共助社会づくり
今日も明日も負け犬
起立性調節障害のJK監督率いる学生映画チ-ムが送る奇跡の実話をご紹介します。是非、ご覧下さい。
2023年5月26日(金曜日)午後7時30分、なかのZEROで『今日も明日も負け犬。』の映画上演会が行われた。起立性調節障害について知識がない私は、大学の地域福祉論Ⅰに聴講に来られている市民の方から、たくさんの若者が苦しんでいる実態をお聞きし、学ぼうと思い、上映会を実施したKiku-Ne(きくね)に申し込んだ。
~16歳が書く一冊の本から始まった奇跡~
起立性調節障害のJK 監督
率いる学生映画チームが送る奇跡の実話
監督西山夏実の夢
「自分の人生を映画化する」から全てが始まった。
「本書いてよ」 西山(当時16歳)はクラスメイトの小田(当時16歳)に言った。
緊急事態宣言下の3か月間、脚本の小田実里が映画の原作となる西山の人生を描いた本を執筆
本は即日完売。予想を上回る反響から映画化を決めた。
SNS で呼びかけ、監督、脚 本、キャスト、スタイリスト、AD、メイキングなど全てが学生の期間限定チームが結束された。
映画の作り方すら誰も知らないそんな「大人立ち入り禁止の撮影現場」が生まれた。
「コロナ渦」「学生」「初心者」「初対面」「闘病」様々な壁を乗り越え、1年かけて紡いだのが本映画である
この映画を見て、私は、たくさんの主人公がいると思った。第1の主人公は、当然、起立性調整障害に突然かかった西山夏実さん。彼女は、この映画の監督である。中学2年生の時にこの病気にかかり、なかなか起きれない、動けない、今までできていたことができなくなり、さらに病気への周囲の無理解によって、心も傷つき、だんだんと追い詰められていく。映画の中である教員が発した言葉に、私は、西山さんの存在をも否定することが容易にできてしまう恐ろしさを覚えた。西山さんの行動の一部しか見ておらず、24時間彼女が抱えている困難さを知らないと、私も同じことをして、同じような言葉を発していたかもしれない。また、孤独からか?笑顔をまったく見せず、保健室に一緒にいた女子学生ひかるさんに笑顔を届けたいという気持が、西山さんの生活再建のきっかけになっていたことに、私は強い共感を覚えた。苦しみを知ったからこそ、相手の苦しみを理解できるのではないだろうか。「障がいをもつ当事者が当然のこととして現状とその理解、そして必要な支援を主張できる社会」を目指したい。
第2の主人公は、学生スタッフである。映画の後に、監督西山さんとスタッフの撮影の現場をまとめた記録を見て、この映画制作の意味を理解した。当時16歳だった西山さんの「自分の闘病生活を実写映画化したい」という呼び掛けに応えて、女子高生28人が集結した。ただ、みんなが初心者であり、キャスト、スタイリスト、メイキング、楽曲制作など、一つひとつの作業が手探りの中、1年間の製作期間を経て、この映画を完成させた。過去の自分を役者として再現した友人の演技を見て、西山さんは思わず撮影を続けることができなくなった時もある。時には体調を崩し、時には将来の不安に心が一杯になり、撮影を辞めてしまう西山さんと一緒に泣き、喜び、悲しみ、笑う学生スタッフ。コロナ禍、闘病、学生であるという限界もあった。しかし、大切な最初の目標、すなわち起立性調節障害の現状を一人でも多くの方に理解してもらい、同じ病気にかかっている人に一緒に歩む人ができることを願って、必死に支え合っていた28人の行動に勇気を与えられた。50数年前の大学生の時、私は、知的障害児施設にボランティアに行った。その私に、同期の友人たちは「偽善者だ」と言った。自分の思いに従った行動なのに何故非難されなければならないのだと寂しく思った。そして、私は「善」をしている訳ではないので、偽善ではないと言い、友人を集めて施設にボランティアに行った。以降、彼らは「偽善者」とは言わなくなった。そして今でも友人との関係は続いている。「一緒に歩む日常が、当たり前になる社会」を目指したい。
