社会福祉関連

令和2年度長野県主任介護支援専門員研修「地域援助技術」(コミュニティソーシャルワーク)

 2020年9月、本研修を行った。例年とは異なり、本年はコロナウイルス感染予防のために、ZOOMのよるビデオ動画を配信することで、今までの研修を基礎としつつ、教材を作り直し、ほぼ1日がかりの録画を行った。

プログラムは以下の通りである。

1.「これからの地域福祉と主任介護支援専門員の視点」(講義) ①今日における社会福祉問題の所在、②介護保険を含む今日の社会福祉政策の動向、③展開されている特徴ある地域福祉活動、④コロナ禍における福祉施策及び活動の現状と課題

2.Q1.家族の介護態勢の検討、Q2.理解促進問題の解答(自己学習)と解答の確認 

3.「地域福祉を進める専門職の目指す方向」(講義) ①社会福祉の援助体系、②社会福祉士・介護支援専門員等の専門職の現状、③地域援助の内容、④高齢者虐待の現状と支援の専門性

4.Q3.高齢者虐待事例の検討、Q4.在宅の一人暮らし高齢者が認知症を発症した事例の検討(自己学習)

5.4.の解答(録画配信)

6.地域資源と協働の可能性ー地域ケア会議を中心に(講義)

7.明日の地域社会を描くー被災地の復興は、私たちの未来である(講義)

確かに、教材の作成には、膨大な時間がかかる。また、受講生の雰囲気を見て理解することはできず、補足もできないので、不安はある。一括して受け止める受講生の質問と評価を待つことになる。但し、様々な可能性も期待されると思っている。後は、技術革新に、私の能力がついていくか、私自身の理解力との折り合いをつけることになるであろう。

練馬区介護保険運営協議会

 8月28日18:00より、練馬区介護保険運営協議会が開催された。ほとんどの委員が参加し、第8期練馬区高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画の答申(たたき台)等に関し、討議がなされました。

 今回の計画は、新型コロナ感染症の影響で、高齢者、介護する家族等の現状はきわめて厳しい。また高齢者が感染しないように配慮を重ね、福祉事業者等も疲弊してきている。このような現状で、行政事務局は、きちんと議論を積み重ね、答申(たたき台)として提案しており、私は会長として評価しています。

 なお、今後は、委員の意見を踏まえ、以下のことを詰めていくことが必要となっていますが、十分可能であると思っています。

 第1に、ニーズの現状分析の強化⇒医療保健福祉の現状把握と課題の明確化⇒課題への対応の具体化と新たなサービスの開拓という視点が大切です。今までの計画づくりとは違うので、覚悟が必要になります。

 第2に、練馬区の実績を活かすこと。練馬区は、①1,000を超える介護事業所があり、施設や在宅の介護サービスを実施していること、②練馬区介護サービス事業者連絡協議会との連携がとられ、定期的な情報共有・意見交換の場を設置し、介護従事者養成研修等の事業を連携して実施していること、③練馬区医師会との連携がとられ、平成25年度から医療・介護関係者や介護家族等で構成する在宅療養推進協議会を設置し、「区民への啓発」「相談体制の充実」「地域での支え合い」「専門職のネットワークの充実」「サービス提供体制の充実」の5つの柱を掲げ、在宅療養の推進に取り組んでいること、④「街かどケアカフェ」「はつらつシニアクラブ」など、様々な団体やボランティアが高齢者を支える区独自の介護予防事業を区民との協働により実施していること、⑤練馬介護人材育成・研修センターによる研修、人材確保、相談支援事業の実施と、練馬区による介護従事者養成研修(区独自基準型訪問サービスの担い手養成研修)、介護従事者養成研修(区独自基準型訪問サービスの担い手養成研修)、元気高齢者による介護施設業務補助事業、介護職員資格取得費用助成事業等の介護人材確保・育成・定着支援事業を実施していること、⑥社会福祉協議会の生活支援コーディネーターによる生活基盤整備 関係機関が参加する協議体を開催。全区だけでなく、練馬地区と大泉地区の協議体を開催され、2020年度から石神井地区の協議体を開催する予定。また、元気なお年寄りがケアの必要なお年寄りのケアに関われる機会を作れるようなコーディネーションも行われていることである。

