社会福祉関連
2025年は、民生委員児童委員の改選が行われ、12月より新しい体制が発足することが予定されています。しかし、多くの都道府県民生委員児童委員協議会から、選出の難しさと欠員の可能性が指摘されています。
私は、この事態を、民生委員児童委員活動の問題だけでなく、地域福祉システムの弱体化をもたらし、各社会福祉制度の根幹が崩れていくのではないかと危惧しています。
それだけ地域における生活問題は深刻だと実感しています。いてもたってもいられない。そこで、私が出会った民生委員児童委員の方々への思いを述べさせて頂きます。
1.今、直面している地域の生活問題
私は、今も、複数の区市の介護保険事業計画、高齢右車保健福祉計画の作成、都府県レベルの地域福祉の推進、全国レベルの地域福祉の仕組みや相談体制の検討に関わらせて頂いています。しかし、孤独•孤立、貧困、虐待等の広がりと深刻さに直面し、それらに対応する既存の福祉制度の限界が露呈してきつつあると思っています。
孤立•孤独の問題は、高齢化と人口の減少が顕著になっている、全国各地の自治体だけの問題ではありません。都市部においても、2025年問題として取り上げられていた一人暮らし、高齢者のみ世帯の増加、要介護者•認知症高齢者の増加とあいまって、地域の関係性の希薄化は顕著になっています。
私は、講演等で全国各地の地域を訪問する機会が与えられ、各地域で活動しておられる民生委員児童委員の方々にお会いして活動をお聞きして、日々のご苦労に敬意を表してまいりました。また都市部においても、コロナ禍にあって、生活の不安をもつ方々に寄り添っておられる民生委員児童委員の方々の姿を見て、勇気づけられてきました。
繰り返しになりますが、私は、そもそも民生委員児童委員に欠員が出ること、またなり手が少なくなっていることは、民生委員児童委員の問題というよりは、地域の問題だと指摘したいと思います。地域福祉の関係者が、民生委員児童委員に何を望み、どのように協働した取り組みができるか、地域福祉に関わる同じテーブルで話し合って頂きたいのです。
2.福祉関連施策の動向
近年、新しい福祉関連施策が展開されています。主要なものだけお示ししますと、以下の通りです。
① 介護保険•高齢者保健福祉
介護保険制度の根幹である「地域包括ケアシステム」とは、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けるために、「医療・介護・予防・住まい・生活支援が一体的・継続的に提供される体制」のことをいいます。近年、「地域包括ケアシステムの深化・推進に向けた取り組み」が強調され、地域包括ケアシステムは地域共生社会の実現に向けた中核的な基盤となっています。また地域住民や多様な主体による日常生活支援の促進が目指され、民生委員児童委員への期待はとても大きいです。
② 重層的支援体制整備事業
同事業は、市町村全体の支援機関・地域の関係者が断らず受け止め、つながり続ける支援体制を構築することをコンセプトに、「属性を問わない相談支援」「参加支援」「地域づくりに向けた支援」の3つの支援を一体的に実施することを必須にしています。ただし、重層的支援体制整備事業の枠組みができても、その実績が十分に見えてきていません。また、同事業が、地域の福祉活動やサービスの実績を踏まえて企画されていないならば、絵に書いた餅に過ぎません。さらに、重層的支援という理念だけで整備事業を企画するならば、今までの地域福祉の実績や、住民関係、福祉土壌等の地域の強みを削ぎ落としていることになります。特に現状では、「地域づくりにむけた支援」の主体について、不明確な計画も少なくないのであって、私は、各自治体で実態に合わせた計画策定を強く望みたいと思っています。
また、令和6年の生活困窮者自立支援法等改正、令和5年の共生社会の実現を推進するための認知症基本法、孤独•孤立対策推進法の制定、介護保険法の改正がなされました。いずれの法律においても、民生委員児童委員活動との関わりは深いと言えます。民生委員法第14条において、一 住民の生活状態を必要に応じ適切に把握しておくこと。二 援助を必要とする者がその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるように生活に関する相談に応じ、助言その他の援助を行うこと。三 援助を必要とする者が福祉サービスを適切に利用するために必要な情報の提供その他の援助を行うこと。四 社会福祉を目的とする事業を経営する者又は社会福祉に関する活動を行う者と密接に連携し、その事業又は活動を支援すること。五 社会福祉法に定める福祉に関する事務所(以下「福祉事務所」という。)その他の関係行政機関の業務に協力すること。という民生委員の職務規定からしても、新制度の実効性を担保するには、民生委員児童委員活動は不可分のものです。
3.一斉改選に向けた取り組みの強化
本年の一斉改選の結果は今後の様々な福祉施策の実現に大きな影響を与えることを、私たちは十分理解すべきと考えます。
ちなみに、厚生労働省は、『民生委員・児童委員の選任要件に関する検討会』を設置し、検討を重ね、議事録が公開されています。特に、第2回委員会では、各構成員より報告が出され、なりて確保を含めた議論が始められました。
また全国民生委員児童委員連合会は、2024(令和6)年9月に、会長名で、都道府県・指定都市民生委員児童委員協議会会長当てに、『次期改選(令和7年 12 月)に向けた民生委員・児童委員のなりて確保の 取り組み推進について(ご依頼)』を送っています。
