社会福祉法人ベタニアホーム創立100周年記念会
2023年9月16日(土)、同創立100周年記念会が開催された。私は、「東京ベタニヤホームの福祉活動に期待」
講師:九州ルーテル学院大学 名誉教授 潮谷 愛一氏に続き、『~未来へ向かって~「社会福祉法人ベタニヤホームの未来に向けて』というテーマで話すことになった。
レジメにも書かせて頂いたが、100年の歴史を積み重ねてこられた方々の存在を実感した。私が話す演台には、たくさんの先人の方々が一緒に立っておられた。感謝。
Ichikawa's Office
社会福祉関連
2023年9月16日(土)、同創立100周年記念会が開催された。私は、「東京ベタニヤホームの福祉活動に期待」
講師:九州ルーテル学院大学 名誉教授 潮谷 愛一氏に続き、『~未来へ向かって~「社会福祉法人ベタニヤホームの未来に向けて』というテーマで話すことになった。
レジメにも書かせて頂いたが、100年の歴史を積み重ねてこられた方々の存在を実感した。私が話す演台には、たくさんの先人の方々が一緒に立っておられた。感謝。
地域福祉を推進するルーテル学院大学卒業生の集い・希望の会」主催研修会
「被災地の復興とソーシャルワーク ー地域づくりの視点からー」報告
8月26日(土曜日)に、大学とzoomのハイブリッドで、研修会が開催されました。この何年か、社会福祉協議会で働く卒業生を軸に、学ぶ会を開催してきましたが、昨年より地域福祉に関心ある方々に対象を広げ。今回で2回目になります。
今回も多くの卒業生が参加して下さいました。また仕事等の理由で今回は参加できなかったたくさんの卒業生も、伝統のルーテルネットに対して、熱い思いを寄せてきて下さいました。
幹事である飯島ともえ(相模原市社協)、池永雄一郎(羽村市社協)、河島京美(元練馬区社協)、桑原信人(全社協)、関根裕恵(西東京市社協)、山本繁樹(立川市社協)、原島博・市川一宏(ルーテル学院大学)が、研修会報告の内容を要約し、思いをまとめ、最後に卒業生の皆さんへの連帯のエールを送ります。
1.基調講演:「宮城県における被災地支援の経過と今日における取組み -東日本大震災石巻市等の実践を検証して-」
講師 北川 進氏、元宮城県社会福祉協議会震災復興支援局、現社会事業大学専門職大学院講師
2023年度の「地域福祉を推進するルーテル学院大学卒業生の集い・希望の会」主催研修会の基調講演は、元宮城県社会福祉協議会震災復興支援局、現社会事業大学専門職大学院講師の北川 進氏により、「宮城県における被災地支援の経過と今日における取り組み -東日本大震災石巻市等の実践を検証して-」というテーマで行われた。
北川氏は県社協職員として、2011年の東日本大震災において被害が甚大であった石巻市をはじめとした宮城県沿岸部の社会福祉協議会災害ボランティアセンターの応援に入った際の多様な経験を基に、支援の経過と取り組みを検証し直しながら報告してくれた。
講演のはじめに、「すべては、今後の災害に向けて」の備えのための振り返りと検証であることが強調され、「東日本大震災における急性期の状況」、「ボランタリー支援の成果と課題」、「被災地における地域福祉の取り組み」、「発災から復興の取り組みの時系列的展開の理解」などについて、沿岸部の被災地支援の継続的な取り組みの実体験を踏まえて検証しつつ、系統立てて話された。
「私たちの準備に不足していたことは何か」、「ボランタリーな支援の成果」、「ボランタリーな支援の成果の裏にある課題」、「災害対応を「緊急期・復旧期」しか見通せていなかった」、「「たくさんの方から聴いた「仮設の頃は良かった…」の声」、「「地域のために何か役に立ちたい」思いを持つ地元の方々」、・・・といった報告スライドのタイトルが示す通り、平時からの備えの段階での課題、災害ボランティアセンターの成果と今後の取り組みに向けた課題、生活再建・生活支援・復興期までを見通した段階ごとの具体的な取り組みの成果と課題など、北川氏のソーシャルワーカーとしての視点からの検証を踏まえた講演内容は、「長期的な視点を有しようとすれば、災害時特有の状況や課題だけでなく、通常のソーシャルワークの視点と相通ずるものが多々見えてくる。災害を特別視しない通常のソーシャルワークと重ね合わせる意識が大切ではないだろうか。」というまとめの言葉とともに、研修参加者各自の取り組みを省察さてくれる講演となった。
文責:山本繁樹(立川市社協、2003年度大学院卒業)
2.実践報告「今、取り組んでいる被災地支援」
講師 吉村 誠司 氏 (通称 助さん)、NGOヒューマンシールド神戸代表 ・ 一般社団法人OPEN JAPAN 理事
ルーテル学院大学の卒業生(1991年3月卒)であり、著名な防災士でもある吉村氏(通称 助さん)の実践報告は、国分寺市議会議員時代に経験した1995年の阪神淡路大震災における神戸市長田区への支援活動を契機として、被災者支援を自身の使命として二期目の市議会議員選挙に立候補せず、長期間の支援活動に入って以降の自身の全国各地、世界各地での被災者支援の様子を、多様な実践現場の写真とともに報告してくれた。
吉村氏は車両系建設機械・大型特殊免許などを所持しており、重機を駆使して、まずは災害ボランティアが活動できる環境の整備を行う最も初期段階の支援活動や、一般のボランティアでは対応できない倒壊した建物や自動車などの除去作業も全国の仲間や多様なボランティアによるチームを編成して担っている。その中でも被災地域が先祖代々、大切にしてきた文化財の保護の視点など、多様な視点から被災地支援の現場を紹介された。その豊富な実践内容は、20分の報告時間ではとても語りきれない幅広く奥深いものでありながらも、現在も全国各地の被災地の支援の先頭に立って活動している吉村氏の使命感、バイタリティの強さを十分に感じさせる内容であった。
吉村氏は、神戸元気村副代表の活動経験をはじめ、カンボジア対人地雷撤去支援活動、イラクでの反戦活動・医療支援、NGOヒューマンシールド神戸での中越、中越沖地震、パキスタン、中国雲南や四川省、インドネシア地震、アフガニスタン選挙NGO監視団など世界各地で支援活動を展開されており、また、全国各地や学校で講演会や防災の講師を務めている。東日本大震災では、発生直後から初期救援活動に従事し、石巻災害ボランティアセンターと連携するNPO連絡協議会の立ち上げ協力、旧石巻ボランティア支援ベース”絆”代表を経験されている。それらのミクロのみではない、メゾ・マクロシステムに働きかける吉村氏の被災者支援の多様な活動は、ジェネラリストソーシャルワークの視点からも、とても学びの多い内容であった。
