大学関連
1. 現在 ルーテル学院大学名誉教授
2.学歴
早稲田大学法学部、日本社会事業学校研究科、東洋大学大学院社会学研究科社会福祉専攻博士前期課程・後期課程、ロンドン大学ロンドン・スクール オブ エコノミックス(LSE)特別研究員2002~2004年
3.専門分野:社会福祉政策・地域福祉・高齢者福祉
4.研究テーマ:全国・都道府県・市区町村の行政、社協、民間団体における計画の策定、実施、評価および調査研究、人材養成・研修等に多数関わる。全国各地の実践から、様々な「地域の福祉力」を学び、各地域に合った地域福祉実践を研究テーマとしてきた。特に近年、地域の福祉力を高め、孤立を防ぎ、「おめでとう」で始まり、「ありがとう」で終わる一人ひとりの人生が守られる、希望あるまちづくり、共生型社会づくりに挑戦している。
5.学会の活動
日本地域福祉学会監事、前日本社会福祉学会監事、前キリスト教社会福祉学会会長
6.法人関係
・東京神学大学幹事
・医療法人財団慈生会野村病院監事
・東京都つながり創生財団評議員
・東京都社会福祉協議会評議員
・日本ケアシステム理事
7.最近の主な学外活動
・三鷹市社会福祉協議会地域福祉活動計画策定委員会委員長・作業委員会委員長(2022年度)、副会長
・三鷹市介護保険事業計画検討委員会市民会議会長
・小金井市介護保険運営協議会会長
・武蔵野市健康福祉総合計画推進会議会長・地域福祉計画策定委員会委員長(2022年度まで)
・調布市高齢者福祉推進協議会顧問
・世田谷区共同募金配分委員会委員長、評議員専任・解任委員会委員長
・練馬区介護保険運営協議会会長
・東京都社会福祉協議会総合企画委員会委員長、法人評議員
・東京都つながり創生財団評議員
・全国ボランティア市民活動振興センター運営委員長(「市区町村社会福祉協議会ボランティア・市民活動センター強化方策2023〜社協VC5つの役割と25の視点』、全社協評議員専任・解任委員会委員、「単位民児協運営ハンドブック(令和4年3月版)」編集委員会委員長
・ニッセイ財団高齢社会助成審査委員
・厚生労働省寄り添い型相談支援事業等選定・評価委員会委員
・『日本の都市総合力評価(JPCI)有識者委員会(Expert Committee)』 委員<社会福祉担当>(森記念財団)
8.最近の講演、執筆等
(執筆)・2022年12月「リーダーに求められる役割」『View221』p.10〜13,全国社会福祉協議会民生部
・2023年1月「全国大会活動交流集会9民生委員・児童委員を支える民児協機能の強化」報告『ひろば』全国社会福祉協議会民生部
・2023年2月「市川一宏の足跡~ 50 年の歩みをふりかえって~ 退職記念随筆」ルーテル学院研究紀要『テオロギア・ディアコニア』 ルーテル学院大学・日本ルーテル神学校紀要
・2023年3月「新体制を迎えた単位民児協の運営について」『View227』p.2〜7,全国社会福祉協議会民生部
・2023年5月「福祉職が語る:ソーシャルワーカーは、新たな絆をつくり、未来の社会を切り開く」東京都社会福祉協議会『福祉情報』
・2023年6月「巻頭言 信州の実践者・開拓者の思いを紡ぐ」『実践者・開拓者であれ!信州の地域福祉の歩み』長野県社会福祉協議会・信州の地域福祉研究会
(講演等)・2022年キリスト教社会福祉学会大会基調講演「危機の中にあるキリスト教社会福祉―新たな使命を考える」
・2022年8月6日「地域福祉を推進するルーテル学院大学卒業生の集い・希望の会」主催研修会 テーマ「コロナ禍における地域課題と地域福祉の展開」基調講演 認定NPO法人抱樸理事長奥田知志氏「孤立のない社会をめざして~コロナ禍における伴走支援の現場から」
・2022年8月27日「縁の会」主催 令和4年度(2022年)研修会 講演「当事者の社会参加とは ~共に歩むソーシャルワーカーの想いとは~」 ソーシャルワーカー 伊藤恵里子(ルーテル学院大学卒業生10期)グループワーク
・2022年度オンライン一日神学校シンポジウム「ルーテルのミッション ~心と福祉と魂と」司会:石居基夫 学長 シンポジスト:市川一宏、ジェームス・サック教授、金子和夫教授
2022年12月22日都立練馬高校 ボランティアの日(東京都・東京ボランティアセンター・練馬区ボランティアセンター共催)