 以上の実績を踏まえ、現在の状況に当てはめて、①住民の現実の問題を把握し、計画に反映させること、②7期の評価だけではなく、コロナ禍下の保健医療福祉施策の状況を踏まえた8期の計画とすること、③新たな取り組みの可能性を提案すること、に留意する必要があると思います。

希望ある明日に向かって歩むぞメッセージ

 このたび、市川先生よりお声掛けいただき、メッセージを寄せさせていただきます。 

 このコロナ禍に置きまして、罹患された皆様方にお見舞いを申し上げますとともに、亡くなられた皆様方に対しまして、哀悼の意を表します。  

 そして、同窓生の皆様におかれましては、医療・福祉実践の最前線でご尽力されておられますこと、感謝と尊敬の念でいっぱいでございます。 

 少しだけ自己紹介をさせていただきたいと思いますが、私は編入生として1990年代半ばにルーテル学院大学の一員とさせていただきました。その後、別の大学院を修了し、社会福祉協議会に勤務した後、都内の大学にて社会福祉士養成に携わっております。市川先生には、ことあるごとに声をかけていただき、お心にとめていただけますことをありがたく思っております。

 これまで、大学に勤務されておられます御卒業生の皆様もおっしゃっておられますが、4月から現在まで、すべての授業がオンライン授業となっており、実習指導でさえ、オンライン中心でした(実習開始前に数度の対面授業はありましたが…)。

 4月以降は例年であれば、実習前の学生さんたちの相談に乗ったり、就活や卒論で悩む学生さんたちに付き合う日々でしたが一変してしまいました。学生さんたちも、まじめな学生さんたちが多いので、人と会うことを避けてきた結果、体調不良を起こす人も少なくない状況でした。私たちにできることは、話を聞くことしかできませんでしたが、学生さんたちが「聴いてもらうこと」、いわば傾聴の意味を体験的知識として得ていく結果となりました。ゼミ生たちからもここ最近出てくる言葉は、「人と会うことがこんなにも大切なことだとは思わなかった」ということです。確かに、大学生ともなれば、自己学習の機会は増えてくると思います。ですが、本やインターネットの知識だけではなく、他者との交わりの中で、紡ぎだされるものがあるということを改めて「知る」ということは、SNSが生活の主体となる若者の大きな糧として、活きてくることと思います。 

 これまで私はゼミ生とともに、「当事者とともにある」ということを主眼に活動を行ってきました。近年では、寿町での炊き出しのお手伝いや、性被害にあわれた方々とのコラボレーション企画などを進めていましたが、このコロナ禍でストップしてしまった状態です。ですが、当事者の方々が持つ力の大きさやしなやかさに、私たちは学ばせてもらっている昨今です。ともすれば、支援者側が「支援している」感覚に陥りがちですが、当事者の方々の苦しみから得た「体験的知識」に、私たちが学び、突き動かされていることを、このコロナ禍で知る機会となっています。形を変えながら、支援を続けることに英知を結集して挑みたいと思わされる日々です。

 これからも御卒業生のみなさまの各地での働きに力を得ながら、ともに歩み続けたいと思います。 

                              Sato M.