※吉村誠司さんの活動の詳細を知りたい方は、吉村さんのフェイスブックをご覧ください。また、吉村さんの国内外の災害支援活動を応援したいという方は、下記の活動カンパ先を活用ください。
●吉村さんの国内外災害支援活動カンパ先
郵便振替口座00980 – 7 – 264796
文責:山本繁樹(立川市社協、2003年度大学院卒業)
3.グループワーク
講演、実践報告を受けて、参加者は小グループに分かれ「防災への取り組みを通した地域づくり」をテーマに討議を行った。30分という限られた時間ではあったが、参加者それぞれの立場や経験から、自然災害に伴い発生する生活課題、地域課題を共有するとともに、現在、地域や各組織行われている実践や、これからソーシャルワーク求められる取り組みについて情報交換を進めた。
その後再開した全体会で、各グループからの討議結果が報告され、自身の災害支援活動から、要支援者の把握や個別支援計画の策定、災害情報の伝達等で課題がみられること、社会課題の解決に向けてミクロとマクロの両方の視点からソーシャルワークが必要であること、などの意見が出された。また、複数のグループから、北川氏の講演、吉村氏の実践報告に共感する意見が出され、行政や多様な専門職・機関との関係づくりなど平時から災害に備えた取り組みが重要であることを再認識するとともに、復興住宅入居後の生活支援を見据えて災害時の福祉支援活動を展開すること、地域で活動の核となる人を探し継続的な活動となるように支援していくこと、などを参加者で共有した。
文責:桑原信人(全国社会福祉協議会、2020年度大学院卒業)
4.全社協 防災資料の説明 桑原 信人氏
参考情報として配布した、①全国社会福祉協議会の報告書(提言)「災害時福祉支援活動の強化のために -被災者の命と健康、生活再建を支える基盤整備を-」(令和元年9月)、②「災害から地域の人びとを守るために~災害福祉支援活動の強化に向けた検討会報告書~」(令和4年3月)、③内閣府が公開している地域の防災に携わる方のホームページの情報(「公民館における災害対策ハンドブック」「減災のてびき」等)について幹事から説明し、参加者で共有した。
このうち、②について、自然災害が頻発・大規模化し、災害時の福祉支援活動の重要性が高まるなかで、その強化を図るために、災害救助法等を改正し「福祉」の位置づけの明確化を図ること、また、平時から社会的脆弱性を抱えた人びとに寄り添い、支援を行うことができるよう、各地の実情にあわせて「災害福祉支援センター」の整備を図っていくことを提言していることを説明し、福祉関係者による取り組みへの理解を求めた。
①報告書(提言)「災害時福祉支援活動の強化のために −被災者の命と健康、生活再建を支える基盤整備を−」
https://www.shakyo.or.jp/bunya/saigai/fukushishiennkatudou.html
②「災害から地域の人びとを守るために~災害福祉支援活動の強化に向けた検討会報告書」
https://www.shakyo.or.jp/bunya/saigai/teigen/20220331/index.html
③内閣府 地域の防災に携わる方のページ
https://www.bousai.go.jp/kyoiku/keigen/chiiki/index.html
文責:桑原信人(全国社会福祉協議会、2020年度大学院卒業)
5.全体のまとめ 和田敏明氏
卒業生たちの素晴らしい働きに敬意を表したい。
北川さんの話を聞いて、日本中を巻き込んだ大きな災害である1995年阪神淡路大震災とともに、2011年の東日本大震災においても、長期にわたる生活再建が主要なテーマになっていることがわかる。そして、生活の再建を考えると、普段から社会的な課題を持っている方々に問題が集中している事、ボランティアのよる支援のあり方が、本当に被災した方々に良かったか、本人の自立に役立ったのかというソーシャルワーカーの視点を北川さんの報告から学ぶことができた。
ちなみに、ボランティアコーディネーターにソーシャルワーカーの視点からの支援を期待するのは難しく、本人の自立を目指し、寄り添いながら、当事者の視点に立って代弁したり、生活の再建を図る人材が必要ではないかと考えている。
また、発災時の緊急支援から復旧、復興の時期を経て、生活課題は明らかに変化し、対応も異なることを北川さんの報告から再確認できた。そして、災害によって生じた問題は、今日の1人ぐらしの孤立の問題や高齢者の生活課題と共通し、普段の繋がりが大切であることが分かった。それは、日々の地域づくりの必要性を確認できた。吉村さんの報告から、緊急時対応において、重機を使って支援すること、また企業や様々な業種と連携して、緊急時に対応することの必要性を理解できた。そして被災地支援を専門的に行う人材の社会的役割を確認できた。また、阪神淡路大震災、新潟県中越沖地震、東日本大震災等の地震が続き、どこにいても安心であるということはできない。ならば、被災支援の専門的人材の役割を理解するとともに、被災地という現場に行くこと、そこで様々な経験することが、災害にあった時の対応や支援を組織しコーディネートする力を強めることに繋がると思う。
このような有意義な会を準備して下さった方々に心よりお礼を申し上げたい。そして参加者一人ひとりの働きに感謝したい。
文責:市川一宏(ルーテル学院大学)
6.閉会挨拶「ルーテル・希望の会」
2023年8月26日(土)午後2時~5時、ルーテル学院大学とオンライン参加者のハイブリット形式で開催することができました。
このルーテル希望の会研修会は、卒業生が1年に一度、今社会やまわりで起こっている事について、自分自身の活動を振り返る場として、また卒業生同士のネットワークを作る場として企画しております。
今年は、「被災地の復興とソーシャルワーク」をテーマとし、元宮城県社協震災復興支援局主任主査の北川進先生をお迎えして、東日本大震災の復興の状況から、自分たちの過ごしている地域づくりの視点や、自分たちの身の回りでの災害に備える準備について学ぶ機会が与えられました。また、ルーテル学院大学の卒業生でもある吉村誠司さんが活動されている「ヒューマンシールド神戸」の「今、取り組んでいる被災地支援」の実践報告をしていただきました。そして、その後は「募債への取り組みを等した地域づくり」をテーマとして、グループワークで参加者と共に自分たちの今できることを考える時間を持ちました。
学内では、和田敏明先生、浅野貴博先生もご参加いただきご協力いただきましたこと感謝申し上げます。
