2024年05月の投稿

星野富弘画詞展

今日、社会福祉法人こころの家族が経営する故郷の家・東京の地域交流スペースで開催されている星野富弘画詞展に行ってまいりました。

私にとって、星野富弘氏の作品からたくさんの勇気を与えられていました。その星野さんが、4月28日に天国に召されたことを、5月になって知りました。以前より予定されていた画詞展でしたが、ご本人がご逝去なられて初めての画詞展になったとのこと。改めて作品と出会い、改めて星野氏の思いを学んできました。

生きることの大切さ、生きていることの感謝を改めて感じた時でした。

潮谷義子先生が、第55回キリスト教功労者に決定

ルーテル学院は、全国にたくさんの関係法人があり、ルーテル法人会連合というネットワークに所属しています。そのメンバーである熊本の総合施設慈愛園の乳児ホーム元施設長であり、慈愛園理事長であった潮谷義子先生が、キリスト教功労者顕彰を受けられることになりました。同時に、夫の潮谷愛一先生と共に、孤児の父と言われる石井十次賞を受賞なさいます。受賞を心より祝福し、ご報告させて頂きます。

「2024年5月に行われた日本キリスト教文化協会理事会において、第55回キリスト教功労者顕彰ついて審議され、潮谷義子先生が選ばれました。同顕彰は、キリスト教関係の社会事業・教育事業・文化事業及びキリスト教思想の普及に功労のあった者を対象にするものです。

以下、義子先生の顕彰の理由を私なりに考えたいと思います。

1.キリスト教社会福祉の実践

義子先生は、1953年、佐賀バプテスト教会賀来国生牧師より洗礼を受けられ、現在熊本市にある日本福音ルーテル神水教会の信徒です。佐賀県福祉事務所、大分県社会課等の職務を経て、1973年に熊本にある社会福祉法人慈愛園の慈愛園乳児ホームに勤務し、1983年より同施設長となられました。

そもそも慈愛園は、1919年に、当時のルーテル宣教師会が 「信仰は行為を伴わなければ死んだも同じ」という聖書の精神を源として福祉実践をスタートさせた施設です。創立者モード・パウラスをはじめ各々の働き人は、眼前の家庭、地域社会から排除された人々の叫びを見逃さず、支援のために児童養護施設、老人ホーム、障害者施設等を建て、現在の総合施設となっています。同法人は、ミッションとして、「イエス・キリストによって示された隣人への愛と奉仕の精神に基づき、利用者の個人としての人格を尊重し、心身ともに健やかに育成されるよう多様な福祉サービスを提供する。また地域社会に於いて利用者の有する能力に応じた自立した生活を営めるよう支援する」ことを掲げています。法人の使命を実現すべく、義子先生は、家庭で育てられない赤ちゃんを預かる乳児ホームの責任を担われてきました。

また、義子先生は、2017年10月より慈愛園の理事に、翌年理事長になられ、4年間、その重責を担われました。特に2019年に行われた創立100周年記念事業では、神水教会での礼拝がお祝いの重要な軸に置かれ、また式典は賛美歌の合唱で始まりました。これは、日本福音ルーテル教会に連なる社会福祉関係法人の伝統に則るものであり、キリスト教精神が堅持された慈愛園の伝統が明らかに受け継がれ、日々の事業に活かされています。

なお、それらの働きが評価され、本年、潮谷愛一先生、義子先生は、第33回石井十次賞を受賞しました。受賞理由は、慈愛園の運営などを通して児童福祉や人権問題に関わってきたことと発表されています。

