人生100歳時代を賢く生きる

2024年7月6日(土曜日)、三鷹産業プラザ7階で、早稲田稲門会三鷹支部の総会があり、その後、三鷹市の河村孝市長が市政報告を、市川が講演を行った。私の3時50分から4時40分の50分の講演の間中、外では雷鳴が鳴り響き、大量に降り注ぐ雨の音が聞こえていました。

内容は、どうぞ、私のレジメをご覧下さい。嵐を呼んだレジメですが、三鷹の稲門会でしたので、三鷹のサービスを中心に、私が信条としているごく当たり前のことが書かれています。72歳を迎えた私自身の思いでもあります。ただ、可能であるかどうかは、不安もあります。

https://www.dropbox.com/scl/fi/1b2y3vytkkvdtljst15xs/2024.7-100.pptx?rlkey=o4ii3ynojwigxrdknfxozkt36&dl=0

終わった時には、雨はやみ、次の会場には、傘もささずに移動できました。

北海道浦河ベテルの取り組み(グループホーム)

2024年6月21日・22日、北海道の浦河にで開催された、キリスト教社会福祉学会の大会に出席しました。現地主催は、浦河ベテルで、障がいをもつ方自身が当事者研究を通して、自己実現をはかっていく。そして、地域にベテルの施設が広がっていくことで、地域の基盤が向上していくという地域づくりが行われていました。

では、質問。写真には、動物が映っています。なんでしょう。

正解はキジの親子です。車が近づいても、中々逃げず、私が車から降りたら、急に小さい子どもも飛んでいきました。

そしてたどり着いたのが、このグループホームです。

このグループホームには統合失調症やうつ病などの症状をもつ5人の男性が住んでいます。このグループホームのすごい所は、建てる前に入居者を決め、どんなグループホームがいいかを一緒に話し合い、メンバーたちの意見をとり入れて設計したところです。

また、このグループホームには、いろんな人たちが訪れます。近所に住む引きこもりがちな人、統合失調症の病気を持ちながら子育てしてる母親と子ども(この子どもはグループホームのメンバーがごはんを食べさせたり、お風呂に入れたり、ドライヤーをかけてやったり)。その横でお母さんはのんびりテレビを見ています。その他、学校に行けない子ども、中高生、学校に行けない先生、いろんな理由で仕事にいけなくなり休職中の人たち、高齢者など、いろんな人が立ち寄ります。住人たちはピザを焼いてあげたり接待役です。

このような場所づくりが、コミュニティづくりの原点であると思います。それが、浦河の強みです。   私たちルーテル学院大学関係者が誇る伊藤恵理子さんが情報提供して下さいました。

世田谷区社協の取り組み

2024年6月17日、世田谷区共同募金配分推薦委員会があり、そこで今年度の取り組みが確認されました。また各地域協力会の代表の方々より、募金活動についてのご苦労をお聞きしました.

それぞれの町会の考え方もあり、共同募金をどのように理解して頂くか、話し合われました。その情報交換の中で、世田谷区社協の会費募集の資料がとてもわかりやすいという意見が何人からも出され、今後、募金活動も参考に共募の広報活動を強めていくことになりました。

ご紹介します。

https://www.dropbox.com/scl/fi/2a46ab57cwkgt04gu2qhs/R6.6.1.pdf?rlkey=9ifwmfucef2qfjeyf2ilm10hz&dl=0

三鷹市社会福祉協議会の挑戦

三鷹市社会福祉協議会合同部会研修会

令和6年6月5日(水) 午後2時~3時30分、改選後の部会員(新任含む)と社協職員の計約80名を対象に、「地域福祉活動計画Ⅶ」をテーマに研修会が行われました。私は最初に20分程度で、計画の概要版

https://www.dropbox.com/scl/fi/lz2jgb3ho7pwnolnpqnet/.pdf?rlkey=jmlw35ihgio4zuxq78wwglyha&dl=0

