2020年06月の投稿

希望ある明日に向かって歩むぞメッセージ

 ご無沙汰しています!1991年3月卒の吉村誠司です。95年1月の阪神淡路大震災より神戸に救援活動に入り、そのままNGOとして12年被災地で活動を続けました。その後、神戸から長野県北部へ拠点を移動し、その後も国内外での災害への支援活動で動き続けていました。

 忘れられない2011年3月11日発生の東日本大震災でも救助に入り、拠点を構えた宮城県石巻市にて、市川先生との奇跡的な再会を経て、現地に一般社団法人OPEN JAPANを設立し、今も理事として終わらない災害支援活動、特に昨年の台風19号千曲川決壊被災地支援活動を継続しています。(写真のオレンジジャケットが私です)http://openjapan.net/shien/201910taifuu10gou

 今回のコロナ禍災害をきっかけに、人間の生き方、亡くなり方も問われている中、医療体制や防護体制も不備な発展途上国での支援も今、求められています・・・仲間はアフリカでの支援を開始。

 また、お会いしてお話出来れば幸いです。ルーテル時代の仲間達とも時々、活動を共にしています。様々な出会いに感謝しつつ・・・(つづく)

ルーテル学院大学 チャペルアワーメッセージ 「私たちのよりどころ」    聖書:詩編23編

  4月2日午前8時、同期を介して、ニューヨークの病院で看護師として働いている卒業生の岩◎さんよりラインが届きました。私の卒業式のメッセージや卒業生への呼び掛け文を読んで、涙したこと、心が癒やされたこと、そして新型コロナの感染が爆発的に広がっているニューヨークにおける医療現場の厳しさが書かれていました。

 私は、早速、今でも繋がっている卒業生に対して、以下のメール・ラインを送りました。  <岩◎さんへの応援メッセージの依頼>「こんにちは。さて、1992年度卒業の岩◎さんから、ラインが届きました。励ましのメッセージを送ろうと思います。

 「私は今、マンハッタンのMount Sinai Hospital と言う大きなhealthcare system の中の一つのHospital のCOVID ICUで働いています。3日前ですでにMountSinai System の全部の病院での死者が187人に上り、今日の時点では死者の数がもっと増えていると思います。霊安室も一杯でご遺体を置く場所もありません。ICUベッドもICUナースも足りないし、人工呼吸器も足りません。私の働くICUでは<省略>まさに、戦場下です。数週間前までは普通に生活をしていたのに、人間の生活ってこんなにまで急に変わってしまうのですね。自分の身を守るためのマスクやガウン、フェイスシールドなども不足して、自分の身も守れません。こんなに時ですが、いつも私が神様に願っていたこと「神様のために私を用いて下さい」と言うことが、もしかしたらこれなのかも知れません。・・・・・。」 励ましの気持ちを伝えたい卒業生は、私個人に100字以内のメッセージを送って下さい。今週末には、まとめて送りたいと思います。」  そのメール・ラインを受けて、私にたくさんの卒業生、教職員からの励ましのメール・ラインが届きました。4日の午後、まず第一陣として、それらをまとめて岩◎さんに送りました。私たちの思いを込めて。

  早速5日に、岩◎さんからメールが届きました。「ルーテルの皆さんからのメッセージを一つひとつ大切に読ませて頂きました。涙が止まりません。皆さん、本当にありがとうございました。そして、多くの方の祈りに支えられて私の毎日があるのだと思いました。皆さんの祈りを大切にこれからも頑張っていきます。どうぞ、これからも私たちのために祈ってください。」

 これらの応答から始まり、今は、卒業生、ルーテル学院の教員、関係者と一緒に「希望ある明日に向かって歩むぞメーセージ」を集め、『市川一宏研究室』に掲載しています。  

 新型コロナウイルスの世界的な拡散と混乱は、経験していない未知の世界です。将来がまったく見通せない。家での学生へ遠隔授業を行い、送られてくる一人ひとりのコメントを読んだり、メールで応えたり、ZOOMでゼミを行ったりという、今までとまったく異なる生活を強いられています。数年後に迎える定年のようです。

