2019年06月の投稿

長野県地域福祉コーディネーター養成講座

歴史と実績のある長野県地域福祉コーディネーターの養成①地域福祉コーディネーターは、次のような役割を担う専門スタッフと位置づけています。・地域の住民ニーズの中で、専門的な対応が必要なケースへの対応・ニーズの発掘とその解決のためのコーディネート・制度によるサービスと住民活動をつなぐための実践的支援・住民が参加する地域福祉計画(地域福祉活動計画)の策定支援

②上記の役割を果たすため、地域福祉コーディネーターは、次のような活動を行います。・総合的な相談・生活支援・地域の福祉課題の把握と、課題解決のための活動の開発、支援・制度によるサービスと制度外のサービスをつなげる支援・多様な主体が協働するための地域のネットワークづくり(地域福祉コーディネーター養成研修実施要領から)

長野県社協では、地域の福祉・生活課題の深刻化と、それに対する福祉施策の変化も見据えながら、①現行の仕組みでは対応しきれない、多様な福祉・生活課題への対応、②地域住民のつながりを再構築し、支え合う体制の実現、③住民と行政の協働による新しい福祉の実現を目指す人材養成のため、市町村社協の他、行政、地域包括支援センター等の職員を対象に2010(平成22)年度から公益財団法人長野県市町村振興協会の補助を受け、「地域福祉コーディネーター養成事業」に取り組み、6年間で約1,000人が受講、100人近い受講者が全カリキュラムを修了しました。『長野県社協地域福祉研究会報告書(平成28年2月)』

もう10年近くになりますが、長野県社協の方と相談し、方針、研修内容、講演者、研修者を確定させてことを懐かしく思いだします。そして、たくさんの地域福祉コーディネーター、もしくは同じ役割を担っている方々を養成し、地域社会に送り戻したと実感しています。これは、長野県の地域福祉の強さを築いています。

長野県地域福祉推進セミナー開催要項※地域福祉Co研修と合同開催

ともに生きる ともに創る 地域共生・信州を目指して地域福祉コーディネーターの役割を考える

1 趣 旨

 長野県では、「ともに生きる ともに創る 地域共生・信州」を目標とした長野県地域福祉支援計画を策定し、多様な住民がごちゃまぜで暮らし、その人らしい居場所と出番がある長野県の創造を目指し、今年度より4カ年の計画が展開されます。

 本計画では、制度・分野ごとの縦割りや「支え手」「受け手」の関係を超えて、地域の誰もが地域の担い手として役割をもって地域とつながる「地域共生社会の実現」を目指し、介護・障がい、子ども・若者等の分野を超えて、他分野と連携した地域づくりを推進するために地域づくりを推進するための地域福祉のコーディネートを担う人材(地域福祉コーディネーター)の重要性にも触れています。

本セミナーでは、多様な分野の施策に基づいて住民主体の地域づくりを担うコーディネーターの配置が進む中、長野県の目指す地域共生社会の理念と地域福祉コーディネーターの役割について共通理解を図ることを目的として開催します。

2 主 催  社会福祉法人長野県社会福祉協議会

3 日 時  令和元年(2019年)6月17日(月)12:30~16:00

4 会 場  松本市勤労者福祉センター 大会議室

(松本市中央4丁目7-26、℡0263-35-6286)

5 対 象  県市町村行政職員(地域福祉計画・地域福祉・高齢・障がい・児童担当部局)、社会

福祉協議会職員、社会福祉法人・福祉施設・福祉団体職員、地域包括支援センター

職員、障がい者総合支援センター職員 他

6 参加費  無料

7 日 程(内容については変更する場合があります。)


1□開会

■基調説明「長野県地域福祉支援計画の概要と地域福祉コーディネーターについて」  説明:長野県健康福祉部地域福祉課

■講義「地域福祉を取り巻く制度変遷と地域福祉コーディネーターの役割と機能」  講師:ルーテル学院大学学長 市川一宏 氏

□休憩・会場転換

■実践報告「市町村における地域福祉コーディネーターの実践と現状」 報告者:黒岩秀美氏(長野市中条地区住民自治協議会)矢澤秀樹氏(伊那市社会福祉協議会)コーディネーター:市川一宏 氏(再掲)

□閉会

8 その他  本セミナーは「地域福祉コーディネーター総合研修 講座①」と同時開催します。

私は、当初から関わらせて頂き、学ばせて頂きました。心より感謝しております。


長野市地域福祉ワーカー研修会

長野市社会福祉協議会に、私は育てて頂いた。長野市社協の経営基盤強化の委員長として、10年を越えて、一緒に地域課題を把握し、休日にも長野市に来て、社協のあり方を考えました。そして、添付のような目標を確認しました。

 また、地区社協のあり方を巡って、何度も研修会を開きました。地区社協は、長野市社協の歴史でもありました。しかし、長野市が新たな地域組織をつくり、その実績を継承できなかった地区もあり、新たな課題が生じています。

