社会福祉関連

日生財団研究助成

日本生命財団は、共に生きる地域コミュニティづくり」を基本テーマに、「地域福祉チャレンジ活動助成」と「実践的研究助成」(「実践的課題研究助成」、「若手実践的課題研究助成」)を行っています。地域福祉チャレンジは、地域での継続的自立生活を支えるシステム(地域包括ケアシステム)展開等につながる活動を行うNPO法人等の団体を対象とし、また後2者は、以下のテーマの課題について研究者と実践家が協働し、現場の実践をベースにした研究を行う、その研究者・実践家を対象にしています。一定の水準を満たした申請に関しては、いずれも複数の学識が審査し、全体で討議した上で候補者を選び、日生財団の理事会で決定されます。そして、活動及び研究の成果は、12月のワークショップ、シンポジウムで報告され、社会的な還元が目指されます。

私も長く関わってきており、たくさんの申請団体・申請者が実際に実績をあげ、地域コミュニティの再生と研究活動に貢献してきていることを目の当たりに見てきました。多くの社会福祉協議会やNPOが、幅広い福祉保健医療教育関係者・機関と連携してプロジェクトを立ちあげ、助成を受けて実施してきており、今日のおける新たな実践の進め方だと思っています。また、研究者の方々も、同じ分野の研究者だけでなく、幅広い方々、実践現場と協働した実証的研究を進めており、研究水準の向上に貢献していると感じています。

皆様も、どうぞ申請をなさって下さい。

分野番号1  
「いつまでも地域で高齢者が安心した生活が送れるまちづくり 地域包括ケアシステムの推進」

テーマ番号テーマ
1在宅サービス(医療、ケア、住宅等を含む)の推進
2高齢者を支える介護・ 看護 ・ 医療連携システムの開発、実践
ICT技術を活用した地域情報共有システムの開拓的な実践
「閉じこもり高齢者」と地域コミュニティとのつながりづくり
独居高齢者の生活支援のための開拓的な実践
インクルーシブな地域社会の構築へ向けての実践
家族介護者へのケア体制確立に向けての実践
在宅ターミナルケアにおける専門職種によるチーム活動

分野番号2
人生100年時代の「高齢者の生きがい・自己実現・就業支援」

テーマ番号テーマ
1人生100年時代のライフサイクル構築への取組
2ターミナル期にある人やその家族に対するソーシャルワーク支援(在宅ケア・死後の財産処分、グリーフケア等)
高齢者の潜在能力の開発(美術、音楽、演劇、自分史)と能力発揮の場づくり
高齢者ボランティアの養成
新しい働き方、新しい労働形態(ソーシャルエンタープライズ)、社会参画の開発
在職中の人に対する退職前教育の在り方

分野番号3
「認知症の人が地域で安心した生活ができるまちづくり 」(本財団恒久分野)

テーマ番号テーマ
1認知症ケアへ向けて医療と介護の連携
2認知症の人の権利擁護の推進
軽度認知障害に対する相談、支援体制
若年性認知症の人に対するケア
認知症介護者に対する支援
認知症の人を支えるまちづくり
(認知症サポーター等を含む支援人材づくり)

分野番号4
「新型コロナ感染を踏まえた高齢者ケアの実践」(2022年度特別分野)

テーマ番号テーマ
1感染症対策のあり方
2専門職の連携・ 人材養成
入居者と家族・地域のつながり
ICT等を活用した対面と非対面の組み合わせによる高齢者への生活支援

地域福祉を推進するルーテル学院大学卒業生の集い

大学、大学院、神学校を卒業した皆さん、いかがお過ごしですか。今回、卒業生で本学の教員である原島博先生、卒業生で社会福祉協議会で働く飯島ともえさん、池永雄一郎さん、河島京美さん、桑原信人さん、関根裕恵さん、山本繁樹さんと何度も打ち合わせをし、地域福祉を推進するルーテル学院大学卒業生の集まりを開催することができました。今、社会は混乱の中にあります。私たちも、希望ある明日を描けない戸惑いの中にあります。だからこそ、大切な人、大切なこと、すなわちルーテルの縁を大切にしていきたいと思っています。社会福祉協議会に勤めている卒業生だけでなく、様々な分野で働く卒業生、また今は他の職域や家庭で踏ん張っている卒業生で、地域福祉に関心のある方々、どうぞご参加下さい。お待ちしています。市川一宏

