「ひかりの学校」in 安曇野市

2016年6月、長野県生坂村に講演に伺いました。人口減少と過疎化が進行する小さな村で、どう支え合い、元気な村を作っていくかを考える機会にしたいとの主催者からのご要望に従い、テーマを「福祉によるまちづくり」にしました。講演の半ば頃、いっぱいとなった会場に親子連れの方が入ってこられました。女の子を飽きさせてはいけないと、時には手を振っていましたが、おとなしく聞いていてくれました。

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講演が終わり、女の子に握手をしに行ったら、お母さんから、「先生、お元気ですか。ここまで来て下さり、ありがとうございました」という挨拶。お母さんのお顔を良く見ると、それは、大学を卒業してから15年間児童養護施設に勤め、その間にルーテル学院大学大学院で修士論文を書き上げた浜野真理さんでした。職場で出会ったご主人と結婚し、生坂村に移り住まれました。ご主人の高林賢さんは教員をした後、長野県安曇野市で、「ひかりの学校」を創設したそうです。

以下、高林賢さんから頂いたメッセージです。

「うちの学校も一年が過ぎて子どもも増え、多くの方の理解頂くようになっては来ました。

現教育制度の問題点を3つ挙げて話しております。一つは、過度に競争的な教育制度であることです。いわゆる義務教育の9年間が、高等学校受験に偏重しており、子ども個々の能力の発達の支援が困難であることです。

二つ目は、月齢や年齢によって子どもの発達段階を厳しく評価することです。子どもの言語能力を含めた発達は、おおきなバラツキがあります。社会自立に問題のない子どもが、特別支援学級を利用することで、社会自立が困難になる事例を多く感じます。

三つ目は、休息、余暇、遊びの時間の絶対的欠如です。これらの軽視が、教育問題の最大の課題であると思っています。

ひかりの学校の理念は、

  • 子どもが望む活動を通した学習
  • 基礎学力の意欲・知識・技術の定着
  • 自己実現と社会自立につながる体験学習  です。

上記の理念の中で何より重要と思っているのは、意欲です。小学4年生くらいまでの基礎学力の定着と意欲があれば、何の職業でもなれると子どもに話しています。

学習の評価は、成果よりも取り組む意欲を見ています。文字や計算の学習でも、造形遊びのような木工作でも、音楽でも調理でもいい物ができたかではなく、子どもが没頭できる時間と場と機会を設けられたかを重視しています。

すべての学習は参加型をとっており、参加を子どもが選べます。同時に、いつでも好きな時に休息をとれるようにしています。

受け入れ体制は、就学年齢児童以上で上限は設けていません。現在は小学1年生から中学1年生までの子ども10名が利用してくれています。元気に学校へ通っていた子ども、不登校の子ども、特別支援学級を利用していた子どもなど様々です。

親御さんは面白く凄い方たちばかりです。」

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ひかりの学校三つ折りチラシ前面

ひかりの学校三つ折りチラシ中身

 

長い間、長野県・長野市の地域福祉に貢献している親しい友人にメールを送り、ひかりの学校についてお話をしたら、「「ひかりの学校」の取り組みすごいですね。長野県の「子供白書」にも書かれていました。機会をつくっていきたいと思います。」との返事。

徐々に、努力が評価されていると聞き、うれしく思いました。最初は、たいへんです。私も、応援したいし、今度は直接お伺いしたいと思っています。

高林真理さんが、児童養護施設に働きながら、大学院に通った理由を今でも忘れません。「心の壺には、たくさんの愛情が入っています。しかし、その壺に入っている優しさや思いやり、愛する心は、子どもたちに与えながら、減っていきます。だから、その心の壺を満たすために、大学院に来ました」という真理さんの姿勢に、感動しました。真理さんが選んだご主人が、親御さんと一緒に精一杯築いてきた「ひかりの学校」を、私は推薦いたします。