社会福祉関連

宮城県内の社協の役割(2012年12・1月号)

宮城県内では、復興に向けてさまざまな取り組みが行われている。その中で、社会福祉協議会の役割への期待が大きい。そのため、今、各社協が地域課題に対してどのような取り組みを決意し実践しているか、また実践していくかを検証し、それぞれの社協に活かすことができるか考えていく必要がある。さらに、今回の研修においては、住民や関係者と協働で創り上げる地域福祉活動計画の意義を参加者で検討し、明日の地域社会を描こうとした。

2013年度全国民生委員児童委員大会

第10集会(特別集会) 企画および進行予定について(案) 全民児連事務局

1.日 時 平成25年10月11日(金) 9時30分~12時30分

2.会 場  幕張メッセ「幕張イベントホール」

3.テーマ 東日本大震災被災地における民生委員・児童委員活動 ~被災地と全国との絆による被災地支援の強化に向けて~

4.本集会がめざすもの(主旨) 東日本大震災の発生から当日で2年7か月を迎えることとなるが、被災地はなお厳しい状況が続いているだけでなく、復興にはなお多くの時間を要することが見込まれている。 そうしたなかにあって、被災住民の支援にあたっている民生委員・児童委員の心身の負担が高まっており、委員支援も大きな課題となっている。また、本年12月には震災後初の一斉改選を迎えようとしている。 本集会は、震災被災地の復興状況や住民生活、そのなかで顕在化している課題、および被災地における委員活動の状況等について、被災地の委員からの紹介を通じて全国から参加する関係者が理解を深めるとともに、地元に戻り、広く関係者に報告いただくことを通じて全国的な理解や支援の継続につなげることをめざす。 さらに、被災地の経験を広く全国の関係者が共有することにより、今後に向け、災害時要援護者支援活動やそのための態勢整備に役立てていただく。

5.コーディネーターおよび報告者(敬称略)

【コーディネーター】 ルーテル学院大学 学長  市川 一宏

【発表者】 岩手県大船渡市民児協 副会長田代研三

・宮城県東松島市民児協 主任児童委員内野牧子

・ 福島県大熊町民児協会長秋正夫

・仙台市民児協 副会長森孝義

・千葉県浦安市西地区民児協 副会長渡邊武

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民生委員・児童委員研修のあり方に関する検討委員会報告

報告にあたって

地域における孤立や孤独、虐待、そして貧困等の問題を解決するために、民生委員・児童委員、主任児童委員(以下、民生委員と言う)への期待が高まっています。しかし、民生委員は、5つの壁に直面していると思います。

①<先行する期待の壁>地域の問題を民生委員だけで解決することは無理です。それぞれの地域は、民生委員、専門職、ボランティア、住民が協働して課題に取り組むために、それぞれの具体的な役割を確認することが不可欠です。

②<多様な役割の壁>どこまで、どのような活動したら良いか、民生委員自身が戸惑うことがあります。それぞれが、「したいこと」「できること」「求められていること」を確認し、活動のための知識と技術を高めていくことが必要です。

③<地域の理解の壁>多くの住民は、民生委員活動には長い歴史があり、先人の重要な働きが地域を支えてきたという事実、現在も民生委員活動が地域問題を予防解決しているという現実を知りません。民生委員も、自分の活動を説明し、地域の理解を広げることが求められています。

④<日頃の活動の壁>民生委員は、日々、切磋琢磨しながら活動をしています。同時に自分だけで課題を背負い、活動の目標と意味を見失うこともあります。民生委員同士、関係者と共に、活動を振り返る機会があり、活動の意味を再確認できる場が大切です。

⑤<活動を支える体制の壁>活動を支援する体制を確認しなければなりません。民生委員・児童委員協議会において新任民生委員を支える体制、同協議会において民生委員、同協議会担当者、専門職がともに情報交換し支え合う体制を築くことが活動の前提です。