NHK制作局 地域づくりプロジェクトのお知らせ

我々のチームが制作致しました番組『移住新時代  過疎地域にチャンスあり!』(クローズアップ現代)の7月20日の放映についてのお知らせを先日お送りいたしましたが、残念ながら放映が延期になりました。放映日が決まりましたら改めてお知らせいたしますので、どうぞよろしくお願いいたします。

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前回もお知らせいたしましたが、私たちが運営する「NHK地域づくりアーカイブス」でも、3本の新着動画がアップされています。よろしければご覧ください。

●「不便」を逆手に取った過疎の村のユニーク施策

人口およそ700の小菅村が今全国的に注目を浴びています。小さな全国からデザインと地域活性のアイデアを募集して、おしゃれな小屋を建設するタイニーハウスプロジェクトは若い世代の移住者を呼び寄せました。ほかにも、ドローンを使った配送サービスなどユニークな施策が次々実現。村民の声にまめに耳を傾け、新しいアイデアを否定せず、どんどん挑戦する小菅村スタイル。そのチャレンジ精神の源とは?

●県内高校初の外国人クラス誕生。夢を諦めない

島根県立宍道高校の定時制課程に県内の高校では初の外国人生徒だけのクラスが誕生しました。義務教育後は進学を断念し、将来の夢を諦める生徒が少なくなかった中で、彼らの第一歩は、地元で暮らす外国ルーツの子どもたちの大きな希望となっています。学力ややる気があっても、言葉の壁でつまづくことが多い子どもたちに対し、学校や先生たちも、テストの語学のバリエーションを増やすなどのさまざまなサポートで、子どもたちの夢を応援しています。

●取り残された被災者を救えるか

地震水害など、毎年のように起こる大規模災害によって、被災後数年たっても、生活再建が進まず取り残されてしまう被災者がいます。その多くが高齢や病気、生活困窮などの困難を抱えており、支援制度にもうまく到達できていない現実があるのです。そんな中で、個別の被災者に寄り添い、弁護士、建築家、介護などの専門家が連携して生活再建を支える「災害ケースマネジメント」と呼ばれる新たな取り組みが、被災地を中心に広がっています。

「NHK地域づくりアーカイブス」新着動画、いかがでしたでしょうか。

本サイトは、興味のあるジャンルや地域、キーワードから検索することもできます。全国の地域づくりに励む方々や、大学の先生、学生さんたちなどにもぜひ、知っていただき、利用していただきたく、みなさまにもぜひ、「NHK地域づくりアーカイブス」の存在をさまざまな方にお知らせいただければ幸いです。どうぞよろしくお願い申し上げます。 

★★★「NHK地域づくりアーカイブス」とは★★★ 

「NHK地域づくりアーカイブス」は、「地域課題の解決を進める先進地の取り組みを集めた」動画サイトです。NHKスペシャルや、クローズアップ現代、ハートネットTV、そして私たちが制作してきた「明日へ 復興サポート」「ふるさとグングン!」などから、それぞれの課題解決の先進地の動画を集めています。

課題は、過疎・高齢化、6次産業化、獣害、商店街の衰退、孤独死、ひきこもりなど、様々です。課題は、過疎・高齢化、6次産業化、獣害、商店街の衰退、孤独死、ひきこもりなど、様々です。ジャンル別に「農林水産・食」「コミュニティ・商店街」「教育・子ども・若者」「福祉・生活支援」などに分類され、誰でも無料で見ることが出来ます。特別な登録も必要ありません。

広がれボランティアの輪

全社協 全国ボランティア・市民活動振興センターからのオンライン参加のご案内です。

本センターが事務局を預かる「広がれボランティアの輪」連絡会議では「ボランティア・市民活動の推進に関する関係省庁との懇談会」を開催します。

この懇談会は、2001年ボランティア国際年で培った官民のパートナーシップを発展させるため継続して開催しているものです。コロナ禍以前は「広がれ」構成団体を対象に開催していましたが、コロナ禍でのハイブリッド開催に伴い、昨年から構成団体とつながる方々にもオンラインで参加いただいています。