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2019年5月、研修のご依頼があり、お引き受けしました。あらためて長野市社協の特徴を以下のように考えています。①市民のニーズ把握に力を注いだ地域福祉活動計画:地区懇談会、地域福祉推進ネットワーク会議、女性団体ヒアリング、地域福祉サービスコーディネーターヒアリング、ワーキングループヒアリング、市民アンケート調査、委員、社会福祉協議会役員・職員アンケートを通して、課題を2,300件に集約。②たえず、多くの方々よ合意し、そして12の切り口に整理し、共通目標を設定=❶学び、❷参加、❸交わる、❹つどう、❺見つける、❻防ぐ、❼支え合い、❽伝える、❾相談、❿ネットワーク、⑪まちづくり、⑫自治・治めるという切り口を生み出し、「誰もがみんな、自分らしく生きるために支え合いの地域づくり」という共通目標を掲げた。③目標に向けて努力してきことは、小地域福祉活動であり、地区社協を軸とした戦略であった。これは、合併をして大きくなった市において、地域福祉の推進を目指した社協、住民の挑戦であった。④行政との確執から協働へ。⑤生活困窮者支援、地域福祉権利擁護事業(日常生活支援事業)等の孤立や生活困窮への対応では実績がある。

今回は、地域福祉ワーカーへの研修です。地域福祉ワーカーのことを、支社協の土屋さんに教えて頂きました。

①地域福祉ワーカー設置の背景○「第一次長野市地域福祉計画」(H17年6月策定)において、30の地区(当時)を地域福祉推進の中核的単位として位置づけました。○そして、地区社会福祉協議会を推進基礎組織とし、地区の実情に合った活動を展開するために「地区福祉活動計画」を策定していくことになりました。○当時地区社会福祉協議会は役員中心の組織体であったため、地域に密着して支え合い活動等が展開できるよう、地区の課題・ニーズをさまざまなサービスや活動につなぐとともに活動の開発、地域の力の引き出し役となる人として地域福祉ワーカーを配置していくことになりました。②地域福祉ワーカーの所属 ○当初は、地区社会福祉協議会に所属。住民自治協議会設立後は、住民自治協議会に 所属。③地域福祉ワーカーの役割:主に地域活動への支援を担います。 地域福祉活動を推進するため、地区地域福祉活動計画に基づき、地区の団体等と連携して、以下の業務を行います。○地域の支え合い活動の創出、担い手の養成及び活動の紹介。○地域福祉に関する広報活動、○地域住民の福祉ボランティア学習の企画実施、○活動の提供主体間の連携体制づくり(新)○地域たすけあい事業コーディネーターの補助(新)

都市分権政策センター「地域社会を運営するための人材確保と人づくりのあり方に関する研究会」

2019年6月12日、全国市長会から選出された市長の方々を前に、講演をさせて頂きました。テーマは、「自治体とコミュニティの関係性を踏まえた人材確保のあり方」について、全国動向と施策の展開、具体的な実践を通して、地域福祉専門職の必要性について、述べさせて頂きました。特に地域福祉コーディネーターや生活支援コーディネーターについて、自説を述べさせて頂きました。

生活支援・地域福祉コーディネーターの関わり

①生活支援コーディネーター 地域包括支援センターを軸に A.高齢期の医療・介護・予防・住まい・生活支援を行う、B.介護予防を一体的に提供、日常生活圏域(具体的には中学校区)を単位として想定している、C.地域支援を軸、D.生活支援体制整備事業は地域包括ケアシステムの構築を専門職にまかせたりにするのではなく、住民が地域包括ケアシステムの担い手として関わるきっかけをつくる取り組みともいえる。


②地域福祉コーディネーター 地域共生社会、生活困窮者自立支援を軸に、A.子ども等への支援や、複合課題にも拡げたもの、全世代対象、地域生活課題に対応する総合支援の拠点としてふさわしい拠点を圏域ごとに設置、B.個別支援を軸に、C.生活困窮者支援における重要な役割を担っている。

③考察 A.地域包括ケアシステム、地域共生社会に関わる「我がごと、丸ごと」に関しては、人口規模や高齢化率、世帯状況、財政等に言及しておらず、国の一律的関与に限界がある。各市区町村で対応が異なる。その意味では、格差が生まれている、B.地域の資源を動員した総合的なケア=地域包括ケア、地域共生社会づくりが必要。すなわち、福祉のまちづくりと共通、C.方針と体制を明確化したうえで、独自の戦略を立てる必要がある、D.その際、行政、社協、社会福祉法人、事業者、NPO,ボランティアとの関係や理解がこれまで以上に重要になるり、カギになる。E.圏域の検討が必要。

そして、以下の意見を述べさせて頂きました。1.介護人材の養成・確保:全国の問題です。いくつもの自治体の高齢者保健福祉計画の策定において、随分検討しましたが、解決したとは思っていません。市区長村に関しては、事業者と、働き方、労働環境とともに、仕事を辞める要因への対応が大切と思います。2.関係人材が活動しやすいように、人材の権限、役割を政策的に明確にすること。またインフォーマルケアに対する支援を怠ると地域は疲弊していきます。3.圏域の明確化による効率的協働の可能性を模索して下さい、4.行政内部における各担当課の協働ができるか、問われていると思います。武蔵野市健康福祉総合計画推進会議等の取り組みは大切です、 5.社会資源としての人材の開発をご検討下さい。キイパーソンについてご検討下さい、また、認知症サポーター等、養成したものの、活動支援が不十分な人材はたくさんいるのでは?旭川市のステップアップ研修で学びました、6.当事者の参加の可能性を模索して頂けませんか。また。生活困窮者である方も、働く場、活動する場は?

委員の方々の中で、議会との調整がつき、熱心な市長の方々が出席され、貴重な発言を頂きました。感謝しています。


6月の大学の花

ルーテル学院大学には、年間を通して、花が咲いています。学生一人ひとりが、自然の恵みを受け、自分の思いを確認し、それぞれの可能性を見出していく、このような場所が、ルーテル学院大学だと確信しています。そして、この花は、三鷹市の花壇ボランティアが植えて、育てて下さいました。心より感謝しています。