本報告は、研修を通して、以上の課題を解決することを目指しました。

①多様な活動をバックアップする研修:「発見」「相談」「地域連携」「啓発」「民生委員・児童委員協議会の運営、活動の記録」という項目に分けています。

②スキルアップできる研修:講義と受講者の参加型研修を組み合わせ、「学ぶ」→「気づく」→「描く」→「変わる」サイクルを取り入れています。

③啓発を目的とする研修:研修を通して、民生委員が住民の福祉理解を促進し、地域における福祉を考える機会を提供することを目指しています。

④アイデアを大切にする研修:活動は地域の特性等によって異なります。民生委員それぞれが日頃工夫しているアイデアを共有することを大切にしています。

⑤活かす取り組み:民生委員が自分の強みと課題に気づき、強みはより強化し、課題は改善していくことのできるプログラムにしています。

今日の委員活動に関する負担の増大が指摘されるなか、委員同士の「助け合い」、「支え合い」が重要となっており、そうした人間関係づくりの面からも研修の重要性が増しています。本研修体系の実現により、委員の皆さまの活動支援につながることを切に願っています。

平成25年3月 民生委員・児童委員研修のあり方に関する検討委員会

委員長 市川一宏

民生委員研修体系

ワークブック

事例集

長野県小地域支え合い活動『信州系まめってぇ読本』

このたび、長野県社会福祉協議会『信州系まめってぇ読本』が発行されましたので、お届けします。 本書は、「小地域における地域支え合い体制づくり推進のあり方や普及に関する研究委員会」が、1年間をかけて、長野県内の地域福祉活動を検証し、その実践から学んだことをまとめたものです。私は委員長でしたが、委員の方々、長野県社会福祉協議会職員の熱意とネットワークによって、さらには各地区の社協、NPO、住民、当事者のご協力によって発刊することができました。長野県の地域福祉の成果と地域力をご覧下さい。この一つひとつの取り組みが、明日の社会を切り開いていくと思います。 確かに、それぞれには地域性があり、活動内容、活動までの取り組み等は違いますが、しかし、いくつかの共通点があることを学び、全国各地で参考にして頂ければと思っています。 私も仕事として長野県を訪問してから、20数年になるでしょうか。それ以降、長野県の社会福祉協議会や福祉関係団体、地域福祉を推進して来られた方々に育てられ、私の今があります。心より、感謝しています。   2013年7月1日

長野県支え合い

市区町村社会福祉協議会会長・常務理事・事務局長研修会(2012年)

2012年夏、福岡県市区町村社会福祉協議会会長・常務理事・事務局長研修会の講演の機会を頂きました。私にとっては、お世話になった方々で、講演の機会を頂いたことは、本当に感謝でした。 しかし、2日間の予定は、福岡県内の水害の影響もあり1日に縮められました。要項は以下の通りです。 平成24年度市区町村社会福祉協議会会長・常務理事・事務局長研修会

1 趣 旨 昨年3月に発生した東日本大震災では、地域のつながりの重要性が再認識されるとともに、NPOや市民団体などによる活発な災害ボランティア活動が展開される中で、その拠点となる災害ボランティアセンターの運営とコーディネート役を担う社協の存在や役割も改めて見直される機会となりました。 一方で、少子高齢化の進行などにより地域社会や家族形態が変容するなか、社協の強みであるネットワークを活かした地域福祉活動の充実が求められています。 さらに、地方財政が逼迫するなかで、補助金・委託金の削減により社協経営は厳しさを増しており、組織体制の強化や事業の活性化を図ることもままならない状況ですが、地域主権改革等中央情勢を注視しつつ、地域のニーズの変化に柔軟に対応していくことが重要となってきています。 本年度は、社会福祉諸制度の動向を踏まえ、東日本大震災を通して見えてきた社協の役割や今後の展望等について共通認識を図ることを目的に開催します。

2 主 催 社会福祉法人 福岡県社会福祉協議会

3 開催日 平成24年8月1日(水)