今年度は午前午後とテーマを設け「災害」「子どものウェルビーイング」をテーマに省庁の施策説明と「広がれ」構成団体の実践を紹介し、意見交換を行います。

今年の開催案内を別添によりお送りいたしますので、ご都合いただけるようでしたらオンライン参加を検討ください。

なお、お申込みは「広がれボランティアの輪」連絡会議ホームページから受け付けています。

HTTPS://WWW.HIROGARE.NET/

京都府民生委員児童委員代表者研修会

私は、7月18日から21日まで、京都に行ってまいりました。京都駅の近くの都ホテルに泊まり、1日目は北部を対象に綾部市で、2日目は宇治市等の南部を対象に京都市で、3日目は中部を対象に亀岡市で、講演と情報交換会をしてきました。貴重な体験でした。特に1日目に特急で綾部に向かう車窓から見える山間地の集落には、明らかに廃屋が散見され、いたるところに除雪車が駐車していました。豪雪地帯だからでしょう。そのような地域で、民生委員児童委員の方々が、コロナという異常事態にかかわらず、いろいろ工夫し、一人暮らしの高齢者等の見守り等の活動しておられます。コロナ禍にあって、迷いながらも、活動なさっておられる民生委員の方々にお礼を申し上げ、また私が考える添付の取り組みをお伝えし、その可能性を一緒に考えてきました。原点に立って頑張りますと言われる民生委員の方々の笑顔を見て、やって来て良かったと確信しました。今まで関わってこられた住民の方々に、笑顔が届けられることと思います。

縁の会第10回研修会

2022年8月27日14:00〜16:30に、研修会を開催します。縁の会とは、社会福祉の現場で働く者たちが、志を同じくする多くの方々に集まって頂き、互いに悩みと夢を語り合い、支えあって、新たな気持をもってお年寄り、ご家族、当事者の方々、地域の方々とともに歩むことができればと願う仲間たちの会です。

研修会は、今回で、10回目になります。しかし、コロナ禍にあって、ふりかえってみれば、私たちは、いろいろなことを諦めていました。研修会もそうで、3年近く、開催していませんでした。

確かに、新型コロナウイルスの広がりは、今までの関係を打ち砕き、不安、 恐怖、不信、怒りを生み出し、負の連鎖が広がってきています。だからこそ、私は、大切なもの、大切なことを守る決意が必要だと思います。私は、その中に「人への思いやり」を加えたい。そしてウイルスの脅威にさらされているからこそ、今すべきことを考え、今できることを実践したいと思います。

今回は、浦河べてるの家との関わりが深い浦河ひがし診療所のソーシャルワーカーであり、ルーテル学院大学の卒業生でもある伊藤恵里子さんから、「当事者の社会参加とは〜共に歩むソーシャルワーカーとしての想い〜」というテーマでお話を頂きます。

「どのように支援をするか」とともに、「どうして支援をするのか」という私たちの原点に触れることができると思います。

どうぞご参加下さい。縁の会の仲間たちとお待ちしております。

福祉のしごとについて学ぼう

2022年8月10日13:00〜16:20、ルーテル学院大学は、高校生対象に、福祉のしごとについて学びながら理解を深めてもらうことを目的としたプログラムを、対面型とオンラインで行います。

今、社会福祉の働き人への期待が高まっています。是非、ご参加下さい。

2021年の主な業績

  1. 論文・報告書

2021年4月「コロナ禍における地域ケアを考える」p.4『SAI-4月号』埼玉県社会福祉協議会

2021年10月「リーダーに求められる役割」p.10〜13、『View221』全国民生委員児童委員連合会

2021年10月「福祉系大学経営者協議会勉強会2021地域共生社会における福祉人材養成とは、第3部シンポジウム<今後の福祉人材の養成課程を考えるー子ども家庭福祉の課題を中心に」福祉系大学経営者協議会HPに記録が掲載 

2021年12月「リーダーに求められる役割(第2回)対談:吉川郁夫氏(大阪市民児協会長)」p.10~13、『View222』 

2021年12月「創立70年記念座談会〜東社協10年の歩みとこれからの地域共生社会づくり」『福祉広報』p.2〜5

2022年2月「全国民生委員大会シンポジウム:地域共生社会の実現と民生委員・児童委員活動〜新型コロナウイルス禍を踏まえて考える〜シンポジウムコーディネーター」p.12〜p.17、『ひろば』全国民生委員児童委員連合会、DVD配布

2022年3月「2022年3月、実践報告「移動支援を柱とした住民主体による地域共創モデル事業」講評『第28回ニッセイ財団ワークショップ記録集』p.35・36

2022年3月「はじめに」ⅲ〜ⅷ『単位民児協運営の手引き[令和4年3月版』全国民生委員児童委員連合会

2.講演(研修会講師等)

