等の隣接科学との連携教育を推進し、他領域の従事者とのネットワークを模索し、幅広い知識をもったソーシャルワーカーの養成を目指した点で、現場に通用する人材の育成に寄与する。
6.諸外国の専門職教育との連携を主張している。」
未来を切り開く社会福祉専門職教育の存在意義を、広く示し、幅広い理解を得るためのさまざまな行動が行われている。社会で本当に大切な役割を担うソーシャルワーカーの教育の意味を知って頂くさまざまなチャレンジをしていきたい。

平成24年度なんじゃもんじゃの会

何回目の会だったでしょうか。2001年、ルーテル学院大学で開催されたなんじゃもんじゃの会の案内には、以下のように書かれていました。

「ご案内
なんじゃもんじゃの会は、社会福祉に携わる者が、日頃直面する課題や取り組み方策等の情報交換と親睦を兼ねて、自主的に集まる場を言います。今回は、特に行政では部長、社協では局長になられる前の方々が、自由に、肩書を外して話し合う場を考えております。
皆様方にご参加いただければ幸いに存じます。
日:2001年9月22日(土曜日)
時:13時〜17時
場所:ルーテル学院大学 三鷹市大沢3ー10ー20
なお当日は、土曜日のため電話連絡がつきにくいので、担当の方の携帯にご連絡なさるか、市川の携帯にご連絡ください。
プログラム
13:00〜13:10 オリエンテーション
13:10〜15:00 報告
1.介護保険の現状と課題(渋谷区高齢者福祉課長千葉博康氏)
2.高齢者福祉の現状と課題(三鷹市介護保険課玉木博氏)
3.小地域福祉活動の現状と課題(世田谷区社協古閑学氏)
4.子育て支援施策の現状と課題(三鷹市吉岡雄司氏)
5.障害者福祉の現状と課題(武蔵野市江幡五郎氏)
15:15〜16:30 分科会
上記テーマで小グループの情報交換を行います。
16:35〜17:00 討議報告
17:45〜19:45 懇親会   」

そもそも、なんじゃもんじゃとは、「見慣れない立派な植物、怪木や珍木に対して地元の人々が付けた愛称」と言われています。型にはまらず、自由に、なんらの拘束もなく、率直に、日頃の悩みを気軽に話し合い、互いの働きを語り合い、意見を聞き合う場を設けようと、私が関わりのあった自治体の責任者の方々と話し合って、なんじゃもんじゃの会をつくりました。なんじゃもんじゃの会は、互いの情報ネットワークをつくる場でもありました。

現在のなんじゃもんじゃの会の構成メンバーは、区部で千代田区、世田谷区、練馬区、市部で小金井市、西東京市、調布市、三鷹市、武蔵野市の行政、社会福祉協議会です。私は、長いところで30数年前より、短いところでも約10年前より、さまざまな形で関わらせていただいています。私にとって、参加者は、社会福祉施策や活動を一緒に考え、作り上げてきた方々です。当初の責任者は世代が代わりましたが、今でもお付き合いのある方々は少なくありません。

ただ、土曜日であるにもかかわらず、参加者は100人を超え、事務局を引き受けてくださる自治体や社協の負担が重いことが、毎回の悩みです。

今回も、三鷹市が事務局になり、7区市の他、ルーテル学院大学社会福祉担当教員、地域医療機能推進機構、厚生労働省、全国社会福祉協議会、神奈川県、東京都、東京都社会福祉協議会の方々も参加しておられました。

2014年度のプログラムは、以下の通りです。
なんじゃもんじゃの会 次第 (平成26年度 三鷹市)
日時:平成26年7月12日(土)
13:30~17:30
会場:ルーテル学院大学トリニティホール(三鷹市大沢3-10-20)
(開場・受付開始 13:00~)
1 開  会
13:30~13:40
(1)開催市挨拶   (三鷹市副市長 津端 修氏)
(2)会長挨拶 (ルーテル学院大学学事顧問・教授 市川一宏氏)
(3)資料確認
2 議  事
テーマ「地域包括ケアをめぐる取り組み」
(1)基調講演
講 演<1> 13:40~14:20(質疑含む)
『介護保険改革と地域包括ケア』
講師 遠藤 征也 氏(厚生省老健局振興課総括課長補佐)
講 演<2>14:20~15:10(質疑含む)
『地域包括ケアをめぐる取り組み』(近年の諸関連改革をふまえ)
講師 和田 敏明 氏(ルーテル学院大学大学院社会福祉学専攻主任)
(休  憩 15:10~15:25)
講 演<3>15:25~15:50(質疑含む)
『東京都における地域包括ケア』
講師 東京都福祉保健局高齢社会対策部介護保険課長 榊 美智子 氏
(2)グループディスカッション      15:50~16:50
(3)話し合いの共有           16:50~17:15
(4)総括(各区市の責任者)       17:15~17:30
3 閉 会    17:30
☆懇親会☆    18:30