4 会 場 ホテルパーレンス小野屋

5 参加対象 市区町村社会福祉協議会会長、常務理事、事務局長

6 内  容

11:00 〔開  会〕

挨拶・オリエンテーション

11:10 〔報  告] 「市区町村社会福祉協議会の現状と課題」 報告者 福岡県社会福祉協議会

11:25 〔事業説明〕 市区町村社協に関する本会事業の説明  説明者 福岡県社会福祉協議会

13:00 〔実践報告〕 テーマ①「災害に備えた関係機関・団体との連携について」 報告者 大刀洗町社会福祉協議会 事務局長 村山 真知子 氏

テーマ②「これからの人材育成、業務改善と効率化」 報告者 宮崎県都城市社会福祉協議会 総務課副参事兼法人係長 櫻田 賢治 氏

14:10 〔講  演〕

「東日本大震災を踏まえ、今後の社協のあり方を考える」 講師 ルーテル学院大学 学長 市川 一宏 氏

事業説明の時に、私は現地に到着しました。研修会は、福岡県の市町村が被災しており、2日も予定を1日に短縮されることになりました。事業報告で、福岡県内の被災地に、福島県内の職員が応援に来ることを知りました。しかもそのメンバーが、よく知っている職員と分かり、私は、講演の終了後に、福島から来た職員の方々に会いたいとお願いし、福岡県八女市社会福祉協議会災害ボランティアセンターを訪問しました。そこで、福島県社協の職員、福島県相馬市ボランティアセンター所長等とお会いしました。皆さんは、九州からの東日本大震災への応援に対して、感謝し、自分たちができることをしたいと、福岡県内のもっとも被害が大きかった八女市に、何時間もかけてやって来ました。私は、福岡県内の地元の焼酎を渡し、健康が守られ、ボランティアとして、精一杯頑張ってほしいと、伝えました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

下の写真は、福島県相馬市の被害に遭った海岸、そしてボランティアセンターの建物です。私が訪問した2012年4月には、センターの壁に、絵手紙が飾られていました。それは、少しでも早い復興を願い、送られてきたその一枚一枚に込められた思いに感動しました。そして、支援に対する感謝をもって、福岡県八女市に来た皆さんの思いを忘れることはできません。

10日近いボランティアを終え、福島に帰った彼らから、連絡がありました。「無事に帰りました。活動を終えた後、みんなで飲みました。ありがとうございました。」という電話に、私は、助け合って生きること、恩を返し続ける姿に、日本が失った絆、個々への思いやり、自然な助け合いの姿を見ました。日々、その絆を紡いでいくことが、日本の明日を切り開きます。

当日は、朝倉市のホテルパーレンス小野屋に泊めて頂きました。朝倉市のこの場所は、大雨の影響を受けた土地です。いち早く、被害に対する対応ができた地域です。私が宿泊したようなすばらしいホテルがあるのですが、必ずしも街自体がすべて活気があるわけではありません。

しかし、朝早く、部屋から見ていると、一人の若者が、自転車に乗って、目的地に急ぐ姿を見ました。私は、当たり前の日常生活に感動しました。一人ひとりが、自転車に乗り、それぞれの目的地の向かって、必死に歩んでいる。その心があれば、日本の復興は可能だと思います。今、そのエネルギーが、日本には必要とされていると思っています。

 

 

 

 

 

 

白浜レスキューネットワーク

「私は、必ずあなたと共にいる」というメッセージを届け続ける働きを紹介します。 私は、昨年、藤藪庸一牧師にお会いしました。来週、訪問する白浜レスキューネットワークのリーダーです。「自殺しようと苦しむ方々を何とかして助け、人生に希望を失っている方々に、もう一度人生をやり直そうと思ってもらえるように関わっていきたいと願って」、NPO法人白浜レスキューネットワークが立ち上げられました。

 和歌山県南部西海岸にある白浜三段壁(さんだんべき)は、断崖絶壁の名勝ですが、自殺者があとを絶ちません。保護した件数は、年間30件を超えるそうです。相談電話は、三段壁以外からもあり、1260件を超えるそうです。また、保護した方々が自立するには、自己破産や就職活動などとともに、もっとも大切な、心身の回復が不可欠です。これらの問題を解決していくために畑を作り共同生活をしていると、藤藪牧師は言われていました。