 他方、私には、貧困、失業で住まいを失い、生活に行き詰まっている多くの方々の悲鳴が届きます。また、地域では、高齢者や障害をもつ方の孤立の問題が広がり、また介護者や親がコロナに感染した場合の濃厚接触者である要介護者や子どもへの対応も緊急の課題になっています。 コロナウイルスの広がりは、今までの関係を打ち砕き、不安、恐怖、不信、怒りを生み出し、負の連鎖が広がってきていると実感しています。だからこそ、私は、大切なもの、大切なことを守る決意が必要だと思います。私、そのなかに「人への思いやり」を加えたいと思います。

 そのアクションの一つが、「希望ある明日に向かって歩むぞメーセージ」です。そこには、ルーテルの関係者が、援助を必要とする方々と共に生きる姿と日々の思いがメッセージとして綴られています。 このことを可能にした背景は何でしょうか。ルーテル学院という場における、友人との出会い、教職員との出会い、様々な学内外の活動との出会い、そして神様との出会いだったと思います。そこから、絆が生まれ、育ち、卒業してからも広がっていると、私は実感しています。  そして、私は、教員としての37年間の経験を通して、詩編23編の聖句にたどり着きました。皆さんと一緒に、読み、私のメッセージを終えたいと思います。

  主は羊飼い、  わたしには何も欠けることがない。   主はわたしを青草の原に休ませ    憩いの水のほとりに伴い 魂を生き返らせてくださる。   主は御名にふさわしく    わたしを正しい道に導かれる。   死の陰の谷を行くときも    わたしは災いを恐れない。    あなたがわたしと共にいてくださる。    あなたの鞭、   あなたの杖    それがわたしを力づける。    わたしを苦しめる者を前にしても    あなたはわたしに食卓を整えてくださる。    わたしの頭に香油を注ぎ    わたしの杯を溢れさせてくださる。    命のある限り    恵みと慈しみはいつもわたしを追う。    主の家にわたしは帰り   生涯、そこにとどまるであろう。                           詩編 23編

未来をひらく             ボランティア活動

未来をひらく  ボランティア活動

1.ボランティア活動とは新たな出会い 今から50年前、私が大学生1年生の時、たまたま友人の代わりに、ボランティアとして知的障害児施設の東京都大島の大島藤倉学園(現在は障害者支援施設・施設入所支援・生活介護事業を実施)を訪問しました。私が中学・高校を過ごした東京都内にも、伝統ある障害児者施設があるにも関わらず、学校の行き帰りに障害児者に出会うことはありませんでした。そのため、大島藤倉学園を訪問した際、日常とのギャップに戸惑ったことを思い出します。その時出会った言葉が、知的障害児者の父と言われた糸賀一雄先生の「この子らを世の光に」という言葉でした。私は、この子らが地域で当たり前の生活をしていることが、社会の光となり、それを一緒に実現する活動がボランティア活動であると胸に刻みました。

2. 「助ける」「助けられる」から、「互いに助け合う」ボランティア活動(福井県新庄小学校)

3.ボランティア活動の根本にある     
       Hospitality
   1992年デンマークのクリスマス

4.必要な活動を生み出すボランティア活動
    岐阜県垂水町  あゆみの家

5.人と人を繋げて絆を生み出し、地域を守るボランティア活動       コロナウイルスの広がりは、今までの関係を打ち砕き、不安、恐怖、不信、怒りを生み出し、負の連鎖が広がってきています。だからこそ、私は、大切なもの、大切なことを守る決意が必要だと思います。私は、その中に「人への思いやり」を加えたい。そしてボランティア団体や市民活動団体も守ろうとしてきたこの絆を、これからも大切にしていきたい。絆を寸断されるのではなく、より強めたいと思っています。今、私たちに問われていることにどのように答えていくかが、今回の感染症防止対応が一定終息した後の、これからのボランティア・市民活動の発展に繋がっていくと信じています。  