私は、今、地域福祉には、以下のような課題があると考えております。

1.地域における孤独死、孤立、虐待、行方不明、貧困による子どもの学習の機会の喪失、子育て中の親、介護している家族の混迷等々、地域でたくさんの問題が顕在化している。そして、それに対応してきた町会、民生委員・児童委員等も様々な課題に直面している。

2.2015年に実施される生活困窮者自立支援法に基づく支援、社会的養護に関する改革で示される児童虐待予防と子育て支援、高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画に示される地域包括ケアは、どのような地域をつくるのかという共通の取り組みを必要としている。特に人口に占める高齢者の割合が急激に増加し、認知症、一人暮らし、老々介護、認知症の高齢者が認知症の家族を介護するという状態が増加する2025年をにらんで、今から取り組んでいかなければならないことは多い。

3.社会福祉法人も、どのように地域貢献に取り組むか、緊急の課題としています。関係者が、今、同じスタートラインに立ち、取り組もうとしている。

4.今までの行政施策によって築かれた圏域、施策の拠点が錯綜し、システムの再編が必要とされている。

5.福祉領域間、医療と介護・福祉、教育や就労、防災、まちづくり等他領域との協働が実際には難しい。

これらの課題への取り組みは、「どのような地域をつくるのか」「住民、ボランティア、民生委員・児童委員、社会福祉法人、民間事業者、行政、社会福祉協議会がどのように協働していくか」という目標において共通していると思います。

ちなみに、行政の審議会に出て、差を感じることがあります。住民が要望のみを言う地区と、問題を指摘しつつも、自らの役割を提案する地区とがありますが、私は、後者に期待しています。また、行政も、以前の計画策定は、当時者、家族、住民、事業者等から十分なヒアリングをしないまま、内容を固めていく「アリバイづくり」計画でしたが、今は、問題を共有化し、目標と役割を合意し、協働で取り組むシステムが定着してきました。簡単に解決できる問題は少ないのであって、たえず確認し合って計画を実現していくことが大切と思っています。

今回も、参加者は、多くの収穫をもって帰られました。そのことが、種になって、各自治体で実を結ぶことができることを切に祈っています。
ルーテル学院大学                        学事顧問・教授 市川一宏

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なんじゃもんじゃの会

ディスカッションの分かち合い

日本ケアシステム協会2014年セミナー

日本ケアシステム2014

20数年前から、「まごころサービス」日本ケアシステム協会と関わりを持たせて頂いた。1990年に出版された黒田輝政・兼間道子編『在宅ケアの展開』(ミネルヴァ書房) では、山下隆資・黒田輝政・鎌倉伊都夫・須加美明・袖井孝子・藤武・吉沢勲・西山和子・高橋英与・早原敏之・細川勝久・竹森康彦・稲川利光・兼間道子・川上美佐子・堀口大作・近藤圭子・仲丸美知子とともに私も執筆させて頂いている。それから現在に至るまで、非営利民間社会福祉の様々な試練を本協会は乗り越えてきた。私は、その証人でもある。

ねりまパワーアップカレッジ6期生卒業式(2014年度)

なりまパワーアップカレッジが、本年で、第6期になる卒業生を送ることができたことは、本当にうれしいことです。私は、準備段階より関わらせて頂き、たくさんの貴重な体験をしてきました。特に、卒業生の活動が地域に根付き、広がってきたことを実感し、感慨にたえません。それぞれの力強い活動は、もう私には制御不能。このような学びの機会をつくり、強く推進して下さった故志村豊志郎前練馬区長に心より感謝し、つつしんで、哀悼の意を表したいと思います。

学長としての祝辞

第6期生の皆さん、卒業おめでとうございます。この2年間のそれぞれの努力に敬意を表し、「ふるさと」というテーマのお話をさせて頂きます。

「ふるさと」の歌は、卒業していった方々がオカリナやハーモニカ、6期生で結成された「ソーレ」で演奏なさった曲でもあります。では、皆さんにふるさとはありますか。かつて住んでいた所ですか?自分の幼い時に、青春時代に住んでいたところでしょうか。

