希望ある明日に向かって歩むぞメッセージ

こんにちは。2006年3月に大学院博士前期課程を卒業した佐甲です。

先日の「希望の会」では、社協などで地域福祉に携わる方々ルーテル学院の同窓の民様とと、オンラインという限られたなかではありますが、久しぶりにお顔を拝見できたり、お話ができたりして、大変うれしく思いました。また、奥田さんのお話も長きにわたるホームレスの方々への個別支援からはじまった実践が、今や、地域でのつながりづくりを中心に据えたすばらしい地域福祉実践となり、また制度や仕組みに対峙していくお話はたいへん感銘を受けました。

さて、私ごとですが、厚生労働省への出向も含めて37年間勤務した全国社会福祉協議会を本年3月に退職し、4月から岐阜県の中部学院大学で教員として新たなスタートを切ることとなりました。

全社協の勤務のうち20年余りは地域福祉関係の仕事に携わりました。社会福祉の制度や福祉サービスが、どんどん地域生活のなかで身近な存在となり、あるときは支えられ、あるときは支える、当事者も含めた誰もが関わり、参加・協働の実践として地域福祉が広がっていくことを実感する一方で、今回のコロナ禍を含めて阪神淡路大震災、東日本大震災をはじめ度重なる自然災害やパンデミック、困窮者問題や社会的孤立、制度の狭間などいわゆる地域生活課題が拡大し、地域福祉により一層施策に裏付けられた目に見える実態の伴った実践が求められている時代になったとも感じています。

この間、最先端の取り組みを実践する社協職員や実践者の方々と一緒に仕事ができたこと、ルーテル学院大学でも新しい仲間とも出会い、特に市川先生、そして和田先生には全社協時代には上司として、大学院では奇遇にも教員という形で、厳しくも楽しくご指導をいただいたことは私の財産であり、一人ひとりの皆さまに心より感謝しています。

全社協での最後の2年間の新型コロナ感染拡大に伴う生活福祉資金の特例貸付の担当部長としての仕事は、全国の社協の方々にも大変厳しいものとなりましたが、わが国の困窮者、フリーランス、非正規雇用者、母子家庭・・・地域生活課題の広がり、深刻化していることを思い知らされ、顕在化されたそれらの課題に、社協がそして地域福祉がどのように立ち向かっていくのかという改めて大きな課題を突き付けられています。

全社協という仕事は、地域の実践があるわけではないので、そこから離れると自分の無力さも感じています。しかし、新たな仕事をいただいたことを機会にして、今、地域福祉に突きつけられている課題に対して、できうれば社協職員や民生委員・児童委員の方々とともに、少しでも新たな地域福祉の姿を拓いていきたいと感じています。そして、地域を基盤とするソーシャルワークということを、どのようにこれからの福祉の道を志す学生に伝えていくか、岐阜の地域福祉への貢献ということを考えていきたいと思っています。

最後に、今はまだ岐阜の新参ものですが、こちらにお越しの際は、お気軽にお声かけください。

佐甲学 中部学院大学