社会福祉関連

希望のある明日に向かって歩むぞメッセージ

児童養護施設でファミリーソーシャルワーカーをしています。市川先生、岩◎さん、そして皆さんの言葉に日々励まされています。

 東京では2月末から学校や幼稚園が休校・休園となってから、3月・4月・5月の3か月間は完全にお休み、6月になってようやく分散登校が始まったところです。完全に元通りの学校生活に戻るのは、順調に状況が収束しても、今月下旬から7月になる見込みです。

 これだけ長い期間が休みになることはもちろん子どもにとっても職員にとっても初めてのこと。「毎年の夏休みでも1か月以上休みだったじゃないか」という意見もありましたが、夏休みであれば、学校のプールがあり、キャンプなどの行事があり、映画や花火大会を見に行ったり、受験生は夏期講習だし、毎日部活やアルバイト漬けという子もいます。感染症の脅威と闘いながら、施設の敷地から何十人もの子どもたちが一歩も外に出ないような生活が何か月も続くことは、誰も経験したことがありません。

 家庭の保護者にとっても、子どもの夏休みというのは負担があります。朝食の片づけが終わったと思ったらもう昼食の準備と、早く2学期が始まってくれないかなと思うものですが、当園の場合は本園に30名以上、それに3か所のグループホームにそれぞれ6名の子どもたちが生活しています。この人数がこれだけの長い引きこもり生活で、大丈夫かと心配していましたが、子どもというのはやはりたくましいもので、午前中は学習・午後は外遊びという生活リズムに適応し、もちろん小さな不満はあったものの、大きな問題は起きずに過ごせました。

 職員一人一人の日々の働きもさることながら、多くのご支援をいただきました。特に唐突にやってきた「リモート学習」の波。教育委員会からの調査に「子どもが使えるPCが部屋に1台ずつある」と回答したところ、小中高校すべてでリモート学習を行いますとの通知。PC1台を多いところでは子ども6人で使わなければいけない状況になりました。しかも「決まった時間にZOOMでホームルームで出欠確認をします」などと言われ、複数の子が同じ時間に重なったらどうにもできない…と困っていたところ、ご寄付でPCやタブレットを用意していただけることになり、急遽各ホームへWifi環境を構築して乗り切りました。本当に感謝です。

 余談になりますが、特に学校関係のICT化の推進と守秘義務は矛盾しませんか?利便性と施設以外の保護者の総意を理由にして、顔写真や氏名といった子どもの個人情報をネット上に出すのが当然と言わんばかりのさまざまな要請に対して、日々頭を痛めています。出せませんから。

 さて、厚労省によれば、この3月の虐待件数は昨年よりも12%多かったそうです。 先ほども書きましたが、普段はそれぞれ別の場所で活動している家族がずっと一緒に家で顔を合わせているという状況は、時にストレスを抱くことがあります。食事の準備や片付けなど家事負担も増えます。休業で収入が減るという経済的なダメージもあります。STAY HOMEというこの密室の中で、虐待やDVのリスクが高くなることは容易に予測できます。

 施設の中で私の役割は、虐待など不適切な養育によって、家庭から保護され施設で暮らす子どもたちを、再び家族のもとに帰すための支援です。日々電話や面接で保護者と接していると、コロナとは関係なく、この人たちは、家庭の中でストレスにさらされ、負担を強いられ、経済的不安の中を生きてきたことが分かります。そして周囲に信頼できる相談相手も味方もおらず、自分がなりたかった親の姿とはまるで違った状況になっていることに打ちのめされています。

 生活や養育におけるさまざまな課題が解決できるよう、保護者に対し時に励まし、時に支えながら、さまざまな機関との連携をもとに親子の再統合を支援しています。なぜならば、暴力などの虐待の被害を受けていたとしても、施設に来た子どもたちの多くは、家に帰って家族とまた一緒に暮らしたいと思っているからです。その願いをかなえることは児童福祉法第48条の3にあるように、施設の役割です。もちろん例外はありますが、多くの子どもは、18歳で高校を卒業するまで家族と離れて暮らすことを求めていたわけではなく、ただ家族と仲良く暮らせるようにしてほしくて、支援を求めたのです。