第3の主人公は、Kiku-Ne(きくね)である。ホームページによると、Kiku-Neは、起立性調節障害(OD)当事者の保護者としての経験をもとに、「見えない病と共に生きる社会」を目指して、見た目ではわからない病気や特徴の認知と理解への啓発活動、当事者・家族(家庭)・学校・社会(地域や職場など)、それぞれの橋渡しとサポートを行っている。主な内容は、対面またはオンラインによる保護者向け、教職員向けの勉強会や講演会、学校保健委員会での講話、個別相談などを行っているとのこと。Kiku-Neの名前の由来は、「きく」が聞く・聴く・効く・訊く・利く、「ね」は、根・音・輪廻の廻の意味を掛け合わせており、当事者やご家族の声を聴く、体調や症状に効くなどの様々な「Kiku」と理解が根を広げる、みんなの声が音となり、たくさんの「Ne」となると言う意味を掛け合わせている。「Kiku」と「Ne」が合わさって、より多くの子どもたちやご家族が生きやすく育ちやすい社会になってほしいと思っている団体である。
中野経済新聞の記事を紹介する。「我が家の娘は2人とも起立性調節障がい。長女が診断されたとき、『一番大切なのは、一人でも多くの理解者を得ること』と主治医に言われたのをきっかけに8年前からこの病気のことを伝える日々が始まった。映画は、ある日突然この病気に襲われた女子中学生の実話で、病気をより多くの人に知ってもらうための素晴らしい作品」と映画を誘致した同任意団体の代表・野澤菊枝さん。「ある日突然、原因不明の不調で、起きたくても起き上がれない、寝たくても眠れない、頭痛や腹痛などの症状が毎日続く。そんな不調を抱えながら必死に過ごす中で『サボり』『なまけ』『甘え』『わがまま』などという言葉をかけられたらどう感じるかを想像してほしい。映画は、あなたはひとりじゃない、そして夢や希望が生きる力になるということを教えてくれるはず。中野区教育委員会のお墨付きをもらった。ぜひたくさんの人に見てもらいたい。わたしたちの活動に賛同し、支援していただける方にも出会えたら」と話す。
これらの取り組みに対する第4の主人公は、映画を見た人たち。私も含めて、このメッセージをどのように受け止め、理解し、行動していくのか、問われている。
2022年度民生委員大学
2023年2月2日・3日と、ロフォス湘南で民生委員大学が開講されました。事務局と相談しながらたてたプログラムで、完成度が高いと思っています。ただ、この数年の研修、会議で、私が感じていることですが、民生委員児童委員が置かれている状況、直面している課題は、大分様変わりしているような気がします。新人の会長が予想以上に増えているのも、その一つの現象でしょう。「靴に足を合わせる」のではなく、「足に靴を合わせる」支援を具体的に検討していくことが必要に思っています。4月に発行するVIEWでは、①民生委員児童委員活動の基本を皆で学び、単位民児協の運営に活かすこと、②地域ケアに民生員児童委員活動を位置づけ、具体的な役割分担、相互の支援関係を明確にし、協働した取り組みを強化すること、の必要性を書かせて頂きました。今後ともご指導下さい。
第7期三鷹市地域福祉活動計画
2023年3月の初旬、社協の理事会が開催され、本計画を認めて頂きました。今月の末に行われる評議員会の決議によって、正式に認められます。そのことを前提に、案として掲示させて頂きます。
策定委員の方々、調査に協力して下さった方々、社協職員が、誠実に現状を把握し、可能で、かつ有効的な取り組みが提案されています。dropboxから見ることができます。
もし皆様の取り組み、活動の参考になるのでしたら、策定に関わった私たちも、うれしく思います。
共に啓発し合いながら、希望ある明日を築いていきましょう。
三鷹市ほのぼのねっと30周年記念
1992年に創設された「ほのぼのネットワーク」は、30年の歴史を刻んできました。それを記念する会が、たくさんの関係者の参加のもと、盛大に行われました。私は、ご依頼を受け、記念講演をさせて頂きました。
ほのぼのネットへの期待、互いに支え合い、地域を耕して30年 ほのぼのネットの実績が明日の三鷹を拓く
1.私たちにとっての1992年(設立当初の状況
①社会状況
②福祉状況
・参加型福祉社会をめざして、市民の福祉活動を支援する基盤づくりを強調された。そして、㋐労働省による勤労者の社会参加としてのボランティア活動の推進施策、㋑個人の豊かな生活のためのボランティア活動の推進施策、㋒各ライフステージにおける学習をすすめるためのボランティア活動推進事業が実施された。
・老人福祉法等八法改正による自治体のサービス実施責任の強調
③三鷹市の状況とほのぼのネットの創設
・高齢化率16%弱
・世帯あたりの家族員数は2.1人弱
・昼間人口は84%で市外へ通勤通学する者も多く、家庭内の介護などの福祉機能の低下がある。さらに近隣の付き合いが減少してきた。
