卒業生の仕事紹介

<卒業生>新しい事業に挑戦

雲下加奈(旧姓 北井) 1999年卒業

嘉登美合同会社
海外投資家が日本で資産を保有するための情報提供・コーディネート。日本企業の海外へのプロモーション・マーケティング支援、コワーキングスペースやコリビングの運営、地方創生事業などを展開。

HP:www.kado-me.com
浅草橋駅チカコワーキングスペース「ANOTHER DESK」
インスタ:https://www.instagram.com/another_desk_2401/

卒業後、半年ほどソーシャルワーカーとして医療機関に勤めた後、転職。転職先で海外のサービスアパートメント(家具家電付きアパートメント)に出会い、日本に逆輸入するビジネスを2004年よりスタート。

日本に仕事をしに来る外国人ビジネスマンの生活を住宅まわりから支え、生活基盤の立ち上げをサポートする会社の経営に20年間携わった後に、2024年、嘉登美合同会社をスタート。地域を活性化させるためにこれまでの経験を活かした不動産の運営や人と人をつなげる事を通じて商店街の活性化や、若手・女性起業家の支援など
幅広い活動をしていきたいと思っています。

コワーキングスペース「ANOTHER DESK」では何かに挑戦してみたい方の応援をしています。セミナーや勉強会、ワークショップなど何かやってみたい事があるかた、サポートしますので是非お気軽にお声がけください。
<利用実績>
シニアの方→朗読会独演会を実施・リアルとZOOMとで個人の朗読会を主催。韓国語教師の方→韓国語講座を開催などなど。

<卒業生>大江峻太さんの活動を紹介します

大江さんは、ルーテル学院大学で社会福祉を学び、卒業後、私が学長をしていた練馬パワーアップカレッジに入学し、2年間の学びを終えて、福祉教育の推進のための活動に従事しています。私は、彼の前向きな生き方に賛同し、大江さんを皆さんに推薦します。

彼は、以下のパワーポイントを教材に活動をしています。https://www.dropbox.com/scl/fi/t8wp4r0ynrtc5cgdmrdk6/2022.pptx?rlkey=zyu1qddi8bhrgpnc2xcjlkhs9&dl=0

以下、2024年1月26日下石神井小学校で行った授業のあらすじを紹介します。

大江 みなさんこんにちは!

スライド1 山内「私は介助ヘルパーの山内です。私は今日大江さんのヘルパーとして一緒に来ました。ヘルパーとは私のお仕事です。私はいつもヘルパーとして、大江さんの生活のお手伝いをしています。ヘルパーはお手伝いをするのが仕事ですが、私も大江さんに助けてもらっています。私はヘルパーになる前は別の仕事をしていました。コロナの影響でその仕事が出来なくなって困っていたら、大江さんのヘルパーとしてお仕事が出来るようになり、とても助かっています。それから、大江さんは私が毎日楽しくお仕事が出来るようにいつも助けてくれます。困ったことがある時は相談にのってくれます。一緒に美味しいご飯を作って食べたり、買い物に出かけたり、テレビを見たり、私たちは一緒に楽しく暮らしています。大江さんと私は、いつもこのトーキングエイドという機械を使ってお話をします。これからこのスクリーンにトーキングエイドの写真を映しますので見てください」

スライド2 山内「トーキングエイドは、口で話すのが難しい人が使う会話をするための機械です。大江さんがトーキングエイドを使ってお話しますので聞いてください。まず、“お”のボタンを押すと… “お”と言います。“は”のボタンを押すと… “は”と言います。そして、“よ”と“う”のボタンを押して… 最後に再生ボタンを押すと… “おはよう”と言います」

大江「おはよう」

大江 (トーキングエイドで)「私たちは、障がい、生まれた国など、いろいろなことに関係なく、みんな一緒に遊んだり勉強していけるといいなと思って活動しています。今日は私たちの話を聞いてください。よろしくお願いします」