https://www.dropbox.com/scl/fi/augu8nas86f06y96320h3/7.pdf?rlkey=heh7igc4jspcnkf7nfj1ksg6l&dl=0
ついで、令和6年度)の関東ブロック民生委員児童委員連合協議会(7月18~19日開催 於:静岡県)の分科会「次期一斉改選を控えて~新たななり手確保への取り組み~」における各民生委員児童委員協議会の事例から」、以下の報告がなされています。
<協力関係の強化>
① 切羽詰まる前に、今から協力体制を築いておく。
協力関係は、民児協と行政・社協、区長・地区役員、福祉員・種々のボランティア・当事者団体等、防災関係・教育関係・商工会関係等、幅広い関係である。
② 民生委員推薦委員会との役割分担を検討する
③ 町内会長協議会等の懇談会、自主防災組織等の会合、認知症徘徊模擬訓練や自主防災活動を通して、民生委員児童委員の活動の理解を進める。
<民生委員児童委員活動の意義と内容を普及させる>
④ 単位民児協の定例会において、基本的内容を確認する。
⑤ 民生委員児童委員の日等、委員活動を知ってもらう取り組みを行う
⑥ 市町村の広報等に日常的な活動を掲載してもらう=評価されるべき点は積極的に広報する。
<日頃の民生委員児童委員活動の強化>
⑦ 民生委員児童委員活動を支援する仕組みを強化する
⑧ IT等を使った活動の効率化
⑨ 単位民児協の定例会等の運営をスムーズに
さらに、令和6年度ブロック民生委員・児童委員関係事業会議協議結果(概要)が出されています。まだ、未定稿とのことですが、せっかくの資料ですし、より多くの関係者が参考にして、民生委員児童委員の改選の支援を強化して頂きたいとの思いで、あくまで市川の判断でお示ししました。責任は市川にあります。
https://www.dropbox.com/scl/fi/reix29h8bjm5f55dq7er1/6.docx?rlkey=q538evsxtm35npl5loo1ig96y&dl=0
このように、すでに成熟した議論がなされています。どうぞご参考になさって、取り組んで頂きたいと思います。
4.私の思い。民生委員児童委員活動の原点に立ち戻ること。
ここから述べることは、私が責任を担っている委員会を通して明らかにしていることあくまで私が全国各地の民生委員児童委員の方々にお会いして学んだことです。
私は、今こそ、民生委員児童委員活動の原点に立ち戻ることが必要と考えます。原点とは、①自らの働きを問い直すこと、②地域•地域ケアのあるべき姿を描くこと、③協働した働きを始めること、の3点にまとめることができると思います。
まず第1に、自らの働きを問い直すためには、実際の活動実績をしっかりと検証すること。2024年は、岡山県、全国民生委員大学、鳥取県、宮崎県、沖縄県(録画)、白河市、宮城県、大分県、岡山市、群馬県、山梨県、長崎県、千葉県、岡山市北区、鳥取県に行かせて頂きました。千葉県では、地域別に3回に分け、講演とワークショップを行い、鳥取県では1日目は米子空港に着いて米子市で講演、2日目は倉吉市で講演、3日目は鳥取市で講演をしてその日のうちに鳥取空港から羽田空港に帰ってきました。以前の京都府では北部、中部、南部の3ヶ所で講演、ワークショップを行い、それぞれの地域性は異なっており、民生委員児童委員の活動理念は共通しつつも、実際の活動の違いがあったことを思い出します。講演で民生委員信条に書かれた「隣人愛」のことを紹介しました時に、一番前に座っていた方が、過疎が深刻で、「隣人がいません」と発言されたことを忘れられません。
またワークショップを通して、それぞれの地域性と活動の工夫を学びました。新人の民生委員児童委員も活動しやすいように地域版の手引きを作成しているところ、民生委員児童委員の方々の質問に対し県民児協として丁寧に解答し公表しているところ。また歴史の貴重な情報を得ることもありました。(済生顧問制度の記事を紹介します。)
https://www.dropbox.com/scl/fi/sxr39upqrp6vsrnog6ddr/.pdf?rlkey=t7crkc5of3le67cv0fbau2pdd&dl=0
https://www.dropbox.com/scl/fi/cqiuysbshwcn5ji4xpjhk/.pdf?rlkey=l6iu88o7u7aajrmdagkro873q&dl=0
さらに研修の中で単位民児協に関する情報交換会を行う時には、それぞれのテーブルで様々な工夫が語られていました。
ちなみに、民生委員児童委員活動の主要な役割は、第1に住民のニーズを受け止めること、そして第2に必要な機関にその情報をつなぐことです。そのためには、住民の家への訪問、情報把握が必要です。それを可能にする敬老金の持参も、一つの有効な手段と考えられます。ぜひ、市区町村、単位民児協内で話し合って頂ければと思います。
ふりかえって、私の講演では、参加者の反応を見ながら、お伝えする事例を考えますので、心身の疲れは半端ではありません。しかし、出席なさった方々をお見送りをする際に、様々なお気持ちをお聞きし、来て良かったといつも思いますと共に、活動なさる方々の思いに自分が励まされ、今があると思っています。
今後、民生委員児童委員の活動をそれぞれの市町村レベル、単位民児協レベルで丁寧に検証して、活動している内容、なくてはならない活動を明らかにして頂きたい。地理的条件によって、できる活動、期待される活動は異なります。その際には、まず良いところを評価することから始めて頂きたい。良いことは良いこととして明らかにし、その上で、スリム化できる職務の確認、民生委員児童委員活動への支援方法、民児協の役割等も考えて頂きたい。