⇒ほのぼのネット活動事業がふれあいのまちづくり事業の地区指定を受ける。
<私が考えるネットの特徴は>
特徴1.地域住民がボランティアとなり地域でボランティア活動を行う「靴に足を合わせるのではなく、足に靴を合わせる活動」
特徴2.自主的な運営、多様な活動「0か100ではない本来の地域福祉活動」
特徴3.社協は住民が主体の地域福祉活動を支援「社協は歌舞伎の黒子である」
参考「ほのぼのネット活動」三鷹市社会福祉協議会海老沢芳宏氏執筆
2.活動を始めて30年という意味を振り返る
- いくつもの自然災害により、地域の福祉力が問われた。
- 地域のつながりの希薄化により、孤立化する住民が増加し、行政だけでは対応が難しくなった。共助の必要性が確認されている。
- 貧困状態にある子ども、家族が増加し、公的支援と共に、様々な支え合いが増えた。ちなみに貧困と孤立は、児童虐待の大きな要因となっている。
- ハートビル法、交通バリアフリー法、バリアフリー新法等に見られるバリアフリーの社会作りが進められた。
- 介護保険制度に地域包括ケアシステムが位置づけられ、当事者、住民に等よる支援が重要視された。
<私が考えるほのぼネットの貢献>
①本来の地域福祉活動の原点を守り、地域における定着を進めた。継続が、信頼のネットワークになっている。
②接ぎ木ができる実績。新たな取り組みのほのぼのネットの実績があるから、実現可能になる。「1本の木を植えなければ、砂漠の緑化はなりたたない」そもそもほのぼのネット員は、地域ケアネットの取り組みに貢献なさっておられます。
③ほのぼのネットの活動があるから、心のバリアフリーを含むバリアフリーの社会づくりを目指すことができる。
④どれだけ多くの住民が助けられたか。ご近所同士のインフォーマルなつながりの中で課題がある方を発見してもらい、社協や地域包括支援センターなどにつないでもらうことで適切な支援につなげてもらい、その後も見守りや声かけ、ちょっとした支援をしてもらえている現状を十分評価したい。
・社協職員から一言「ネット員さんが見守りや声かけ、特にお茶会や外出行事などのイベントを行うことで、地域のたくさんの方が笑顔になり幸せな暮らしにつながっていることは非常に大きいと思っており、我々職員としてもネット員の皆さんに感謝しています。」
これらのほのぼのネットワークの実績は、確実に三鷹市の地域福祉の基盤を作り上げてきたと確信しています。
ドキュメンタリー映画「帆花」
さて、卒業生から、以下にメールが届きました。よろしければ、ご覧下さい。
ドキュメンタリー映画「帆花」
http://honoka-film.com/
帆花さんお母さん記事
95年にルーテル神学大学時代に社会福祉学科に入学し皆さんと同じ場で学んだ卒業生の雲下加奈と申します。
ほのかさんは胎児の時、お母さんのおなかの中で元気に動き回っていたそうです。出産時にへその緒が切れてしまうというハプニングがあり、10分間の心肺停止状態に陥った事で、脳死に近い状態となり、今に至ります。
ほのかさんのお母さんの理佐さんは私の中学・高校の友人で、卒業以来連絡を取っていなかったのですが、彼女がSNSを通してほのかさんとのお家暮らしを発信していたことから再開を果たしました。何度かご自宅に伺っていますが、ほのかさんの瑞々しい生命力にはいつも元気をもらっています。彼女の周りはほわんと明るく、暖かな空気で包まれているんです。理佐さんは一人でも多くの人にこうしてお家で暮らしている子供がいる、と知って欲しいと願っています。学生の皆さんで興味があればご自宅への見学も歓迎されるそうです。福祉を学ぶ皆さんにとって、とても素敵な出会いになると思います。
よかったらぜひ、記事を通して、映画を通して、そして実際のほのかさんに会うことで何か感じて頂けたらと思います。
自称ほのかさんの叔母(笑)雲下 加奈
都立練馬高校「ボランティアの日」企画
11月末、都立練馬高校の先生より、ボランティアの日の講演のご依頼を受けました。内容をお聞きすると、全校生徒740名に向けて、約80分の講演をさせて頂けるとのこと。高校生に向けて30分程度のお話をすることは何回もありましたが、さすがに80分、高校1年生から3年生まで満足してもらえる自信はありませんでした。そこで、私は、今までボランティア活動を実践し、また一緒に検討してきた信頼している方々とともに、学生諸君に満足してもらう企画を立てて、実行したいと思いました。