山内 (繰り返し&補足)「そうですね。障がいがある人も無い人も、関係なくみんなで仲良くしようよ、というのが、大江さんがみなさんにお伝えしたいことです。みなさんは、もしかしたら自分と違う人や知らない人と話をする時に、少し恥ずかしかったり、困ったりすることがあるかもしれません。男の子は女の子と話すのが恥ずかしかったり、女の子は男の子と話すのが恥ずかしかったり、また大人の人や外国の人とどう話をすれば良いのか、困ることがあるかもしれません。話をしたことが無い人と初めて話す時は緊張することもあると思います。それでも、少し勇気を出して話をしてみれば、その人のことを知ることが出来、きっと仲良くなれます。それでは、ここからは、大江さんのお話を聞いてもらい、大江さんのことをよく知ってもらいたいと思います。質問コーナー車椅子説明

スライド3 山内「これは1才頃の写真です。我ながら、なかなか可愛い。赤ちゃんの時の一枚です。この頃、私は障がいがわかりました。生まれてこられた事に、とても嬉しさと感謝を感じています。母とお風呂に入るのが大好きでした」

スライド4 山内「小さい頃、千葉県の松戸に住んでいて、隣のアパートのチイちゃんとよく遊びました。砂場での一枚です」

スライド5 山内「ひとりで座れないので、特別な椅子で支えられています。みんなと同じように遊びたくて、なんでもチャレンジしてきました。噴水から流れた水を一生懸命、お皿に受け止めようとしています」

スライド6 山内「足の手術で入院中に一度家に帰った時、近所のサッカーチームの練習に入れてもらいました。仲良しのコウヘイ君が自分のユニホームを貸してくれました。後ろ向きの子がコウヘイ君です。コウヘイ君は私にとって初めての親友です」

スライド7 山内「保育園の学芸会も車椅子で参加しました。「ぞうのたまごのたまごやき」のにわとり役です。セリフもトーキングエイドで喋って、王子様役の子に車椅子を押してもらいながら舞台に上がりました」

スライド8 山内「保育園の友達と地域の小学校へ。入学式の写真です。いつもランドセルは車椅子の背中にかけていきました。どうしても保育園の友達と同じ学校に行きたくて、お父さんお母さんと相談して決めました。このあと地域の中学校、都立高校、そして大学へと進みました」

スライド9 山内「小学校の頃は、毎年 夏には海に行っていました。楽しかったな~。水の中は気持ちよく光がゆれて、身体も自由だったと思います。」

スライド10 山内「小6の時に友だちの家族とキャンプをしました。気分は一緒に木登りしています。保育園からの親友と夜はキャンプファイヤーやトランプが楽しかったです」

スライド11 山内「最後の写真は、大人になって成人式の時です。この頃はルーテル学院大学で福祉を学んでいました。福祉とは“みんなが幸せになれるよう”に取り組む活動のことです。 今は練馬を中心に小学校をまわって、障害のある人の暮らしを伝えるための活動をしています。障害のある子供もない子供も同じところで教育を受けて共に育つことを強く願っています。そして色々な人が暮らしやすい町を作れたら良いと思います。崚太さんの紹介はこれで終わりですが、最後に崚太さん本人からの言葉を聞いてください」

大江(トーキングエイドで)「私はずっと、まわりの友だちと、一緒の保育園、小中学校であたりまえに育ちました。そして都立高校、ルーテル学院大学へとすすみました。それは私の親や、その時支えてくれた人たちにとっても大変な道でした。でも色々な人がいる環境を過ごせたことが私自身の物の考え方や世界を広げたと思います」

山内(必要があれば繰り返し)「崚太さん、ありがとうございました。みなさんもしっかりお話を聞いてくれてありがとうございます」

スライド12 山内「次はみなさんに知ってもらいたい言葉があります。“ユニバーサル・デザイン”という言葉です。これから色々な例を出しながら、ユニバーサル・デザインとはどういうことなのか紹介します。まず始めに、この絵文字のようなものはサウンズアンドシンボルズといいます。先ほど少しトーキングエイドの話をしましたが、トーキングエイドで話すにはひらがながわからないと12言葉が喋れません。まだひらがながわからない小さな子供の時でも、伝えたい思いを伝えるのに、絵文字やシンボルマークなら伝わるだろうと、崚太さんのお母さんが見つけてきて、崚太さんと使いだしたのが、このサウンドアンドシンボルズです。うれしいって言うのはどれだかわかりますか?」

スライド13 山内「次にこれはトイレの写真です。小さい崚太さんがつかまっているのは、介助用のバーです。これにつかまれば安定して座っていられます。このバーは使わないときは跳ね上げて壁にくっつけておくもので、ほかの人がトイレを使う時でも邪魔になりません。これがあるだけで障がいのある人もない人も同じトイレを使うことができます。駅や公園によくある“だれでもトイレ”にはこのような設備があります」