・2023年3月4日 最終講義『市川一宏の足跡』
・家裁調査官研修7月4,11日『社会福祉学』
・4月〜6月国際キリスト教大学「社会福祉概論」
・京都府・宮城県・横浜市・新潟市・横浜市・岩手県において講演・ワークショップ、民生委員大学において講演・ワークショップ
・自治大学校「地域福祉の課題と自治体の政策〜コロナ禍における地域ケア」(4回)
・中央福祉学院社会福祉主事資格認定通信課程 特別講義『求められる社会福祉〜コロナ後における共生社会の再生をめざして』(3回)
・2023年6月NHK ハートネットTV「フクチッチ」「社会福祉協議会」特集
投稿日 23年07月17日[月] 7:34 AM | カテゴリー: カテゴリ無し,共助社会づくり,大学関連,社会福祉関連
投稿日 23年06月03日[土] 1:22 AM | カテゴリー: カテゴリ無し,共助社会づくり,大学関連,社会福祉関連
さて、卒業生から、以下にメールが届きました。よろしければ、ご覧下さい。
ドキュメンタリー映画「帆花」
http://honoka-film.com/
帆花さんお母さん記事
https://www.buzzfeed.com/jp/naokoiwanaga/2022-kaiko-honoka-1
95年にルーテル神学大学時代に社会福祉学科に入学し皆さんと同じ場で学んだ卒業生の雲下加奈と申します。
ほのかさんは胎児の時、お母さんのおなかの中で元気に動き回っていたそうです。出産時にへその緒が切れてしまうというハプニングがあり、10分間の心肺停止状態に陥った事で、脳死に近い状態となり、今に至ります。
ほのかさんのお母さんの理佐さんは私の中学・高校の友人で、卒業以来連絡を取っていなかったのですが、彼女がSNSを通してほのかさんとのお家暮らしを発信していたことから再開を果たしました。何度かご自宅に伺っていますが、ほのかさんの瑞々しい生命力にはいつも元気をもらっています。彼女の周りはほわんと明るく、暖かな空気で包まれているんです。理佐さんは一人でも多くの人にこうしてお家で暮らしている子供がいる、と知って欲しいと願っています。学生の皆さんで興味があればご自宅への見学も歓迎されるそうです。福祉を学ぶ皆さんにとって、とても素敵な出会いになると思います。
よかったらぜひ、記事を通して、映画を通して、そして実際のほのかさんに会うことで何か感じて頂けたらと思います。
自称ほのかさんの叔母(笑)雲下 加奈
投稿日 23年02月10日[金] 11:09 AM | カテゴリー: カテゴリ無し,共助社会づくり,大学関連
投稿日 22年11月12日[土] 11:54 AM | カテゴリー: カテゴリ無し,共助社会づくり,大学関連
11月5日(土曜日)・6日(日曜日)の両日、3年ぶりに愛祭が開催されました。在学生の多くが、学園祭を経験していない中で、試行錯誤しながら準備を進めていました。たいへんであったと聞きました。しかし、両日とも天気が良く、多くの在学生、卒業生、そして子どもを連れた近隣の方々が、学園祭に来られていました。感謝しています。
私も本年度で定年を迎え、今回が在職中の最後の学園祭となります。今まで、卒業生の方々がよく来られていたので、お会いすることを楽しみに、学園祭に参加していました。そうしましたら、学年を超えて、たくさんの卒業生が来て下さり、久しぶりに笑顔で挨拶を交わし、懐かしい学生時代を一緒に振り返ることができました。ある人から卒業生の年齢の巾はと聞かれましたが、本年で在職39年目を迎えることを考えますと、少なくとも、35年の幅があることになります。
卒業生は、それぞれの思いをもって、大学に戻ってきて下さいます。私が本年で定年を迎えることを知っていて、会いに来て下さった方々もおられるし、自分の仕事での戸惑いを感じながら、相談する方々、ご家族を連れて近況を報告してくれる方々等々、一人ひとりにお会いして、私は大きな宝物をもらった気持になりました。