2020年9月東京都新任民生委員・児童委員研修『地域福祉の支えてとして民生委員・児童委員』(DVD)を2021年度も配布、

2021年7月5日・12日講義「社会福祉学」家庭裁判所調査官養成研修、裁判所職員総合研修所

2021年8月講演「地域共生社会の実現に向けて」とパネルディスカッション、広島県地域共生社会推進フォーマル(DVD+ホームページ掲載)

2021年8月講演「地域福祉の動向と地域福祉コーディネーターへの期待」長野県地域福祉コーディネーター養成研修、長野県社会福祉協議会

2021年10月コーディネーター「福祉系大学経営者協議会勉強会2021地域共生社会における福祉人材養成とは、第3部シンポジウム<今後の福祉人材の養成課程を考えるー子ども家庭福祉の課題を中心に」福祉系大学経営者協議会HPに記録が掲載 

2011年10月講演「コロナ禍における民生委員・児童委員・民児協活動」『福祉と共生のまちづくり研修会』大阪府民生委員児童委員連合会(オンライン研修+DVD配信)

2021年10月・12月・2022年2月講義「地域福祉をめぐる課題と展望」自治大学校

2021年11月コーディネーター「全国民生委員大会シンポジウム:地域共生社会の実現と民生委員・児童委員活動〜新型コロナウイルス禍を踏まえて考える〜」全国者会福祉協議会民生部

2011年11月講演「コロナ禍においても民生委員・児童委員活動を進めるために〜リーダーに求められる役割〜」札幌市民生委員児童委員会長研修(録画配信)

2011年11月上野谷加代子氏と対談「民生委員・児童委員のお悩み解決!方面道場(基礎編)大阪府民生委員児童委員連合会(DVD配信)

2022年1月講演「社協がボランティアセンターを担う意義とは」山口県社協市町社協地域福祉・ボランティア担当職員研修会(ライブ配信)

2022年2月講演とシンポジウムコーディネーター「民生委員・児童委員活動を進めるために〜都道府県・指定都市民児協のリーダーに求められる役割〜」民生委員大学

2022年2月講演「高齢者が安心して暮らし続けることができる地域づくり」香川県善通寺町

3.他組織における役員

三鷹ネットワーク大学推進機構副理事長

・東京神学大学評議員

・福祉系大学経営者協議会理事

・医療法人財団慈生会野村病院監事

・世田谷区者会福祉協議会評議員専任・解任委員会委員長

・東京都つながり創生財団評議員

・東京都社会福祉協議会法人評議員

4.学会活動および地域・社会における主な活動 (学会の役員、査読委員、その他役割など)

・日本社会福祉学会監事

・小金井市介護保険運営協議会会長

・調布市高齢者福祉推進協議会顧問

・三鷹市介護保険事業計画検討市民会議委員長(2021年度)

・三鷹市社会福祉協議会地域福祉活動計画策定委員長

・武蔵野市健康福祉総合計画推進会議会長・地域福祉計画策定委員会委員長

・練馬区介護保険運営協議会会長

・世田谷区共同募金配分委員会委員長

・東京都社会福祉協議会総合企画委員会委員長

・全国社会福祉協議会全国ボランティア市民活動振興センター運営委員長、「単位民児協運営ハンドブック」編集委員会委員長

・『日本の都市総合力評価(JPCI)有識者委員会(Expert Committee)』 委員<社会福祉担当>(森記念財団)

・厚生労働省寄り添い型相談支援事業等選定・評価委員会委員

『単位民児協 運営の手引き[令和4年改訂]』

 全国各地で、コロナ禍における地域再生の新たな取り組みがなされてきました。全国民生委員児童委員連合会も、様々な取り組みを行っておられますが、今回は、『単位民児協運営の手引き{令和4年3月版}』の作成を行い、私も関わらせて頂きました。そこで学びましたことは、添付します「はじめに」において書かせて頂きました。私は、民生委員児童委員が孤立することなく、継続して活動を続けていくためにも、行政や社協とともに、単位民児協の役割は極めて大きいと考えております。どうぞ、活動支援にお使い下さい。
なお、皆様に送らせて頂く本報告は、また近々全社協のホームページにも掲載され、4月中に発行される予定です。

報告書 https://www.dropbox.com/s/dmsp6dnexj0o91e/%E5%8D%98%E4%BD%8D%E6%B0%91%E5%85%90%E5%8D%94%E9%81%8B%E5%96%B6%E3%81%AE%E6%89%8B%E5%BC%95%E3%81%8D%E6%94%B9%E8%A8%82%E7%89%88.pdf?dl=0