そこで、東京ボランティア・市民活動センターの実績のある方、東京都共助社会を目指す委員会でご一緒に討議してきた生活文化局の方々、練馬区内で様々な実践、研修、生涯学習を実施してきた練馬区ボランティア・地域福祉推進センターの方、そして長く高校におけるボランティア活動の推進に関わられてきた2人の教員の方に呼び掛けさせて頂きました。その文章は、以下の通りです。
「私は、孤立、貧困、災害、戦争等、混乱する社会にあって、困難に直面するたくさんの方々がおられることを学んでいます。そして高校生もたくさんのことを諦め、閉塞感の中に置かれているかもしれないと心配しています。だからこそ、私は、ボランティア活動を通して、大切なもの、大切なこと、すなわち互いの絆の大切さを学んでほしいと思っています。今回、練馬高校より、ボランティアの日に講演をすることを依頼されました。しかし、私の講演だけで練馬高校の学生に満足を与えることはできないと思っています。そこで、今まで一緒にボランティア活動の推進等に関わってきた仲間にご連絡をし、相談しながら、練馬高校の生徒が納得してもらえる企画を考えていきたいと思いました。
なお、今回は、以下のことに留意しています。①当事者の方々から、思いを直接聞いて頂きたいし、ボランティア活動をしている方の活動の思いを知ってほしい。学生に手話、ぼっちゃの意味を理解してもらいたい。②決して希望を失わず、明日に向かって、共に一歩一歩、歩いていく力を育てたい。③それぞれの可能性を考え、活動をしてみたいという気持になってもらいたい。
その依頼に応えて、集まって下さった方が、「練馬高校のボランティアの日を企画した仲間たち」です。準備期間は決して十分ではありませんでしたが、すばらしい企画ができあがりました。プログラムをお示しします。高校生の反応はとても良かったと、練馬高校の先生、ボランティア部の学生からお聞きしました。本年最後のビックな企画を、仲間の方々とご一緒に完成できたことに心より感謝致します。私は幸せ者です。
練馬高校ボランティアの日の講演とワークショップ (2022年12月22日)レジメ『ボランティア活動とは何ですか』
1.私にとってのボランティア活動(お話) 市川 特色⑴ボランティア活動の可能性は、様々な出来事、人との「出会い」です。 ㋐大学時代のボランティア活動 ㋑練馬高校の学生との出会い
2.ぼっちゃ競技の体験 平野さん、在学生、熊谷さん、市川 特色⑵ボランティア活動の主人公は、活動に関わる皆さんです。
ぼっちゃ選手の平野さんから 『私が申し上げたいことは、「何事も経験してみよう!一歩を踏み出してみよう!」ということです。本日の講演でお話しした、ボランティアやパラスポーツの魅力のひとつはその経験や競技・ふれあいを通して、「多種多様な多くの人たちとの繋がりができる」ことだと思います。これは今後皆さんが進学や就職、社会に出ていくうえでとても貴重な財産になります。「人は、かけがえのない宝」です。これからも様々なボランティアやたくさんのパラスポーツを見聞きし、実際に経験して自分自身の可能性や自分から見える世界(視野)を広げていってください!私も自分ができる事を精一杯取り組んでいきますので、ぜひ一緒に「よりよい未来を創っていきましょう!」』 参考資料『わたしのTOKYO2020-平野』teamsに入っています
3.東京都がめざすこと(ボランティアのチカラ)村田さん 特色⑶ボランティア活動の可能性は、新たな広がりです。
『みなさんは「ボランティア」という言葉からどんなことをイメージしますか。身近にできることから大きな活動まで様々なものがあります。昨年は多くのボランティアがオリンピック・パラリンピックを支えました。そうした活動は社会の役に立つだけでなく、自分のためにもなります。東京都は、「東京ボランティアレガシーネットワーク」などでみなさんを応援しています。皆さんもできることをできる範囲でチャレンジしてみませんか』
4.多様なボランティア活動 熊谷さん 特色⑷ボランティア活動は、時間、場所、内容、方法等きわめて多様な内容です。
『様々な分野・人たちとの出会いが、身近な地域で、東京や日本中で、海外で待っています。活動時間や内容も、また直接活動に参加するだけでない応援(会員になる・グッズを買う・寄付や募金)の方法も様々です。見学や体験からでも大丈夫!ボランティアセンターに何でもきくことができます。teamsに、ガイダンス『ボランティア活動を始めようと思っているあなたへ』『ボランティアの実際 思い立ったがボラ日〜活動するボランティアの生の声』が入っています』