社会で、貧困、孤立等の深刻な問題が広がり、コロナ禍で相互の関係がズタズタにされた今だから、また日本国内だけでなく、世界中で、戦い、自然災害が起こり、皆が不安の中にある今、私は、「大切なもの」「大切なこと」を守っていきたいと思っています。私にとって、ルーテル学院大学・大学院、神学校のネットワークは、もっとも「大切にしたい絆」です。卒業生同士の絆、教職員と卒業生の絆、ルーテル学院の土壌に広がるネットワークは、これからも強められていくと思っています。何故なら、現にコロナ禍にあって、厳しい環境に置かれながら、卒業生は、社会福祉現場、医療現場、教育現場、民間企業、地域、家庭で、それぞれが歩み、働き、また神様から与えられた自分の人生を生き抜いています。それぞれの存在が輝いているのです。だから、出会った一人ひとりから、生きていく勇気を与えられるのです。
ただ、私は39年をふりかえり、ルーテル学院で学生生活を送った皆さんに、何ができたか甚だ不安です。もっと良い教育やアドバイスができたのではないかと反省し、要望に十分答えられないことが多々あったことお詫びしたいという気持が大きい。しかし、今回、多くの卒業生が会いに来て下さり、同時に励ましを頂きました。また来られない卒業生からも、仕事で来られないという返事、健康を心配するメールがたくさん届き、私はただ感謝するのみです。神様がお許しになる限り、非力な私ですが、卒業生の方々と一緒に希望ある未来に向かって歩いていきたいと思っています。
学園祭に来られた方にはお渡ししたクッキーです。多くの方々に届けたいです。
投稿日 22年11月07日[月] 12:31 AM | カテゴリー: カテゴリ無し,大学関連
愛祭実行委員会からのご連絡です。
3年ぶりに開催される、ルーテル学院大学の学園祭、第42回【愛祭(めぐみさい)】は、来週末11月5日(土)・11月6日(日)の10:00~16:00に構内で開催されます。
伝統ある本学の聖歌隊による素敵な歌声の「聖歌隊コンサート」や、大人気ゲーム機本体・ソフトが当たる豪華な「ビンゴ大会」、無料で楽しいゲームができる「えんにち」など、楽しい企画が盛りだくさんです。キッチンカーでおいしいご飯やスイーツも提供します。
愛祭情報は大学HPに情報を更新して掲載されています。ご家族の方・ご友人等への共有は下記HPをご利用ください。
https://www.luther.ac.jp/campuslife/nenkan/mgumi.html
よろしくお願いします。
愛祭実行委員会
この間、私は大学にいる予定です。もし来られたら、ご連絡下さい。
投稿日 22年10月31日[月] 9:01 AM | カテゴリー: カテゴリ無し,大学関連
2022年10月2日(日曜日)、日本福音ルーテル教会に聖日礼拝で、メッセージをさせて頂きました。市ヶ谷教会は、恩人である故石原寛先生を送り出し、また長く神学校、大学・大学院をお支え下さった教会です。今回が大学の教員として最後の講壇奉仕であり、改めて心より感謝いたします。
1.メッセージをさせて頂くことの感謝=ルーテル学院大学39年間の感謝
今日、市ヶ谷教会におきまして、礼拝のメッセージを述べさせて頂きますこと、心より感謝いたします。私は本年度で定年を迎えますが、私が学長であった14年間も含め39年間、私とともに、日本ルーテル神学校、ルーテル学院大学・大学院をお支え下さいました。今日は、感謝をもって、「私にとって大切なもの」というテーマで、お話しさせて頂きます
2.コロナ禍における問題
コロナ禍にあって、2つの危機が顕在化しました。ひとつは、関係性の危機です。その代表的な状態がひきこもりです。内閣府は2019年3月29日、自宅に半年以上閉じこもっている「ひきこもり」の40~64歳が、全国で推計61万3千人いるとの調査結果を発表しました。7割以上が男性で、ひきこもりの期間は7年以上が半数を占めています。内閣府では15~39歳も合わせた引きこもりの総数は100万人を超えるとみています。さらに2020年3月より続くコロナ感染症の拡大によって、特に高齢者・障がい者の孤立化が顕著となり、感染を恐れて外出や関わりを控えた結果、ひきこり状態にある虚弱な高齢者、認知症の高齢者が増加したのではないかと危惧されています。
もう一つは経済的危機です。生活保護受給者の数は、2021年1月現在被保護実人員は2,049,630人、被保護世帯は1,638,184世帯に達し、コロナにより仕事を失った方々も増え、生活保護の申請が増加しています。また、非正規雇用、失業のなかで生活に困窮する現役世代が増え、結果として子どもに及ぶ貧困の悪循環をどのように断ち切るかが課題になっています。