なお、すべての計画策定に言えることですが、生活課題の把握や実際の支援方法が曖昧な計画は、メルヘンの計画で使いものになりません。地域福祉計画等で民生委員児童委員活動を位置付けるとともに、介護保険事業計画、子育て支援計画、障害福祉計画等の各計画においても、民生委員児童委員活動について検討することも必要と思います。
第2は、目指す地域、地域ケアを描くことです。今、互いの違いを認め合い、地域にいる住民同士の新たな繋がりを尊重した共生社会の実現が、多くの地域で目指されています。また地域ケアも、単に身体的ケアだけでなく、当事者の地域における生活を支えることに重点が置かれています。しかも、地域の生活課題は解決困難です。だからこそ、住民、町内会、民生委員児童委員、社会福祉法人、NPO、行政等がそれを解決していくために、取り組んでいく過程で生まれる絆を、地域再建の基盤として捉えようとする視点が大切になっています。しかも、理念だけに留まるのではなく、プロセスが明確され、具体的な計画にならないと実効性は担保できません。その検討を通して、民生委員児童委員活動の意味の見える化を図って頂きたい。
第3は、協働することです。孤立を防ぐために取り組んでいる民生委員児童委員が孤立してはなりません。
だからと言って、協働、連携は、決して簡単なものではありません。第一に、制度ごとにある協議体をスクラップアンドビルドして、効率的な協働システムをつくること、第二に連携の阻害要因を取り除くこと。すなわち㋐自分の領域を守ろうとする意識、㋑他の担い手の役割に対する無理解㋒総合的な計画の不明確さ㋓連携の効果についての知識のなさが課題となります。第三に日常的なコミュニケーションを大切にすること。㋐問題意識・課題及び目標の共有化㋑情報の共有化㋒臨時対応の確認㋓連携による効果の確認と再評価システムの確立、第三にそれぞれの役割の合意はできているかが問われます。そのために民生児童委員自身も、簡潔に自分の役割を説明できることが、大切です。
なお、専門職が、自分の都合のよいようにインフォーマルケアとの関わりを求めるのは、専門職のエゴだと考えています。また、自分が民生委員児童委員だったらできないことを委員に求めることも同様です。専門職には、民生委員児童委員に支援に関わる際の説明責任、バックアップ責任があります。
また、民生委員児童委員の事務局である行政、もしくは社協の役割も合わせて強化していくことが必要です。ある県の研修では、委員が討議をしている間、一緒にきている事務局員に情報交換する場を提供しました。事務局職員がどのように支援していったら良いか、悩んでおられたと思いました。行政、社協の組織として、担当業務をバックアップする仕組みが大切です。
5.むすびにかえて
今から30年前、1995年1月17日午前5時46分52秒、兵庫県淡路島北部、あるいは神戸市垂水区沖の明石海峡を震源として、マグニチュード7.3クラスの自信が発生しました。震源に近い神戸市の市街地の被害は大きく、たくさんの家屋が潰れ、高速道路がなぎ倒され、燃え広がる火災が起こり、6,434人もの方が命を落とされました。私は東京にいて、テレビで報道される深刻な被害を見て、思わず驚きの声を上げていたことが、今さらのように思い出されます。
その後、私は、神戸市長田区の老人ホームに泊まり、デイサービスの利用者の追跡調査に加わりました。焼け落ちた市場を見、また火事が起こった発災当時の混乱を聞くにあたって、大切な人、家、思い出のものを失った方々の痛みと出会い、復興までの道のりが本当に長いのではないかと率直に思いました。しかし、全国から、たくさんのボランティアが集まり、支援に入り、あらたなNPOが広がり、絆を作り上げました。ガバナンス、すなわち統治(government)から協働へという言葉が登場したのもこの時期です。
1995年1月17日より、阪神淡路大震災の被災地の新たな歩みが始まりました。本年は、30年目。阪神淡路大震災1.17のつどい実行委員会は、以下の呼びかけをしました。
「1995年1月17日 午前5時46分。阪神淡路大震災が発生し、私たちの大切なものを数多く奪っていきました。あの震災から、まもなく30年を迎えようとしています。震災でお亡くなりになられた方を追悼するとともに、震災で培われた「きずな・支えあう心」「やさしさ・思いやり」の大切さを次世代へ語り継いでいくため、2025年1月17日(金)に「阪神淡路大震災1.17のつどい」を、神戸市中央区の東遊園地で行います。」テーマは『よりそう』でした。
そこで遺族代表の武田眞理さんは、以下のように述べました。「犠牲になった父からのメッセージ あの朝、子どもたちのお弁当を作っていた私は、突然の激しい揺れであっという間に足が冷蔵庫に挟まり動けなくなりました。関東大震災の生き残りだった祖父がいつも口にしていた「揺れたら火を消せ」の声が聞こえました。手を伸ばしガスを切った途端、体はがれきに埋もれました。暗闇の中をもがいて外に出たときに見たのは、跡形もないわが家と、割れた屋根の下でぼうぜんと娘を抱く主人の姿でした。父母と息子の姿はありませんが、名前を呼ぶと母と息子からは返事が。靴もないまま道路へ出て助けを呼んで、主人と駆けつけてくださった人々の手によって息子は生還し、母は土まみれながら助かりました。 昼になり、変わり果てた姿で父が出てきました。前夜、いとこに電話をかけ、100歳まで生きると言っていた父の生涯は、67歳で終わりました。私は涙に枯れる間もなく、母は自責の念にかられ、恐怖に震える6歳と10歳の子どもたちをどう育て生きていくかで頭がいっぱいでした。 子どもの発熱で葬儀にも出席できず、棺に手紙をいれたくてもメモもない私でしたが、父は一人犠牲になって家族を守り、それは私に強く生きろというメッセージに思えました。 でも、悲しいことばかりではありません。いつもと同じ朝を迎えられる喜びを知り、行政や多くの方から支えていただきました。それらが前を向く原動力でした。大切な家族を心の準備もなく失いましたが、心の中で故人はいつまでも生き続けています。 この30年、さまざまな自然災害がおこり、昨年能登を襲った地震は記憶に新しいです。同じような悲しみをもった人たちに心の平安が訪れることを願うとともに、命の大切さを伝えていきたいと思っています。」