 藤藪牧師は、著書(藤藪庸一『<自殺志願者>でも立ち直れる』講談社)でこう書かれています。「私が何よりもうれしいのは、<略>共同生活を経て、自立していくことです。<略><教会に遊びにおいで><いつでも連絡をちょうだい>自立していく際には、また会えることを祈って送り出します。<略>私との関係を続けて連絡をくれ、そしてなんといってもその人が自立して生き生きと頑張っていることがわかると、私は励まされます。」 今、必要なことは、「共にいる」存在があることを、希望を失いかけている方々に届けることではないでしょうか。「共にいる」働きが、明日の社会を切り開いていくと、私は確信しています。」 この文章は、2012年度卒業式で私が話したメッセージの一部です。機会があって、実際に働かれている場で、藤藪牧師にお会いしてきました。午前に、弁当を調理し、かつ喫茶店として場を提供しているCOMBを訪問しました。先生は、調理に追われておられました。当日は、たくさんの弁当の注文があったそうです。生きていくことに絶望し、当地を訪れた人々が、最後の決断の前に、助けを求めてくることができるように、いつも心を開いている人がいる。絶望の中にあって、救いのみ手を差し伸べようとする働きがある。これから、未来に向かって再び歩もうとする仲間がいる。

 

 

 

 

 

白浜三段壁に行きました。本当にすごい絶壁。そして2枚の看板と電話ボックスに張られた紙を見て、驚きました。白浜レスキューネットワークのメッセージが置かれていたのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

藤藪先生の白浜バプテスト白浜教会

甲府市ボランティア団体連絡協議会『ボランティア講演会』

以下の要領にて、ボランティア講演会が開催されました。

◆日時 平成25年3月9日(土)

◆場所 甲府市総合市民会館 芸術ホール

◆定員 500名

◆演題 「明日の社会を築く~地域の絆をつくるボランティア活動~」

◆講師 「ルーテル学院大学 学長 市川 一宏 氏」

◇主催 甲府市社会福祉協議会(甲府市ボランティアセンター)

甲府市ボランティア団体連絡協議会

◇後援 甲府市

◇問合せ 甲府市ボランティアセンター

今、ボランティア活動の推進に以前の勢いがなくなっている気がしています。ボランティア活動の必要性はあり、その意味はわかっていても、参加する人が広がってきていません。多くの地域で、狭い個々の生活の中に目が向けられ、「明日を共に築く」姿が見えにくくなっています。

確かに、社会に閉塞感があります。明日への不安が先立ち、それぞれが今を生きることに精一杯です。しかし、そこには、2つの選択肢があると思っています。一つは、先が見えない故に、今を生き続けるという選択肢。もう一つは、先が見えない故に、立ち止まり、あきらめるという選択肢。

今回の主催者の挨拶を聞いて、私が勇気づけられました。紹介します。このような一つひとつの取り組みが、明日を切り開きます。「始めることから始めませんか」

1.主催者挨拶 甲府市ボランティア団体連絡協議会 市川会長

皆さん こんにちは

 甲府市ボランティア団体連絡協議会の市川と申します。

本日は、甲府市社会福祉協議会と、私ども甲府市ボランティア団体連絡協議会との共催によりますボランティア講演会に、ようこそおいでくださいました。

ありがとうございます。

この講演会は、主催者の双方とも、平成24年度の年間の事業計画には入っていませんでしたが、このたび、山梨県新しい公共支援基金事業を利用してのボランティア活動をすすめることを目的として企画いたしました。

講師の市川一宏先生には、後程ご紹介させていただきますが、ルーテル学院大学の学長として、大学および大学院で教鞭をとる傍ら、多くの学会の長としてのお仕事をこなし、また本日のような全国各地から招かれてのご講演、ご指導など大変お忙しい時間を割いて、私どものためにお越しくださいました。