今は、私たちが経験したことのない深刻な生活問題が顕在化していると同時に、今まで何とか生活を維持してきた脆弱な生活基盤のもとに暮らしていた人がコロナの影響で基盤を失っています。そして、多くの危機は、顕在化している以上に、社会の中で深く潜行し、進行しているのです。
3.老いても希望を失わず、生きていく姿は、神様の愛そのもの。だから、生きていく姿を多くの人に伝えたい。
私は、特に、混迷する社会において彷徨い、自分の居場所がなく、追い詰められている若者が増えている現状を心配しています。今の生活に絶望することなく、明日を一緒に歩んでいくために、若者に、大切なもの、すなわち希望をもって生きていくことができるよう、すなわち神様の愛を伝えたいと思っています。
確かに予想していないことに直面し、戸惑い、立ち止まってしまう時があります。私の14年の学長としての時期をふりかえり、いくつもの困難があったことを思い出します。学長としての最初の困難は、前任者の恩師である清重先生の後継になりえるのか。自信も確信もありませんでした。それも教会が建てた大学の運営を、牧師でない一信徒である自分が担えるのか、戸惑いと孤独感が重く私の肩にのしかかりました。周りの方も随分心配なさったと思います。その葛藤の中で、私が覚悟したことは、講壇奉仕だけでなく、講演や仕事で近くまで行った時に、日本福音ルーテル教会、日本ルーテル教団の教会を訪問することでした。今数えてみると、訪問していない教会は、全国の119教会中、10以下になっていました。私は教会を訪問し、牧師や信徒の方々にお会いし、それぞれの思いを知ることができましたし、自己紹介もできました。教会訪問によって、学長として立ち位置を学ぶことができたことは、私にとって貴重な経験でした。なお、2002年4月に学長になって以降、当時の理事長で、市ヶ谷教会の教会員であった故石原寛先生は、いつも私の思いを受け止め、いつも応援して下さいました。私の恩人です。
しかし、本当に辛い時もありました。その一つは、病気、交通事故、自死で学生が亡くなるという現実に直面した時です。ご家族の嘆き、学生や教職員の動揺、関係者の不安等々、大学は急に混乱ただ中に置かれました。今までの笑顔が一瞬で消え、悲しみが大学全体を覆います。当然、学長としての判断が問われました。まさに浅野順一牧師が書かれたヨブ記の世界。浅野順一氏は、ヨブ記について書かれた書物 (『ヨブ記』岩波新書1968年、p.23~27)で、 こう言われました。「生活や心の中に穴が開いており、そこから冷たい隙間風が吹き込んで来る。そして、その穴から何が見えるか。穴の開いていない時には見えないものがその穴を通して見える。貧しきこと、悲しむこと、義のために迫害されることはそのままでは幸福に結びつかない。それは穴を埋めるだけでなく、 むしろ穴を通して何かを見る、そのことによって不幸が幸福に変えられるのであって、ここに宗教のもつ逆説が成立する」と。
私は、事態の連鎖が怖く、事実を曖昧にしたいと思うこともありました。言葉にならない悲しみを経験し、葛藤のただ中にあった私たちは、神様から祝福された与えられた命をきちんと受け止めることが、第一にすべきことだと確信し、悲しい事実に真向かおうと決意しました。神学関係の授業を教え、牧師である教員の存在はとても大きかったことを思い出します。その決意以降、私たちの視界が広がり、覆っていた霧が晴れていきました。貴重な青春時代に大学で学んでいる学生、一緒に歩んで下さる教職員、支えてくださっている教会員やたくさんの方々の存在を再確認できました。そして、苦しみのただ中にある私たちに差し出された神様の救いのみ手が見えたと思いました。そもそもルーテル学院には、中心的場所として礼拝堂がある。ならば、学内に祈りの場を設け、皆でその学生を追悼する礼拝を行い、神様に勇気づけられて、皆で事実を受け止めることを目指しました。皆で亡くなった学生への感謝と哀悼の意を表し、互いの思いを大切に、一歩づつ、明日に向かって歩みだすことができたのでした。
