さて、NHK ハートネットTV「フクチッチ」で、2回にわたり、「社会福祉協議会」の特集をします。
収録は3時間に及び、そこからNHKが編集をしますので、言っていることは明確か、言語が明瞭か、うつりはどうか、そもそもどの程度私が出ているかわかりませんが、精一杯、先生役を努めさせて頂きました。
どうぞご覧下さい。
【放送日】(前編)2023 年 6 月 5 日(月)20:00~20:29、(後編) 2023 年 6 月 12 日(月)20:00~20:29、Eテレ ※NHK+などでの配信有
【再放送】6月24日(土)14時から、前・後編続けて放送
【メインパーソナリティー】風間俊介(かざま・しゅんすけ/俳優)
【ゲスト】ハリー杉山(タレント) あんり(芸人/ぼる塾) てれび戦士:ケイ(江口慶・小6) サキ(大野冴姫・小5)
【先生役】市川一宏(ルーテル学院大学名誉教授)
【秘書】 ブルボンヌ
上記の放映後、たくさんの方々より応援メッセージを頂きました。感謝しています。
準備の段階から、NHKの担当ディレクターの方々と内容についてご相談する機会を頂きましたし、そもそもそれ以前より、担当ディレクターは多方面の方からヒアリングを行い、実情を良くご存知でした。それが前編の内容となっています。私の意見もカットされて編集されていましたが、補足資料も加えられ、全体として納得いく内容になっていました。
私が番組で申し上げたように、確かに社協は様々です。画一化はむずかしいです。この番組を見た住民から、社協のことの問い合わせがあったら、それぞれが自組織の説明をして頂きたいと私は思います。文京区社協は、生活困窮者支援、地域福祉コーディネーターの実践等で特徴ある社協です。災害時対応について説明した長谷部さんが所属する神戸市社協も同じ。それは全国モデルではありません。それぞれの社協には個性と強みがあると私は思っています。
ですので、それぞれの社協は、住民に対して説明責任を果たして頂きたい。今回の特集で、住民と社協の新たな関係の構築ができれば良いと思っています。
後編をご期待下さい。
PS.メインパーソナリティーの風間俊介さんとお会いしましたが、よく勉強され、私の説明が不足している時には、補足して下さいました。社会福祉に関して十分理解しておられると思いました。また、ハリー杉山さん、あんりさん、てれび戦士:ケイ(江口慶・小6)さん、サキ(大野冴姫・小5)さんの意見も率直であり、良く学び、準備されていました。秘書の ブルボンヌさんの進行も私にとっては心強く、番組を作り上げて下さいました。私も、このような方々と出会い、勉強になりました。ディレクターの方々を含めて、あらためて感謝いたします。
追:NHK for School「フクチッチ 社会福祉協議会」が公開され、ご覧頂けるできるようになっています。いくつかの社協が、この番組を使って、ボランティア活動の推進、災害ボランティアセンターの設置等についての説明をしていると聞きます。私にとっても、うれしいことです。
https://www2.nhk.or.jp/school/watch/bangumi/?das_id=D0005170842_00000
https://www2.nhk.or.jp/school/watch/bangumi/?das_id=D0005170843_00000
https://www2.nhk.or.jp/school/watch/bangumi/?das_id=D0005170844_00000
https://www2.nhk.or.jp/school/watch/bangumi/?das_id=D0005170845_00000
投稿日 23年06月07日[水] 9:49 AM | カテゴリー: カテゴリ無し,共助社会づくり,社会福祉関連
以下は、髙林さんからのメールです。