本年の5月26日、陸前高田市に行きました。宿泊したホテルはキャピタル1000。ホテルの名前に数字の1,000が付いていますので、ご存知かもしれませんが、千昌夫が生まれた町でもあります。千昌夫の『北国の春』では、「季節が都会ではわからないだろうと 届いたおふくろの小さな包み あの故郷(ふるさと)へ帰ろうかな 帰ろうかな」と歌われ、母親の姿が故郷への思いを強くさせます。

しかし、私が行きました時には、陸山高田市の歌に歌われた自然はまったく見られませんでした。7万本あった高田松原の木々は流され、唯一、一本残った奇跡の一本松が保存されて植えられていました。そして復興のため、近くの丘から土が運ばれ、地面を高くして町を再建する工事がなされていました。

目に見えるふるさとの姿は、多くを失いましたが、私がある若者に「これからのどのような陸前高田をつくっていきたいですか」と聞いた時に、帰って来た返事は、「昔のような豊かな自然と、被災した時に皆で助け合った強い絆のある町です」というものでした。

私は、思っています。私たちは、今、様々な困難を生み出している、それぞれが住んでいる地域を「ふるさと」にできないかと。ねりまパワーアップカレッジで養ったそれぞれの力を合わせて、新たな「ふるさと」を作り上げていく。その思いを支援する「ふるさと」として、ねりまパワーアップカレッジはたえずあり続けていくと思っています。

卒業おめでとうございます。

学長へ送付用1

日本キリスト教社会福祉学会・21世紀キリスト教社会福祉実践会議合同仙台大会

2014年6月

日本キリスト教社会福祉学会第55回大会・21世紀キリスト教社会福祉実践会議第9回大会 合同開催のご案内

21世紀キリスト教社会福祉実践会議 代表 幸田和生・日本キリスト教社会福祉学会 会長 市川一宏

日本キリスト教社会福祉学会と21世紀キリスト教社会福祉実践会議が、下記のとおり合同開催することとなりました。

東日本大震災から3年、震災で生じた複合的な問題は決して解決しておらず、本当の問題はこれからさらに顕在化すると思われます。被災された方たちの心の傷が癒えることは容易ではありません。しかし苦しみや傷を抱えながらも、日々を暮らし、一歩ずつ踏み出し始めている方たちの姿から学びたいと思います。また「震災について共に考える」とはどういうことなのか、被災された方々の苦しみの背景にはどのような日本社会の問題があるのかも、問い直したいと考えています。

◆日本キリスト教社会福祉学会第55回大会
「今日におけるキリスト教社会福祉の役割-希望の光が見える新たな社会づくり(3)-」

日時 2014年6月20日(金)10:00~20:00

会場 宮城学院女子大学
〒981-8557 宮城県仙台市青葉区桜ヶ丘9-1-1
TEL 022-279-1311(代表)

主催 日本キリスト教社会福祉学会

プログラム詳細
9:00~ 大会受付
総合司会:田中治和氏(東北福祉大学)
10:00~ 開会礼拝
司式・奨励 新免 貢牧師(宮城学院女子大学チャプレン)
10:40~ 開会挨拶
学会会長 市川一宏氏

55回キリスト教福祉学会
松永俊文先生撮影
10:50~ 基調講演
テーマ「震災を生きる―人として医師として―」
石木幹人氏(岩手県立高田病院 前院長)
12:00~ 記念撮影(場所:講堂前)
12:15~ 昼食
13:00~ シンポジウム(会場:講堂)
テーマ
「被災地支援とキリスト教社会福祉」
シンポジスト
佐藤恵子氏(仙台いのちの電話 研修担当)
佐藤彰氏(福島第一聖書バプテスト教会 牧師)
深堀崇氏(カリタス大船渡ベース 事務局長)
コーディネーター
都築光一氏(東北福祉大学)
15:00~ コーヒーブレイク
15:30~ 研究発表・実践報告分科会
(1)歴史・思想
(2)高齢者・児童
(3)障がい者・マイノリティ
(4)実践報告(被災地支援等を含む)
17:15~ 総会
18:15~ 懇親会(会場:学生食堂ピエリス)