に基づき、講演を行いました。その内容をご紹介します。

地域福祉活動計画Ⅶについて

                      ルーテル学院大学

                      名誉教授 市川一宏

1.広がり、深刻化する今日の地域福祉問題

 2023年度はm三鷹市、小金井市、調布市、練馬区等において、第9期介護保険事業計画・高齢者保健福祉計画の策定の責任を担わせて頂いた。しかし、私は、危惧している問題に対する決定的な打開策を見出していない。

・70数万の人口をもつ練馬区において、2023年に自宅で熱中症で亡くなられた方は、20数名に及んだ。

・「孤独・孤立の問題への対策をめぐり、政府は5月13日、今年の1〜3月に自宅で亡くなった一人暮らしの人が全国で計2万1,716人(暫定値)確認され、うち60歳以上の高齢者が約1万7千人で8割近くを占める現状を明らかに。年間の死者数は約6万8千人と推計」(朝日新聞5月14日)⇒孤独・孤立政策推進法

・「認知症」とは、様々な脳の病気により、脳の神経細胞の働きが徐々に低下し、認知機能(記憶、判断力など)が低下して、社会生活に支障をきたした状態をいいます。日本では高齢化の進展とともに、認知症の人も増加しており、65歳以上の高齢者では、平成24年度(2012年度)の時点で7人に1人程度とされ、年齢を重ねるほど発症する可能性が高まり、今後も認知症の人は増え続ける⇒認知症基本法

2.三鷹市地域福祉活動計画の特徴

<計画策定プロセス・7つの実践目標・10の重点活動

3.三鷹市社会福祉協議会は何をすべき?、何ができる?、何を求められている?

①接ぎ木の活動 自らの活動を検証する

三鷹市における3つのC Community(コミュニティ)=コミュニティセンターの住民協議会⇒ケアネットワーク・ほのぼのネットというコミュニティ政策、Citizen participation(市民参加)=市民会議、Collaboration(協働)の伝統を継承すること。接ぎ木であることの大切さ、

社会福祉の概念の広がり 本年3月の全社協(社協基本要項第1次案)は、使命として「住民主体の理念に立ち、住民や地域の関係者と〝ともに生きる豊かな地域社会づくり〟を進める」を新たに規定

目指す地域社会を描く大切さ

③協働 同要項2025では、社協が協働する地域の関係者の例として、具体的に社会風刺法人、民生児童委員、ボランティアだけでなく、企業や医療、教育、司法など福祉分野以外の関係者を明記した。 ⇒ケアだけでなく、まちづくりを念頭に置いた取り組み当事者の自己実現・社会参加、個々の違いを認め合う共生社会の実現

④福祉人材が集まらない現状が顕在化しています。民生委員児童委員も欠員状態が続いています。しかし、地域の問題はますます深刻化しています。問題が深刻である故に、担い手は疲れています。私は思います。例えば、民生委員児童委員が足りないと言われますが、これは民生委員児童委員だけの問題ですか。地域の問題ではないですか。協働すべきネットが、いたるところで切れています。ならばそれを繋ぐ作業が大切です。

⑤能登半島地震の被害は深刻で、日本中を震撼させました。しかし、能登半島の復興は、遅々として進みません。また今まで私が経験してきた東日本大震災被災地支援について振り返りましたが、今もって、何をすべきであったか、何が相応しかったか、絶対的な正解を見出しえなかったのです。今一度、被災地の現状をふりかえり、自然災害はどのような困難を生み出し、復旧復興に何が必要か考えていくこと、すなわち被災地と協働した防災、災害対応について考え、自分が住むこの三鷹の地で、災害に強い地域を検討することが急務と考えます。

地域を繋ぐ専門家を支える仕組みを

 社協の地域福祉コーディネーターの仕事を、皆で共有していくこと。重点事項の強化を!