研修会終了後は、参加できる方で交流会の場も企画いたしました。参加された方々の自己紹介とルーテル学院大学への思いを語られ、さらにルーテル学院の結束が深められた場になりました。
皆様のご協力により、本日の研修会が実りある学びの場となったこと、また新しいつながりができたことを感謝しております。
また来年も研修会、交流会を企画しますので、今回ご参加できなかった卒業生の方も次回の参加をお待ちしています。
文責:関根(岩波)裕恵(西東京市社協、1998年度大学卒業)
7.情報交換会
研修終了後は「うどん鷹」で懇親会を開催しました。
コロナ禍でzoom開催が続いたため、懇親会もできませんでしたが、対面開催なら必須と幹事も楽しみにしていました。
講師の北川先生をはじめ、市川先生、原島先生、学生さんもあわせて19人の参加。はじめまして、でもルーテルの絆ですぐに打ち解けました。
自己紹介から近況報告をして、先生の励ましのお言葉やお互いに応援しあいました。美味しい料理を前に話に花が咲き、時間がいくらあっても足りないほど。
「ルーテルで良かった」と参加者が思える豊かな時間で、来年再会することを誓いあいました。 文責:飯島(藤谷)ともえ(相模原市社協、1996年度大学・2020年度大学院卒業)
8.運営報告
今回は会場での参加と並行して、zoomを使ったオンラインでの参加も併せた「ハイブリット形式」で研修を行い、会場に来られない卒業生でも参加できるようにしました。
オンラインでの参加者は13名予定でしたが、当日欠席が多数あり、8名が参加となりました。
zoomのセッティングに不具合が生じ、グループワークへの移行に時間がかかり、グループワークの時間が少なくなってしまいましたが、参加者は各々に自身の状況、災害に関する地域課題や個々に感じている疑問などの意見を交わしました。
ハイブリット形式での研修会を開催する中で、生じた課題としては、会場の音声や映像をいかにオンライン参加者へクリアに届けるかであり、今回の研修会では、オンライン参加者へ情報提供に反省点もあった。
文責:池永雄一郎(羽村市社協、2007年度大学卒業
私たちからのメッセージ
1.毎年卒業生の皆様には研修のお知らせが届くと思います。
研修のテーマが自分の仕事とは直結しないから…と思っても、知らない分野を学ぶと世界も広がります。そして先生方を始め、懐かしい人たちとの再会や新たなつながりもできます。
また、研修後の懇親会もありますので、ぜひ、来年皆様の研修会&懇親会のご参加をお待ちしています。 飯島(藤谷)ともえ(相模原市社協、1996年度大学・2020年度大学院卒業)
2.ルーテル学院大学を卒業された皆様。
共に学んだ学友と離れ、様々な方面で活躍されていることと思います。
希望の会では世代を超えて、同じルーテルを卒業した仲間と出会うことができます。
その出会いの中では、素敵な発見もたくさんあります。
是非、私たちの輪の中に入ってみませんか。心よりお待ちしております。
池永雄一郎(羽村市社協、2007年度大学卒業)
3.ルーテル学院大学・大学院卒業の皆様
私は今回は都合がつかず、研修に参加できませんでした。
私と同様に残念ながら参加できなかった方が多くいらっしゃると思います。
この研修は参加することで懐かしのお顔に会い、情報交換、情報共有ができ、仕事の幅が広がること間違いなし!です。
ソーシャルワーカーは何といっても情報収集、ネットワークが大切!
次回はお会いしてともに地域福祉推進を希望をもって語り合いましょう!(^^)!
河島京美(元練馬区社会福祉協議会、2003年3月大学院卒業)
4.今年も希望の会に参加し、ルーテル学院の卒業生のネットワークの広がりを実感しました。それぞれのフィールドで活動、活躍されている皆さまとの出会い、学びの機会を、これからも皆さまで育んでいければと思います。
桑原信人(全国社会福祉協議会、2020年度大学院卒業)
5.ルーテル学院大学を卒業して日々頑張っていらっしゃる卒業生の皆さん。希望の会では一年に一度集まり、課題を共有しながら明日からの取り組みに繋げる学びと新たな繋がりを作る交流をしています。世代を超えて新たなつながりもできます。
ルーテル学院大学卒業生という誇りと恵みを感じる研修会にあなたもぜひご参加ください。お待ちしています。 関根(岩波)裕恵(西東京市社協、1988年度大学卒業)
6.「地域福祉を推進するルーテル学院大学卒業生の集い・希望の会」は、ルーテル学院大学の全ての卒業生・在学生に開かれている年1回の集まりです。「希望の会」という通称には、在学生・卒業生がそれぞれの道で希望を持って歩めるように、また、少しでも希望が持てる社会にしていこうという会の意図が含まれています。
2022年に行われた希望の会の1回目の研修会では、認定NPO法人抱樸 理事長の奥田知志氏より、「孤立のない社会をめざして~コロナ禍における伴走支援の現場から」をテーマとして講演をいただき、オンラインのブレイクアウトルームでの相互交流では、「コロナ禍における地域課題と地域福祉の展開」をテーマとして話し合いました。
2回目となる今回は、「被災地の復興とソーシャルワーク -地域づくりの視点から-」をテーマとして、北川氏と吉村氏のお話を基に、対面とオンラインのハイブリットにより、「防災への取り組みを通した地域づくり」を踏まえながら、これから必要となるソーシャルワークの取組みについて、今回は卒業生のみならず、大学や大学院の在学生も含めた参加者で話し合いました。
多様な状況のなかでそれぞれに活動している卒業生や在学生のつながり、ネットワークを感じながら情報交換ができることは、温かな勇気や希望をもらえる場ともなっています。
私が敬愛する故中村哲氏は、「一隅を照らす」という言葉を好んで使われていました。有名ではなくとも、それぞれの持ち場を支えている「小さな英雄」は数多くいるのだと。それぞれに多様な状況があるかと思いますが、それぞれの場で、温かな勇気と希望を持って歩んでいきましょう。 山本繁樹(立川市社協、2003年度大学院卒業)
7.幸い、今年になり、コロナ感染によって途切れていた人との関係も徐々に回復してきました。皆さんもそれぞれ大学同期やサークルの仲間との再会も果たしているかと思います。
第2回研修会では、コロナ禍で学んだコミュニケーションの新しい形を活かしたハイブリッド開催ができたことは、つながりを広げることができたのではかと思います。災害経験を丁寧な振り返りにもとづいた北川氏の講演、そして、“瞬時の判断で、今!動く”吉村氏(卒業生)の実践報告は大変示唆に富む内容でありました。一人ひとりのいのちの大切さや緊急時から地域復興へ向けたソーシャルワーカーの視点と関わり方を考えた研修でした。卒業生の皆さんと母校ルーテルでお会いできることを大変嬉しくお思います。来年も多くの皆さんとルーテルでお会いできることを楽しみにしています。