4.「わたしたちは、見えるものではなく、見えないものに目を注ぎます。見えるものは一時的で過ぎ去りますが、見えないものは永遠に存在するからです」
聖句に戻ります。
「だから、わたしたちは落胆しません。たとえわたしたちの「外なる人」は衰えていくとしても、わたしたちの「内なる人」は日々新たにされていきます。 わたしたちの一時の軽い艱難は、比べもにならないほどの重みのある永遠の栄光をもたらしてくれます。わたしたちは、見えるものではなく、見えないものに目を注ぎます。見えるものは一時的で過ぎ去りますが、見えないものは永遠に存在するからです。」(コリント人への手紙第2)
パウロは、キリスト教に改宗し、伝道者となります。それは今までの名誉と地位、生活を捨て、迫害される立場になることを意味します。パウロは20数年、各地をまわり、追われ、最後には捕まり、処刑されます。コリント人への第二の手紙は、パウロがコリント人への第一の手紙を書いたすぐ後,彼の教えに反する暴動がエペソで起こり(使徒19:23-41参照),パウロはマケドニヤへと逃れ、その地で書かれたものだとされています。
そのような状態にあって、パウロは「わたしたちは、見えるものではなく、見えないものに目を注ぎます。見えるものは一時的で過ぎ去りますが、見えないものは永遠に存在するからです」と語るのです。
5.老いを生きる
私には、老いの生活が待っています。加齢によって、これからもますます身体の機能は低下します。愛する家族や親しかった友人を失う悲しみは増えるばかり。しかも仕事は定年を迎え、自分にふさわしい新たな役割を探さなければならない。なのに、明日への希望を持つことができるだろうか不安です。頭を抱えて、明日への歩みを止めてしまっています。しかし、感動する心と希望をもって、明日に向かって今を生きておられる先輩の方々の生き方に、私は感動を覚えます。そして、その生きる姿は、神様の愛そのものだと思っています。コロナ禍にある生活は困難が伴います。生きていくことは大変です。だからこそ、「老いの坂をのぼりゆき、かしらの雪つもるとも、かわらぬわが愛におり、やすけくあれ、わが民よ」(日本基督教団讃美歌第一編284番)と讃美歌にあるように、山の頂に向かって歩み続ける方々の生きる姿に私は勇気づけられます。繰り返しになりますが、「生きること」が神様の愛であると思うのです。
確かに、楽しかった時に戻ることはできません。また、誰にも将来を見通すことはできません。過去の後悔に押しつぶされそうになります。しかし、神様の愛のまなざしを心にとめ、日々祈りつつ今を生きることによって、過去の事実は変わらなくとも、過去の意味が変わっていく感動を、神様はたえず私たちに与えてくださっているのではないでしょうか。
6.これからの自分自身が目指す生き方
私には、まだまだ仕事があります。今は、まだ現役として働いています。年齢を重ね、それができなくなっても、大切な仕事があります。それは最後の時、支えてくれた家族や人びとに感謝するという仕事が残されます。それは人生最後でもっともすばらしい証し。感謝する自分の命が光る。家族や友人、専門職等の見看る人びとの思いがその人の命を通して光る。その人を支えてきた神様の愛が、その人の人生を通して光り続ける。神様の愛は、とどまることなく最後まで私たちに注がれています。私は、人生に停年はないと言いたい。
私は、こんなにケアを必要とする状態になっても生きているのはエゴだという意見を聞くことがあります。「生きる」メッセージを見逃しているのではないかと思います。このような人生に生きている方々の姿を、私は多くの若者に伝えたいのです。人生の最後まで生きる姿は、世代を超えた共通言語です。解説する必要はありません。
これまでのお話しでおわかりになって頂けたら幸いです。「私にとって大切なもの」とは、生きることであり、それ自体が神様の愛です。神様が、日々の生活を通して、一人ひとりの命を祝福して下さっている。だから生きること自体が神様の愛なのです。老いを自分自身のことと考え、コロナ禍にあって、様々な困難に直面することによって、私は、少しづつ、見えなかった神様の愛に気がつくようになってきました。聖書には、「見えないものは永遠に存在するからです」と書かれていますが、見えないものとは、神様の愛ではないでしょうか。