スライド14 山内「小学校3年くらいから、お風呂に入るときにリフターという機械を使うようになりました。シャワー椅子という濡れてもいい布で作られた車椅子の座るところだけ持ち上げてそのまま湯船の中に入ります。ゆったり安心してお風呂につかれます。今も同じタイプのリフターとシャワー椅子を使ってお風呂に入っています。」

スライド15 山内「お風呂用のシャワーチェアとリフターです」

スライド16 山内「これは西武線の電車に乗るところです。駅の改札口で“○○駅まで行きたいです”と伝えます。そうすると駅員さんたちがいろいろ手配してくれてホームまでエレベーターを使って案内してくれます。予定の電車が来ると乗り降り用のスロープを出してくれて乗り込みます。降りる予定の駅には連絡がいっていて駅に着くとスロープを持った駅員さんが待っていてくれてドアが開くとスロープをかけてくれてスムーズに降りられます」

スライド17 山内「これは街中を走る低床バスです。低い床と書いて低床と読みます。バス停で車いすの人も他の人と一緒に待ってバスに乗れます。運転手さんがバスの低い床からスロープを出してくれて乗ります。崚太さんのお家は駅から離れているのでよく利用しています」

山内「サウンズアンドシンボルズ、だれでもトイレ、お風呂用のシャワーチェアとリフター、それから電車とバスを紹介しましたが、これらがすべて“ユニバーサル・デザイン”です。つまりユニバーサル・デザインとは、お年寄り、からだの不自由な人、妊娠している人、赤ちゃん連れの人、子ども、外国の人、色々な全ての人のことを考えて、みんなが使いやすいようにしようと考えることです」

皆さん今日は私達の話しを聞いてくれてありがとうございます。この街の中には身体に障害のある人、お年寄り、外国人の方など様々な人がいます。その人達それぞれがお互いを認め、手を取り合って暮らしやすい街を作っていけたらという思いで活動しています相手のことを知って違うことを認めて手を繋いでいく事が大切だと思います。皆さんもそんな街を作る仲間になってください。よろしくお願いします。

私は、大江さんの活動を推薦いたします。

なお、ご連絡は、talkingotoko@yahoo.co.jpのメールにどうぞ。

市川一宏

<卒業生>ハーブティー専門店 ウッドチャックカゴノオト

現在はカフェ(ハーブティー専門店)を経営しています。ルーテル学院大学で心理学やキリスト教に触れ、人に寄り添う仕事の大切さを知りました。入学当初のカウンセラーになる目標とは異なる道を選びましたが、今はお客様の心に寄り添えるカフェを目指して頑張っています。

ご機会あれば、ぜひ押上の『ハーブティー専門店 ウッドチャック』に遊びにきてくださいね!

◆ハーブティー専門店 ウッドチャック インスタグラム: @tea_woodchuck

<卒業生>カゴノオト

98年に卒業した小清水緑です。高知県四万十町に移住してカゴノオトというお店をしています。四万十の農家さんから素材を直接仕入れ、それらを使ってお菓子にしています。

メインに作っているのはシュトーレンです。

大学に在籍していた4年間。クリスマスの前のきらきらするアドベントが大好きでクリスマスまでの期間が楽しみでシュトーレンというお菓子が大好きになったんですよね。四万十町に移住したら農家さんが果物や野菜を育てそれらがどんなところで育つのかがわかるようになり農家さんが育てていることがとても尊く感じました。そんな素材をフレッシュなまま買わせてもらいドライフルーツにするところから加工して1年かけてずっとシュトーレンを作っています。

そんな1年かけてつくってきたシュトーレンを発送しはじめるのはアドベントからです。買ってくださる方の1年と同じ時を刻んでつくってきたシュトーレンです。みなさんの1年を祝福し1年を思い出しながら召し上がってもらいたいなと作っています。

https://www.kagonote.com/p/item-detail/detail/i3.html

また今年は四万十のいちごと金柑、ゆずを使ったチョコレートシュトーレンも販売開始しました。

https://www.kagonote.com/p/item-detail/detail/i118.html

シュトーレンの他に通年でいつでも販売している色とりどりのしまんと果実タルトもあります。

https://www.kagonote.com/p/item-detail/detail/i20.html

作業の一部は障がいがある方にも担ってもらっていろんな人の手を経てお届けしています。こんな事業ができているのもルーテルで過ごした大切な4年間のおかげです。いつでもルーテルの存在を感じながら過ごしています。