なお、以下のNHKの記事の神戸中央区追悼式の画面をご覧ください。私は、感動で心が揺さぶられました。皆さんもどうぞご覧ください。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250116/k10014694881000.html
私たちは阪神淡路大震災被災地だけでなく、東日本大震災の被災地、熊本地震の被災地、能登半島被災地のことを忘れず、様々な支援のあり方を模索していきたい。
改選の結果は、地域福祉の現状を左右することになります。ぜひ、3つの原点に立ち戻り、それぞれ出されている提案の中から、各市町村で、各都道府県で積極的に取り組んでいって頂きたいと思います。
「一本の木を植えなかれば、砂漠の緑化は始まらない」
投稿日 25年01月28日[火] 11:00 PM | カテゴリー: カテゴリ無し,共助社会づくり,社会福祉関連
皆さん、おはようございます/こんにちは/こんばんは。お元気ですか。
さて、2月22日に、ハイブリッドで開催されます21世紀キリスト教社会福祉実践会議大会のご案内をさせて頂きます。
大会では、「誰が隣人になったと思うか?」〜ともに生きる関わりを求めて~をテーマに、以下のプログラムが予定されています。
開会礼拝:上田憲明氏(日本聖公会東京教区司祭)
基調講演1:幸田和生氏(カトリック東京教区名誉補佐司教、一般社団法人カリタス南相馬代表理事、カトリック原町教会司祭)、現在も進行中の原発被害に直面する住民と共に歩む「カリタス南相馬の働き」から学びます。
基調講演2:向谷地生良氏(社会福祉法人浦河べてるの家理事長、北海道医療大学名誉教授)、「他者の苦しみへの責任と連帯」を目指し、精神的障がいをもつ方々と共にある浦河べてるの働きから学びます。
シンポジウム
・稲松義人氏(社会福祉法人小羊学園理事長)「重度の障害をもつ人と歩む」、意思を判断すること自体が難しい重度の知的障がいをもつ方と共に生きていく日々の実践を学びます。
・下条裕章氏(聖公会神田キリスト教会司祭、きぼうのいえ施設長・理事長)「独居の高齢者の生活を支えるために」、高齢化が進む山谷において、「生」を全うするための宿屋を提供する実践から学びます。
・長縄良樹氏(日本児童育成園統括施設長)「一人ひとりの子どもの成長と可能性を支えて」、
子どもの成長を支援して多様なケアを展開する育成園の実践から学びます。
司会者である石川一由紀氏(救世軍本営社会福祉部長)のコメント
「それぞれ切り口は違うが、「歩み寄る」「支える」という実践の中で「隣人」になろうとしてきたことを掘り下げたい」
閉会礼拝 小勝奈保子氏(日本福音ルーテル聖パウロ教会牧師)
閉会の挨拶 大橋愛子氏(さかえ保育園園長)
なお、実践会議は「神は苦しむ人間の姿を見て、見逃さず駆け寄り、寄り添い、その痛みを背負って下さる方であることから、強い共感が生まれる。神と同じように人々の苦しむ姿に共感して駆け寄るならば、神を信じる、信じないにかかわらず、意識するとしないとに関わらず、神と結ばれた共に歩む隣人である」(カトリック司教森一弘先生)という基本的考え方を大切にしてきており、施設職員の研修の場にもなってきました。
是非、ご参加くださいますよう、お願いいたします。
2025年1月21日
21世紀キリスト教社会福祉実践会議代表
ルーテル学院大学 名誉教授 市川一宏
参加の申し込みは、以下のパンフレットをご参照ください。
https://www.dropbox.com/scl/fi/vyhs4knc918qgsirvqcwh/12-202410.10.pdf?rlkey=r2k87ip9600ozn1r8503dxl33&dl=0
投稿日 25年01月23日[木] 12:01 PM | カテゴリー: カテゴリ無し,共助社会づくり,大学関連,学会,教会関連,災害支援,社会福祉関連
このたび、当財団が2023/10から助成しております、認定NPO法人「市民セクタ-よこはま」 (アドバイザー ルーテル学院大学市川名誉教授)の助成活動「認知症カフェ動画プロジェクトの取り組み」が、神奈川県委託事業として行われている、認知症疾患医療連携協議会研修会・若年性認知症自立支援ネットワーク研修に取り上げられ、今年2月1日に神奈川県の横須賀市にて講演会、動画上映会が開催されることとなりました。※主催:独立行政法人国立病院機構 久里浜医療センター 共催:横須賀市医師会
この動画制作にあたりましては、認知症当事者の方がレポーターとして参画されており、認知症カフェの取材先の選定から、取材方法・内容にいたるまで家族・支援者の方の協力もいただきなから取り組みをすすめておられます。その開催案内が届きましたので、ご参考までご案内させていただいた次第です。
リンク先に案内ビラが登載されていますのでこちらをご覧ください。(久里浜医療センターHP)https://kurihama.hosp.go.jp/hospital/case/dementia_info.html