「New Education School ひかりの学校」

 ご依頼を受け、2016年6月20日、長野県の北西部にある町の公民館で話を始めてすぐに、幼児を連れた女性が会場に入ってきました。はじめは住民の方だと思っていましたが、その顔に見覚えがあることに気がつきました。その女性は、何と、ルーテル学院大学の卒業生で、児童養護施設に勤めながら、大学院にも入学して修士号を取得した浜野さんでした。私は、浜野さんが大学院に入学した時に伝えた動機を思い出します。「子どもへの思いや愛情は、大きな壺に一杯入っていましたが、それぞれの子どもに注いでいるうちに、空っぽになってしまう。その壺を愛情で一杯にするために、大学院に来ました」という浜野さんの誠実さに私は感動したことを忘れられません。

 思わぬところで久しぶりにお会いし、今のお仕事をご本人にお聞きしたところ、同じく児童養護施設の職員であった高林さんと結婚し、2人で安曇野の地に移住して、「ひかりの学校」を開設したとのことでした。活動を開始するために、たくさんの課題を解決し、子どもたちを育て、住民の方々、福祉・教育関係者の信頼とを築き、今の「ひかりの学校」があります。

 私は、「New Education School ひかりの学校」を推薦します。そこで、高林さんご夫婦がご寄稿下さった分を紹介させて頂きます。

 「3月16日、家の庭に蕗のとうが顔を出し、春の訪れを知らせる暖かい日に、夫と私は6人の卒業生を送り出しました。「New Education School ひかりの学校」の卒業式です。

 7年前に夫と共に始めたひかりの学校は、長野県安曇野市にあります。山と畑に囲まれている自宅兼用の小さな学校です。

 公立の学校を行き渋っていた子、クラスで問題行動を起こしては毎日のように親が呼び出されていた子、情緒障害が疑われるので服薬をすすめられた子、不登校になって家に引きこもっていた子…等々、ひかりの学校の生徒には、ひかりの学校を選択した様々な理由があります。でも、ひかりの学校は、その子どもたちにとってのただの居場所でもなければ、避難場所でもありません。自分の本当の力を知り、学ぶ場所、成長する場所です。

「主に望みをおく人は新たな力を得鷲のように翼を張って上る。イザヤ40」

 ただし、多くの子どもや親御さんが傷つき、ひかりの学校を訪れます。

「ヤコブの神はわれらの避け所である。詩篇46」

 新たな力を得て、学び、成長するためには、大人も子どもも神の守りが必要であることを、子どもも大人も共に日々学んでおります。

 「自分自身を愛するように、隣人を愛しなさい」

 「人と人の関わり」を大切にして、「衝突と葛藤」の中で子どもが成長することを支え、導き、指導しています。当たり前のことのように聞こえるかもしれませんが、意識しないとできないことです。愛するとは、本当に難しいことです。

 朝8時半、「おはようございます!」と子どもたちが登校してきます。親御さんに車で送迎してもらう子どももいれば、徒歩、自転車、電車通学の子どももいます。小学生から中学生まで15人前後の子どもたちが通学しています。

 毎週水曜日には、私たち家族が通っている教会の牧師さんに講師として来ていただき、聖書の学びも行なっています。バンドチームとダンスチームに分かれて讃美もします。証の時間もあります。「感謝したことを言葉にして話してごらん」と説明しても、最初子どもたちは何を言えば良いのかわからなかったし、感謝することすら思いつきませんでした。全てのことが「あたりまえ」になっていたのです。しかし、お母さんがお弁当を作ってくれること、お父さんが学校に送迎してくれること、友だちと遊べること、元気で生きていること、全てが感謝することなのです。今、子どもたちは立候補して証をするようになりました。

 先日の卒業式では、6人の卒業生が一人一人挨拶をしました。その中の一人中学1年生の男の子が、「僕は仮病を使って学校を休んでいました。でもひかりの学校で初めて、先生だけが仮病のことを怒ってくれました。休みたい時は『休みたい』と言いなさいと言われました。…中学に行っても僕は仮病は使わない。」と泣きながら話をしました。この子の口から出る言葉を、仮病という嘘ではなく、本当の気持ちを言えるように夫が指導してから、この子の休みはどんどん少なくなって、とうとう学校を休まなくなりました。