カゴノオト

https://www.kagonote.com/

カゴノオトの理念  *できてもできなくても認められる社会に貢献する  *カゴノオトに出会った全ての人がカゴノオトに出会えてよかったと思える事業を展開する

<卒業生>長野県ひかりの学校の新たな挑戦

私が応援しているひかりの学校の新たな挑戦です。皆さんも、応援してくださいませんか。以下、いただいたメッセージを紹介します。

ルーテル学院大学の皆様

卒業生の髙林真理です。

皆様にはいつも私たち夫婦が運営するフリースクール「ひかりの学校」を応援していただきありがとうございます。

「ひかりの学校」がある信州安曇野は、秋から冬へ季節が移り変わろうとしており、朝晩の冷え込みがこれから来る冬の寒さを告げ知らせているようです。教室は薪ストーブで暖かいのですが、休み時間になると子どもたちは毎日外に出て鬼ごっこやサッカーをしています!みんな元気です!現在10名の子どもが在籍しておりますが、1人の子どもは東京の公立学校に復帰することができました。また4人の子どもたちが来年度から公立の小学校に復帰するための準備をしております。

昨年度、「信州の特色ある学び すべての子どもたちに教室を!プロジェクト床・壁・天井 編」で皆様からたくさんのご寄付をいただき本当にありがとうございました。

寄付募集期間が終了した後もひかりの学校へ直接いただいたご寄付も合わせると、合計1,067,080円という今までにない多くのご寄付が集まり、夫婦ともども驚きと共に感謝の気持ちでいっぱいです。

どこまでの予算で、どこまで改築工事をするか、どんな補助金が活用できるかなど…、SATO建築工房の佐藤さんと話し合い、今年10月から改築工事が始まりました。

以前動画でもお伝えしたように、2階建の倉庫は元々蚕が飼育されていた場所で、つくりが頑丈な何もない物置きでした。ひかりの学校の活動の一つであるダンス練習をするのに、教室では狭いのでその物置きに畳をひいてダンス練習をしていました。そんな場所が今着々と素敵なスタジオに変わりつつあります!!現在まだ工事中ですが、その様子を動画にいたしましたので、どうぞご覧ください。

また、今年度は、昨年度の第二弾「信州特色ある学び すべての子どもたちに教室を!プロジェクト塗装・流し・トイレ編」として寄付を募っております。水回りも完備できると、学校での宿泊学習も可能になります!親の会・地域交流会など様々な活動を広げることができます。

この文章を読んでくださった皆さんが、今年も寄付にご協力してくださることもとても嬉しいです。しかし一方で、全国で社会問題となっている不登校や発達障害の教育活動に取り組んでいる「ひかりの学校」のことを、「私が応援している施設に、協力をお願いできませんか?」とお知り合いの方に宣伝していただけたら嬉しいです。

どうぞよろしくお願いいたします。

髙林真理

https://www.dropbox.com/scl/fi/gir8pel1cgwh62gfelbcm/2024-10-17youtu.be.webloc?rlkey=1788iwh4z47tjo9y5203lh3yz&dl=0

https://www.dropbox.com/scl/fi/b47g9ojtme6iujyw2n8eh/.pdf?rlkey=8o7znxejha2wi6ar29znqrj71&dl=0

ひかりの学校からのお礼のメッセージ

私たちが応援していたひかりの学校(学校ホームページ http://hikarinogakko.blog.fc2.com/からメール届きました。掲載いたします。私が誇る卒業生の働きです。

ひかりの学校の高林真理と賢です。この度は「信州の特色ある学び~すべての子どもたちに教室を!プロジェクト床・壁・天井 編」に関する寄付と情報発信をして頂き、心より感謝申し上げます。

報告についての動画を作成いたしましたので、どうかご覧頂けますようお願い申し上げます。

動画リンク

困難な問題を抱える女性への支援に関する法律

皆さん、おはようございます。お元気でお過ごしですか。

さて、ルーテル学院大学の卒業生、そして本学の大学院生でもあり、現在、厚生労働省社会・援護局総務課女性支援室 女性支援専門官をなさっておられる池田恭子さんより、メッセージが届いています。