(神奈川県のHP) https://www.pref.kanagawa.jp/docs/u6s/shikkaniryou_r6kenshuu.html
オンラインでの視聴も可能となっています(事前申し込み要)
【市民セクターよこはまHP】―これまで作成した認知症カフェ動画が登載 などhttps://machikadocare.jp/news/https://shimin-sector.jp/news/20231025_ceremony/
日本生命財団(担当 坂手)
投稿日 25年01月13日[月] 11:32 AM | カテゴリー: カテゴリ無し,共助社会づくり,社会福祉関連
2025年3月1日(土曜日)14:00〜16:00に、日本キ基督教団阿佐ヶ谷教会において、「人生 100 歳時代を賢く生きる-生活、心、信仰-」をテーマに、講演を行います。お時間がある方は、ご来場下さい。
投稿日 24年12月21日[土] 1:33 PM | カテゴリー: カテゴリ無し,共助社会づくり,教会関連,社会福祉関連
三鷹ろうなん防災委員会は、三鷹市の聴覚障がい者協会と登録手話通訳者会、手話サークル鷹の会の3団体で構成され、災害が起きたときに聞こえない人が安心して避難できるように様々な対策を考える活動をしています。私に直接メールが届いたことを契機に、聴覚障がい者:防災イベント体験に、参加しました。
日時:2024年11月30日(土)16:00~18:00
会場:元気創造プラザ 3階1~4会議室
私は、被災地支援には随分参加しましたが、それぞれの課題について、踏み込んだ議論をしていないことに反省しています。
会場の部屋は2つに分かれ、体験学習をする部屋には、テントが並べられ、まず耳栓と音を遮断するヘッドホンをつけて、テントに一人入ります。そして、一定の時間、電気が消され、条件を渡され、実体験をすることにしました。そこで体験したことは、後でグループに別れ、カード方式でまとめられました。
また別の部屋では、聴覚障害者会の方から講義を受け、掲示した模造紙から、何が課題か学びます。聴覚に障がいがあると言っても、千差万別であり、またコミュニケーションに違いがありますが、災害など緊急事態になると、体力も精神も参る状態に陥ったり補聴器の電源が切れて、普段とれていたはずのコミュニケーションが取りづらくなります。さらに、周りの人に「きこえない」と気づいてもらえないとか、アナウンスや呼び出しがわかりません。実体験をして、不安や戸惑いでストレスが大きいことを感じました。さらに自分で出す音の大きさもわからず、周囲とトラブルになることもあるそうです。
最近、被災地に行くことが多くあります。いや、地震だけでなく、大雨、洪水、台風等で被災を受けているところが多くなっていることでもあります。東日本大震災の関係では、いわき市、多賀城市、宮城県、福島県、石巻・女川・東松島ブロック等を訪問し、現状を知ることができました。まだ、地震の影響が残っています。だからこそ、私たちは、忘れてはいけない。また能登半島地震においても、まだまったく問題が解決できていない。日本のどこでも、自然災害が起こる危険性がある。だから、被災地支援を通して、今までの取り組みと現状を学び、自分たちのい地域の防災力強化に努めていくことが必要だと痛感しています。
今回の三鷹市ろうなん防災協会の研修に参加して、その思いを強くしました。被災地のことを決して忘れません。
なお、同委員会が資料をまとめています。非常に貴重な資料です。
https://www.dropbox.com/scl/fi/9mxf48t675lwa36ahtesk/.pdf?rlkey=gf2bbphkphwnbfz6touvcn4a9&dl=0
投稿日 24年12月08日[日] 4:12 PM | カテゴリー: カテゴリ無し,共助社会づくり,災害支援,社会福祉関連
ルーテル学院大学は、たくさんの卒業生が、社協、大学、自治体、社会福祉法人やNPO等の民間団体、病院や診療所等の医療機関、厚生労働省や法務省等の国の機関、そして家庭や地域を基盤に、福祉活動等の重要な役割を担っています。私は、その実績が、ルーテル学院大学の教育の証であり、誇りだと思っています。他方、今回紹介する取り組み、働きは、子どもにあった縦軸の生き方を守る取り組み、必要な制度を作り出す活動、人としての自立を目指し、豊かな生活を追求するもの等々で、今の社会に欠かせない挑戦であると思い、私も応援しています。皆様もどうぞ、応援してくださいますよう、つつしんでお願いいたします。
投稿日 24年12月05日[木] 9:10 AM | カテゴリー: カテゴリ無し,共助社会づくり,卒業生の仕事紹介,大学関連,社会福祉関連
歴史的な物価高を受けた生活困窮者支援現場について
市川一宏先生、卒業生の皆様、関係者の皆様、いつも大変お世話になっています。
私は市川先生に修士論文の指導をいただき、大学院在籍時から新宿区、府中市、のちにさいたま市で生活保護世帯、ホームレス状態にある方への支援活動を続けています。あわせて現在は埼玉県内で福祉専門職の養成に携わり、客員、非常勤で聖学院大学、文教大学に出講しています。
市川先生の教え、地域福祉の基本は地域におけるネットワーク型の支援活動だと思っています。ゆえに2000年代から福祉専門職、福祉事務所、社会福祉協議会という福祉関係者だけでなく、弁護士、司法書士、医師、看護師、臨床心理士、市議会議員、県議会議員などと連携し、埼玉県内で相談支援活動を続けています。