 社協が、皆さんの取り組みのプラットホームになってほしい。

 そもそも三鷹市社協の1つの特徴は、住民や当事者、民生委員児童委員、ボランティア、関係団体等で構成される啓発・組織強化部会、地域支援部会、生活支援部会、ボランティア活動推進協議会という部会が作られ、そこで議論されたことが、計画やその実施に反映されることであり、社協運営に関する重要な役割も担って頂いていると思います。

計画との関係は、以下にお示しします。

https://www.dropbox.com/scl/fi/5c8jffec7kk40ed8sxz7p/.pdf?rlkey=0v7cpbkar7f9hgideondzfmvx&dl=0

その後、各職員が、概要に書かれた重点課題を簡潔に説明し、そして各部会の話しあいに入りました。

確かに、今日の地域福祉問題は解決が困難です。国の財政の借金も膨大になっている。このような社会を、私の孫たちに自信をもってバトンタッチができるのでしょうか。本当に申し訳ないと思います。ただ、1本の木を植えなければ、砂漠の緑化はできません。今までの活動を受け継ぎ、それに接ぎ木してあらたな活動の生み出し、私たちが目指す社会を描いていく。そのような1つひとつの実践が必要とされていると思います。ですので、挑戦をやめるつもりはありません。

                    2024年6月12日

                    市川一宏

福島県浜通りの訪問

2024年5月18日(、東京発9時53分ひたち7号に乗り、いわきに向かい、そしてJR常磐線各駅に乗って13時12分に双葉に着きました。東日本大震災・原子力災害伝承館を訪問するためでした。しかし、急遽、いわきに戻ることになりましたが、引き返す電車の時間まで1時間半あり、待つ間、近隣を歩きました

そもそもJR常磐線は、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の影響で不通区間が残っており、2020年3月14日、富岡―浪江間(20.8キロ)で運転を再開し、9年ぶりに全線がつながった線です。双葉駅は無人駅でしたが、きれいな新しい駅で、線路を境に海の反対側には復興住宅が建てられていました。しかし、海側の土地は、雑草が生い茂り、廃屋が残されていました。その写真です。

私は、違和感を感じながら駅の近くを歩きました、私が感じた違和感の理由を後から知ることになりました。翌日頂いた資料を見ますと、双葉町は帰宅困難地域で、私が歩いた場所は、特定復興再生拠点地域で、双葉町の大部分は、帰還困難地域でした。福島原発事故の終息がいつ来るかはまったく見えていないことがわかりました。

2021年2月11日の東京新聞には、双葉駅に関して、以下のことが書かれていました。

「住民のいない町」JR常磐線双葉駅のある一日<あの日から・福島原発事故10年>   東京電力福島第一原発(福島県大熊町、双葉町)から4キロの場所に、JR常磐線双葉駅がある。新しい駅舎に隣接する旧駅舎の時計の針は「2時47分」を指したまま、10年前の地震直後から動かないのだろう。昨年3月に駅周辺や沿岸部の一部で、許可証なしの立ち入りが可能になったものの、インフラ整備の遅れで町民が生活できるのはまだ先。今月5日、「住民のいない町」の一日を玄関口である駅で追った。

5時56分 東の空にわずかな赤みが差す。いわき(福島県いわき市)行きの上り一番電車に乗降客はいない。無人の改札で、空間線量計のデジタル数字が赤く光る。

7時5分 原ノ町(南相馬市)行きの下り普通電車から、沿岸部にできた町産業交流センターに入る企業で働く神田秀一さん(53)=楢葉町=が同僚と降りた。「車の方が便利だけど、双葉町で働く人間としてせっかく復旧した交通機関を使いたいので」。町のシャトルバスに乗り込んだ。運賃は当面無料だ。

8時20分 「電車は風が吹くとすぐ遅れちゃうから、みんな車だよ。駅は立派なんだけどな」。シャトルバス運転手の奥田邦勇さん(72)がぽつり。20分ほど待つも、無人で出発した。  以下省略(HPよりご覧になれます)

 双葉駅の壁に設置されていた空間線量率測定器

そのような背景がある駅とは知らず、原発事故の影響が続いている現状を実体験しました。そして、常磐線の線路の下はコンクリートで固められていますが、それは線量を下げるために行われていることも後から教えて頂きました。東日本大震災が起こった2011年3月11日から13年経ちますが、被害の状況は現存し、かつより深刻化していました。