 コロナ第2波や経済不況など、今後も楽観できない世の中の状況ではありますが、これからもひとつひとつの課題、そしてひとりひとりに向き合いながら、日々の働きを続けていきたいと思います。

 皆様、これからもどうぞご活躍ください。             N

奥田知志(抱樸理事長)さんからの呼びかけ

皆さん、こんにちは。お元気ですか。奥田知志(抱樸理事長)さんより、以下のメールが届きましたので、掲示しました。奥田さんの活動に対し応援したいと思います。

コロナ緊急|家や仕事を失う人をひとりにしない支援」と題し、4/28から初めてのクラウドファンディングに挑戦中です。    https://readyfor.jp/projects/covid19-houboku
開始から6週間が経過し、これまで2000人近い方々にご支援を頂きました。まもなく3000万に届きそうなのですが、この3000万円までは、村上財団が「同額を寄付(寄付が2倍)」というマッチング寄付を提供して下さってます。
その村上財団の創設者、村上世彰さんと抱樸の奥田理事長のオンライン対談を今週末おこないます。withコロナ時代の社会と経済はどうなるか、日本の抱える格差の問題、寄付文化の話など、ご期待下さい!
6/13(土)20時~21時 対談番組 #村上さんに聞くお金の使い方 【出演】村上世彰(村上財団) 奥田知志(抱樸理事長)    https://www.youtube.com/watch?v=yMFOIYEJ1Cg

1億円で行う事業に関しては、6/9に、「住宅提供全国展開に向けて」とパートナー法人会談を行い、最初のコロナ緊急事態宣言の出た北海道、関東圏の千葉、そして大阪の3団体が、それぞれの状況と構想を語りました。こちらもご覧ください。    ▼コミュニティワーク研究実践センター(北海道)    ▼生活困窮・ホームレス自立支援ガンバの会(千葉)    ▼釜ヶ崎支援機構(大阪)    司会:奥田知志(抱樸理事長)    https://www.youtube.com/watch?v=_ugN9Hrloec
    

 家を失うことは、いのちの危機です。コロナ関連死を食い止めたい。この働きを全国で行えるように、引き続き7/27までクラウドファンディングの応援を、どうぞよろしくお願いいたします。
※毎週【火曜・土曜】にyoutubeで報告や対談で、抱樸の活動・理念をお伝えしています。チャンネル登録も宜しくおねがいします。https://www.youtube.com/channel/UCgRCvmRHJVIvv254i19rNWw
    

コロナ困窮対策事業に関するお問い合わせ    TEL 093-653-0779    NPO法人抱樸 総務部

希望ある明日に向かって歩むぞメッセージ

 私は、2年ほど前にルーテル学院大学大学院を卒業しました。在学中から現在に至るまで、市川先生をはじめ、多くの先生方・卒業生の皆様とのつながりは、私の業務において欠かすことのできないネットワークとなっています。現在、新型コロナウイルス感染症が世界的に流行しているなか、岩間さんのように、医療・福祉・教育現場の最前線でエッセンシャルワーカーとして活躍されている皆様のご尽力があって、少しずつではありますが、世界が日常を取り戻しはじめています。

 この間、国や自治体では、新たな日常の構築に向けて、テレワークやICTの活用による業務体制の見直しなどが積極的に進められています。社会はますますICT化が進み、そしてソーシャルディスタンスの名の下に、地域活動が減少していってしまうことも懸念されています。

 こうした社会の変化には、社会的弱者と呼ばれる貧困世帯や高齢者・障害者などが取り残さやすいことも確かです。

 医療・福祉・教育現場におけるICT化の推進と、人と人とのつながりの再構築の両立という一見相反する取り組みを、各地の実践を学びながら、進めることで、地域活動を停滞させることなく、むしろ活性化できるよう、全国各地の実践を学びながら、推進していきたいと思っています。思いをひとつに乗り切りましょう。