生活困窮者の脆弱性はその時代、その社会情勢の影響を強く受けることが指摘されています。以前はリーマンショック、東日本大震災、現在も新型コロナ禍、能登半島地震、歴史的物価高を受けて、生活困窮者からの生活相談が後を絶ちません。そのため、専門職・多機関連携型で2020年から全国一斉何でも相談会を実施しています。本年12月21日にもJR川口駅前でテント村相談会と電話相談会を同時開催して相談対応する予定でもあります。
歴史的物価高を受けても残念ながら、老齢年金、障害年金、生活保護制度など各種給付措置は据え置きか事実上の減額になっています。政策的にも社会的に弱い立場に置かれている人たちへの配慮が足りなく、それゆえに生活に困るべくして困っている現状です。多くの相談の声を受けて、定期的に国会議員、厚生労働省への政策提言も実施して現状変更を求めてきました。引き続きソーシャルアクションを基礎に置いた実証的な福祉実践を進めていきたいと思っています。
以前は貧困、ホームレス状態の方たちに対する視座は、自己責任、怠惰が問題、準備不足、と本人を批判する関係者も少なくありませんでしたが、いうまでもなく歴史的、理論的にも貧困は社会的・構造的問題です。
多くの方に貧困がなぜ起こるのか、と活動を通じて知ってほしいと思っています。まずは12月21日の相談会を成功させて、相談者の声を社会に届けていけるように、人的・金銭的ご支援、ご協力をお願い致します。長文をお読みいただき、ありがとうございました。
投稿日 24年12月04日[水] 9:39 PM | カテゴリー: カテゴリ無し,共助社会づくり,卒業生の仕事紹介,大学関連,社会福祉関連
<メッセージ>
私は14歳のとき、医療ミスにより四肢麻痺、発話障がい、嚥下障がい、視覚障がいを負いました。障がいがあることで、人生の選択肢は本当に狭い。厳しい現実に直面してきました。
希望する学校に行けない、働きたくても働けない。
居場所がないと強く感じました。社会から隔絶されている、必要とされてない感覚は、生きる活力を奪います。
今の日本社会は、少し人と違ったら、居場所がなくなりがちな社会です。
私と同じように選択肢を奪われたり、居場所がなかったりする人がたくさんいます。
でも、政治が変われば助かる人もたくさんいます。国会議員として、誰にでも「居場所のある社会」をつくりたい。それは、経済的に苦しくないだけでなく、自分が必要とされていると感じられる社会です。
誰もが「生きていたい」と思える社会を、みなさんとともにつくっていきたいと思います。
以上、公式ホームページより
<公表された履歴より>
2008年9月、ルーテル学院大学卒業
2006年4月、障がい学生の大学生活をサポートする団体、LSS(ルーテル・サポート・サービス)を設立。その後、大学の公認団体に成長。
2005年4月、同大社会福祉学科に編入。社会福祉、介護等の勉強を本格的に始める。
2004年4月、ルーテル学院大学総合人間学部神学科合格。念願の大学入学を果たす。
2003年2月、ルーテル学院大学を特別な配慮で受験したが不合格。しかし大学は、1年間の聴講を勧めてくれた。来年再受験することを期して、1年間の徹底的な受験モードに。
2002年9月、大学受験の勉強をしながら、いくつかの私大にアプローチしたがことごとく断られる。ただルーテル学院大学だけから受験許可をもらう。
私は、天畠さんと2003年に出会い、彼と一緒に大学生活を過ごしました。私にとって、貴重な学びの時でした。
ちなみに、彼のコミュニケーションの介助をしている方は、同じくルーテル学院大学の卒業生で、とても優秀な方でした。そしてその卒業生が北海道からルーテル学院大学を受験するきっかけを作った方は、診療所に勤め、地域の精神障がいを持たれた方の自立を応援していた有名な医療ソーシャルワーカーの、これも同じく卒業生の方でした。ルーテルの繋がりを感じています。
がんばれ、天畠さん、応援しています。
投稿日 24年12月01日[日] 10:08 AM | カテゴリー: カテゴリ無し,共助社会づくり,卒業生の仕事紹介,大学関連,社会福祉関連
2024年11月26日午後10時47分ごろ、石川県西方沖を震源とする最大震度5弱の地震が発生しました。 富山県内では震度4の揺れが観測されています。 最大震度5弱を観測したのは石川県です。 この地震により、日本の沿岸では若干の海面変動があるかもしれませんが、被害の心配はありません。 震源の深さは10km。地震の規模を示すマグニチュード(M)はM6.4と推定されます。(富山テレビ)
今、能登半島に支援に入っている吉村誠司さんのことが心配です。発災当初より、重機を使って被災者の救出、生活基盤の立て直しを行なっており、現在も続く厳しい現実をフェースブックで伝えてくれています。
https://www.facebook.com/seiji.yoshimura.73
吉村さんが公表している彼の履歴を紹介したいと思います。1965年8月三重県生れ。聖パウロ学園高(全寮制)、1991年3月ルーテル学院大学(社会福祉コース)卒業。在学中ワークキャンプ・交流国際NGOを発足、18 ヶ国を自転車等で一人旅しインドで荷物を失い人生が変わる。25歳で国分寺市議会議員に当選。国分寺子ども劇場会員、東京YMCA運営委員、多摩ワイズメンズクラブ会長、国分寺青年会議所副理事長、専務理事歴任(転居の為退会)。95年阪神淡路大震災では、神戸市長田区へ入り支援活動、後日「神戸元気村副代表」になり、仮設住宅等の孤独死を防ぐ 24 時間の緊急通報システムや子どもケア、引越し隊、動物保護など様々な活動展開し、市政へも提案。97 年日本海重油流出事故では、情報HPを神戸から発信(NHKプロジェクトXで紹介)。