私は、その後、いわきに戻り、遅い昼食を食べて、再びJRに乗り、双葉駅を通過して、宿泊予定の南相馬市の原ノ町駅に向かいました。その車窓から見えた夕焼けが、水田に映る景色を見て、自然に抱かれている様な温かい気持ちになりました。

5月19日(日曜日)、食事の後すぐに、Youtubeの阿佐ヶ谷教会の礼拝が始まる前の時間、ホテルの自転車を借りて南相馬市原町シーサイドパークに行きました。海岸には、きれいな広い砂浜が広がり、水遊びを楽しむ親子連れや、サーフィンをしてる人、犬を連れて散歩している人たちがたくさんいました。

左には、原町火力発電所がありました。約12年前に、全国の社協職員から寄せられたお見舞金を持参して南相馬市社協を訪問した時に、福島原発事故の前に、火力発電所の爆発があったことをお聞きしていました。

なお、海岸までの道は、登りあり、下りありで、さらに幹線道路から脇道に入ると、蛇行していました。帰りも長い坂を上り、予定通りホテルに戻ってきましたが、それほどの疲労感を感じませんでした。自然の美しさを味わいながら、すがすがしく晴れた空の下で、自転車を漕いでいたからと思います。

午後2時には、カトリック原町教会のミサに出席をしてきました。私の所属教会は、カトリックではありませんが、ロウソクがいたるところに置かれた礼拝堂の中で、幸田先生から語られる愛には、強い説得力を感じました。

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原町教会の幸田和生司教様にお会いし、先生が代表をなさっておられた21世紀キリスト教社会福祉実践会議のこれからの運営について、ご助言を戴くことは、今回の訪問の重要な目的でした。同実践会議については、後日ご紹介させて頂きます。

ミサの後、幸田先生に東京から福島の浜通りに教会を移られた理由をお聞きすることができました。幸田先生は、先の原発事故の後の被害の地図に示されているように、まだほとんどが解決できていません。土地を追われた住民、今までの大切な絆を断ち切られた人々、急激な少子高齢化によってコミュニティの機能が失われた場で生活を続ける人々とともにありたいという強い思いに、私は心を揺すぶられました。

 隣接するカリタス南相馬にお伺いし、神父様、シスターの方々、担当スタッフと食事を頂きました。なお、驚いたことに、そのスタッフが、20数年近く会っていなかった卒業生でした。心より感謝しました。

最後に、カリタス南相馬の紹介をさせて頂きます。代表の幸田先生は、以下のように語られています。

カリタス南相馬へようこそ 

インフォメーション

新年のご挨拶

新年のご挨拶

2024年を迎えて 世界的にさまざまな問題・課題を抱えながらも、喜びと希望をもって新年を迎えようとしていたところ、いきなり1月1日に能登半島に大きな地震が起こってしまいました。この文章を書いている時点で地震発生からまだ4日しか経っていませんが、次第に明らかになる被害の大きさに驚くばかりです。亡くなられた方のご冥福をお祈りするとともに、被災されたすべての方がこの困難を乗り超え、一刻も早く生活を取り戻すことができるようお祈り申し上げます。

 わたしたちカリタス南相馬は東日本大震災と原発事故以後の歩みの中でさまざまな経験をしてきました。今回の被災地からは遠く離れていますが、これまでの経験を活かしながら、わたしたちにできることを見つけていきたいと思っています。

 今年のカリタス南相馬のキャッチフレ「見さ来ぅ南相馬!」としました。そのことを紹介した『東京教区ニュース』第409号(2024年1月1日発行)の「福島の地から〜カリタス南相馬」という文章ですが、肝心の年号を間違えて原稿を提出してしまいました。訂正した文章を以下に載せますので、どうかお読みください。 わたしも含め、スタッフ、シスターも高齢化してきて力の衰えを感じることがあります。いろいろご迷惑をかけるかもしれませんが、今年もよろしくお願い申し上げます。