最後に、大学の報告となりますが、今年はホームカミング・デーを再開しました。ぜひ、来年のホームカミング・デーでも皆さんとお会いできることを期待しています。皆さんの大学の福祉教育への常日頃のご協力に感謝をしています。お願いばかりで恐縮ですが、ぜひ、ルーテルの教育や学びを周りの方々にご紹介ください。ルーテルの輪をさらに広げていきましょう。
原島 博(ルーテル学院大学、1986年度大学卒業)
8.「福祉職が語る ソーシャルワーカーは、新たな絆をつくり、未来の社会を切り開く」『福祉情報』東京都社会福祉協議会、2023年5月号より
<ソーシャルワーカーの使命>
1983年、私は、現在のルーテル学院大学で、社会福祉の専門職であるソーシャルワーカーの養成に携わり、学生の当事者理解と、援助の専門的知識と技術の習得を目指した。本年3月、約40年の教員生活を終えたが、その間、卒業生は、全国の行政、社会福祉協議会、社会福祉法人等の社会福祉領域、医療、教育機関等で重要な役割を果たしている。私の誇りである。
なお、ソーシャルワーカーの使命は、第1に当事者の様々な可能性を活かし、利用者自身が誇りをもって生活できるように、自立を支援すること。そのためには、自分勝手つくる利用者像に当事者を閉じ込めてはならない。「専門職である前に、一人の人間として」当事者理解を深めてほしい。
第2の使命は、サービス、活動、保健医療福祉等の専門職、住民、ボランティアという人材の支援等、コミュニティにある資源を活用し、もしくは掘り起こして、当事者の自己実現を図ること。
<コロナ禍における困難な生活状況にどのように臨むか>
コロナ禍にあって、ひきこもり状態にある人、被虐待児童、自殺者の数はますます増加した。さらに仕事を失った方々が増え、多くの方が生活の場、生活する術を失った。同時に子どもや単身世帯の貧困が広がっている。しかも、コロナ禍にあって、多くのサービスや支援が停滞した。その結果、支援してきた方々が生活困難のただ中に置かれた。また例えば特別養護老人ホームでは、感染を恐れ、家族や友人の訪問を制限せざるをえず、忸怩たる思いをもった。ソーシャルワーカーは、まず今までのサービスや活動を検証し、支援を再編、強化していくことが求められる。
私は、東日本大震災発災後から2020年3月まで、石巻市社協と関わり、地域支援を考えてきた。被災直後の津波による被害を見て、呆然と立ち尽した自分を思い出す。家が流され、家族や友人を失い、失意の中にある方々がおられた。しかも、支援者も傷ついており、支援は難しかった。
お金を失うと生活の危機、名誉を失うと心の危機。希望を失うと存在の危機に直面する。現地のソーシャルワーカーが目指していたことは、互いの存在を認め合い、支え合って共に生きていく寄り添うケアであった。それぞれの人生の一コマ一コマで、様々な出会いがあり、困難を乗り越えていくために、多くの絆が生まれる。第2に、ソーシャルワーカーは、相互の絆と希望のあるコミュニティを創り出す役割が求められる。
<これからの私の挑戦>
今、福祉系の大学等教育機関に入学する学生が減少している。そして社会福祉機関・団体が求人を出しても応募者が少ない傾向が見られる。しかし、ソーシャルワーカーを必要とする人々は確実に増加している。この閉塞感を打開するために、生活課題に一緒に取り組み、学び、互いに励まし合いながら解決てきた卒業生、仲間と協働して、未曾有の危機に挑戦していきたい。
なお、ルーテル学院大学と日本福音ルーテル教会の自然災害の被災地支援に関する情報は、以下からごらんになることができます。
教会 https://www.dropbox.com/scl/fi/2xct3jl1w5lzo66jy8esc/JLER.pdf?rlkey=9pufz85k94dffc7jdhyjlacg8&dl=0
市川一宏(ルーテル学院大学)
投稿日 23年09月05日[火] 7:24 AM | カテゴリー: カテゴリ無し,共助社会づくり,大学関連,社会福祉関連
皆様、こんにちは。暑い日が続きますが、お元気でお過ごしでしょうか。
さて、私が把握している最近の情報を送らせて頂きます。どうぞ活用下さい。市川一宏
1.NHK
****「NHK地域づくりアーカイブス」新着動画のお知らせ*****
厳しい残暑がまだまだ続きそうな毎日ですが、みなさんお元気でお過ごしでしょうか。さて、私たちが運営する「NHK地域づくりアーカイブス」が、今、教育現場で大きな注目を浴びています。大学の授業でも広く活用され、教室でアーカイブス動画を見るだけではなく、実際に地域づくりの先進地を視察するなどの取り組みも始まっていますのでご紹介させてください。
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●コラム「授業で使っています」
地域づくりアーカイブスを使った教育現場の取り組みを紹介するコラムコーナーです。この8月は、札幌学院大学人間科学部講師の新田雅子先生にご寄稿いただいています。
「高齢者福祉」を学ぶ授業で、地域づくりアーカイブスの中から多数の動画を視聴し、実際に地域の現場を訪問し、学生たちが自ら地域の問題に触れ、学んでいく。そんな試みが詳しく紹介されています。ぜひ、お読みください。
●「どーもNHK」で「地域づくりアーカイブス」が紹介されました!
さて、地域づくりアーカイブスと教育現場の取り組みについては、今年2月に「どーもNHK」でも詳しく紹介されました。若者たちと、地域づくり先進地域ともいえる地域の人々の交流の様子。そこから生まれる新たな効果にも注目です!
教育現場と地域づくり先進地がつながる(1)|NHK地域づくりアーカイブス
教育現場と地域づくり先進地がつながる(2)|NHK地域づくりアーカイブス
教育現場と地域づくり先進地がつながる(3)|NHK地域づくりアーカイブス
気になるテーマや課題、地域について、知りたいことを検索すれば、さまざまな地域の動画を見つけることができます。授業づくりや、レポートや、夏休みの宿題に。これからもぜひ「地域づくりアーカイブス」をご利用いただければ幸いです。
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●「地域づくりアーカイブス」新着動画のご紹介
「地域づくりアーカイブス」では、ほかにも新しい動画が次々とアップされています。こちらもぜひご覧ください!