00 年カンボジア対人地雷撤去支援活動開始、03 年反戦活動でイラク入り、バスラ近郊や病院で湾岸戦争で使用された劣化ウラン弾被害の現状調査し医療支援、NGOヒューマンシールド神戸を設立。中越、中越沖地震、パキスタン、中国雲南や四川省、インドネシア各地震でも活動、アフガニスタン選挙NGO監視団では難民キャンプへ。12 年間(約8年神戸元気村、約4 年ヒューマンシールド神戸)神戸で活動し、災害時は、初動救援から曳き起し手法での修復技術なども紹介、被災者生活再建支援法の活用等伝える。各地や学校で講演会や防災や重機の講師を務める。東日本大震災では、発生直後に出発し、翌早朝には宮城県気仙沼、岩手県陸前高田へ入り 1 週間は初動救援などの活動。石巻災害ボランティアセンターと連携する NPO 連絡協議会の立ち上げ協力。その後、各地の地震や豪雨被災地へ…●(社)OPEN JAPAN 理事、防災士、カヌーガイド、長野県森林整備技術者、元立教大学非常勤講師、消防団員、重機オペレーター (車両系建設機械、小型移動式クレーン、フォークリフト、大型・特殊免許 )、CONE リーダー、(特活)インターバンド理事、災害救援NGOヒューマンシールド神戸代表 、下手な手品師。
吉村さんは、誰よりも早く被災現場に駆けつけ、重機を使って、現地の要望に対応してきています。どうぞ、吉村誠司さんの活動をご支援ください。
Donation Yuucho Bnk 00980−7−264796 ヒューマンシールド神戸
From other bank 〇九九(099branch)店 当座Toza 0264796 HS kobe
投稿日 24年11月26日[火] 11:49 PM | カテゴリー: カテゴリ無し,共助社会づくり,災害支援,社会福祉関連
大江さんは、ルーテル学院大学で社会福祉を学び、卒業後、私が学長をしていた練馬パワーアップカレッジに入学し、2年間の学びを終えて、福祉教育の推進のための活動に従事しています。私は、障がい者当事者として共に生きる社会づくりに取り組む彼の生き方に賛同し、大江さんを皆さんに推薦します。
彼は、以下のパワーポイントを教材に活動をしています。https://www.dropbox.com/scl/fi/t8wp4r0ynrtc5cgdmrdk6/2022.pptx?rlkey=zyu1qddi8bhrgpnc2xcjlkhs9&dl=0
以下、2024年1月26日下石神井小学校で行った授業のあらすじを紹介します。
大江 みなさんこんにちは!
スライド1 山内「私は介助ヘルパーの山内です。私は今日大江さんのヘルパーとして一緒に来ました。ヘルパーとは私のお仕事です。私はいつもヘルパーとして、大江さんの生活のお手伝いをしています。ヘルパーはお手伝いをするのが仕事ですが、私も大江さんに助けてもらっています。私はヘルパーになる前は別の仕事をしていました。コロナの影響でその仕事が出来なくなって困っていたら、大江さんのヘルパーとしてお仕事が出来るようになり、とても助かっています。それから、大江さんは私が毎日楽しくお仕事が出来るようにいつも助けてくれます。困ったことがある時は相談にのってくれます。一緒に美味しいご飯を作って食べたり、買い物に出かけたり、テレビを見たり、私たちは一緒に楽しく暮らしています。大江さんと私は、いつもこのトーキングエイドという機械を使ってお話をします。これからこのスクリーンにトーキングエイドの写真を映しますので見てください」
スライド2 山内「トーキングエイドは、口で話すのが難しい人が使う会話をするための機械です。大江さんがトーキングエイドを使ってお話しますので聞いてください。まず、“お”のボタンを押すと… “お”と言います。“は”のボタンを押すと… “は”と言います。そして、“よ”と“う”のボタンを押して… 最後に再生ボタンを押すと… “おはよう”と言います」
大江「おはよう」
大江 (トーキングエイドで)「私たちは、障がい、生まれた国など、いろいろなことに関係なく、みんな一緒に遊んだり勉強していけるといいなと思って活動しています。今日は私たちの話を聞いてください。よろしくお願いします」
山内 (繰り返し&補足)「そうですね。障がいがある人も無い人も、関係なくみんなで仲良くしようよ、というのが、大江さんがみなさんにお伝えしたいことです。みなさんは、もしかしたら自分と違う人や知らない人と話をする時に、少し恥ずかしかったり、困ったりすることがあるかもしれません。男の子は女の子と話すのが恥ずかしかったり、女の子は男の子と話すのが恥ずかしかったり、また大人の人や外国の人とどう話をすれば良いのか、困ることがあるかもしれません。話をしたことが無い人と初めて話す時は緊張することもあると思います。それでも、少し勇気を出して話をしてみれば、その人のことを知ることが出来、きっと仲良くなれます。それでは、ここからは、大江さんのお話を聞いてもらい、大江さんのことをよく知ってもらいたいと思います。質問コーナー車椅子説明
スライド3 山内「これは1才頃の写真です。我ながら、なかなか可愛い。赤ちゃんの時の一枚です。この頃、私は障がいがわかりました。生まれてこられた事に、とても嬉しさと感謝を感じています。母とお風呂に入るのが大好きでした」
スライド4 山内「小さい頃、千葉県の松戸に住んでいて、隣のアパートのチイちゃんとよく遊びました。砂場での一枚です」
スライド5 山内「ひとりで座れないので、特別な椅子で支えられています。みんなと同じように遊びたくて、なんでもチャレンジしてきました。噴水から流れた水を一生懸命、お皿に受け止めようとしています」
スライド6 山内「足の手術で入院中に一度家に帰った時、近所のサッカーチームの練習に入れてもらいました。仲良しのコウヘイ君が自分のユニホームを貸してくれました。後ろ向きの子がコウヘイ君です。コウヘイ君は私にとって初めての親友です」