5.手話から学ぶボランティア活動 目黒さん、吉田さん 特色⑸ボランティア活動は、互いに学び、共に歩むことです。
練馬区聴覚障害者協会の目黒和子さんより『身体障害者の中でも、聞こえない人は、障害の様子がわかりにくいため、理解されないことが多くあります。聞こえないというのはいつも何を言われているのかわからないと言うことです。「不幸」ではなく、「不便」です。手話は言語です。手話を覚えてくれるのは有り難いですが、コミュニケーションには手段が色々あります。手話の単語を2つ3つ位覚えてくればよいです。いろいろなコミュニケーション方法についてお話しましたが、『一番大切なのは、相手に伝えたいという気持ち』です。ボランティアから学ぶきっかけを得ることは大事です。積極性(勇気)に 気づく、視野が広がる、価値観の共有、社会のつながりのあり方など、視野は広がります。自分の合う行動を探してください。』
6.最後に 市川、目黒さん 特色⑹ボランティア活動は、「互いの違いを認め合い、共に生きる社会を目指した活動」です。
市川の思い 「一本の木を植えなければ砂漠の緑化は実現できません」
練馬高校のボランティアの日を企画した仲間たち 市川一宏(ルーテル学院大学)、熊谷紀良(東京ボランティア・市民活動センター)、村田陽次・戸田未央・白善仁(東京都)、河島京美・吉田麻莉子(練馬区ボランティア・地域福祉推進センター)、山下慎司(練馬高校)、正木成昭(赤羽北桜高校) 協力者:平野裕人さん(NECボッチャ部・NECマネジメントパートナー)、目黒和子さん(練馬区聴覚障害者協会)、小川加代子さん、渡邉早苗さん(手話サークル練馬こぶし会)
お願い:ボランティア活動を始める際には、どうぞ、『ボランティア活動を始めようと思っているあなたへ』(東京ボランティア・市民活動センター)を参考にして下さい。
希望ある明日に向かって歩むぞメッセージ
こんにちは。2006年3月に大学院博士前期課程を卒業した佐甲です。
先日の「希望の会」では、社協などで地域福祉に携わる方々ルーテル学院の同窓の民様とと、オンラインという限られたなかではありますが、久しぶりにお顔を拝見できたり、お話ができたりして、大変うれしく思いました。また、奥田さんのお話も長きにわたるホームレスの方々への個別支援からはじまった実践が、今や、地域でのつながりづくりを中心に据えたすばらしい地域福祉実践となり、また制度や仕組みに対峙していくお話はたいへん感銘を受けました。
さて、私ごとですが、厚生労働省への出向も含めて37年間勤務した全国社会福祉協議会を本年3月に退職し、4月から岐阜県の中部学院大学で教員として新たなスタートを切ることとなりました。
全社協の勤務のうち20年余りは地域福祉関係の仕事に携わりました。社会福祉の制度や福祉サービスが、どんどん地域生活のなかで身近な存在となり、あるときは支えられ、あるときは支える、当事者も含めた誰もが関わり、参加・協働の実践として地域福祉が広がっていくことを実感する一方で、今回のコロナ禍を含めて阪神淡路大震災、東日本大震災をはじめ度重なる自然災害やパンデミック、困窮者問題や社会的孤立、制度の狭間などいわゆる地域生活課題が拡大し、地域福祉により一層施策に裏付けられた目に見える実態の伴った実践が求められている時代になったとも感じています。
この間、最先端の取り組みを実践する社協職員や実践者の方々と一緒に仕事ができたこと、ルーテル学院大学でも新しい仲間とも出会い、特に市川先生、そして和田先生には全社協時代には上司として、大学院では奇遇にも教員という形で、厳しくも楽しくご指導をいただいたことは私の財産であり、一人ひとりの皆さまに心より感謝しています。
全社協での最後の2年間の新型コロナ感染拡大に伴う生活福祉資金の特例貸付の担当部長としての仕事は、全国の社協の方々にも大変厳しいものとなりましたが、わが国の困窮者、フリーランス、非正規雇用者、母子家庭・・・地域生活課題の広がり、深刻化していることを思い知らされ、顕在化されたそれらの課題に、社協がそして地域福祉がどのように立ち向かっていくのかという改めて大きな課題を突き付けられています。