【防災を考える】
災害時の避難所生活を、少しでも過ごしやすい場にしようと、避難所運営や防災に女性たちが関わり現場を変えています。東日本大震災の際、宮城県登米市の避難所では、「パーソナルリクエスト票」を作り、個別のニーズに応える体制を作りました。熊本県益城町の避難所では、乳幼児世帯や女性のための専用スペースをつくり、避難所では掃除や食事配りなどは、男女の役割を固定化せず「できる人がやる」ように促しました。日々の暮らしの中でさまざまな工夫を行ってきた女性たちが現場を変えているのです。
一人ひとりに対応した防災計画を|NHK地域づくりアーカイブス
最上川豪雨氾濫による甚大な水害被害を経験した山形県。最上川や酒田港に面する酒田市では、住人一人ひとりに対応した「わがこと防災」の実践に取り組んでいます。そのひとつが地元の防災地図。側溝の蓋がない場所など、周辺の危険ポイントが書き込まれた地図をみながら、災害時にどのコースで避難するのかをそれぞれ考え準備してもらうのです。地区の役員たちはトランシーバーを使って住民たちの避難誘導を行う訓練も。救助の混乱を防ぐため、避難した家で入り口に掲げてもらう「避難済」のカードも配布しました。
【若者と生きづらさ】
繁華街でさまよう若者たちに「居場所」を|NHK地域づくりアーカイブス
名古屋市の夜の繁華街に、一晩中集う若者たちがいます。家庭環境や人間関係の悩みを抱え、生きづらさを感じる若者をサポートしようと、ボランティアの医師や養護教諭らがチームを組んで動き始めています。行き場のない若者たちに、まずは安心して集える「居場所」をつくりたい。月2回開かれる「街角保健室」では、性に関する啓発や相談も行っています。若者たちと同世代のスタッフがおり、共感しながら少しずつ相手の心を開いていきます。
【海を守り、暮らしを守る】
海を守り漁業者の生活を守るゴミ対策|NHK地域づくりアーカイブス
津島海流と大陸からの風の影響で、ゴミが集まりやすい玄界灘。漂流ゴミはただでさえ衰退気味の地元の漁業に深刻な影響を与えています。海を守り、海で働く人々の生活を守りたい。宗像市では志を同じくする漁師や海女、飲食産業などに関わる地元の若者たちが立ち上がり、地元の海をクリーンにする活動に支援を呼びかけました。漂着ゴミの処理費用は行政が負担。量の多いプラスチックゴミは、地元の小学生たちも巻き込んでリサイクルし、キーホルダーなどに商品化しています。
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地域づくりアーカイブス新着動画、いかがでしたでしょうか。
本サイトは、興味のあるジャンルや地域、キーワードから検索することもできます。全国の地域づくりに励む方々や、大学の先生、学生さんたちなどにもぜひ、知っていただき、利用していただきたく、みなさまにもぜひ、「NHK地域づくりアーカイブス」の存在をさまざまな方にお知らせいただければ幸いです。どうぞよろしくお願い申し上げます。
★★★「NHK地域づくりアーカイブス」とは★★★
「NHK地域づくりアーカイブス」は、「地域課題の解決を進める先進地の取り組みを集めた」動画サイトです。NHKスペシャルや、クローズアップ現代、ハートネットTV、そして私たちが制作してきた「明日へ 復興サポート」「ふるさとグングン!」などから、それぞれの課題解決の先進地の動画を集めています。
課題は、過疎・高齢化、6次産業化、獣害、商店街の衰退、孤独死、ひきこもりなど、様々です。課題は、過疎・高齢化、6次産業化、獣害、商店街の衰退、孤独死、ひきこもりなど、様々です。ジャンル別に「農林水産・食」「コミュニティ・商店街」「教育・子ども・若者」「福祉・生活支援」などに分類され、誰でも無料で見ることが出来ます。特別な登録も必要ありません。
NHK地域づくりアーカイブス
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NHK 地域づくりプロジェクト
TEL 03-5455-3184 FAX 03-3465-1448
s02711-fukkou-chiiki@nhk.or.jp
統括 棚谷克巳 tanaya.k-hg@nhk.or.jp
デスク 久保志穂 kubo.s-oa@nhk.or.jp
編集スタッフ 岩崎眞美子 s0711-iwasaki.m@nhk.or.jp
2.豊岡市
まちづくりの検討をしている中で、豊岡市における健康まちづくり構想にたどり着きました。参考にどうぞ。
3.昨日、添付の資料にありますように、ルーテル学院大学を開催場所とするとともに、zoomを使ったハイブリッド研修会が開催されました。近々、市川一宏研究室に結果を掲載いたします。
4.8月23日、ルーテル学院大学において、近隣の4自治体の計画策定責任者による情報交換会が行われ、計画策定の進捗状況、計画における重点施策、今後の課題について話しあわれました。いずれも有力な自治体ですが、人材確保、孤立防止等において、共通の苦労があることがわかりました。また、各自治体には、それぞれの実績、強みがあり、そこに新たな施策を接ぎ木して計画策定がなされると思います。期待しています。
2023年5月の収録であるとお聞きしました。先生の年齢は、97歳。先生の力強いメッセージに感銘を覚えるのは、私だけではないと思います。私にとって、阿部先生は神様からの贈り物です。
投稿日 23年08月10日[木] 5:35 PM | カテゴリー: カテゴリ無し,共助社会づくり,教会関連,社会福祉関連
1. 現在 ルーテル学院大学名誉教授
2.学歴
早稲田大学法学部、日本社会事業学校研究科、東洋大学大学院社会学研究科社会福祉専攻博士前期課程・後期課程、ロンドン大学ロンドン・スクール オブ エコノミックス(LSE)特別研究員2002~2004年
3.専門分野:社会福祉政策・地域福祉・高齢者福祉
4.研究テーマ:全国・都道府県・市区町村の行政、社協、民間団体における計画の策定、実施、評価および調査研究、人材養成・研修等に多数関わる。全国各地の実践から、様々な「地域の福祉力」を学び、各地域に合った地域福祉実践を研究テーマとしてきた。特に近年、地域の福祉力を高め、孤立を防ぎ、「おめでとう」で始まり、「ありがとう」で終わる一人ひとりの人生が守られる、希望あるまちづくり、共生型社会づくりに挑戦している。
5.学会の活動
日本地域福祉学会監事、前日本社会福祉学会監事、前キリスト教社会福祉学会会長
6.法人関係
・東京神学大学幹事
・医療法人財団慈生会野村病院監事
・東京都つながり創生財団評議員
・東京都社会福祉協議会評議員
・日本ケアシステム理事
7.最近の主な学外活動