「未来の豊かな“つながり”のための全国アクション」ホームページ

https://www.tunagari-action.jp

                2017年卒 全国社会福祉協議会 A.K

希望ある明日に向かって歩むぞメッセージ

 強い緊張感を持ちながら、過重な負担に耐え、長期にわたって支援活動に携わっているルーテル学院大学卒業生の皆様に心から感謝

 新しい社会の在り方、社会福祉の在り方を考え、作りながら進んでいきましょう。

                 和田敏明

       ルーテル学院大学名誉教授・コミュニティ人材養成センター長 

 新型コロナ感染症の福祉、医療、生活現場に影響が広がる中、入所者、入院者、利用者、在宅生活者等、困難を抱えておられる方々の、命と生活を守るために強い緊張感を持ちながら、過重な負担に耐え、長期にわたって支援活動に携わっているルーテル学院大学卒業生の皆様に心から感謝申し上げます。ご利用者やご家族にも、利用の自粛や面会制限、施設や在宅福祉サービスの一時休止などをお願いし、つらい思いをさせていることにも心を痛めておられる事と思います。

 私は現在、社会福祉法人東京聖労院の理事長を務めています。高齢者関係では4つの特別養護老人ホーム、デイサービス、地域包括支援センター、訪問介護事業、児童分野で児童館や学童保育、放課後事業等を600名あまりの職員とともに取り組んでいます。会議、打ち合わせはZOOMを使用するなど3密を避けるように変えましたが、実際の仕事は、直接のサポートであり、リモートに置くかえることはできません。法人としては、職員が安心して仕事に従事できるよう、マスク、消毒液、ガウンをはじめ必要な機材の安定確保、環境整備に全力を尽くしています。それでも、利用者と家族、職員と家族などが濃厚接触者となり検査を受けるなどの発生は避けられません。経験を重ねながら対応の詳細なマニュアルを積み上げてきています。一つの事業所で、1週間デイサービスを休止せざるを得ない事態が発生した折も、関係機関との調整、ご本人やご家族へのきめ細かな対応等、職員の方々の強い使命感と適切な対応、献身ぶりに強く心を揺さぶられました。

 大学では、私がかかわってきた、コミュニティ人材養成センター主催の三鷹、小金井、武蔵野の各福祉行政と社会福祉協議会とルーテル学院大学との7者共催で11年間継続してきました、地域福祉ファシリテータ養成講座を今年は中止することになりました。今年から、新しく調布市と調布社会福祉協議会も参加し9者共催で進める運びになっていましたので、残念ですが已むを得ません。

 大学院の授業をZOOMで2回行いました。事前にレジュメや資料を送る、院生からのレポートをお互いに事前に送りあい授業に臨むなど工夫をしています。面白い発見もありますが、一日PCとにらめっこでは目が疲れると院生の感想がありました。もう1回ZOOMで授業を行い6月半ばからは大学で授業ができるようです。お互いに直接会うのは初めての人が何人もいて楽しみです。大学院はいろんな経験を持つている人で、現に働いているが集まっています。こういう人と一緒に学びあえる事が魅力です。

 社会的孤立の広がりこそが現在の生活、福祉問題の根底の問題だと思いますが、この新型コロナが恐ろしいのは、人々の社会的つながりを壊すことです。3密を避けるとして人々の間に「社会的距離」をとることを求めます。さすがに、「社会的距離」では人と人との心のつながりを失わせるのではないかと「身体的距離」のことだと言い換えようとの声が出始めています。福祉の現場やボランティア市民活動の現場では、物理的距離を取りつつ、心の距離をいかに近づけるかで様々な工夫が生み出されています。

 新型コロナウイルスへの対応はまだまだ継続します。政府の専門家委員会の一人は、現在は、野球に例えれば、9回のうちの1回の裏が終了した段階、ワクチンが開発され世界にいきわたるまでには相当の長期戦を覚悟して臨まなくてはならないといっています。すでに倒産、不況などが始まり、生活困窮者、ホームレスの増加などの波が押し寄せてきつつあります。目の前の事態に必死に取り組みながら、大きな社会の変化をしっかり見据え、新しい社会の在り方、社会福祉の在り方を考え作りながら進んでいきましょう。