「これまでさまざまな困難を抱える女性に対しての支援は、売春防止法を根拠とした婦人保護事業でした。しかし婦人保護事業はあくまでも売春の恐れのある女子(要保護女子)を保護・更生させることが目的であり、女性を支援するという福祉的な視点には欠けているものでした。
他の個別法によって、対象者を少しずつ拡大してきましたが、現状の女性をめぐる多様化・複雑化・複合化する問題に対応しきれず、現場からは制度的限界がしてきされてきておりました。
昨今のコロナ禍でその女性たちの問題が可視化されたこともあり、令和4年5月に「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律」成立しました。
この法律には「女性の福祉」「人権の尊重」等、その視点にたって支援を行うことが目的や理念に明記されました。
今年4月1日に施行されるにあたり、ハートネットTVでも取り上げてくださいましたので、是非ともこの法律やこの法律を必要とする方々がいらっしゃることを1人でも多くの方に知っていただければと思います。」

放映後の情報提供になってすいません。私のハートネットTVの社協特集と同様に、見られることを期待しています。

ちなみに、能登半島地震被災地支援に関しては、市川一宏研究室に掲載しています。

市川一宏

天畠大介さんが、社会福祉学会奨励賞(単著部門)を受賞!

ルーテル学院大学の卒業生の天畠さんは、『しゃべれない生き方とは何か』(生活書院)を執筆し、2023年の学会賞を受賞した。講評に関しては、学会のホームページをご覧頂きたい。

1981年に広島に生まれ、15歳の時、医療過誤により、四肢麻痺、発話障がい、嚥下障がい等、多くの障がいを抱え、2000年に千葉市袖ケ浦養護学校高等部を卒業後、様々な困難に直面しつつ、大学で学ぶ希望を捨てず、ルーテル学院大学総合人間学部に入学し、2008年、大学を卒業した。その後、立命館大学大学院先端総合学術研究科に進み、一貫性博士課程を修了した。現在、参議院議員。

私は、彼が本大学の学生であった時、多くの学生が学内で彼の支援を行い、一緒に育っていったことを覚えている。私にとっても、本当に身近な学生で、彼の前では自分も素直になって、接することができた。魅力的な人柄である。

また、天畠さんの受賞者として挨拶が代読されたが、その挨拶を聞いて、私は、彼の成長を誇りに思うとともに、育てて下さった立岩先生に心より感謝した。以下、代読された文章と彼が補足した言葉をご紹介する。

「あかさたな:立岩先生に感謝しています。(代読)代読します。この論文の執筆にあたって、お礼をお伝えしたい方は数え切れないほどいますが、今日この場を借りて恩師立岩真也先生に改めて感謝を伝えたいです。手も足も口も、自由に動かすことの出来ない私が、「ライフワークとしてできるのは研究しかない!」と思い立ったとき、大学院の門戸を開いてくれたのは立命館大学の立岩先生でした。前例がないほどの重度障がいの私に「ついに来たか」と声を掛けてくれました。研究に挑戦するチャンスを与えてくれた先生がいなければ今日、私はここにいません。信じられないことに、立岩先生は今年7月に急逝されました。奨励賞受賞の知らせを受けたのはその翌日のことでした。棺の中の先生に報告できたことは、深い悲しみの中で少し心の救いとなりました。

さて、この「しゃべれない生き方とは何か」は私の博士論文をもとに執筆しております。この論文執筆は私にとって「当事者性」を獲得していく過程そのものでした。私はそれまで、14歳で中途障がいになってから、自分の障がいを心から受け入れられたことはありませんでした。自分ではできないから人に助けてもらわないと生きていない、弱い存在。それが重度身体障がい者である自分だと捉えていました。

研究を続けていく中で、その考えが徐々に変わっていきました。

私は発話困難な重度身体障がいを持つ当事者の一人であり、この社会を生きていく上で生じる困難を、私が言語化して社会に発信していくんだ。

自分が先行研究から様々な気づきを得たように、私の研究が他の誰かの生きやすさのヒントになっていくかもしれない。

自分は自分の困難、障がいについて社会に声を届けることが出来る存在なんだ。

発信をすることで、たとえどんなに小さくても社会に影響を与えることができるんだ。

そう感じるようになったとき、無力な存在だと思っていた重度障がい者の自分の捉え方が変わっていきました。

あかさたな:当事者研究は自分に貼られたラベルを貼りなおすものです。<本人の言葉>

今も声をあげることができない、社会で生きづらさを抱える人はたくさんいます。その方たちに少しでも影響を与えられるような研究、活動を今後も続けていきたいと思っています。