2. キリスト教信徒であり、女性知事としての社会的貢献

義子先生は、1999年熊本県副知事に、2000年からは8年間知事としての責任を担われました。当時、川辺川ダム問題、ハンセン病患者をめぐる問題、水俣病の認定等の水俣病をめぐる問題、増加する児童の貧困、虐待の問題等、解決すべき問題が山積する中、義子先生は、クリスチャンであることを明確に示されました。当時の県政運営方針には、「性差、年齢差、障がいの有無にとらわれず、誰もが人権と生存を犯されることなく暮らしやすい豊かな熊本」を目指すことが宣言されています。障がいがあっても地域の中でいきいきと存在できる地域の創造、児童虐待等の児童の生命と生活を脅かす状況に対する毅然とした取り組みを推進できた背景には、特に2つの信念があったとお聞きしています。第一は「神よ、変えることのできない事柄については受け入れる冷静さを、変えるべき事柄については変える勇気を、そしてそれら二つを見分ける知恵をわれらに与えたまえ。」というアメリカの神学者ラインホルド・ニーバーの祈り。義子先生は、ニーバーの精神に立ち返り、ひたすら神に問いかけ、祈りながら、諦めず、投げ出さず、地道に改革を進められたのでした。

また第二は乳児ホーム等で培った、すべての子どもが神から祝福されて命が与えられ、もって生まれた能力を十分に伸ばして成長できるよう、医療、教育、生活への支援などを受けることが保障されるべきであるという児童の権利に関する条約の信念です。困難な状態に置かれた人に寄り添い、守る姿勢が、すべての施策の原点にあったと私は考えています。

その後、義子先生は、2009年に長崎国際大学学長、2012年に日本社会事業大学理事長となられ、現在、社会福祉法人恩賜財団済生会会長の職務に就いておられます。 

以上のことから、私は、潮谷義子先生が、キリスト教功労者顕彰を受けられることは、われわれルーテル教会に連なる者にとっても喜びであり、先生に心より敬意を表したいと思います。」

前田ケイ先生の近況

仙台に住んでおられる前田ケイ先生の近況をお伝えします。ちなみに、ケイ先生は、本年1月で93歳になられ、今も教育と研究、実践への情熱をもって、意欲的に取り組まれているルーテル学院大学・大学院の名誉教授です。私は、ケイ先生の夫である前田大作先生に私の大学院院生時代ご指導を頂いており、1983年に日本ルーテル神学校神学部神学科キリスト教社会福祉コース主任であられたケイ先生をご紹介頂き、専任講師として赴任することができました。制度政策を研究テーマとしていた私にとって、社会福祉援助技術・方法、すなわちソーシャルワーク論は良く分かっておらず、また初めての高齢者福祉施設における社会福祉実習指導では、ケイ先生にスーパーバイザーになって頂き、試行錯誤しながら学生と学んでいました。1988年に東京大学病院精神科デイホスピタルにおいて、障がい者リハビリテーションの方法として、SSTを日本へ導入した方です。

 公私ともども、私が本当にお世話になった方、私の恩師であり、ルーテル学院大学を育てた恩人です。今でも卒業生を指導していることをお聞きしており、情報を頂きたいと申し上げましたところ、すぐに以下のメールが届きました。

別にみなさんにお知らせするほどのものでもないのですが、3月には、増野先生と私がおりました頃に行っていた「アクションメソッド研究会」の人たちが中心で、私のところに「サイコドラマやSST」などの勉強に大学院や大学の卒業生達とその知人、15名くらいが集まりました。コロナ前からの計画でしたが、やっと開催できました。とても楽しかったです。7月にはまた、大学院の卒業生を中心にした10名くらいで、グループワークの勉強会を開きます。全員が、どこかの大学でグループワークを教えていたり、現場でグループを支援している人たちです。これは泊りがけの勉強会です。

 私はもうあまり自由に出かける元気がなくなったので、来て下さることは大歓迎です。幸い、勉強できる部屋や食事の便利もあるので、時々、このような勉強の集まりをもっています。

 今、津川さんとは高齢者の回想法をただ語るのではなく、その思い出を劇の様にアクションで演じてみるともっと面白いので、「アクション回想法」の勉強会をする計画をたてております。まず、津川さんのところの職員をつれてくると津川さんは言っています。

 それから、目下、進行中の勉強会は10回シリーズで仙台市内の心理職の人が中心になって、10回シリーズで毎月1回、SSTの勉強会を日曜日に開いています。13名くらい集まっています。今度の日曜日が第5回目ですが、1回4時間の勉強会です。講義ではなく、実技練習も入れて、実際にできるようになるために、ロールプレイなどで、練習をする勉強会です。とても好評なので、第2回もまた、12,3名募集して、10回シリーズの勉強会をする予定です。