 西原先生に倣って現在読んでいる本ですが、山本太郎「感染症と文明」岩波新書、山本太郎「新型インフルエンザ」、岩波新書、長谷川和夫「僕はやっと認知症のことが分かった」、足立巻一「やちまた」上、下中央文庫などです。

希望ある明日に向かって歩むぞメッセージ

市川先生、
 卒業生のネットワークは希望を与えてくれるものです。どこにいても、どんな仕事をしていても、帰る場所がある、分かってくれる人たちがいる、と言うことはどんなに大切なことでしょうか?とても素晴らしいことです。是非、続けていきましょう。

 私の方は、コロナ関連の患者さんも減り、私の病棟はnon-COVID ICUになりました。私の働く病院にはまだCOVID専門ICUがありますが、全体的に患者さん数は格段に減ってきています。私の生活も穏やかな毎日になりました。
先生のボランティア情報紙へのメッセージ、読ませて頂きました。何度も何度もありがたく読みました。確かにそうです、今回のコロナに関しては自然災害などとは違って、目に見える被害が少ないのでどのように手を差し伸べて良いかわからない難しさがあります。しかし、経済的な被害、精神的な被害は広がっています。日本もアメリカのように中流階級が少なくなり、上流階級と貧困層の格差は広がると思います。契約社員や時給で仕事をしている人たちが真っ先に首を切らます。シングルマザーたちは子供たちを抱えてサバイブできるのでしょうか?地域での高齢者や障害を持つ方の生活はどうなるのでしょうか?アメリカも日本も不安の多い社会になることでしょう。その中で、どうしても忘れたくないのが地域内でのつながりです。お互いを思いやる気持ち、それをどうやって助長していくかは、ボランティア・コーディネーターやボランティアセンターの職員にかかっているかも知れません。もしかしたら、これが未来の日本を直接的に、または間接的に救うかも知れませんね。お互いを思いやりことはお互いを尊重し合うことです。

 ニューヨークでは「マスクをしよう!」と言うキャンペーンが始まっています。日本と違ってマスク着用が日常でないニューヨーカーにマスクを着けさせることは本当に大変なことなのですが、このキャンペーンで重点を置いているのは、「マスクをしろ」ではなく、「あなたを守るために私がマスクをする」と言うコンセプトです。そして、あなたを思いやるから私がマスクを率先してつける、と言うことが少しずつ浸透してきています。これを機に、お互いを思いやりるそんな社会が少しづず出来上がってくることを願っています。今日、夫とスーパーに行ったときに、マスクを着けていない女性がいました。夫がその女性に、なぜマスクを着用しないのか、と問いかけた時に、その女性はマスクなんて面倒でしたくない、と言いました。その時に、夫が「私がマスクをするのはあなたを守るためだ」と一言いいました。その瞬間、まわりにいた人たちが、そうだそうだ!と言ってその女性をマスクを差し出しました。私はそれを見て、この社会も捨てたものじゃないな、と嬉しくなりました。こんな小さいことですが、お互いを思いやる社会ができていることは私たちに希望を与えてくれます。

 最後に、私の個人的なことになりますが、嬉しいニュースです。ニューヨークのダウンタウンのウォール街近くにある、Pace University からTenure-Track Assistant Professor のジョブ・オファーを頂き、9月から看護学部の教員になることになりました。https://www.pace.edu/ 1万3千人程度の学生さんが学ぶ中規模の私立大学です。各セメスターに3つのクラスを教えることと、研究をすることが主になりますが、今のICUでの仕事も週に一度は続けることができるので、思い切って教員の道を選ぶことにしました。私は看護教育での修士と博士を終えて、いつかは未来の看護へ教育をとおして貢献したい、と思っていました。その夢が叶って嬉しいやら不安やらです。

 今後も、先生のお知恵を拝借することがあると思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、また、お便りします。              岩◎恵子