井の頭公園池の姿

希望ある明日に向かって歩むぞメッセージ

 ルーテル学院大学の先生方、岩◎さん、卒業生の皆さまのメッセージを拝読し、励まされています。岩◎さん、卒業生の皆さまがそれぞれの現場で、感染の危機やそれによるさまざまな影響と向き合いながら、一人ひとりの命と生活を護り支えるべく日々ご尽力なさっている姿に触れ、深く感銘を受けています。

 私は、がんセンター よろず相談のMSWとして、小児から若年、成人、高齢者までさまざまな年代のがんと向き合う方や家族からご相談を受け、闘病生活を支える仕事をしています。現在、多くの病院や施設では感染予防として面会が制限されており、オンラインでの面会等の代替方法で本人と家族のつながりを保つよう工夫していると思います。私の勤務先ではがんに対する積極的な治療だけではなく、緩和ケア病棟もあり終末期も含めてがんの闘病を支えていますが、余命がわずかしか残されていない患者さんとその家族もこれまでのように自由に面会できなくなっています。そのため、つらさをぎりぎりまで我慢して自宅で過ごし緊急入院する方も増えてきています。やっとの思いで入院した後、家族は患者さんのそばにいることが許されず、感染対策の必要性を理解していても気持ちがついていかず葛藤を抱えるというような事態がおきています。人が亡くなっていく時に直面するさまざまなつらさは医療的なケアだけではなく、家族や親しい方とのコミュニケーションや大切な方がそばにいて手を握るといったことにより和らぐこともあります。また、遺される家族にとってもその方との最期の時をどのように過ごすことができるかが、死別後の哀しみや喪失に大きく影響します。

 私はさまざまな年代の方にお会いし、その方が大切になさってきたことや家族の関係性をどのように築いてこられたのかを教えていただきながら、面会制限があるなかでもその方と家族がお互いの存在を近くに感じることができるような方法を共に模索し、試行錯誤を繰り返している日々です。また、余命の限られた子どもが、学校の先生や友だちとのつながりを感じることができるよう、どのような取り組みができるかも大きな課題です。

 昨今の社会情勢を受け収入が激減し経済的に厳しい状況に追い込まれているなかで、がんが見つかったけれど治療の費用を支払うことができないといった相談も増えてきています。一人ひとりの命を護ること、生活を維持できるよう支えていくこと、孤独にならないよう関係性をつないでいくことが我々ソーシャルワーカーに求められており、院内の多職種スタッフや地域の関係機関と連携しながら、どのように支援体制を築いていくことができるかが今まさに問われているように感じます。

 今後もしばらくこのような事態が続くなかで、支援者である自分自身の心身の健康を維持していくことも重要だと思っています。市川先生が創り出してくださったこのルーテルの支援者支援のネットワークにより、多くの卒業生と関係者の方々が勇気とエールを分かち合うことができていると感じています。

先生方、卒業生の方々への感謝と祈りを込めて。   

                   2020年6月14日  御牧由子

希望のある明日に向かって歩むぞメッセージ

児童養護施設でファミリーソーシャルワーカーをしています。市川先生、岩◎さん、そして皆さんの言葉に日々励まされています。

 東京では2月末から学校や幼稚園が休校・休園となってから、3月・4月・5月の3か月間は完全にお休み、6月になってようやく分散登校が始まったところです。完全に元通りの学校生活に戻るのは、順調に状況が収束しても、今月下旬から7月になる見込みです。

 これだけ長い期間が休みになることはもちろん子どもにとっても職員にとっても初めてのこと。「毎年の夏休みでも1か月以上休みだったじゃないか」という意見もありましたが、夏休みであれば、学校のプールがあり、キャンプなどの行事があり、映画や花火大会を見に行ったり、受験生は夏期講習だし、毎日部活やアルバイト漬けという子もいます。感染症の脅威と闘いながら、施設の敷地から何十人もの子どもたちが一歩も外に出ないような生活が何か月も続くことは、誰も経験したことがありません。