・三鷹市社会福祉協議会地域福祉活動計画策定委員会委員長・作業委員会委員長(2022年度)、副会長
・三鷹市介護保険事業計画検討委員会市民会議会長
・小金井市介護保険運営協議会会長
・武蔵野市健康福祉総合計画推進会議会長・地域福祉計画策定委員会委員長(2022年度まで)
・調布市高齢者福祉推進協議会顧問
・世田谷区共同募金配分委員会委員長、評議員専任・解任委員会委員長
・練馬区介護保険運営協議会会長
・東京都社会福祉協議会総合企画委員会委員長、法人評議員
・東京都つながり創生財団評議員
・全国ボランティア市民活動振興センター運営委員長(「市区町村社会福祉協議会ボランティア・市民活動センター強化方策2023〜社協VC5つの役割と25の視点』、全社協評議員専任・解任委員会委員、「単位民児協運営ハンドブック(令和4年3月版)」編集委員会委員長
・ニッセイ財団高齢社会助成審査委員
・厚生労働省寄り添い型相談支援事業等選定・評価委員会委員
・『日本の都市総合力評価(JPCI)有識者委員会(Expert Committee)』 委員<社会福祉担当>(森記念財団)
8.最近の講演、執筆等
(執筆)・2022年12月「リーダーに求められる役割」『View221』p.10〜13,全国社会福祉協議会民生部
・2023年1月「全国大会活動交流集会9民生委員・児童委員を支える民児協機能の強化」報告『ひろば』全国社会福祉協議会民生部
・2023年2月「市川一宏の足跡~ 50 年の歩みをふりかえって~ 退職記念随筆」ルーテル学院研究紀要『テオロギア・ディアコニア』 ルーテル学院大学・日本ルーテル神学校紀要
・2023年3月「新体制を迎えた単位民児協の運営について」『View227』p.2〜7,全国社会福祉協議会民生部
・2023年5月「福祉職が語る:ソーシャルワーカーは、新たな絆をつくり、未来の社会を切り開く」東京都社会福祉協議会『福祉情報』
・2023年6月「巻頭言 信州の実践者・開拓者の思いを紡ぐ」『実践者・開拓者であれ!信州の地域福祉の歩み』長野県社会福祉協議会・信州の地域福祉研究会
(講演等)・2022年キリスト教社会福祉学会大会基調講演「危機の中にあるキリスト教社会福祉―新たな使命を考える」
・2022年8月6日「地域福祉を推進するルーテル学院大学卒業生の集い・希望の会」主催研修会 テーマ「コロナ禍における地域課題と地域福祉の展開」基調講演 認定NPO法人抱樸理事長奥田知志氏「孤立のない社会をめざして~コロナ禍における伴走支援の現場から」
・2022年8月27日「縁の会」主催 令和4年度(2022年)研修会 講演「当事者の社会参加とは ~共に歩むソーシャルワーカーの想いとは~」 ソーシャルワーカー 伊藤恵里子(ルーテル学院大学卒業生10期)グループワーク
・2022年度オンライン一日神学校シンポジウム「ルーテルのミッション ~心と福祉と魂と」司会:石居基夫 学長 シンポジスト:市川一宏、ジェームス・サック教授、金子和夫教授
2022年12月22日都立練馬高校 ボランティアの日(東京都・東京ボランティアセンター・練馬区ボランティアセンター共催)
・2023年3月4日 最終講義『市川一宏の足跡』
・家裁調査官研修7月4,11日『社会福祉学』
・4月〜6月国際キリスト教大学「社会福祉概論」
・京都府・宮城県・横浜市・新潟市・横浜市・岩手県において講演・ワークショップ、民生委員大学において講演・ワークショップ
・自治大学校「地域福祉の課題と自治体の政策〜コロナ禍における地域ケア」(4回)
・中央福祉学院社会福祉主事資格認定通信課程 特別講義『求められる社会福祉〜コロナ後における共生社会の再生をめざして』(3回)
・2023年6月NHK ハートネットTV「フクチッチ」「社会福祉協議会」特集
投稿日 23年07月17日[月] 7:34 AM | カテゴリー: カテゴリ無し,共助社会づくり,大学関連,社会福祉関連
2023年6月10日(土曜日)、11日(日曜日)の両日、長野県上田市の会場と長野大学において、日本地域福祉学会大会が開催されました。そこで、日本地域福祉学会「長野大会」を記念し、『実践者・開拓者であれ!信州の地域福祉の歩み』が刊行されましたので紹介いたします。その中で、18人による19の実践論文が掲載されており、いずれも執筆者の熱い思いと、貴重な実践を理解することができます。各事例が、貴重な資料としてだけではなく、日頃の取り組みに迷った時のアドバイスとなると思います。
地域福祉関係者は、是非、お読み下さい。
さて、NHK ハートネットTV「フクチッチ」で、2回にわたり、「社会福祉協議会」の特集をします。
収録は3時間に及び、そこからNHKが編集をしますので、言っていることは明確か、言語が明瞭か、うつりはどうか、そもそもどの程度私が出ているかわかりませんが、精一杯、先生役を努めさせて頂きました。
どうぞご覧下さい。
【放送日】(前編)2023 年 6 月 5 日(月)20:00~20:29、(後編) 2023 年 6 月 12 日(月)20:00~20:29、Eテレ ※NHK+などでの配信有
【再放送】6月24日(土)14時から、前・後編続けて放送
【メインパーソナリティー】風間俊介(かざま・しゅんすけ/俳優)
【ゲスト】ハリー杉山(タレント) あんり(芸人/ぼる塾) てれび戦士:ケイ(江口慶・小6) サキ(大野冴姫・小5)
【先生役】市川一宏(ルーテル学院大学名誉教授)
【秘書】 ブルボンヌ
上記の放映後、たくさんの方々より応援メッセージを頂きました。感謝しています。
準備の段階から、NHKの担当ディレクターの方々と内容についてご相談する機会を頂きましたし、そもそもそれ以前より、担当ディレクターは多方面の方からヒアリングを行い、実情を良くご存知でした。それが前編の内容となっています。私の意見もカットされて編集されていましたが、補足資料も加えられ、全体として納得いく内容になっていました。
私が番組で申し上げたように、確かに社協は様々です。画一化はむずかしいです。この番組を見た住民から、社協のことの問い合わせがあったら、それぞれが自組織の説明をして頂きたいと私は思います。文京区社協は、生活困窮者支援、地域福祉コーディネーターの実践等で特徴ある社協です。災害時対応について説明した長谷部さんが所属する神戸市社協も同じ。それは全国モデルではありません。それぞれの社協には個性と強みがあると私は思っています。
ですので、それぞれの社協は、住民に対して説明責任を果たして頂きたい。今回の特集で、住民と社協の新たな関係の構築ができれば良いと思っています。
後編をご期待下さい。