希望ある明日に向かって歩むぞメッセージ

岩◎さん、
こんにちは。日本時間午前11時半です。お休みの時間になりますね。遅く、すいません。

 さて、日本は、非常事態宣言が解除されました。でも、PCR検査の数が予定に達したとは聞いていないし、病院等での防護服等が足りない状況は変わっていないので、危機を脱したとは全然言えない状況です。これからも、感染者の増加とその抑え込みを繰り返しながら、生活していくことを覚悟しています。
 しかし、連鎖倒産、リストラ等によって失業者が増加し、貧困は広がることでしょう。何としても、生活が維持できる経済的支援、住まいの確保等々を行わなければなりません。また、サービスと地域の見守り等で支えていた高齢の方々や障害を持たれている方々及びその家族の方々への支援が滞ることは避けなければならない。ではどうしたら良いか、手探りで試行錯誤の連続ですが、私は考え続けています。

 まず、機会を頂き、全国会ボランティア・市民活動振興センターの『ボランティア情報』にボランティアコーディネーターとボランティアセンター職員への応援メッセージを書く機会を与えられました。その経緯と原稿は、「市川一宏研究室」に掲載しています。そこで、訪問活動の相手である一人暮らし高齢者の状態を心配しているボランティアが、居ても立ってもいられず、電話相談や運動機能の維持のための文書の配布、さまざまな方法での安否確認をしようとしている現状を知ることができました。その結果を今回の原稿に書いています。諦めないで、新たな絆を模索しているボランティアの方々の思いと働きに、私は励まされています。このような一つひとつの挑戦が、今必要とされています。

 また、先日、医師会、介護保険事業者連絡協議会、社会福祉法人、社協、行政(担当3部長、介護保険担当者)、市川が緊急に集まり、情報交換をいたしました。そこでは、①6月、7月に、民間事業者が経営危機を迎える危険性がある。4月、5月の介護保険事業の利用者が減っている場合、今後の給付はその分少なくなり、人件費を含めて財源が厳しくなる小規模の事業者も出てくる危険性がある。その結果、提供できるサービス推定量にも影響を与えること。②介護保険施設での感染者の発生した場合、感染した利用者への対応、感染していない利用者の保護、ケアにあたる職員の確保、感染防護服等の設備の準備をどのように図っていくのか。また感染の影響による事業の縮小、経営に及ぼす影響をどのように軽減するか、緊急の課題となっている。③家庭で感染者が出た場合、濃厚接触者への対応が問題になっている。たとえば、介護者が感染した場合の濃厚接触者である要介護者への対応、母子世帯の母親が感染した場合の子どもへの対応が急務であること。④虚弱高齢者等のフレイル対応が十分にできなくなった結果、要介護状態になる方が増えていくことが予想される。支援方法の開拓を含めて、支援を再建する必要があること、が話されました。問題点が明らかになったのですから、まずは私たちができることから始めていくことになると思います。

 私は、今、それぞれの場で、できることを模索し、行動していくことが大切だと思っています。このとてつもないコロナの影響に対して、新たな絆を、まずは、自分自身が生活する地域で取り戻していくことを大切にしたい。
 そして、私にあるもっとも大切な絆、それは卒業生とのネットワークです。私は、これからも大切にしていきたいと思っています。確かに、それぞれの働きの場や、今の生活拠点は異なります。しかし、それぞれが立ち戻ることのできる場、自分らしくいられる場、若き時を共有した者たちが集まる場を大切にしたいと思います。

 お金を失うと生活の危機です。まず社会的な対応は不可欠です。誇りを失うと心の危機です。相談支援や日頃の関わりの中で、人としての誇りが守られるようにさまざまな福祉援助、活動が必要です。最後に希望を失うと存在の危機と言われます。私は、岩間さんの、どのような困難に直面しても自分の仕事をし続けている姿に感銘を覚えました。また、コロナの影響を冷静に見る目に驚かされました。ニューヨークで起こっていること、対応から学ぶことはたくさんあり、私の役割を見直すきっかけになっています。そして、これからさまざまな困難に直面することが分かっている今、卒業生のネットワークは、それぞれに希望を生み出し、困難に取り組んでいく勇気を与えてくれることを願って、「希望ある明日に向かって歩むぞメッセージ」を続けていこうと考えています。
 