 「隣人について偽証してはならない」

 何か心に傷があろうとなかろうと、子どもといると多くの嘘を聞きます。でも、子ども自身がこんなに自分が言った嘘に苦しんでいたこと、そして嘘から解放されたことが泣くほど嬉しかったことは、「御言葉の正義の証人になった」と強く感じました。

 これから社会に出れば、どうしても「人と人との関わり」よりも、点数で評価される、競争社会の中に生きることになります。その中で私たちは、人に苦しむのではなく、罪に苦しみます。罪とは神の愛から離れることです。そしてその罪を贖ってくださったのがイエスキリストです。

「身分の低い、この主のはしためにも目を留めてくださったからです。ルカ書」

 全国的に不登校児童数は増加が止まらず、20万人を超えるのもすぐだと予想しております。にもかかわらず、ひかりの学校のような民間教育施設(フリースクール)の運営に関しては、長野県も全国的にも法的な整備がほとんどありません。

 ひかりの学校の学校では月の学費が一人約2万円程度で、15人前後の子ども達の学習活動をしております。ひかりの学校の基本的な収入と運営費は以上です。これで7年間の運営ができ、小中学生3人の子との家族5人で生活できていることが、イエスキリストの名に守られていることの証です。

 しかし活動に関しては、パソコンやタブレットなどのデジタル機器、楽器類、工作や機械道具、キャンプなどの野外活動の道具、体育道具など、長野県の山の中の小さな学校にも関わらず、贅沢なものを揃えていると自負しております。

 「まず神の国と神の義を求めなさい」との言葉通り、必要なものは「添えて」与えられております。神への感謝の毎日です。

 また、ひかりの学校でとても大事にしているのは、子どもの親御さんとの関わりです。時には子どもと同様か、子ども以上に悩みや辛さを抱えている親御さんも少なくありません。

 4年前からの取り組みで、ひかりの学校では親御さんとの子育ての学びを行なっております。現在も「チャイルドレイジング」という名前で不定期ではありますが、2021年度も5〜6回を1シーズンとして、2シーズン行うことができました。

 チャイルドレイジングとは「子育て」という意味ですが、「子どもの立て上げ」と直訳されるのでしょうか、この響きが気にって使っております。

 いつも「子育てとは親育ち。子どもを育てるために親がいるのではない。親が育つために、神から親へのギフト(祝福)が子ども」ということを前提に、親御さんと学んでいます。

 また教会の牧師が保護者との悩みや相談を定期的に聞き取り、保護者との密な関係作りをサポートしてもらっています。

 兎にも角にも重くなりがちが教育や子育てのトピック。これを楽しく明るく、時には思いを涙と一緒に綺麗に流しながら続けております。

 あるお母さんの、「この1年間で私は成長できました。人を変えるのではなく、自分が成長することが大事であることを学びました。そして自分が変わることで、子どもや家族が変わることを学びました。夫に頼っていいことを知り、夫も子育てに真剣に取り組んでくれるようになりました。この1年間で恥もたくさんかきましたが、私は恥を恐れる気持ちにも強くなれたと感じています。」と保護者会で泣きながら話してくれる姿に、他の保護者も夫も私もみんなで泣きました。

「こころの貧しい人たちは、さいわいである、天国は彼らのものである。

悲しんでいる人たちは、さいわいである、彼らは慰められるであろう。マタイによる福音書 」

 聖書にも7年は節目の年とありますが、ひかりの学校もこの7年間が終わり、次のステージに進む時期となっております。具体的には100人の子どもが学べる環境を整えることです。

 スタッフは12人程度、校舎は保育園くらいの規模を望んでおります。

「わたしはぶどうの木、あなたがたはその枝である」

 ひかりの学校の転換期であるからこそ、聖霊の実が誰からも見え、触れられるような主の学校としなくてはいけないと思っております。

 是非、長野県安曇野市まで来ていただき、神の創った、安曇野の大地と北アルプスを臨むひかりの学校で学ぶ子どもの目を見に来てください。

 そして大小に関わらず、寄付をお願いいたします。正直なところ、主に守られているひかりの学校ですが、資金は常に火の車です。今必要なのは、新しい校舎とそこで神に仕え、子ども達を支えるスタッフへの給与です。

 今回、市川先生のご好意で「ひかりの学校」の活動報告をさせていただく機会を与えられたことに、心から感謝しております。」

 私からも皆さんにお願いします。どうぞ、「ひかりの学校」を応援して下さい。

八十二銀行穂高支店483 普通口座 639472 フリースクールひかりの学校あづみの本校