本日はどうもありがとうございました。


 言いかえると、論文執筆の過程は自分に誇りを取り戻す作業であったとも言えます。<本人の言葉>

授賞式の後、私は控え室に彼を訪ねた。懐かしい彼に会って、共に笑い合い、私は約20年前の日々に一気に戻った。そして、彼が結婚し、自立したことを知った。(伴侶の方は、彼の右におられます。おめでとうございます。)また、今も天畠さんの通訳を続けている卒業生(左)の元気な姿に出会うことができた。私にとって、本当に幸せな時であった。

長野県安曇野市で取り組んでいる「ひかりフェスティバル2023」を応援して下さい。

皆様

 天候がめまぐるしく変わる日が続きますが、いかがお過ごしですか。

 くれぐれも健康にご自愛下さい。

 さて、私たちの仲間である髙林(旧姓:浜野)真理さんが、夫の賢さんと長野県に移住したのが今から14年前。二人とも、関東の同じ児童養護施設に勤めていましたが、民間のフリースクール『ひかりの学校 New Education School』を開設したのが、今から9年前になります。

 ひかりの学校の理念は、聖書の「私の目にあなたは高価で尊い イザヤ書43:4」です。ひかりの学校を利用する子どもは、公立学校への不登校や不適応行動があったり、発達障害などの様々な理由で通ってきていますが、目指すのはすべての子どもが社会自立のために学ぶ「普通の学校」です。

 そして、ひかりの学校の学びの特色は、「人との関わりを学ぶ」ことです。バンドの音楽活動やダンス・デジタルIT学習・調理学習・野外活動・工作・畑などの体験型の学習を活動の軸としながら、学ぶ目的は子ども同士の関わりやリーダーシップを学ぶことです。今まで多くの子どもたちがひかりの学校を卒業して公立の学校へ復帰しました。

 ふりかえって、この間の運営は順風満帆であったわけではなく、何度も挫折しそうになったそうです。「夫と2人で泣いたこともあります。私たちにはこの学校を続けるのに相応しくないのかもしれない、神様が授けてくださった子どもたちを育てるには力がないのかもしれない、もし私たちが間違っているならば、この学校を閉じて下さいと祈りました。それでも神様は私たちを諦めずに、共にいて、私たちを成長させて下さいました」と真理さんは語ります。

 他方、たくさんの励ましが、「ひかりの学校」の歩みを支えていたそうです。現在ひかりの学校に在籍している1人の子どものお母さんは、「ひかりの学校に来る前までは、出口のないトンネルを歩いているようだった。でも、ひかりの学校に来て本当に変わった。そして今までの自分と同じように苦しんでいる人が大勢いるから、みんなに伝えたいと思った。でも、伝えても自分が思っているようなレスポンスは返ってこない。だから、伝えないほうがよかったのか?自分の伝え方が悪かったのか?とか色々考えちゃう。でも、そんなこと気にしないで、選ぶのは相手の自由だから、私は伝え続けようと思う」と語って下さっています。このような利用者の方の思いが、二人の勇気となっています。

今、「ひかりの学校」は、新たな挑戦を始めます。二人の気持ちをお伝えします。

「ひかりの学校をもっと多くの人に知っていただき、ひかりの学校を共に支えてくださる仲間を集めます。そのために3つのプロジェクトを進めています。

1つ目は、ひかりの学校NPO法人化です。来年度からNPO法人ひかりの学校として運営できるように準備をしています。

2つ目は、『信州の特色ある学び』という長野県が行うクラウドファンディングで、ひかりの学校の倉庫2階を教室として改築する費用を集めます。倉庫2階を教室に改築できれば、ダンス活動バンド音楽活動に使えるのはもちろんのこと、保護者の勉強会や地域との交流、宿泊学習にも活用できます。

