ねりまパワーアップカレッジ6期生卒業式(2014年度)

なりまパワーアップカレッジが、本年で、第6期になる卒業生を送ることができたことは、本当にうれしいことです。私は、準備段階より関わらせて頂き、たくさんの貴重な体験をしてきました。特に、卒業生の活動が地域に根付き、広がってきたことを実感し、感慨にたえません。それぞれの力強い活動は、もう私には制御不能。このような学びの機会をつくり、強く推進して下さった故志村豊志郎前練馬区長に心より感謝し、つつしんで、哀悼の意を表したいと思います。

学長としての祝辞

第6期生の皆さん、卒業おめでとうございます。この2年間のそれぞれの努力に敬意を表し、「ふるさと」というテーマのお話をさせて頂きます。

「ふるさと」の歌は、卒業していった方々がオカリナやハーモニカ、6期生で結成された「ソーレ」で演奏なさった曲でもあります。では、皆さんにふるさとはありますか。かつて住んでいた所ですか?自分の幼い時に、青春時代に住んでいたところでしょうか。

本年の5月26日、陸前高田市に行きました。宿泊したホテルはキャピタル1000。ホテルの名前に数字の1,000が付いていますので、ご存知かもしれませんが、千昌夫が生まれた町でもあります。千昌夫の『北国の春』では、「季節が都会ではわからないだろうと 届いたおふくろの小さな包み あの故郷(ふるさと)へ帰ろうかな 帰ろうかな」と歌われ、母親の姿が故郷への思いを強くさせます。

しかし、私が行きました時には、陸山高田市の歌に歌われた自然はまったく見られませんでした。7万本あった高田松原の木々は流され、唯一、一本残った奇跡の一本松が保存されて植えられていました。そして復興のため、近くの丘から土が運ばれ、地面を高くして町を再建する工事がなされていました。

目に見えるふるさとの姿は、多くを失いましたが、私がある若者に「これからのどのような陸前高田をつくっていきたいですか」と聞いた時に、帰って来た返事は、「昔のような豊かな自然と、被災した時に皆で助け合った強い絆のある町です」というものでした。

私は、思っています。私たちは、今、様々な困難を生み出している、それぞれが住んでいる地域を「ふるさと」にできないかと。ねりまパワーアップカレッジで養ったそれぞれの力を合わせて、新たな「ふるさと」を作り上げていく。その思いを支援する「ふるさと」として、ねりまパワーアップカレッジはたえずあり続けていくと思っています。

卒業おめでとうございます。

学長へ送付用1