今の思いを書きました。それぞれの場で、頑張っていきましょう。岩◎さん、お元気で。
             2020年5月28日          市川一宏

「VCの皆さんへ ~皆さんへのエールと今の私たちができること~」『ボランティア情報』

 全国ボランティア・市民活動振興センターが発行する『ボランティア情報』に投稿した本原稿は、私にとって思い出に残る、貴重なものとなりました。その理由は、以下の3つあります。

 第1に、事務局より、今までの私の経験を通した、地域をめぐる状況とボランティア・市民活動、社協の最前線としてのボランティアセンターの役割、コーディネーターの役割(社協内での他職種との連携)、協働の考え方について私にインタビューし、原稿にしたいとの連絡が入りました。私は、今までに書いた原稿や関わった委員会報告を見直し、お答えしましたので、私の原点に立ち戻ることができました。

 第2に、お引き受けした時は予想していませんでしたが、新型コロナウイルスの感染が急激に広がり、たくさんのボランティア活動やNPO活動が休止に追いこまれました。ボランティアセンターも、予定していた事業を中止、延期したりして、感染防止に努めることになりました。そこで、どのような現状にあるのか、私が今までの御世話になった全国の都府県社協、市町社協の方々に問い合わせをし、現状を教えて頂きました。ボランティア活動の相手である方々の生活は依然として深刻であり、いやさらに困難な問題が顕在化してきており、そのことを心配するボランティアの方々のお気持ちが伝わってきました。その「居ても立っても居られない」お気持ちをもって、今できるいろいろな活動が生まれていました。その実績を本原稿でまとめさせて頂きました。

 第3に、これからコロナの影響はますます広がり、私は、底知れない不安をもっています。コロナウイルスの広がりは、今までの関係を打ち砕き、不安、恐怖、不信、怒りを生み出し、負の連鎖が広がってきています。このような深刻な社会状況の中で、私たちがどのような未来を築いていくか、私たち自身が問われていると思っています。だからこそ、私は、大切なもの、大切なことを守る決意が必要だと思います。私は、その中に「人への思いやり」を加えたい。それは、ボランティア活動の原点にあるものです。

 それらの意味で、本原稿は、社会を築くボランティア、NPOの活動への期待をもって、送り出した私の思いです。どうぞお読み下さい。

希望ある明日に向かって歩むぞメッセージ

 岩◎さん、卒業生の皆さま! 頑張りましょう! 

 新型コロナウイルスが世界中を席巻している中、皆さまお元気でしょうか(-_-;)。

 国境や、民族や、宗教や、思想信条や‥、そういった全ての垣根を簡単に乗り越えてウイルスはアッと言う間に私たちの身近にやって来ました。〇〇人である前に、地球人として、力を合わせてこれと向き合わねばならないと思います。一人でも多くの人が、無事にこれをやり過ごすことが出来るよう、力を合わせたいと思うのです。

 でも、現実のこの国や、世界の国々で起こっていることを垣間見ると、実に腹の立つことばかりです。宇宙に浮かぶ、希少性のある地球を託された私たちには、これを守り維持するには荷が重いのかも知れません(=_=)。

 さて、福祉職は、言うまでもなく、支援を必要としている個々の人たちと向き合うことから、簡単には逃げることが出来ません。事業所を閉めることも出来ません。私は相変わらず、社会福祉法人おおぞら会の理事長職をやらせてもらっていますが、職員の皆さんは細心の注意を払いながら仕事を続けて下さっています。本当に頭が下がります。脱帽です。

 多くの卒業生の皆さんも、福祉職でなくとも、きっとそれぞれの場で、精一杯の努力を重ねて下さっていると思います。職種によっては本当に命がけの日々を過ごされているのだと思います。どうか自己防衛に徹して生き抜いて下さいね! いつかまた、いっぱいしゃべりたいです!ヘ(^o^)/。

 大学は初体験の遠隔授業になり、わずか2科目を担当する非常勤講師ではありますが、授業の資料づくりに四苦八苦しています。また、毎日5000歩前後歩いています。玄関から居間の間を汗をかきながら、動物園の熊さんのようにグルグルと、家の中だけで2~3000歩歩くのはきついです(-_-;)。住んでいる団地の周りも歩いて、汗びっしょりになります。

 3月から3冊の本を読みました。①飯嶋和一『狗賓童子の島』(小学館)②石 弘之『感染症の世界史』(角川文庫)③小松左京『復活の日』(角川文庫)の3冊です。繰り返します(^_^;)、皆さんといっぱいしゃべりたい! 顔を合わせて話したい! 