 家庭の保護者にとっても、子どもの夏休みというのは負担があります。朝食の片づけが終わったと思ったらもう昼食の準備と、早く2学期が始まってくれないかなと思うものですが、当園の場合は本園に30名以上、それに3か所のグループホームにそれぞれ6名の子どもたちが生活しています。この人数がこれだけの長い引きこもり生活で、大丈夫かと心配していましたが、子どもというのはやはりたくましいもので、午前中は学習・午後は外遊びという生活リズムに適応し、もちろん小さな不満はあったものの、大きな問題は起きずに過ごせました。

 職員一人一人の日々の働きもさることながら、多くのご支援をいただきました。特に唐突にやってきた「リモート学習」の波。教育委員会からの調査に「子どもが使えるPCが部屋に1台ずつある」と回答したところ、小中高校すべてでリモート学習を行いますとの通知。PC1台を多いところでは子ども6人で使わなければいけない状況になりました。しかも「決まった時間にZOOMでホームルームで出欠確認をします」などと言われ、複数の子が同じ時間に重なったらどうにもできない…と困っていたところ、ご寄付でPCやタブレットを用意していただけることになり、急遽各ホームへWifi環境を構築して乗り切りました。本当に感謝です。

 余談になりますが、特に学校関係のICT化の推進と守秘義務は矛盾しませんか?利便性と施設以外の保護者の総意を理由にして、顔写真や氏名といった子どもの個人情報をネット上に出すのが当然と言わんばかりのさまざまな要請に対して、日々頭を痛めています。出せませんから。

 さて、厚労省によれば、この3月の虐待件数は昨年よりも12%多かったそうです。 先ほども書きましたが、普段はそれぞれ別の場所で活動している家族がずっと一緒に家で顔を合わせているという状況は、時にストレスを抱くことがあります。食事の準備や片付けなど家事負担も増えます。休業で収入が減るという経済的なダメージもあります。STAY HOMEというこの密室の中で、虐待やDVのリスクが高くなることは容易に予測できます。

 施設の中で私の役割は、虐待など不適切な養育によって、家庭から保護され施設で暮らす子どもたちを、再び家族のもとに帰すための支援です。日々電話や面接で保護者と接していると、コロナとは関係なく、この人たちは、家庭の中でストレスにさらされ、負担を強いられ、経済的不安の中を生きてきたことが分かります。そして周囲に信頼できる相談相手も味方もおらず、自分がなりたかった親の姿とはまるで違った状況になっていることに打ちのめされています。

 生活や養育におけるさまざまな課題が解決できるよう、保護者に対し時に励まし、時に支えながら、さまざまな機関との連携をもとに親子の再統合を支援しています。なぜならば、暴力などの虐待の被害を受けていたとしても、施設に来た子どもたちの多くは、家に帰って家族とまた一緒に暮らしたいと思っているからです。その願いをかなえることは児童福祉法第48条の3にあるように、施設の役割です。もちろん例外はありますが、多くの子どもは、18歳で高校を卒業するまで家族と離れて暮らすことを求めていたわけではなく、ただ家族と仲良く暮らせるようにしてほしくて、支援を求めたのです。

 コロナ第2波や経済不況など、今後も楽観できない世の中の状況ではありますが、これからもひとつひとつの課題、そしてひとりひとりに向き合いながら、日々の働きを続けていきたいと思います。

 皆様、これからもどうぞご活躍ください。             N

コロナの脅威に直面しながらも、新たな挑戦が始められています。

「未来の豊かな“つながり”のための全国アクション」ホームページ https://www.tunagari-action.jp

埼玉県社協の取り組みです。「できるだけ多くの情報を発信し、参考にしていただくことで、地域福祉活動が維持・発展していくことに、少しでもつながればと思っております。」とのこと。