◆21世紀キリスト教社会福祉実践会議第9回大会
「震災によってあらわになった人間の苦悩に向き合う」

日時 2014年6月21日(土)10:00~16:00

会場 カトリック元寺小路教会
〒981-8557 宮城県仙台市青葉区本町1-2-12
TEL 022-222-5507

参加費 大会参加費:2,000円(学生 1,000円)

主催 21世紀キリスト教社会福祉実践会議

プログラム詳細
10:00~10:40 開会礼拝
カトリック仙台教区長・司教・平賀徹夫氏
10:40~11:00 開会挨拶
本会議代表・東京教区補佐司教・幸田和生氏
11:00~12:00 基調講演
同元代表・日本キリスト教社会福祉学会名誉会長・阿部志郎氏
13:00~15:00 パネルディスカッション
~震災によってあらわになった人間の苦悩に向き合う~
パネリスト
川谷保育園 園長 柴田彰氏
児童養護施設 青葉学園 園長 神戸信行氏
社会福祉法人カナンの園 法人事務局長 佐藤真名氏
コーディネーター
立教大学名誉教授・関正勝氏
15:00~15:40 分かち合い
カリタスジャパン秘書・宮永耕氏
15:40~16:00 閉会礼拝
救世軍医療部長・吉田眞氏

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日本キリスト教社会福祉学会第55回大会
21世紀キリスト教社会福祉実践会議第9回大会
合同開催趣意書

2011年3月11日の東日本大震災から3年を迎え、東日本大震災について日本全体では関心が薄れつつあることが危惧される今、以下のような現実を忘れてはいけないと私たちは思っています。震災の直後には多くのボランティアが駆け付け、貴重な働きをしましたが、その後撤退もみられています。しかし、東日本大震災で生じた複合的な問題は決して解決しておらず、復興住宅に入れる人と入れない人の存在、中折れ現象、隠していた心の傷の現れ、要介護・要支援高齢者の増加、虐待問題の顕在化、将来を見通せない失望感など、本当の問題はこれからさらに顕在化すると思われます。

そこで、日本キリスト教社会福祉学会が主催する1日目(6月20日<金曜日>)は、被災された方々の心の痛みに耳を傾ける相談活動や、被災地の方々による自主的・主体的なつながりづくり、そして被災した教会の再建などの働きを知ることを通して、被災地におけるキリスト教社会福祉実践の労苦の現実を学び、そこでのソーシャルワークはどうあるべきか考えます。登壇者の中には、ご自身も被災され、被災者としての苦悩を抱えつつ、支援活動に従事された方もいらっしゃいます。本大会では、「被災者から学ぶ」という視点を大切にし、「被災者と支援者」という関係についても考えていきたいと思っています。

一方、21世紀キリスト教社会福祉実践会議では、今まで、福祉系学会・団体から、まちづくりや日常のケア、保健医療福祉等の連携についての提言がおこなわれていますが、人生を歩むうえで何かを失った人の絶望や孤独感、怒りなどに向かい合う実践も大切にしてきました。実践会議が主催する2日目(6月21日<土曜日>)には、キリスト教社会福祉のなかでも「キリスト教」の視点から、被災された方々の痛みや悩み、祈り、想いの理解に焦点を当て、それを起点とし、共に歩んでいくことを目指したいと思っています。

今回、学会と実践会議を仙台の地で連続・連携して開催できることは、キリスト教信仰を土台にした研究と実践が被災地で地道に行われてきたことの証しでもあり、とても意義深いことと考えています。

被災された方たちの心の傷が癒えることは容易ではありません。しかし苦しみや傷を抱えながらも、日々を暮らし、一歩ずつ踏み出し始めている方たちの姿から学びたいと思います。また「震災について共に考える」とはどういうことなのか、被災された方々の苦しみの背景にはどのような日本社会の問題があるのかも、問い直したいと考えています。

2013年12月24日

21世紀キリスト教社会福祉実践会議大会実行委員会
日本キリスト教社会福祉学会大会実行委員会

たくさんの方々のご支援とお働き、そして祈りによって、大会が盛況の中で終わることができましたこと、心より感謝します。今、新たな歩みが始められたと、確信しております。

カトリック新聞

カトリック新聞より

2014年度長野市社協地域福祉セミナー

私と長野市社会福祉協議会との関係は、20年近くになりましす。私の長野市社協への思い入れは、決して小さくありません。

感謝しています。

長野市社協広報

長野市社協地域福祉