 以上です。関心のある方はどうぞ、私のところにメールでも電話○○でも、お問い合わせください、とお伝えください。  なお、前田先生への連絡方法は、大学もしくは市川のメール(kichikawa@luther.ac.)にお問い合わせ下さい。

故前田大作先生、そして今もご健在のケイ先生へ、私は心より感謝いたしております。    市川一宏

社会福祉協議会のあり方を考える

皆さん

おはようございます。

社協基本要項について、フォーラムがあります。社協のあり方をめぐる重要な議論です。

確かに、ケアマネ、ソーシャルワーカー、介護職員の養成確保の問題、孤立や貧困問題の深刻化等、介護保険等の制度の根幹を揺るがしています。このような状況にあって、多くの社協が行ってきた実践や先駆的取組を検証し、また様々な協働した取組に挑戦し、新たな社会を目指すことは、社協としての共通性、基本的性格であり、そこにアイデンティティを感じている方も少なくないのではないでしょうか。

しかし、現実には、「ねたふり社協」といわれる社協も散見されます。私は、今回のフォーラムや、全社協の地域福祉推進委員会の議論がより強化されますことを期待しています。

また、それに関連して、和田先生の文献をご紹介します。

市川一宏

◆「社会福祉協議会 基本要項フォーラム」のご案内

改めて考える社会福祉協議会~基本要項2025の策定を契機に~

(全社協 地域福祉推進委員会)

全社協 地域福祉推進委員会では、「社会福祉協議会 基本要項2025第一次案」をとりまとめ、全国の社協に意見照会を実施しております。今般、社協基本要項2025の第一次案の内容を報告するとともに、改めて全国の社会福祉協議会役職員が社協のめざすべき姿等について意見を交わし、ともに考えることを目的に、標記フォーラムを開催いたします。

【日時・会場】

<東京会場>2024年6月 3日(月)全社協・灘尾ホール

<岡山会場>2024年6月18日(火)岡山市・きらめきプラザ

<仙台会場>2024年6月24日(月)仙台市・フォレスト仙台

※各日とも、12:30(受付開始)~16:15

【登 壇 者】

<東京会場>高橋 史成氏(柏市社会福祉協議会 地域福祉課長)

嶋田 貴美氏(坂井市社会福祉協議会 事務局次長)

坂本 雅樹氏(宮崎県社会福祉協議会 事務局長)

<岡山会場>越智 和子氏(琴平町社会福祉協議会 会長)

大熊 宗麿氏(名古屋市社会福祉協議会 事務局次長兼総務部長)

荻田 藍子氏(兵庫県社会福祉協議会 福祉事業部長)

<仙台会場>野村 宏之氏(北海道社会福祉協議会 事務局長)

山本 繁樹氏(立川市社会福祉協議会 総合相談支援課長)

所 正文氏(堺市社会福祉協議会 事務局次長兼地域福祉課長)

【参加対象】社会福祉協議会役職員

【参 加 費】3,000円

【定 員】各会場200名 ※先着順

【締 切 日】2024年5月20日(月)

【主なプログラム】

○基調説明:基本要項2025第一次案について

○グループ討議:改めて考える「社会福祉協議会」

・各々の社協の活動を振り返りながら、これからの社協がめざすべき姿について意見を交わし、ともに基本要項2025第一次案について考えます。

ぜひ、事前に基本要項2025第一次案をお読みのうえ、ご参加ください。

・グループ討議に参加する準備として、ご自身のお考えを事前におまとめいただくため、事前記入シートを用意しております。当日は印刷したものをお持ちください(提出は不要です)。

○全体まとめ

【詳 細】下記URLをご覧ください。

【問合せ先】

○会議について

全社協 地域福祉部(森山・福與・下徳)

TEL:03-3581-4655 FAX:03-3581-7858

Email:z-chiiki@shakyo.or.jp

○参加申込について

名鉄観光サービス株式会社 MICEセンター(下枝・柴田・岩倉)

TEL:03-3595-1121 FAX:03-3595-1119

(受付時間 平日10:00~17:00(土日祝日は休業)