【シャキたま生活支援コーディネーター活動紹介】

HTTPS://WWW.FACEBOOK.COM/FUKUSHISAITAMA.SYAKITAMAKUN.SC/

奥田知志(抱樸理事長)さんからの呼びかけ

皆さん、こんにちは。お元気ですか。奥田知志(抱樸理事長)さんより、以下のメールが届きましたので、掲示しました。奥田さんの活動に対し応援したいと思います。

コロナ緊急|家や仕事を失う人をひとりにしない支援」と題し、4/28から初めてのクラウドファンディングに挑戦中です。    https://readyfor.jp/projects/covid19-houboku
開始から6週間が経過し、これまで2000人近い方々にご支援を頂きました。まもなく3000万に届きそうなのですが、この3000万円までは、村上財団が「同額を寄付(寄付が2倍)」というマッチング寄付を提供して下さってます。
その村上財団の創設者、村上世彰さんと抱樸の奥田理事長のオンライン対談を今週末おこないます。withコロナ時代の社会と経済はどうなるか、日本の抱える格差の問題、寄付文化の話など、ご期待下さい!
6/13(土)20時~21時 対談番組 #村上さんに聞くお金の使い方 【出演】村上世彰(村上財団) 奥田知志(抱樸理事長)    https://www.youtube.com/watch?v=yMFOIYEJ1Cg

1億円で行う事業に関しては、6/9に、「住宅提供全国展開に向けて」とパートナー法人会談を行い、最初のコロナ緊急事態宣言の出た北海道、関東圏の千葉、そして大阪の3団体が、それぞれの状況と構想を語りました。こちらもご覧ください。    ▼コミュニティワーク研究実践センター(北海道)    ▼生活困窮・ホームレス自立支援ガンバの会(千葉)    ▼釜ヶ崎支援機構(大阪)    司会:奥田知志(抱樸理事長)    https://www.youtube.com/watch?v=_ugN9Hrloec
    

 家を失うことは、いのちの危機です。コロナ関連死を食い止めたい。この働きを全国で行えるように、引き続き7/27までクラウドファンディングの応援を、どうぞよろしくお願いいたします。
※毎週【火曜・土曜】にyoutubeで報告や対談で、抱樸の活動・理念をお伝えしています。チャンネル登録も宜しくおねがいします。https://www.youtube.com/channel/UCgRCvmRHJVIvv254i19rNWw
    

コロナ困窮対策事業に関するお問い合わせ    TEL 093-653-0779    NPO法人抱樸 総務部

希望ある明日に向かって歩むぞメッセージ

 私は、2年ほど前にルーテル学院大学大学院を卒業しました。在学中から現在に至るまで、市川先生をはじめ、多くの先生方・卒業生の皆様とのつながりは、私の業務において欠かすことのできないネットワークとなっています。現在、新型コロナウイルス感染症が世界的に流行しているなか、岩間さんのように、医療・福祉・教育現場の最前線でエッセンシャルワーカーとして活躍されている皆様のご尽力があって、少しずつではありますが、世界が日常を取り戻しはじめています。

 この間、国や自治体では、新たな日常の構築に向けて、テレワークやICTの活用による業務体制の見直しなどが積極的に進められています。社会はますますICT化が進み、そしてソーシャルディスタンスの名の下に、地域活動が減少していってしまうことも懸念されています。

 こうした社会の変化には、社会的弱者と呼ばれる貧困世帯や高齢者・障害者などが取り残さやすいことも確かです。

 医療・福祉・教育現場におけるICT化の推進と、人と人とのつながりの再構築の両立という一見相反する取り組みを、各地の実践を学びながら、進めることで、地域活動を停滞させることなく、むしろ活性化できるよう、全国各地の実践を学びながら、推進していきたいと思っています。思いをひとつに乗り切りましょう。