3つ目は、『ひかりフェスティバル』を開催します。開催の目的は大きく3つあります。1つ目は、生徒たちと地域の方々との交流学習。2つ目は、ひかりの学校を、多くの子どもとそのご家庭、また安曇野市周辺の学校に知っていただくこと。3つ目は、不登校など子どもの教育に悩む保護者の方々に、フレッシュで明るい教育の情報を届けたい、というものです」

 ちなみに、髙林真理さんは、ルーテル学院大学卒業後、児童養護施設に就職し、その間、ルーテル学院大学大学院社会福祉学専攻課程に入学してきました。入学時に彼女が言った、「子どもたちを大切に接していると、蓄えていた心の壺が乾いていく時がある。大学院で学んで、心の壺に愛を満たして仕事をしていきたい」という言葉は、私たち教員にとって院生を教える大きなモティベーションになっていました。

 皆さん、社会がもっとも必要としている絆をつくる「ひかりの学校」の新たな歩みを、ご一緒に応援して頂けないでしょうか。

 応援の方法につきましては、以下に書かせて頂きます。

 どうぞよろしくお願い致します。

2023年10月1日

唐澤(旧姓:伊藤)啓子(1992年学部卒)

河内(旧姓:大森)れい子(1992年学部卒)         

篠宮妙子(1992年学部卒)

仁志田(旧姓:山田)晶子(1992年学部卒)

西原雄次郎(ルーテル学院大学名誉教授)

市川一宏(ルーテル学院大学名誉教授)          

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「すべての子どたちに教室を!プロジェクト床・壁・天井編」動画での紹介

ひかりの学校のブログより

http://hikarinogakko.blog.fc2.com/blog-entry-497.html

寄付方法

長野県みらいベースホームページからの寄付

長野県みらいベースHPより

「すべての子どたちに教室を!プロジェクト床・壁・天井編」

こちらからのリンクかQRコードから読み込んでください。

こちらからの寄付は税制優遇措置を受けられます。

「このプロジェクトを応援する」をクリックしていただくと、「あなたの寄付でできること」とあります。「寄付はこちら」からご寄付ください。もしやり方がわからない場合、「長野県みらい基金」にお電話(0263-50-5535)ください。ひかりの学校に寄付したい旨伝えていただくと丁寧に教えてくれます。

 

チャレンジ(「富士登山のご報告」)

 皆さま、こんにちは。ルーテル学院大学の学部、大学院博士前期課程の卒業生の御牧と申します。現在は、静岡県立静岡がんセンターで医療ソーシャルワーカーとして働いています。

 7月28日~29日、静岡県がん患者会一歩一歩の会のサポーターとして、がんサバイバー(がんの闘病を経験された方)と一緒に富士登山に挑戦しました。この患者会は、今年で創立20周年になります。毎年夏に、がんサバイバーの方とサポーターが協力し富士山に登っていましたが、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、この活動はしばらく実施できていませんでした。今年は4年振りに富士登山を再開することができました。

 がんサバイバーの方の「富士山に登りたい。頑張るぞ」という思いによって結成された今年のチームには、登山のインストラクター、陸上自衛隊富士駐屯地の曹友会の方々、看護師・理学療法士・MSWの医療関係者など総勢13名のメンバーが参加しました。

 一日目の朝、富士宮口の五合目から登り始めて、標高が高くなるに連れ、息苦しさが生じてきたり、リュックが重く感じるようになったり、足・肩・手の痛みやしびれ、強い日差しを浴びて体力が奪われるなどのつらさもありましたが、みんなでサポートし合いながら、一日目のゴールである八合目の山小屋に無事に到着しました。山小屋ではスタッフの方々の温かいおもてなしと美味しいカレーに心身が癒され、英気を養うことができました。

翌朝の4時40分頃、山小屋の前から美しい御来光を眺めることができました。そして、八合目から頂上を目指してみんなで励まし助け合いながら、ゆっくりゆっくり歩みを進め、参加者全員が登頂し、またその日のうちに五合目まで下山し、無事に戻ってくることができました。

がんの闘病を経験された方と共に一歩一歩踏みしめながら富士山に登ることにより、サポーターの私自身が大きな目標の達成感と勇気をいただきました。

富士山頂で、市川先生はじめルーテル学院大学に連なる方々のことを心に留め、皆さんのご健康を祈願しました。機会があれば、ぜひ皆さんも富士登山に挑戦してみてください。

上:8合目から見えたご来光

下:九合目辺りから見える風景、左手前に見えるのが山中湖