2024年1月5日 一般社団法人カリタス南相馬代表理事 幸田和生

「見さ来ぅ南相馬!」 

 「見さ来ぅ南相馬!」というのは、2024年のカリタス南相馬のキャッチフレーズです。「みさこぅ」と読みますが、浜通りの言葉で「見においで」という意味です。カリタス南相馬の前身であるカリタス原町ベースは、全国から東日本大震災被災地に来るボランティアの方々に宿と食事を提供するために始まりました。その後、ボランティアだけでなく、特に原発事故の被災地の現状を知りたいという方々も受け入れて、その方々の案内をするのも、わたしたちの重要なミッションと考えるようになりました。しかしこの3年間、新型コロナウイルス感染症の流行によってカリタス南相馬では宿泊者の受け入れをすることがほとんどできませんでした。2023年の夏は大幅に制限を緩和することができて、多くの人、特に高校生や大学生のグループを受け入れることができました。そこで、2024年は、以前カリタス南相馬に来られた方で、久しぶりに福島に行ってみようかという方、またボランティア活動をしてみようという方、さらにまだ行ったことはないけれど福島県浜通りのことを見たい・知りたいという方を大いに歓迎したいと考えています。

福島の原発事故は過去のことではありません。今も福島第一原発には大量のデブリが残ったままで、その処理や廃炉の目処は立っていません。一方で周辺地域の状況は年とともに変わってきています。ALPS処理水の海洋放出の問題、除染によって出た除去土壌の再利用の問題は決して福島だけの問題ではありません。政府が原発の再稼働や増設・新設に向けて動き始めた今だからこそ、原発事故の影響が今もどのように続いているか、あの震災と事故から学ぶべきことは何なのか、自分の目で見て考えることが大切だと感じています。

来てくださった方々には、震災からの復興状況や原発事故の現在だけでなく、福島県浜通りの四季の風景、この地ならではのイベントや美味しいものなども紹介していきたいと考えています。 

「ミサコゥ」という言葉は、カトリック信者にとっては「ミサに来てね」と聞こえるかもしれません。そう受け取ってくださっても良いのです。この地でミサにあずかり、この地で祈ることに大きな意味があると感じています。「巡礼のつもりでここに来ました」と言われる方も少なくありません。福島は自然との関係やわたしたちの生活を見つめ直す回心の地でもあると言えます。

東京駅から南相馬市原ノ町駅まで、常磐線特急で約三時間半。どうぞ皆さま、「見さ来ぅ南相馬」、

975-0006 福島県南相馬市原町区橋本町1-15  0244-26-7718 / FAX 0244-26-8007
info[@]caritasms.com  https://caritasms.com/ https://www.facebook.com/caritas.minamisoma/

これからも、カリタス南相馬の活動から学んでいこうと思っています。皆さんも、カリタス南相馬の活動にご協力ください。

           2024年5月24日 市川一宏

星野富弘画詞展

今日、社会福祉法人こころの家族が経営する故郷の家・東京の地域交流スペースで開催されている星野富弘画詞展に行ってまいりました。

私にとって、星野富弘氏の作品からたくさんの勇気を与えられていました。その星野さんが、4月28日に天国に召されたことを、5月になって知りました。以前より予定されていた画詞展でしたが、ご本人がご逝去なられて初めての画詞展になったとのこと。改めて作品と出会い、改めて星野氏の思いを学んできました。

生きることの大切さ、生きていることの感謝を改めて感じた時でした。

潮谷義子先生が、第55回キリスト教功労者に決定

ルーテル学院は、全国にたくさんの関係法人があり、ルーテル法人会連合というネットワークに所属しています。そのメンバーである熊本の総合施設慈愛園の乳児ホーム元施設長であり、慈愛園理事長であった潮谷義子先生が、キリスト教功労者顕彰を受けられることになりました。同時に、夫の潮谷愛一先生と共に、孤児の父と言われる石井十次賞を受賞なさいます。受賞を心より祝福し、ご報告させて頂きます。

「2024年5月に行われた日本キリスト教文化協会理事会において、第55回キリスト教功労者顕彰ついて審議され、潮谷義子先生が選ばれました。同顕彰は、キリスト教関係の社会事業・教育事業・文化事業及びキリスト教思想の普及に功労のあった者を対象にするものです。

