2つの地域福祉フォーラム
2018年3月4日(日曜日)と3月6日(火曜日)に、東京都と宮城県で地域福祉フォーラムを行い、講演をさせて頂く。
地域福祉実践が広がり、地に根を張ってきたことを実感しています。
長い間、一緒に歩んでいる仲間に感謝。
Ichikawa's Office
2018年02月の投稿
2018年3月4日(日曜日)と3月6日(火曜日)に、東京都と宮城県で地域福祉フォーラムを行い、講演をさせて頂く。
地域福祉実践が広がり、地に根を張ってきたことを実感しています。
長い間、一緒に歩んでいる仲間に感謝。
サロンの特徴は、以下の点にあります。
①多様な活動形態:同サロンの活動にあたっては、形にこだわり過ぎないで、その地域や参加者にあった場を創ることが大切である。同サロンの活動内容としては、趣味を中心とした活動型、会食型、話し合いを通したふれあい活動型、健康チェックを取り入れたミニデイ型等、多様な活動が見られる。また地域で行われているデイケアを利用する必要はないが、地域で孤立している高齢者等の機能低下を予防する体操教室等の活動も行われており、予防、リハビリ、在宅ケア等、活動の範囲は広い。さらに利用者として、高齢者や精神障害者、子どもを養育する母親のそれぞれを個別に対象とする活動がある一方、高齢者や障害者、児童のすべてを対象にしたものも見られる。それぞれ地域の課題も異なるのであり、企画力や創造力を自由に生かして、できることから始めていくことが大切である。
②柔軟な運営:同サロンは、利用者の要望とボランティアの力量に応じて、その活動の姿を変えていける特徴がある。たとえば、日頃の活動を通して、サロンの利用者である高齢者と若い層の、世代を越えた交流が必要と思われた時、今までの運営を柔軟に変えていく勇気が必要である。また活動実績を積み重ねていく中で、新たな福祉問題を認識した時には、その状況を敏感に察し、新たな活動内容を展開していくことも可能である。
③みんなが参加者:同サロンを運営するにあたっては、利用者とボランティアとの意識の上での垣根を取り払うことが大切である。長野県の三水村では、利用者も自主的に活動に参加し、協力してサロンの企画を立てている。サロンの利用者の意思決定は、最大限に尊重するべきである。
④地域のサービスや専門家との連携:在宅福祉サービスが、きわめて広範かつ多様な内容を備えているあることは、既に述べた通りである。同活動にあたっては、社協の担当者はもちろんのこと、地域で提供されている多様な保健医療福祉の専門家との協力を考えていくことも大切である。何故なら、運営上の問題が生じた場合にも、適切なアドバイスが受けられるし、サロン利用者のニーズの変化に対応して、利用者に適した活動を組み立てていくことが容易になるからである。
⑤利用者の生活にもっとも接近した活動:地域住民が同サロン活動のボランティアになることによって、利用者にとってもっとも身近な場所で活動が行なわれることになる。たとえば、地域の身近な公民館やボランティアの自宅等を拠点として活動することによって、利用者は比較的楽に通うこともできるし、近隣の住民と出会う機会が増えることにより、生活の範囲も広がることが期待される。
『小地域における福祉の仲間づくりを推進する〜ふれあい・いきいきサロンの意義と運営』 月刊福祉 1997年
平成19(2007)より2年間、飯綱町は補助金を受け、住民が協働した、認知症をもつ高齢者や家族への理解の促進と支援の推進に関する検討を行った。ケアする家族、医師、医療ソーシャルワーカー、ケアマネジャー等保健医療福祉に関わる専門職、司法関係者、消防や警察等の公的機関代表、地域の様々な団体・企業等が加わる委員会を組織し、さらに医師等による専門チーム(早期発見、認知症支援システムづくり)、児童・生徒啓発チーム(学校における学習プログラムの開発と普及)、うんまくボケる戦略チーム(健康維持、社会生活継続をめざしたプログラムづくり)というチームに分け、町をあげて、認知症の理解を広げることをめざしたのである。
なお、その際、報告記録などを行う事務局を保健福祉課、包括支援センター、社協が担う体制をつくった。具体的には、保健福祉課内会議、コーディネーターと事務局で構成されるスタッフ会議を行い、進行管理を徹底している。