「未来の豊かな“つながり”のための全国アクション」ホームページ

https://www.tunagari-action.jp

                2017年卒 全国社会福祉協議会 A.K

希望ある明日に向かって歩むぞメッセージ

 強い緊張感を持ちながら、過重な負担に耐え、長期にわたって支援活動に携わっているルーテル学院大学卒業生の皆様に心から感謝

 新しい社会の在り方、社会福祉の在り方を考え、作りながら進んでいきましょう。

                 和田敏明

       ルーテル学院大学名誉教授・コミュニティ人材養成センター長 

 新型コロナ感染症の福祉、医療、生活現場に影響が広がる中、入所者、入院者、利用者、在宅生活者等、困難を抱えておられる方々の、命と生活を守るために強い緊張感を持ちながら、過重な負担に耐え、長期にわたって支援活動に携わっているルーテル学院大学卒業生の皆様に心から感謝申し上げます。ご利用者やご家族にも、利用の自粛や面会制限、施設や在宅福祉サービスの一時休止などをお願いし、つらい思いをさせていることにも心を痛めておられる事と思います。

 私は現在、社会福祉法人東京聖労院の理事長を務めています。高齢者関係では4つの特別養護老人ホーム、デイサービス、地域包括支援センター、訪問介護事業、児童分野で児童館や学童保育、放課後事業等を600名あまりの職員とともに取り組んでいます。会議、打ち合わせはZOOMを使用するなど3密を避けるように変えましたが、実際の仕事は、直接のサポートであり、リモートに置くかえることはできません。法人としては、職員が安心して仕事に従事できるよう、マスク、消毒液、ガウンをはじめ必要な機材の安定確保、環境整備に全力を尽くしています。それでも、利用者と家族、職員と家族などが濃厚接触者となり検査を受けるなどの発生は避けられません。経験を重ねながら対応の詳細なマニュアルを積み上げてきています。一つの事業所で、1週間デイサービスを休止せざるを得ない事態が発生した折も、関係機関との調整、ご本人やご家族へのきめ細かな対応等、職員の方々の強い使命感と適切な対応、献身ぶりに強く心を揺さぶられました。

 大学では、私がかかわってきた、コミュニティ人材養成センター主催の三鷹、小金井、武蔵野の各福祉行政と社会福祉協議会とルーテル学院大学との7者共催で11年間継続してきました、地域福祉ファシリテータ養成講座を今年は中止することになりました。今年から、新しく調布市と調布社会福祉協議会も参加し9者共催で進める運びになっていましたので、残念ですが已むを得ません。

 大学院の授業をZOOMで2回行いました。事前にレジュメや資料を送る、院生からのレポートをお互いに事前に送りあい授業に臨むなど工夫をしています。面白い発見もありますが、一日PCとにらめっこでは目が疲れると院生の感想がありました。もう1回ZOOMで授業を行い6月半ばからは大学で授業ができるようです。お互いに直接会うのは初めての人が何人もいて楽しみです。大学院はいろんな経験を持つている人で、現に働いているが集まっています。こういう人と一緒に学びあえる事が魅力です。

 社会的孤立の広がりこそが現在の生活、福祉問題の根底の問題だと思いますが、この新型コロナが恐ろしいのは、人々の社会的つながりを壊すことです。3密を避けるとして人々の間に「社会的距離」をとることを求めます。さすがに、「社会的距離」では人と人との心のつながりを失わせるのではないかと「身体的距離」のことだと言い換えようとの声が出始めています。福祉の現場やボランティア市民活動の現場では、物理的距離を取りつつ、心の距離をいかに近づけるかで様々な工夫が生み出されています。

 新型コロナウイルスへの対応はまだまだ継続します。政府の専門家委員会の一人は、現在は、野球に例えれば、9回のうちの1回の裏が終了した段階、ワクチンが開発され世界にいきわたるまでには相当の長期戦を覚悟して臨まなくてはならないといっています。すでに倒産、不況などが始まり、生活困窮者、ホームレスの増加などの波が押し寄せてきつつあります。目の前の事態に必死に取り組みながら、大きな社会の変化をしっかり見据え、新しい社会の在り方、社会福祉の在り方を考え作りながら進んでいきましょう。

 西原先生に倣って現在読んでいる本ですが、山本太郎「感染症と文明」岩波新書、山本太郎「新型インフルエンザ」、岩波新書、長谷川和夫「僕はやっと認知症のことが分かった」、足立巻一「やちまた」上、下中央文庫などです。