以下、義子先生の顕彰の理由を私なりに考えたいと思います。

1.キリスト教社会福祉の実践

義子先生は、1953年、佐賀バプテスト教会賀来国生牧師より洗礼を受けられ、現在熊本市にある日本福音ルーテル神水教会の信徒です。佐賀県福祉事務所、大分県社会課等の職務を経て、1973年に熊本にある社会福祉法人慈愛園の慈愛園乳児ホームに勤務し、1983年より同施設長となられました。

そもそも慈愛園は、1919年に、当時のルーテル宣教師会が 「信仰は行為を伴わなければ死んだも同じ」という聖書の精神を源として福祉実践をスタートさせた施設です。創立者モード・パウラスをはじめ各々の働き人は、眼前の家庭、地域社会から排除された人々の叫びを見逃さず、支援のために児童養護施設、老人ホーム、障害者施設等を建て、現在の総合施設となっています。同法人は、ミッションとして、「イエス・キリストによって示された隣人への愛と奉仕の精神に基づき、利用者の個人としての人格を尊重し、心身ともに健やかに育成されるよう多様な福祉サービスを提供する。また地域社会に於いて利用者の有する能力に応じた自立した生活を営めるよう支援する」ことを掲げています。法人の使命を実現すべく、義子先生は、家庭で育てられない赤ちゃんを預かる乳児ホームの責任を担われてきました。

また、義子先生は、2017年10月より慈愛園の理事に、翌年理事長になられ、4年間、その重責を担われました。特に2019年に行われた創立100周年記念事業では、神水教会での礼拝がお祝いの重要な軸に置かれ、また式典は賛美歌の合唱で始まりました。これは、日本福音ルーテル教会に連なる社会福祉関係法人の伝統に則るものであり、キリスト教精神が堅持された慈愛園の伝統が明らかに受け継がれ、日々の事業に活かされています。

なお、それらの働きが評価され、本年、潮谷愛一先生、義子先生は、第33回石井十次賞を受賞しました。受賞理由は、慈愛園の運営などを通して児童福祉や人権問題に関わってきたことと発表されています。

2. キリスト教信徒であり、女性知事としての社会的貢献

義子先生は、1999年熊本県副知事に、2000年からは8年間知事としての責任を担われました。当時、川辺川ダム問題、ハンセン病患者をめぐる問題、水俣病の認定等の水俣病をめぐる問題、増加する児童の貧困、虐待の問題等、解決すべき問題が山積する中、義子先生は、クリスチャンであることを明確に示されました。当時の県政運営方針には、「性差、年齢差、障がいの有無にとらわれず、誰もが人権と生存を犯されることなく暮らしやすい豊かな熊本」を目指すことが宣言されています。障がいがあっても地域の中でいきいきと存在できる地域の創造、児童虐待等の児童の生命と生活を脅かす状況に対する毅然とした取り組みを推進できた背景には、特に2つの信念があったとお聞きしています。第一は「神よ、変えることのできない事柄については受け入れる冷静さを、変えるべき事柄については変える勇気を、そしてそれら二つを見分ける知恵をわれらに与えたまえ。」というアメリカの神学者ラインホルド・ニーバーの祈り。義子先生は、ニーバーの精神に立ち返り、ひたすら神に問いかけ、祈りながら、諦めず、投げ出さず、地道に改革を進められたのでした。

また第二は乳児ホーム等で培った、すべての子どもが神から祝福されて命が与えられ、もって生まれた能力を十分に伸ばして成長できるよう、医療、教育、生活への支援などを受けることが保障されるべきであるという児童の権利に関する条約の信念です。困難な状態に置かれた人に寄り添い、守る姿勢が、すべての施策の原点にあったと私は考えています。

その後、義子先生は、2009年に長崎国際大学学長、2012年に日本社会事業大学理事長となられ、現在、社会福祉法人恩賜財団済生会会長の職務に就いておられます。 

以上のことから、私は、潮谷義子先生が、キリスト教功労者顕彰を受けられることは、われわれルーテル教会に連なる者にとっても喜びであり、先生に心より敬意を表したいと思います。」