「うちの学校も一年が過ぎて子どもも増え、多くの方の理解頂くようになっては来ました。現教育制度の問題点を3つ挙げて話しております。一つは、過度に競争的な教育制度であることです。いわゆる義務教育の9年間が、高等学校受験に偏重しており、子ども個々の能力の発達の支援が困難であることです。二つ目は、月齢や年齢によって子どもの発達段階を厳しく評価することです。子どもの言語能力を含めた発達は、おおきなバラツキがあります。社会自立に問題のない子どもが、特別支援学級を利用することで、社会自立が困難になる事例を多く感じます。三つ目は、休息、余暇、遊びの時間の絶対的欠如です。これらの軽視が、教育問題の最大の課題であると思っています。
ひかりの学校の理念は、
- 子どもが望む活動を通した学習
- 基礎学力の意欲・知識・技術の定着
- 自己実現と社会自立につながる体験学習 です。
上記の理念の中で何より重要と思っているのは、意欲です。小学4年生くらいまでの基礎学力の定着と意欲があれば、何の職業でもなれると子どもに話しています。
学習の評価は、成果よりも取り組む意欲を見ています。文字や計算の学習でも、造形遊びのような木工作でも、音楽でも調理でもいい物ができたかではなく、子どもが没頭できる時間と場と機会を設けられたかを重視しています。
すべての学習は参加型をとっており、参加を子どもが選べます。同時に、いつでも好きな時に休息をとれるようにしています。
受け入れ体制は、就学年齢児童以上で上限は設けていません。現在は小学1年生から中学1年生までの子ども10名が利用してくれています。元気に学校へ通っていた子ども、不登校の子ども、特別支援学級を利用していた子どもなど様々です。
ひかりの学校 ブログ「すべてのこどもに新しい教育をhttp://hikarinogakko.blog.fc2.com〒399-8301 長野県安曇野市穂高有明7015-1 ☎︎0263-55-3353 代表:髙林 賢☎︎090-9391-8954 soil@mac.comひかりの学校三つ折りチラシ前面
長い間、長野県・長野市の地域福祉に貢献している親しい友人にメールを送り、ひかりの学校についてお話をしたら、「「ひかりの学校」の取り組みすごいですね。長野県の「子供白書」にも書かれていました。機会をつくっていきたいと思います。」との返事。徐々に、努力が評価されていると聞き、うれしく思いました。最初は、たいへんです。私も、応援したいし、今度は直接お伺いしたいと思っています。高林真理さんが、児童養護施設に働きながら、大学院に通った理由を今でも忘れません。「心の壺には、たくさんの愛情が入っています。しかし、その壺に入っている優しさや思いやり、愛する心は、子どもたちに与えながら、減っていきます。だから、その心の壺を満たすために、大学院に来ました」という真理さんの姿勢に、感動しました。真理さんが選んだご主人が、親御さんと一緒に精一杯築いてきた「ひかりの学校」を、私は推薦いたします。
以上は、2016年6月に市川一宏研究室に掲載した私の原稿です。今回は、その時の約束を果たすことができました。これも、定年退職をしたご褒美かもしれません。
2023年5月17日水曜日にNHKスタジアで、フクチッチの11時から17時までの収録を終えた翌日、私は午前8時24分立川発の特急あずさ5号に乗り、松本に着いてからさらに大糸線に乗り換え、中萱駅に着いた。そして真理さんに駅まで迎えに来てもらい、念願のひかりの学校に到着できたのである。
髙林さん夫婦は、民家を購入し、活動を始めていた。当初から、順風満帆ではなかった。近隣の方が、ひかりの学校の存在を十分に受け入れて下さるには、通常は長い年月がかかるはず。また、近くに親しい友人がいる場所の家を購入したわけでなく、試行錯誤で活動を始める中で、孤独感も感じたと思う。そのような時に、フィリピンの牧師が伝道する教会に出会い、救いの導きを与えられ、この5年間の学校の実績を積み重ねることができたと、お二人は振り返る。本当に熱心なクリスチャンである。
12時頃にひかりの学校に到着した。環境にの良い住宅地に、学校があった。そして家に広い庭があり、子どもたちの遊び場でもあったし、のびのびと互いが交流する学びの場でもあった。家の玄関に看板があり、そこから家に上がると、子どもたちはピザを作っていた。子どもたちはそれぞれ、想像力を膨らまし、独創的なピザを作り上げていた。入ってきた私に、自分のピザを誇らしげに見せ、私にピザを作らないかとの誘ってくれた。でも、正直、子どもたちの元気さに戸惑い、どう解答して良いか混乱していた。今から思うと、ピザを作っていればよかった。一緒に味を競い合えたのに。