スライド7 山内「保育園の学芸会も車椅子で参加しました。「ぞうのたまごのたまごやき」のにわとり役です。セリフもトーキングエイドで喋って、王子様役の子に車椅子を押してもらいながら舞台に上がりました」
スライド8 山内「保育園の友達と地域の小学校へ。入学式の写真です。いつもランドセルは車椅子の背中にかけていきました。どうしても保育園の友達と同じ学校に行きたくて、お父さんお母さんと相談して決めました。このあと地域の中学校、都立高校、そして大学へと進みました」
スライド9 山内「小学校の頃は、毎年 夏には海に行っていました。楽しかったな~。水の中は気持ちよく光がゆれて、身体も自由だったと思います。」
スライド10 山内「小6の時に友だちの家族とキャンプをしました。気分は一緒に木登りしています。保育園からの親友と夜はキャンプファイヤーやトランプが楽しかったです」
スライド11 山内「最後の写真は、大人になって成人式の時です。この頃はルーテル学院大学で福祉を学んでいました。福祉とは“みんなが幸せになれるよう”に取り組む活動のことです。 今は練馬を中心に小学校をまわって、障害のある人の暮らしを伝えるための活動をしています。障害のある子供もない子供も同じところで教育を受けて共に育つことを強く願っています。そして色々な人が暮らしやすい町を作れたら良いと思います。崚太さんの紹介はこれで終わりですが、最後に崚太さん本人からの言葉を聞いてください」
大江(トーキングエイドで)「私はずっと、まわりの友だちと、一緒の保育園、小中学校であたりまえに育ちました。そして都立高校、ルーテル学院大学へとすすみました。それは私の親や、その時支えてくれた人たちにとっても大変な道でした。でも色々な人がいる環境を過ごせたことが私自身の物の考え方や世界を広げたと思います」
山内(必要があれば繰り返し)「崚太さん、ありがとうございました。みなさんもしっかりお話を聞いてくれてありがとうございます」
スライド12 山内「次はみなさんに知ってもらいたい言葉があります。“ユニバーサル・デザイン”という言葉です。これから色々な例を出しながら、ユニバーサル・デザインとはどういうことなのか紹介します。まず始めに、この絵文字のようなものはサウンズアンドシンボルズといいます。先ほど少しトーキングエイドの話をしましたが、トーキングエイドで話すにはひらがながわからないと12言葉が喋れません。まだひらがながわからない小さな子供の時でも、伝えたい思いを伝えるのに、絵文字やシンボルマークなら伝わるだろうと、崚太さんのお母さんが見つけてきて、崚太さんと使いだしたのが、このサウンドアンドシンボルズです。うれしいって言うのはどれだかわかりますか?」
スライド13 山内「次にこれはトイレの写真です。小さい崚太さんがつかまっているのは、介助用のバーです。これにつかまれば安定して座っていられます。このバーは使わないときは跳ね上げて壁にくっつけておくもので、ほかの人がトイレを使う時でも邪魔になりません。これがあるだけで障がいのある人もない人も同じトイレを使うことができます。駅や公園によくある“だれでもトイレ”にはこのような設備があります」
スライド14 山内「小学校3年くらいから、お風呂に入るときにリフターという機械を使うようになりました。シャワー椅子という濡れてもいい布で作られた車椅子の座るところだけ持ち上げてそのまま湯船の中に入ります。ゆったり安心してお風呂につかれます。今も同じタイプのリフターとシャワー椅子を使ってお風呂に入っています。」
スライド15 山内「お風呂用のシャワーチェアとリフターです」
スライド16 山内「これは西武線の電車に乗るところです。駅の改札口で“○○駅まで行きたいです”と伝えます。そうすると駅員さんたちがいろいろ手配してくれてホームまでエレベーターを使って案内してくれます。予定の電車が来ると乗り降り用のスロープを出してくれて乗り込みます。降りる予定の駅には連絡がいっていて駅に着くとスロープを持った駅員さんが待っていてくれてドアが開くとスロープをかけてくれてスムーズに降りられます」
スライド17 山内「これは街中を走る低床バスです。低い床と書いて低床と読みます。バス停で車いすの人も他の人と一緒に待ってバスに乗れます。運転手さんがバスの低い床からスロープを出してくれて乗ります。崚太さんのお家は駅から離れているのでよく利用しています」
山内「サウンズアンドシンボルズ、だれでもトイレ、お風呂用のシャワーチェアとリフター、それから電車とバスを紹介しましたが、これらがすべて“ユニバーサル・デザイン”です。つまりユニバーサル・デザインとは、お年寄り、からだの不自由な人、妊娠している人、赤ちゃん連れの人、子ども、外国の人、色々な全ての人のことを考えて、みんなが使いやすいようにしようと考えることです」
皆さん今日は私達の話しを聞いてくれてありがとうございます。この街の中には身体に障害のある人、お年寄り、外国人の方など様々な人がいます。その人達それぞれがお互いを認め、手を取り合って暮らしやすい街を作っていけたらという思いで活動しています相手のことを知って違うことを認めて手を繋いでいく事が大切だと思います。皆さんもそんな街を作る仲間になってください。よろしくお願いします。
私は、大江さんの活動を推薦いたします。
なお、ご連絡は、talkingotoko@yahoo.co.jpのメールにどうぞ。
市川一宏
投稿日 24年11月22日[金] 2:25 PM | カテゴリー: カテゴリ無し,共助社会づくり,卒業生の仕事紹介,大学関連,社会福祉関連
« 前のページ
次のページ »