前田ケイ先生の近況

仙台に住んでおられる前田ケイ先生の近況をお伝えします。ちなみに、ケイ先生は、本年1月で93歳になられ、今も教育と研究、実践への情熱をもって、意欲的に取り組まれているルーテル学院大学・大学院の名誉教授です。私は、ケイ先生の夫である前田大作先生に私の大学院院生時代ご指導を頂いており、1983年に日本ルーテル神学校神学部神学科キリスト教社会福祉コース主任であられたケイ先生をご紹介頂き、専任講師として赴任することができました。制度政策を研究テーマとしていた私にとって、社会福祉援助技術・方法、すなわちソーシャルワーク論は良く分かっておらず、また初めての高齢者福祉施設における社会福祉実習指導では、ケイ先生にスーパーバイザーになって頂き、試行錯誤しながら学生と学んでいました。1988年に東京大学病院精神科デイホスピタルにおいて、障がい者リハビリテーションの方法として、SSTを日本へ導入した方です。

 公私ともども、私が本当にお世話になった方、私の恩師であり、ルーテル学院大学を育てた恩人です。今でも卒業生を指導していることをお聞きしており、情報を頂きたいと申し上げましたところ、すぐに以下のメールが届きました。

別にみなさんにお知らせするほどのものでもないのですが、3月には、増野先生と私がおりました頃に行っていた「アクションメソッド研究会」の人たちが中心で、私のところに「サイコドラマやSST」などの勉強に大学院や大学の卒業生達とその知人、15名くらいが集まりました。コロナ前からの計画でしたが、やっと開催できました。とても楽しかったです。7月にはまた、大学院の卒業生を中心にした10名くらいで、グループワークの勉強会を開きます。全員が、どこかの大学でグループワークを教えていたり、現場でグループを支援している人たちです。これは泊りがけの勉強会です。

 私はもうあまり自由に出かける元気がなくなったので、来て下さることは大歓迎です。幸い、勉強できる部屋や食事の便利もあるので、時々、このような勉強の集まりをもっています。

 今、津川さんとは高齢者の回想法をただ語るのではなく、その思い出を劇の様にアクションで演じてみるともっと面白いので、「アクション回想法」の勉強会をする計画をたてております。まず、津川さんのところの職員をつれてくると津川さんは言っています。

 それから、目下、進行中の勉強会は10回シリーズで仙台市内の心理職の人が中心になって、10回シリーズで毎月1回、SSTの勉強会を日曜日に開いています。13名くらい集まっています。今度の日曜日が第5回目ですが、1回4時間の勉強会です。講義ではなく、実技練習も入れて、実際にできるようになるために、ロールプレイなどで、練習をする勉強会です。とても好評なので、第2回もまた、12,3名募集して、10回シリーズの勉強会をする予定です。

 以上です。関心のある方はどうぞ、私のところにメールでも電話○○でも、お問い合わせください、とお伝えください。  なお、前田先生への連絡方法は、大学もしくは市川のメール(kichikawa@luther.ac.)にお問い合わせ下さい。

故前田大作先生、そして今もご健在のケイ先生へ、私は心より感謝いたしております。    市川一宏

社会福祉協議会のあり方を考える

皆さん

おはようございます。

社協基本要項について、フォーラムがあります。社協のあり方をめぐる重要な議論です。

確かに、ケアマネ、ソーシャルワーカー、介護職員の養成確保の問題、孤立や貧困問題の深刻化等、介護保険等の制度の根幹を揺るがしています。このような状況にあって、多くの社協が行ってきた実践や先駆的取組を検証し、また様々な協働した取組に挑戦し、新たな社会を目指すことは、社協としての共通性、基本的性格であり、そこにアイデンティティを感じている方も少なくないのではないでしょうか。

しかし、現実には、「ねたふり社協」といわれる社協も散見されます。私は、今回のフォーラムや、全社協の地域福祉推進委員会の議論がより強化されますことを期待しています。