庭には、釜があり、子どもたちは順番にピザの生地を持ってきた。それを手際よく焼く髙林さん。何枚も焼き終わったところで、庭に置いたテーブルを囲み、昼食が始まった。甘いピザが多かったが、結構おいしかった。
以下の写真は、私とひかりの学校の子どもたち、大学の卒業生真理さんと、高林さんのご夫婦、ボランティアのお母さんの集合写真である。ちなみに、この中の1人は初めてのひかりの学校に登校した児童で、数年前に父親が脳梗塞で倒れ、今も体が不自由なこと、お母さんが一人で生活を支えていること、いろいろなことがあって、公立小学校に休むことも度々あったことを話してくれた。そして、多くが自宅にいたので、今日は、久しぶりの外出と聞いた。私がひかりの学校にいる間、彼と話す機会があり、一緒に近くの神社にも探検に行った。
彼と一緒に過ごしていると、疲れからか、たまに彼の呼吸が乱れることがあった。その時には、互いに目を見て頷きながら、自分らしくいようと確認した。彼は、いろいろな思いを持って確かに、十分に生きている。それを私は彼の言葉から実感した。彼が信頼する人、自分らしくいられる場を見つけることができるなら、新たな自分らしい歩みが始まると思う。
僕が帰る時は、最後まで見送って、いつまでも手をふっていてくれた彼。ぼくは、この出会いをこれからも大切にしたいと思っている。
と同時に、それぞれの子どもに、安心して成長する場を提供しているひかりの学校は、子ども、親、地域から、必要とされる場所となっていると実感した。自分の目で見て、体験した時間はわずか4時間程度であったが、私にはひかりの学校を必要としている子ども、親たちがおり、私たちも、必要としていると感じた。以前、子育てSOSという講演とシンポジウムを開催した。副題は、「明日のある子どもたち、明日のある親たち、明日のある私たち」である。児童養護施設の職員として、学校の教員として、そしてひかりの学校の運営責任者として頑張っている髙林賢さん、一緒に歩み、ひかりの学校の土台骨になっている卒業生の真理さんの働きに、神様のみ恵みが豊かに注がれますようにお祈りしたい。また、これからも訪問させて頂きたいし、応援していきたい。
今、小・中学校の不登校、過去最多24万人超 : コロナ禍で生活の乱れ、交友関係築けずという記事が出されました。(nippon.com) コロナ禍の2年半、目に見えないウイルスは経済、社会、政治を大きく揺さぶった。ましてや、小学生や中学生にとって生活が一変し、友だちや先生とのコミュニケーションがとれないことが、どれほどのインパクトだっただろうか。小中学生の不登校、過去最多の24万人。文部科学省が公表した「問題行動・不登校調査」で、全国の小中学校で2021年度に学校を30日以上欠席した不登校の児童生徒は前年度から4万8813人(24.9%)増の24万4940人となり、過去最多を記録した。不登校の増加は9年連続で、10年前と比較すると小学生は3.6倍、中学生は1.7倍増。不登校の内訳は、小学校が8万1498人(前年度比28.6%増)、中学校が16万3442人(同23.1%増)で、いずれも増加率は過去最高。特に中学生で急増しており、20人に1人が不登校だった。不登校の内訳は、小学校が8万1498人(前年度比28.6%増)、中学校が16万3442人(同23.1%増)で、いずれも増加率は過去最高。特に中学生で急増しており、20人に1人が不登校だった。(nippon.com)
どうしてこれだけ不登校の子どもたちが増えるのだろうか。コロナ禍にあって、教育、福祉関連システムの制度疲労が起こっているのかもしれない。ならば、私は、それぞれ一人ひとりに合った福祉、教育システムを、当事者の子どもも加わってつくり上げていきたい。それが希望ある明日を目指す行動であると信じるから。
投稿日 23年06月02日[金] 11:03 AM | カテゴリー: カテゴリ無し,共助社会づくり,出会い,社会福祉関連