ちなみに、私たちの卒業生は、この神様の愛に応えるべく、日々働いているのです。
投稿日 22年10月06日[木] 7:29 AM | カテゴリー: カテゴリ無し,大学関連,教会関連
シンポジウム「ルーテルのミッション ~心と福祉と魂と」
司会:石居 基夫学長
シンポジスト:市川 一宏教授、ジェームス・サック教授、金子 和夫教授
キリスト教社会福祉コースから社会福祉学科へ 87年前後から
この福祉教育の展開の中でルーテルは何をミッションとしてきたのか
キリスト教カウンセリングコース(1992)から 臨床心理学科(2005)
PGCの実績が何をルーテルに与えてきたのか
3学科体制(2005)から1学科5コース体制へ(2014年)
人間福祉心理学科となってルーテルの教育の変化と継承
以下のyoutubeでご覧頂けます。40分過ぎよりシンポジウムが始まります。
投稿日 22年10月03日[月] 11:35 AM | カテゴリー: カテゴリ無し,大学関連
こんにちは。2006年3月に大学院博士前期課程を卒業した佐甲です。
先日の「希望の会」では、社協などで地域福祉に携わる方々ルーテル学院の同窓の民様とと、オンラインという限られたなかではありますが、久しぶりにお顔を拝見できたり、お話ができたりして、大変うれしく思いました。また、奥田さんのお話も長きにわたるホームレスの方々への個別支援からはじまった実践が、今や、地域でのつながりづくりを中心に据えたすばらしい地域福祉実践となり、また制度や仕組みに対峙していくお話はたいへん感銘を受けました。
さて、私ごとですが、厚生労働省への出向も含めて37年間勤務した全国社会福祉協議会を本年3月に退職し、4月から岐阜県の中部学院大学で教員として新たなスタートを切ることとなりました。
全社協の勤務のうち20年余りは地域福祉関係の仕事に携わりました。社会福祉の制度や福祉サービスが、どんどん地域生活のなかで身近な存在となり、あるときは支えられ、あるときは支える、当事者も含めた誰もが関わり、参加・協働の実践として地域福祉が広がっていくことを実感する一方で、今回のコロナ禍を含めて阪神淡路大震災、東日本大震災をはじめ度重なる自然災害やパンデミック、困窮者問題や社会的孤立、制度の狭間などいわゆる地域生活課題が拡大し、地域福祉により一層施策に裏付けられた目に見える実態の伴った実践が求められている時代になったとも感じています。
この間、最先端の取り組みを実践する社協職員や実践者の方々と一緒に仕事ができたこと、ルーテル学院大学でも新しい仲間とも出会い、特に市川先生、そして和田先生には全社協時代には上司として、大学院では奇遇にも教員という形で、厳しくも楽しくご指導をいただいたことは私の財産であり、一人ひとりの皆さまに心より感謝しています。
全社協での最後の2年間の新型コロナ感染拡大に伴う生活福祉資金の特例貸付の担当部長としての仕事は、全国の社協の方々にも大変厳しいものとなりましたが、わが国の困窮者、フリーランス、非正規雇用者、母子家庭・・・地域生活課題の広がり、深刻化していることを思い知らされ、顕在化されたそれらの課題に、社協がそして地域福祉がどのように立ち向かっていくのかという改めて大きな課題を突き付けられています。
全社協という仕事は、地域の実践があるわけではないので、そこから離れると自分の無力さも感じています。しかし、新たな仕事をいただいたことを機会にして、今、地域福祉に突きつけられている課題に対して、できうれば社協職員や民生委員・児童委員の方々とともに、少しでも新たな地域福祉の姿を拓いていきたいと感じています。そして、地域を基盤とするソーシャルワークということを、どのようにこれからの福祉の道を志す学生に伝えていくか、岐阜の地域福祉への貢献ということを考えていきたいと思っています。
最後に、今はまだ岐阜の新参ものですが、こちらにお越しの際は、お気軽にお声かけください。
佐甲学 中部学院大学
投稿日 22年09月06日[火] 11:36 PM | カテゴリー: カテゴリ無し,共助社会づくり,大学関連,希望ある明日に向かってメッセージ
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