               名誉教授 西原雄次郎74歳! (2020/05/24)

希望ある明日に向かって歩むぞメッセージ

東京にある特別養護老人ホームの施設長をしています。

卒業生、先生の皆さんの投稿を読ませていただき、とても励まされています。特に岩◎さんの働き、想像を超える過酷な状況だと思います。どうか守られるようにと祈ります。

2月末頃よりご家族の面会やボランティアの受け入れを制限し、職員は毎日検温・体調チェック・記録をしつつ、緊張感をもって勤務にあたっています。

少しでも体調が心配な場合には出勤を控えるようにお願いしていますが、元々ギリギリの人員でシフトを回していますから、迷惑をかけたくないと、多少無理をしてでも出勤をする職員も出かねず悩ましいところです。

無症状でも感染している可能性があり、外から通勤している以上、持ち込んでしまうことを完全には防げず毎日ヒヤヒヤしています。

一人でも感染者が出た場合、感染が拡がり重症者が多くなるリスクを抱えています。

そんな中、懸命に踏ん張る介護職はじめ現場の職員に頭が下がります。あらためて、この事業が社会にあって無くてはならないサービスであり、使命感によって働く職員一人ひとりによって成り立っていることを痛感しています。

幸いにも今のところ守られており、マスクの寄贈や励ましの言葉をくださるご家族、関係者の方々により支えられています。

まもなく東京でも緊急事態宣言が解除され、徐々に制限が緩和されていくかと思いますが、特養ではなお一層の緊張感を持って対応を続けていく必要があり、第二波、三波にも備え、長い戦いになることを覚悟していかなければなりません。。

聖書にキングス・ガーデンの理念でもある「夕暮れ時に光がある」という言葉があります。今がまさに世界中が「夕暮れ時」ともいえる厳しい状況ですが、この先に必ず光となる「希望」が与えられると信じていきたいと思います。
一緒に頑張りましょう。何としてもお年寄りと職員の命を守りたい。

特別養護老人ホーム練馬キングス・ガーデン               施設長 中島真樹(1995年卒業)

希望ある明日に向かって歩むぞメッセージ

私はルーテル卒業後、東京都内の人口1,000人未満の島に来て、高齢者のケアに関わらせて頂いています。同時に、広報や世代間交流も担当をしています。 

区内で生活していた私が、たくさんの在学生や卒業生に見送られて島に来たもっとも大きな理由は、地域に寄り添ったケアを学べるところです。一時、休止していた高齢者ケアは、再開をして、そこで、コロナ対策を行なっています。消毒作業や距離を離してのレク実施など、平時と異なるサービス提供に慣れず、戸惑いがありましたが、今は慣れ、高齢者の孤立予防、フレイル予防、各世代に合わせた住民向けサービスの拡充を目指して、日々働いています。

今のところ、感染者は限られておりますが、もし感染が広がると、生みに囲まれており、診療所の1名のお医者さんでは、対応が難しいことが予想されますし、感染発覚する頃には、他の誰かが重症化しているかもしれないと思うと不安です。でも、介護を要する高齢の方々の生活を支え、寝たきりを予防し、生活を守る仕事をしているのだという自覚あり、なんとか踏ん張っています。 岩◎さんのお働きを見て、助け合いながら自律性を持って働いていきたいと思っています。

 コロナウィルスは残酷なものではありますが、ルーテルを卒業したのちも、教授と卒業生がつながっている実感とありがたみを再確認できました。多種多様な現場で働かれているルーテル卒業生のみなさま、緊急事態宣言を解除されたのちも長い戦いになることかと思いますが、気を抜かずにそれぞれの場所でできることを努めあげましょう。

          2016年卒 S