全社協という仕事は、地域の実践があるわけではないので、そこから離れると自分の無力さも感じています。しかし、新たな仕事をいただいたことを機会にして、今、地域福祉に突きつけられている課題に対して、できうれば社協職員や民生委員・児童委員の方々とともに、少しでも新たな地域福祉の姿を拓いていきたいと感じています。そして、地域を基盤とするソーシャルワークということを、どのようにこれからの福祉の道を志す学生に伝えていくか、岐阜の地域福祉への貢献ということを考えていきたいと思っています。
最後に、今はまだ岐阜の新参ものですが、こちらにお越しの際は、お気軽にお声かけください。
佐甲学 中部学院大学
投稿日 22年09月06日[火] 11:36 PM | カテゴリー: カテゴリ無し,共助社会づくり,大学関連,希望ある明日に向かってメッセージ
希望ある明日に向かって歩むぞメッセージ
みなさん、こんにちは。市川先生にお声掛けいただきメッセージを書かせていただくことになりました。2000年3月卒業の三田響子です
私は、小規模で異動のない仕事がいいな、と人口2万3千人の城山町社協(神奈川県)に就職し、7年後に平成の大合併で相模原市に吸収され、気づけば7か所ある事務所のうちあと2か所でコンプリートな異動要員となっています。そして相模原市社協でのキャリアは古巣の城山町社協の年数をとっくに追い越してしまいました。
令和3年4月から、相模湖地区を担当しています(合併後7か所目の異動(笑))。令和4年4月現在の人口は7400人、高齢化率41%。1年で200人ずつ人口が減っている地域です。事務所からは風光明媚な相模湖の景色が一望でき、毎日「ワーケーションか!」とつぶやかずにはいられない。クリスマスシーズンは相模湖プレジャーフォレストのイルミネーションを目当てに、普段からは考えられない大量の人がひしめき合って駅からのバスに乗っていきます。電車は30分に1本。バスは1時間に1本あるかないか、タクシーは1台(乗務員は80歳代)。自分で運転ができなくなれば、生活費もおろしに行けなくなります。金融機関も統廃合でどんどん数が減っており、スーパーは1軒。ドラッグストアはありません。コンビニはなんとか3軒。お弁当の配達、ネットスーパーも区域によっては来てくれません。個人病院はいくつかありますが、最寄りの大きな病院まではバスを乗り継がないと行けません。友人のご両親が免許を返納するための相談に来られましたが、返納のおすすめは心苦しく、できませんでした。今までの生活の継続が本当に難しくなるのではないかと心配で・・・。
ここは本当に政令指定都市なのかな?と思う地域。
このままここで年を取りたい、住み慣れた我が家で暮らしたいと願う人は多いと思いますが、果たして、出来るのだろうか・・・・・・・・・本当に希望はあるのか、疑心暗鬼に陥ることもあります。
足の問題が解決しないと、住民活動の維持も難しい。でもこの課題は民間組織の地区社協での解決は難しいと思っています。
心配事ばかり並べましたが、地域の方の活動はコツコツと素晴らしいものであることも事実です。ご近所の気になる方の部屋の片づけや草刈り等。「もういい加減にしてくれよ」と言いつつ、お願いすると「しかたないなあ」と引き受けてくださるボランティアの皆さん。ここ1年でご本人が自ら自分の状態を改善しようと頑張り、介護保険を利用できるようになって「最近元気になってきたよ」と報告があった時には、本当に人は、人とのかかわりで変われるのだなと感動。
地域で活動される方も皆さん前向きで、こちらが過剰なことをお願いしているのでは?と心配もあるのですが、「ボランティア活動している間は自分の家のことなんかすっかり忘れて、ストレス解消になるわ!」と言ってくださる方もいて、またまた感動。小地域の担当に戻り、自分の原点である「地域を信じて任せること」の実践ができ、「これだから、社協職員やめられない」と思える瞬間に立ち会えることはこの混沌とした社協業務に従事する中での私の希望の光かなと思います。(だからずーっと現場に居たい!)
ルーテルで過ごした学生時代に、自らが大切にされた経験があるからこそ、「一人一人を大切にする」精神が今でも自分の中に根付いているのかもしれません。目の前の人と自分自身を大切にする人生を楽しく歩んでいきたいと思います。
相模原市社会福祉協議会 三田響子
投稿日 22年09月01日[木] 6:37 PM | カテゴリー: カテゴリ無し,共助社会づくり,大学関連,希望ある明日に向かってメッセージ