また、それに関連して、和田先生の文献をご紹介します。

市川一宏

◆「社会福祉協議会 基本要項フォーラム」のご案内

改めて考える社会福祉協議会~基本要項2025の策定を契機に~

(全社協 地域福祉推進委員会)

全社協 地域福祉推進委員会では、「社会福祉協議会 基本要項2025第一次案」をとりまとめ、全国の社協に意見照会を実施しております。今般、社協基本要項2025の第一次案の内容を報告するとともに、改めて全国の社会福祉協議会役職員が社協のめざすべき姿等について意見を交わし、ともに考えることを目的に、標記フォーラムを開催いたします。

【日時・会場】

<東京会場>2024年6月 3日(月)全社協・灘尾ホール

<岡山会場>2024年6月18日(火)岡山市・きらめきプラザ

<仙台会場>2024年6月24日(月)仙台市・フォレスト仙台

※各日とも、12:30(受付開始)~16:15

【登 壇 者】

<東京会場>高橋 史成氏(柏市社会福祉協議会 地域福祉課長)

嶋田 貴美氏(坂井市社会福祉協議会 事務局次長)

坂本 雅樹氏(宮崎県社会福祉協議会 事務局長)

<岡山会場>越智 和子氏(琴平町社会福祉協議会 会長)

大熊 宗麿氏(名古屋市社会福祉協議会 事務局次長兼総務部長)

荻田 藍子氏(兵庫県社会福祉協議会 福祉事業部長)

<仙台会場>野村 宏之氏(北海道社会福祉協議会 事務局長)

山本 繁樹氏(立川市社会福祉協議会 総合相談支援課長)

所 正文氏(堺市社会福祉協議会 事務局次長兼地域福祉課長)

【参加対象】社会福祉協議会役職員

【参 加 費】3,000円

【定 員】各会場200名 ※先着順

【締 切 日】2024年5月20日(月)

【主なプログラム】

○基調説明:基本要項2025第一次案について

○グループ討議:改めて考える「社会福祉協議会」

・各々の社協の活動を振り返りながら、これからの社協がめざすべき姿について意見を交わし、ともに基本要項2025第一次案について考えます。

ぜひ、事前に基本要項2025第一次案をお読みのうえ、ご参加ください。

・グループ討議に参加する準備として、ご自身のお考えを事前におまとめいただくため、事前記入シートを用意しております。当日は印刷したものをお持ちください(提出は不要です)。

○全体まとめ

【詳 細】下記URLをご覧ください。

【問合せ先】

○会議について

全社協 地域福祉部(森山・福與・下徳)

TEL:03-3581-4655 FAX:03-3581-7858

Email:z-chiiki@shakyo.or.jp

○参加申込について

名鉄観光サービス株式会社 MICEセンター(下枝・柴田・岩倉)

TEL:03-3595-1121 FAX:03-3595-1119

(受付時間 平日10:00~17:00(土日祝日は休業)

「地域福祉を推進するルーテル学院大学卒業生の集い・希望の会主催」研修会のお誘い

 卒業生、在学生の皆様

 添付のチラシのように、2024年8月24日午後2時よりルーテル学院大学において、対面とzoomのハイブリッドで研修会を企画しました。講演とディスカッション、そしてその後の懇親会というように、学びと親睦を兼ねています。

 このような卒業生だけを対象にした本格的な会は、2010年代より始まりました。当初は、社会福祉協議会で働く卒業生を軸にした会でしたが、2年前より地域福祉に関心ある方々に対象を広げ、今回で3回目になります。そして、本年は、在学生にも機会を提供しようと考えています。

 お時間がある卒業生は、どうぞご参加頂けますことを、心より願っております。

 なお、ホームカミングデイに関しましては、改めて大学よりご連絡があると思います。

気温や天候の変化が激しい時です。どうぞ、くれぐれも健康にご留意下さい。

4月19日

希望の会幹事 飯島ともえ(相模原市社協)、池永雄一郎(羽村市社協)、河島京美(元練馬区社協)、桑原信人・駒井公(全社協)、関根裕恵(西東京市社協)、山本繁樹(立川市社協)、原島博・市川一宏(ルーテル学院大学)