事業開始前後に、全戸を対象にした「意識実態調査」を実施し、認知症地域支援推進会議、チーム会議にて内外部識見者、チーム委員へ報告、課題提起をした。定期的(3か月に1回程度)に認知症地域支援推進会議を開催(進行は行政)し、内外部識見者の助言、評価、またチーム代表者の意見から見直しを行っている。さらに、住民を対象に、認知症の理解を進めるための地域福祉フォーラムにおいて報告している。
<考察>
行政、社会福祉協議会が、計画段階から、who(主体)、whom(対象)、why(目的)、what(内容)、when(期間)、where(場所)、how(方法)、how much(費用)について、基本設計を住民や関係者に示し、働きかけている。なお、数量的目標が立てにくい場合には、task goal(事業の目標)、process goal(問題の発見、問題の共有、支援計画の策定、実施、再評価という一連のプロセス目標)、partnership goal(関係者の役割を確認し、協働して問題の解決に当たる目標)を設定し、取り組んでいくことが大切である。その結果、取り組みの意義と課題が明らかに理解で、今後の参考にできる。
飯綱町は、長野県北部に位置する約11,000人の農業中心の町である。2005年に牟礼村と三水村が合併し飯綱になったが、私の関わりは、三水村時代のふれあい生き生きサロンのプロジェクトに始まり、本事業においては学識委員として参加した。
「多世代交流・共生のまちづくりの施策・実践と地域社会の挑戦」単著『人口減少社会における多世代交流・共生のまちづくりに関する研究会報告書』全国市長会2016年
2018年2月初旬、長野県内の市町村社協の仲間と食事をする機会が与えられました。私が長野県の方々とお会いしたのは、1980年代ですが、一緒に地域福祉の推進をめざし、汗をかき、語り合ったのは、1990年代からです。ボランティアコーディネーターの全国研修プログラムを作成した90年代中頃に、委員であった長野市社協の小林博明さんにお会いし、またふれあいいきいきサロンの普及を目指した検討委員会で三水(現 飯綱町)の沖弘宜さんにお会いし、三水での実践の取り組みをいたしました。その後、10数年、長野市社会福祉協議会の地域福祉活動計画に委員長として関与し、土屋ゆかりさんや職員の方々、内山次郎さん等の社協以外の実践者の方々とも話し合い、長野市に合った地域福祉を築こうとしてきました。また、2000年以前からの、長野県社協の小池正志さん、松本市社協の山岸勝子さん、塩尻市社協の上條通夫さんとの出会いも、私にとって宝物です。2000年代以降に出会った大桑村社協の杉村信子さん、上松町社協の尾崎陽子さん、その他、ここでは名前を挙げませんが、たくさんの社協の方々も、知識と思いと経験において卓越した方々でした。
このように、長野県は、地域でたくさんの実践をしています。そのことを踏まえ、新たな木を、今までの木に接ぎ木して、各地域らしい地域福祉が推進されることを願っています。
私にとって、長野県は、学ばせて頂き、成長させて頂いた原点であり、ふるさとです。本当にありがとうございます。
2017年12月、青森県社会福祉大会で、『民生委員制度創設100年を振り返る〜地域に根ざした活動を次世代へつなぐために〜』をテーマに講演させて頂きました。
20数年前、日本海に出た台風が青森を通過し、収穫期のリンゴが落ち、農家は大きな被害を受けました。私は、仲間と一緒に、落ちたものの、十分食べられるリンゴを段ボール何箱も阿佐ヶ谷教会に送って頂き、買いました。おいしいリンゴを食べた記憶が残っていましたが、食べた後は、送って頂いたことをすっかり忘れていました。しかし、翌年、青森から段ボールが届きました。その中には、いっぱい花がついた、リンゴの枝がたくさんに入っていました。青森の方々の思いに、私は感動したことを思い出します。
青森には、何十年と民生委員児童委員活動を続けておられる方々がたくさんおられます。青森市民生委員児童委員協議会の副会長であられる工藤さんもその一人です。私の原点は、そこにあります。
なお、講演が始まる前に、青森市内の市場に行きました。ご紹介します。おすすめです。