ありがとうございます。

先生をお招きするに当たりまして、私どもが研修事業として参加しております、全国ボランティアフェスティバルに、先生は毎年招聘され、ご専門の分野で分科会を担当されています。昨年開催されました全国ボランティアフェスティバル三重での分科会では「平成24年度ふれあい・いきいきサロン全国交流会 広げよう地域の絆・増やそう地域の笑顔」をテーマに、コーディネーターとして、全国から参加者と交流されましたが、私たちの1泊2日の日程では、午前、午後と1日かけた先生の分科会には、残念ながら参加できませんでした。

今日は先生から直接お話をお伺い、学習をしたいという強い思いがありまして、先生にお越しいただくことになりました。

先生の業績につきましては、ルーテル学院大学のホームページに紹介されていますが、先生の研究室のページには、先生が自ら投稿された文章を見ることが出来ます。全国各地で公演をされた内容がたくさん出てまいりますが、その一つ一つが先生にとりましては、強く印象に残ったことばかりだと思います。

今日はボランティア団体のメンバーや地区社協、自治会、民生児童委員、学生の皆さん、そして、これからボランティア活動を始めようという思いの方など多くの方々のご参加をいただいております。

この講演会を聞いて、皆さん一人ひとりが、今後どのような役割を持って地域の絆をつくり、活動につなげていけるか、大いに期待しているところですが、先生にも今日は良い講演会だったと心にとめていただきますよう、皆さんのご協力をよろしくお願いいたします。

2.社会福祉協議会会長挨拶

本日は、お忙しい中、多くの皆様にこのボランティア講演会にご参加をいただき、誠にありがとうございます。

皆様もご承知のとおり、高齢化がものすごい勢いで推進しております。さらに、世の中は景気が長い間低迷しており、社会情勢が誠に厳しく、失業者が多く、正規雇用が少ない非常に厳しい状態にあります。

さらには2年前には東日本大震災があり、そのために生活に難儀している人々が大勢おります。こういった中で多くの人達がボランティアに精を出しており、本日会場にいらした方々の中にもいろいろな分野でボランティアに精を出している方々が大勢いらっしゃると思います。非常に尊い存在であります。

さらに、いつ来るかわからないと言われております、東南海地震がもし起きた場合は、更に多くのボランティアの手が必要になると思いますが、日本の福祉はボランティアに頼りすぎているようにも思えます。

最近よく聞く「絆」という言葉がありますが、隣近所でお互いに助け合っていくことの出来る世の中にしなければならないと思います。

さらに、今ここにいらっしゃる方々は年配の方が多く、自分自身の高齢化に伴い、後継者がなかなか出てこないことを心配している方も多いと思います。

自分たちの世代は頑張っていても、後を継いでくれる人がいないことを非常に心配しております。

このような中で、甲府市社協では、いきいきサロンや配食サービスを続けて、地域の活性化やお年寄りの元気を保つために一生懸命手を尽くしております。しかし、ボランティア不足もあり、なかなか思うようにいかないのが現状です。

ボランティアは要求されていますが、まだまだ不足しています。この状況をどうすれば良いのでしょうか。皆さんが温かい手を差し伸べる、温かいまなざしを向けるだけではどうにもなりません。一人ではそれ以上の事はできないと思いますので、やはり隣近所の人と手を取り合っていくしかないと思います。

本日は、ルーテル学院大学の市川学長の講演でございますが、甲府市ボランティア団体連絡協議会の皆様と甲府市社協職員が早朝からこの会場設営を頑張っておりました。そのことにお礼を言いたいと思います。

