阿部志郎監修・著『福祉に生きる君へ』

3月には卒業して社会に巣立っていく学生を見送り、4月には新入生が入学し、また新たな歩みが始まったという感動を繰り返して、今年で38年目になります。

この間をふりかえって、私は、さまざまな思いがわき上がります。大学を献身的にご支援下さった前理事長の故石原寛先生、現理事長の松沢員子先生をはじめとする、たくさんの方々への感謝、社会福祉、教育、医療、宣教、地域の現場で困難に直面する人と共にいる卒業生への敬意、全国各地、全世界でルーテルのミッションを掲げて働いている方々との信頼が、今までの私の行動の原動力になっていたと実感しています。

定年まであと2年となり、これからの自分の歩みを考えている時に、阿部先生よりお誘いがあり、阿部志郎監修・著『福祉に生きる君へ〜私は何を伝えてきたか』(燦葉出版社) に「専門職である前に一人の人間であれ〜阿部志郎先生との出会いをとおして」という原稿を書かせて頂きました。阿部先生には、自分が歩んでいく道に迷い、横須賀基督教社会館を訪問した大学生の時に始まり、今日に至るまでご指導頂いております。今回の原稿は、自分の原点を考える大切な機会になりました。

そして、今、新型コロナ感染症が拡大し、不安、恐怖、不信、怒りが生まれ、貧困、孤立等の負の連鎖が広がってきています。だからこそ、私は、大切なもの、大切なことを守る決意が必要だと思います。その中に「人への思いやり」を加えたい。そして、コロナウイルスの脅威にさらされている今、すべきことを考え、できることを実践していきたいと思っています。

今後とも、ご指導頂けますよう、お願いいたします。

                           2021年4月 市川一宏

コロナ禍における地域ケアを考える

埼玉県社会福祉協議会が発行する月刊紙S・A・Iに以下の原稿を寄稿しましたので、ご報告いたします。