PS.メインパーソナリティーの風間俊介さんとお会いしましたが、よく勉強され、私の説明が不足している時には、補足して下さいました。社会福祉に関して十分理解しておられると思いました。また、ハリー杉山さん、あんりさん、てれび戦士:ケイ(江口慶・小6)さん、サキ(大野冴姫・小5)さんの意見も率直であり、良く学び、準備されていました。秘書の ブルボンヌさんの進行も私にとっては心強く、番組を作り上げて下さいました。私も、このような方々と出会い、勉強になりました。ディレクターの方々を含めて、あらためて感謝いたします。
追:NHK for School「フクチッチ 社会福祉協議会」が公開され、ご覧頂けるできるようになっています。いくつかの社協が、この番組を使って、ボランティア活動の推進、災害ボランティアセンターの設置等についての説明をしていると聞きます。私にとっても、うれしいことです。
https://www2.nhk.or.jp/school/watch/bangumi/?das_id=D0005170842_00000
https://www2.nhk.or.jp/school/watch/bangumi/?das_id=D0005170843_00000
https://www2.nhk.or.jp/school/watch/bangumi/?das_id=D0005170844_00000
https://www2.nhk.or.jp/school/watch/bangumi/?das_id=D0005170845_00000
投稿日 23年06月03日[土] 1:22 AM | カテゴリー: カテゴリ無し,共助社会づくり,大学関連,社会福祉関連
以下は、髙林さんからのメールです。
「うちの学校も一年が過ぎて子どもも増え、多くの方の理解頂くようになっては来ました。現教育制度の問題点を3つ挙げて話しております。一つは、過度に競争的な教育制度であることです。いわゆる義務教育の9年間が、高等学校受験に偏重しており、子ども個々の能力の発達の支援が困難であることです。二つ目は、月齢や年齢によって子どもの発達段階を厳しく評価することです。子どもの言語能力を含めた発達は、おおきなバラツキがあります。社会自立に問題のない子どもが、特別支援学級を利用することで、社会自立が困難になる事例を多く感じます。三つ目は、休息、余暇、遊びの時間の絶対的欠如です。これらの軽視が、教育問題の最大の課題であると思っています。
ひかりの学校の理念は、
上記の理念の中で何より重要と思っているのは、意欲です。小学4年生くらいまでの基礎学力の定着と意欲があれば、何の職業でもなれると子どもに話しています。
学習の評価は、成果よりも取り組む意欲を見ています。文字や計算の学習でも、造形遊びのような木工作でも、音楽でも調理でもいい物ができたかではなく、子どもが没頭できる時間と場と機会を設けられたかを重視しています。
すべての学習は参加型をとっており、参加を子どもが選べます。同時に、いつでも好きな時に休息をとれるようにしています。
受け入れ体制は、就学年齢児童以上で上限は設けていません。現在は小学1年生から中学1年生までの子ども10名が利用してくれています。元気に学校へ通っていた子ども、不登校の子ども、特別支援学級を利用していた子どもなど様々です。
ひかりの学校 ブログ「すべてのこどもに新しい教育をhttp://hikarinogakko.blog.fc2.com〒399-8301 長野県安曇野市穂高有明7015-1 ☎︎0263-55-3353 代表:髙林 賢☎︎090-9391-8954 soil@mac.comひかりの学校三つ折りチラシ前面
長い間、長野県・長野市の地域福祉に貢献している親しい友人にメールを送り、ひかりの学校についてお話をしたら、「「ひかりの学校」の取り組みすごいですね。長野県の「子供白書」にも書かれていました。機会をつくっていきたいと思います。」との返事。徐々に、努力が評価されていると聞き、うれしく思いました。最初は、たいへんです。私も、応援したいし、今度は直接お伺いしたいと思っています。高林真理さんが、児童養護施設に働きながら、大学院に通った理由を今でも忘れません。「心の壺には、たくさんの愛情が入っています。しかし、その壺に入っている優しさや思いやり、愛する心は、子どもたちに与えながら、減っていきます。だから、その心の壺を満たすために、大学院に来ました」という真理さんの姿勢に、感動しました。真理さんが選んだご主人が、親御さんと一緒に精一杯築いてきた「ひかりの学校」を、私は推薦いたします。
以上は、2016年6月に市川一宏研究室に掲載した私の原稿です。今回は、その時の約束を果たすことができました。これも、定年退職をしたご褒美かもしれません。
2023年5月17日水曜日にNHKスタジアで、フクチッチの11時から17時までの収録を終えた翌日、私は午前8時24分立川発の特急あずさ5号に乗り、松本に着いてからさらに大糸線に乗り換え、中萱駅に着いた。そして真理さんに駅まで迎えに来てもらい、念願のひかりの学校に到着できたのである。
髙林さん夫婦は、民家を購入し、活動を始めていた。当初から、順風満帆ではなかった。近隣の方が、ひかりの学校の存在を十分に受け入れて下さるには、通常は長い年月がかかるはず。また、近くに親しい友人がいる場所の家を購入したわけでなく、試行錯誤で活動を始める中で、孤独感も感じたと思う。そのような時に、フィリピンの牧師が伝道する教会に出会い、救いの導きを与えられ、この5年間の学校の実績を積み重ねることができたと、お二人は振り返る。本当に熱心なクリスチャンである。
12時頃にひかりの学校に到着した。環境にの良い住宅地に、学校があった。そして家に広い庭があり、子どもたちの遊び場でもあったし、のびのびと互いが交流する学びの場でもあった。家の玄関に看板があり、そこから家に上がると、子どもたちはピザを作っていた。子どもたちはそれぞれ、想像力を膨らまし、独創的なピザを作り上げていた。入ってきた私に、自分のピザを誇らしげに見せ、私にピザを作らないかとの誘ってくれた。でも、正直、子どもたちの元気さに戸惑い、どう解答して良いか混乱していた。今から思うと、ピザを作っていればよかった。一緒に味を競い合えたのに。
庭には、釜があり、子どもたちは順番にピザの生地を持ってきた。それを手際よく焼く髙林さん。何枚も焼き終わったところで、庭に置いたテーブルを囲み、昼食が始まった。甘いピザが多かったが、結構おいしかった。