今日は市川学長のご講演を聞いて、さらにボランティアの輪が広がり、相互が熱くなるように甲府市の事業が進んでいけば良いと思っております。

簡単ではございますが、私からのあいさつとさせていただきます。

本日は、よろしくお願いします。

3.甲府市ボランティア団体連絡協議会の現状とこれからの展望

甲府市ボランティア団体連絡協議会は、平成6年度(平成7年2月)に発足以来、19年が経過し、今年20年目を迎える。

 主な事業は、「甲府地区ボランティア交流会ボランティア博」で、平成14年度は、「全国ボランティアフェスティバルやまなし」の中で行われ、それ以前は講演会が中心で平成15年度から(交流会及び活動展示だけでなく)舞台による発表が加わった。当時は、甲府地区ボランティア交流会という名称で、当団体の加入団体による交流会だったが、平成20年度からは、市内大学交流ネットワーク(市内4大学のボランティアサークル)、甲府市社会福祉協議会の2団体が加わり3団体共催事業となり、「甲府地区ボランティア交流会ボランティア博INこうふ」に名称を変更した。

「甲府地区ボランティア交流会ボランティア博」は、5年目を迎え、ボランティア団体だけでなく、一般の市民にも関心を持っていただくイベントとして定着してきている。

次に、研修会の一環としての全国ボランティアフェスティバルは、当団体からの参加者が毎年減少している。

赤い羽根共同募金、歳末助け合い募金街頭募金への協力は、甲府市社協が事務局を担う、山梨県共同募金会甲府市支会からの期待が大きい事業だが、参加者・募金額とも停滞気味である。

県民の日記念事業の中での、やまなし市民活動交流フェスタにも毎年参加しているものの当団体の活動紹介事業としての機能はあまり果たせていない。

当団体の実施事業は、努力の割には報われないという部分もあり、またボランティア自身の高齢化が要因となり、当団体への加入数も減少してきている。

甲府市社協には、ボランティア基金という財源があり、当団体に新規加入するボランティア団体には優先的に活動資金としての助成をしてきた経過があるため、今後慎重に検討した上で有効に活用できれば新規団体加入に有効ではないかと思われる。また、甲府市ボランティアセンターに団体登録しており、当団体に未加入のボランティア団体についても新規加入の勧誘等に努める。

当団体の組織に係る構想として、甲府地区ボランティア交流会ボランティア博にて高齢者・障害者・子供コーナー等のジャンルに分けてコーナーを設けたが、このグループをそのままの活動に繋がる部会として活動したら各団体同士の理解も深まりイベント等がやりやすくなると思われる。

新しい取り組みを予算がないから実行出来ないではなく、目的を見つけて、どのようにすれば実現できるかを考えることが大事だと思われる。

平成25年3月18日 甲府市ボランティア団体連絡協議会

会  長    市 川  孝 次

 

平成24年度宮崎県地域福祉推進フォーラム

宮崎県社協は、全国で、実力のある都道府県社協の一つです。私は、20年近く前、全社協地域福祉部の紹介で、県社協の経営基盤強化のために、作業委員長として頻繁に宮崎県を訪問しました。その時より、宮崎県社協は、市町村社協と協働して、各地域の地域福祉の推進のために、過疎サミットやさまざまな企画を打ち立て、宮崎県内における重要な役割を担ってきました。私も一緒に各地を訪問しましたが、その経験が、私の地域福祉に関する考え方に影響を与えています。 全国ボランティアフェスティバルを開催した時には、県と協力して、数万人の参加者を記録しました。私は、福祉のまちづくりをテーマに、分科会を担当しましたが、当時、紀宮妃が聞きに来られたことは思い出です。 今回は、地域福祉推進フォーラムです。登場する事例は、活動実績のある、宮崎県内でも有数の地域です。詳細を述べることはしませんが、その実績から学ぶことが多いと思います。

地域福祉推進フォーラム

テーマ「地域のつながりの再構築」

1 趣  旨

少子・高齢化の急速な進行や景気の低迷、人間関係の希薄化や家族機能の低下等により、孤立死や自殺、貧困や低所得、育児不安、介護、子どもや高齢者への虐待、障がい者の地域生活移行、引きこもりなど人々の生活課題が多様化、複雑化、高度化してきています。 これらの生活課題に対して、平成19年に厚生労働省に設置された「これからの地域福祉のあり方に関する研究会」がまとめた報告書「地域における『新たな支え合い』を求めて-住民と行政の協働による新しい福祉-」では、特に身近な「地域社会」の中での「つながり」をどのように再構築していくかが、これからの地域福祉の課題であると指摘しています。 そこで、本フォーラムでは、住み慣れた地域で誰もが安心して暮らせる地域社会を目指して、地域のつながりを再構築し、支え合う体制を実現するための方策について、関係者の共通理解と更なる連携の促進を図ることを目的として開催します。

