宮城県石巻市牡鹿半島での出会い(古民家再生IBUKIプロジェクト:一般社団法人OPEN JAPAN)

2014年9月中旬、石巻市に行きました。たくさんの方々が、復興を目指して努力しておられましたが、年々、地域福祉問題は深刻化していると思っています。被災地の現状を忘れてはならないと思います。

訪問して3日目に、牡鹿半島の支所を訪ねました。行き帰りにたくさんの浜を通りました。港は、復旧しているところも多く見られましたが、壊滅的な打撃を受けた住居地域では、家の土台を残して、復旧はなされていませんでした。今後、それぞれの浜ごとに高台に移転する予定だそうです。
たまたま、石巻市社協の友人が運転して下さった車を降りて、その実情を写真に撮っていましたら、浜から少し離れた家の片付けをしている方々を見ましたので、どこのボランティアかと思い、近づいていきましたら、「先生じゃないの」という声が聞こえました。驚いて呼ぶ声をたどると、その先に卒業生の吉村誠司君が働いていました。私は、うれしくなり、思わず駆け寄りました。
彼は、被災後からずっと牡鹿半島等の復旧のために石巻市で活動しています。今は、壊されそうになっていた古民家を購入し、皆の力で改修し、喫茶店等にして、この古民家を拠点に、観光地であった地域の復興に貢献しようとしていました。私は、吉村君の思いを知り、強い感動を覚えました。
「一本の木を植えなければ、砂漠の緑化は始まらない」という、森がどんどん砂漠化しているアフリカで、もう一度、森に戻そうと働いているNGOのメンバーの言葉を思い出しました。
頑張ってほしい。吉村君は、私が誇る教え子の一人です。

海岸線をはしる道路から見た住宅地跡(奥には、古民家が見えます。写真を撮る時には気がつきませんでしたが、向かって右側で吉村誠司君が働いていました)

古民家正面

古民家の正面

古民家の内部(指さす先は、津波が到達したところ)

古民家の裏の蔵(この蔵は、100年近く前に来た大津波にもたえ、2011年に再度の津波を受けても、残ったそうです)

この古民家を改修し、食堂にするには、長い時間がかかるかもしれません。しかし、関わっている方々は、やり遂げるでしょう。そのためにも、たくさんの方々の支援が必要です。「古民家再生IBUKIプロジェクト」(一般社団法人OPEN JAPAN)の取り組みを、より多くの方々にご理解いただき、ご支援を賜ることができますことを、切に願っています。

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