以下の写真は、私とひかりの学校の子どもたち、大学の卒業生真理さんと、高林さんのご夫婦、ボランティアのお母さんの集合写真である。ちなみに、この中の1人は初めてのひかりの学校に登校した児童で、数年前に父親が脳梗塞で倒れ、今も体が不自由なこと、お母さんが一人で生活を支えていること、いろいろなことがあって、公立小学校に休むことも度々あったことを話してくれた。そして、多くが自宅にいたので、今日は、久しぶりの外出と聞いた。私がひかりの学校にいる間、彼と話す機会があり、一緒に近くの神社にも探検に行った。
彼と一緒に過ごしていると、疲れからか、たまに彼の呼吸が乱れることがあった。その時には、互いに目を見て頷きながら、自分らしくいようと確認した。彼は、いろいろな思いを持って確かに、十分に生きている。それを私は彼の言葉から実感した。彼が信頼する人、自分らしくいられる場を見つけることができるなら、新たな自分らしい歩みが始まると思う。
僕が帰る時は、最後まで見送って、いつまでも手をふっていてくれた彼。ぼくは、この出会いをこれからも大切にしたいと思っている。
と同時に、それぞれの子どもに、安心して成長する場を提供しているひかりの学校は、子ども、親、地域から、必要とされる場所となっていると実感した。自分の目で見て、体験した時間はわずか4時間程度であったが、私にはひかりの学校を必要としている子ども、親たちがおり、私たちも、必要としていると感じた。以前、子育てSOSという講演とシンポジウムを開催した。副題は、「明日のある子どもたち、明日のある親たち、明日のある私たち」である。児童養護施設の職員として、学校の教員として、そしてひかりの学校の運営責任者として頑張っている髙林賢さん、一緒に歩み、ひかりの学校の土台骨になっている卒業生の真理さんの働きに、神様のみ恵みが豊かに注がれますようにお祈りしたい。また、これからも訪問させて頂きたいし、応援していきたい。
今、小・中学校の不登校、過去最多24万人超 : コロナ禍で生活の乱れ、交友関係築けずという記事が出されました。(nippon.com) コロナ禍の2年半、目に見えないウイルスは経済、社会、政治を大きく揺さぶった。ましてや、小学生や中学生にとって生活が一変し、友だちや先生とのコミュニケーションがとれないことが、どれほどのインパクトだっただろうか。小中学生の不登校、過去最多の24万人。文部科学省が公表した「問題行動・不登校調査」で、全国の小中学校で2021年度に学校を30日以上欠席した不登校の児童生徒は前年度から4万8813人(24.9%)増の24万4940人となり、過去最多を記録した。不登校の増加は9年連続で、10年前と比較すると小学生は3.6倍、中学生は1.7倍増。不登校の内訳は、小学校が8万1498人(前年度比28.6%増)、中学校が16万3442人(同23.1%増)で、いずれも増加率は過去最高。特に中学生で急増しており、20人に1人が不登校だった。不登校の内訳は、小学校が8万1498人(前年度比28.6%増)、中学校が16万3442人(同23.1%増)で、いずれも増加率は過去最高。特に中学生で急増しており、20人に1人が不登校だった。(nippon.com)
どうしてこれだけ不登校の子どもたちが増えるのだろうか。コロナ禍にあって、教育、福祉関連システムの制度疲労が起こっているのかもしれない。ならば、私は、それぞれ一人ひとりに合った福祉、教育システムを、当事者の子どもも加わってつくり上げていきたい。それが希望ある明日を目指す行動であると信じるから。
投稿日 23年06月02日[金] 11:03 AM | カテゴリー: カテゴリ無し,共助社会づくり,出会い,社会福祉関連
2023年3月に思い切って石巻に行こうと決め、石巻市社協の親友に連絡をした。年度末の忙しい中、友人は時間をとって迎えて下さった。何故、ここまで石巻に行きたくなったか。それには理由があった。大学の紀要に「市川一宏の足跡」という原稿を書き、また最終講義を終えたが、その中で、2011年3月11日の東日本大震災以降の約10年という石巻での活動のもち意味を再確認した。最終講義のレジメの「Ⅷ)2010年代におけるチャレンジ 1.東日本大震災被災地支援では 「2011年3月11日、東京で津波に襲われた現場を映像で見て、私は、いてもたってもおられず、石巻市を訪問した。今まであったはずの家がなくなり、土台だけが残っている。また一緒に過ごした子どもや孫が通っていた幼稚園や学校を見ながら、呆然と立ち尽くしていたたくさんの方々の後ろ姿を、忘れることができない。私はお願いして地域福祉活動計画の作成に関わらせて頂いた。社協は民生児童委員、ボランティア、社会福祉法人職員等と協力して実情を明らかに、㋑復旧・復興下で可能な事業の見直しを行い、㋒孤立防止に取り組む地域福祉コーディネーターを設置した。職員検討部会のメンバーは、8月31日から2月中旬まで、仕事が終わってから集まり、検討→提案→私のチェックというプロセスを繰り返した。メンバーの意欲を目の当たりにして、私は石巻に来て良かったと思った。」
石巻市社協には、2020年3月まで関わらせて頂いた。何故10年近く石巻市社協と一緒に復興を目指してきたのか、その理由は、友人たちと一緒に復興を目指したかった自分の率直な気持ち、震災後徐々に支援者が帰って行く姿に寂しさを感じて自分は必要とされる限り関わらせて頂こうとの思い、社協職員に親友がいて私への皆の期待をいつも伝えてくれ、結果として互いの信頼関係を築くことができたこと、政策動向や実践に関する情報を適宜提供できたこと等々であった。2019年度、2020年度は、社協とともに、行政の地域福祉アドバイザーの役割を担わせて頂いた。
今、日本の社会は、コロナの影響を受け、貧困、孤立、虐待、自殺、いじめ等、たくさんの問題が深刻化しており、どこから手をつければ良いのか、私は、戸惑いの中にある。被災後まもない石巻も、同様の状況にあった。どのような取り組みが可能なのか、津波によって流された後のがれきの中を通り、町中を歩いていた時、ある看板を見つけた。そこには、「始めることから始めよう」と書かれていた。石巻において復興、復旧を目指した様々な取り組みの実績は、私たちに勇気と知恵を与えてくれる。
確かに、被災地も整備されてきた。日和山から見下ろす海岸の風景も、整備さて、随分変わった。
またたくさんの児童と教員が亡くなった大川小学校は、震災遺構として保存され、大川震災伝承館が建てられていた。
大川震災伝承館
しかし、孤立等の問題は、依然として顕在化している。久しぶりに石巻に訪問したが、その現実に対して、石巻市社協の地域福祉コーデッィネーターは、継続して住民とともに地域を耕していた。
また雄勝、北上、河南等の支所を訪問したが、一緒に地域福祉活動計画を策定し、また地域活動等の支援を企画した友人、さらに前会長ともお会いすることができた。そして、各支所を基盤とした様々な取り組みを知った。
私にとって、やはり石巻は、地域福祉の原点であった。