2 主  催  宮崎県 社会福祉法人宮崎県社会福祉協議会

3 日  時  平成25年3月1日(金) 午前10時から午後3時30分まで

4 会  場  フェニックス・シーガイア・リゾート シーガイア・コンベンションセンター4階(蘭玉の間) 宮崎市山崎町浜山

5 参加対象  自治会等役員、民生委員児童委員、ボランティア・NPO団体、市町村行政職員、市町村社会福祉協議会職員、社会福祉施設職員、その他関心のある方

6 プログラム

趣旨説明   宮崎県社会福祉協議会 地域・ボランティア課長 坂本 雅樹

基調講演「これからの地域福祉とまちづくり」ルーテル学院大学学長 市川一宏 氏

住民が直面している福祉ニーズや地域の生活課題とは何か。また、地域づくりに必要な介護予防、自立支援、住民参加の視点をもとに実践事例を交えながら、これからの地域福祉とまちづくりの方策について学びます。

パネルディスカッション     ルーテル学院大学学長 市川一宏 氏 

地域のつながりの再構築 ~住民の暮らしを支えるための仕組みづくりと協働」

誰もが安心して暮らせる地域づくりを進めていくためには、同じ地域に暮らす住民同士だからこそできる発見や気づき、見守りや支えあいの取組みとともに、同じ地域の中で住民の地域福祉活動を支援したり、専門的な相談援助に取り組む機関との協働が必要です。このパネルディスカッションでは、日常生活圏域において住民や地域包括支援センター、社会福祉協議会、地区社会福祉協議会がそれぞれの立場で地域福祉の推進をめざし、協働していくための視点や方法について、専門家の助言をいただきながら考えます。

・高鍋町正ヶ井手地区自治公民館 館長 河野 幸雄 氏

「福祉ネット部」を中心に顔の見える活動にこだわり、高齢者の見守り、介護予防や配食サービス等を積極的に展開。平成15年12月に国の介護予防等拠点整備補助事業を利用して木造平屋を増築し完全バリアフリー化。介護講習のほか、ストレッチ体操、ひな人形づくり、レクリエーションなど幅広く利用されており、住民同士の交流をすすめています。

・宮崎市小松台地区社会福祉協議会 会長 川俣 勲 氏

高齢者・障がい者・母子家庭・乳幼児のいる世帯を対象に、地域の中高年で組織した有償ボランティアが、高齢者の日常生活の困りごとについて、簡単な庭木の剪定、草取り、買いものの持ち帰りなどを行う「お助けマン・ウーマン事業」を展開するなど、地域関係の希薄化防止への活動を行っています。

・日向市財光寺地域包括支援センター センター長 梅田大介 氏

地域包括ケアシステムの中核的機関として地区の課題や問題点を区長、民児協、高齢者クラブ、病院、薬局、社会福祉協議会、行政等で構成する地域ケア会議に積極的に取り組み、またアウトリーチによる高齢者の実態把握、介護予防教室、ふれあいいきいきサロンへの関わり等を積極的に行っています。

・日南市社会福祉協議会 事務局長 冨山 生穂 氏

市内9地区に地区社会福祉協議会や地区福祉推進協議会を設置し、また、福祉推進委員総数1,001名を委嘱して、公民館等を拠点とした、見守り活動、ふれあいいきいきサロン、ひとり暮らし高齢者のふれあい昼食会を行うなど住民の地域福祉活動を支援。平成23年には市と協働して「地域福祉推進計画」を策定するなど、日常生活圏域で住民の地域生活を支える仕組みづくりを進めています。

 

2012年度岩手県民生児童委員協議会会長・副会長研修会

2013年2月、花巻で行われた民生児童委員協議会会長・副会長研修会にお招きいただき、「住民参加による地域福祉の推進と民生委員・児童委員が担う役割」というテーマで講演させていただきました。東日本大震災で死亡した民生委員は、25名で、うち、主任児童委員が4名で、内訳は、宮古市2名、山田町4名、釜石市4名、大槌町4名、陸前高田市11名でした。

私は、亡くなられた方々のご冥福をお祈りし、今後の活動に参考にしていただくこと。そして激励したい思いで、岩手県の仕事をお引き受けいたしました。

海岸沿いは、深刻な被災を受け、今も復興が進んでいません。また過疎の問題も深刻で、雪の中で孤立している方々がたくさんいます。その方々を支え、見守る責任を担う400名を超える方々が集まられました。

私の思いが、皆さんにどれだけ伝わったかわかりません。しかし、会場は、熱心に聞いて下さる方々で、燃えていました。講義が終わり、外を見ると、雪が積もり、冷え切っていました。この対照的な環境を御覧下さい。

岩手県の民生委員の方々の底力を見て、励まされたのは、私の方でした。ありがとうございました。

信州発 地域でまめに暮らそうフォーラム

長野県フォーラム

長野県社協『地域でまめに暮らそうフォーラム』

2012年度、長野県社会福祉協議会は、「小地域における地域支え合い体制づくり研究委員会」を発足させ、地域福祉活動の本格的検証に入った。そして、委員会を重ね、今回のフォーラムを開催することができた。

その後、報告書とともに、事例集、DVDを刊行し、長野県全域で、地域福祉活動の実績を共有する予定。

私は、ここに、長野県の底力を感じている。

1.今回の事例を学ぶポイント(5つのき)

① きっかけ 気付いて、始める

② キイパーソン(最初の一歩を歩み、それに連なる人がでてきた)

③ 貴重な地域の宝(ひと、もの・・・)

④ 希望・気持ち(思いやり)

⑤ 協働(広がる助け合いの輪)

「来たくなる長野」

2.目標<コミュニティの再生>

①コミュニティに所属するもの同士の相互の関わり

②関わり対するアイデンティティ、愛着

③それらを実現しやすい地理的な空間

④互いを認め合うコンセンサスと一定の規範

⑤コミュニティを支える宗教や祭り等の文化の形成

⑥人材や活動等の一定の地域資源の存在

 

3.大桑村「ますや」と山之内町「わくわく商店街」活動の特徴

① 地域が直面する問題に答えた活動「足に靴を合わせる活動」

② 資源(ひと、もの、かね、知らせ等)の活用

③ 地域のみんなの居場所、縁側、ほっとできる場づくり

④ 「みんなが参加者」誰がボランティアで、誰が担い手であるか分からない活動

⑤ それぞれの能力を活用した活動=来たい気持ちになってもらう。

⑥ 人を増やす方法:楽しく、無理なく、見える活動

⑦ 「皆で考え、工夫する」組織の透明性

4.茅野市の活動

① 今までの実績と計画があった。

② 地域拠点が4カ所あり、地域に課題に迅速に取り組める。

③ 専門職と住民が協働(互いの役割に関する協議と合意)

④ 住民主体=住民も解決の当事者、互いに助け合う絆とサービスの連携

⑤ 調整する人の配置

5.社協の役割

① 住民の要望を聞くこと

② 求めている人と求められている人を繋ぐ

③ 活動のイメージを一緒に考える

④ 活動をできるだけ多くの人に伝え、理解者を増やす

⑤ 可能な地域の宝を活動希望者に紹介する。

⑥ いつも一緒に悩む

6.総括

① 「タ」互いの協力

② 「ス」進めてみよう

③ 「ケ」健康づくり、元気づくり

④ 「ア」アイデア

⑤ 「イ」居場所、居心地