令和2年度小金井市介護保険運営協議会(第8期計画策定に関する専門委員会)

 2020年8月27日、第2庁舎801会議室において、第8期計画策定に関する専門委員会が行われました。私は、同協議会の会長を担わせて頂いています。

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 第8期計画は、今までの計画策定と異なります。その理由は、以下の通りです。第1に、従来は、前年度にニーズ調査、利用者等の意向調査や提供者からの意見把握を行い、それらに基づいて現行の第7期計画を評価し、第8期に繋げていくことになりますが、前年度末より拡大した新型コロナ感染症の影響で、利用者の状況も、活動や事業状況もまったく異なっていること。新たに現状を把握し、第8期に反映させる必要があります。平常時の計画では、効果を持ち得ません。第2に、コロナ禍にあって、新たな福祉の取り組みが求められていること。ZOOMを使った連携や協議、介護予防のための体操にしても、従来の集まって行う方法では限界があり、DVDの配布、新しい媒体を使った実施等、工夫が必要になっています。第3に、そもそも、ニーズの発見、評価、ケア計画、支援、モニタリングという支援の枠組みが寸断される危険性があること。訪問を控えたり、断られたり、従来のパーソナルケアという支援の根幹が揺らいでいることです。地域包括支援センターの相談員、ケアマネジャー、ホームヘルパー、デイサービスセンターの従事者も、日々コロナの感染に気をつけ、緊張しながら支援に当たっています。高齢者及び介護する家族の支援はもちろん、エッセンシャルワーカーである保健医療福祉従事者を支援する仕組みを強化しなければなりません。

 小金井市においては、民生委員児童委員活動、町会活動、多様なボランティア活動というインフォーマルケアの実績がある。また小金井市ボランティアセンターの支援、「また明日」等の民間事業者の多様な活動、医師会の取り組みもあります。また小地域福祉活動や相談活動等の実績がある小金井市社会福祉協議会も新たな体制のもと、地域を耕しています。これらの実績を大切に、新たな施策、活動を接ぎ木していく取り組みが急がれていると思います。

 本委員会をとおして、①現状把握と高齢者等が直面する生活課題の明確化、②未曾有の危機に対する協働の取り組み、③今までの実績を尊重し、小金井市という地で育った木に新しい取り組みを接木する計画作成、④優先順位の明確化、⑤委員会における合意形成が図られることを願っています。

希望ある明日に向かって歩むぞメッセージ

 熊本の大学で精神保健福祉士の養成に携わっています。 

 先日、感動したことを報告します。熊本も新型コロナウイルス感染者が増加し、8月から予定していた病院実習の受け入れができないと幾つかの病院から連絡がありました。15名の実習予定学生のうち、4名が学内実習を余儀なくされました。11名が病院実習に行く予定の最後の講義の前に4名の学生が集まってなにかコソコソとしていました。11名の学生ひとり一人に向けた応援メッセージを書いたカードとお菓子をつめた袋を講義のおわりに渡す準備をしていたのでした。

 マタイによる福音書に「人にしてもらいたいと思うことは何でも、あなたがたも人にしなさい」と書かれています。学生時代の私はよく講義をサボり卒業単位もギリギリでしたが教員・先輩・同級生・後輩みんなが知り合いでぬくもりのある小さなルーテルという場所が大好きでした。そのぬくもりは、ダメな部分も含めてありのままの私を認めて支えてくれていたように感じています。特にI先生には胃袋を含め沢山支えていただきました。

 今の大学では「ルーテルでしてもらったことは、何でも学生にしなさい」をモットーに日々過ごしています。しかし、学生たちはそんなこと関係なく、勝手にお互いを思いやり支え合っていました。そんな学生の姿に勝手に感動し支えられています。                         Patch

希望ある明日に向かって歩むぞメッセージ

 私は現在、長野県松本市にある松本大学(私立)で教鞭をとっています。総合経営学部観光ホスピタリティ学科で社会福祉士の養成に携わっています。

 <近況>大学では、2020年前期は全て遠隔授業になり十数年ぶりに講義の内容をかなりの時間をかけて見直しました。しかし、今一つ満足感がありません。リモートでは、見直しの内容について学生の反応が確認しずらいのです。遠隔授業の方法を一つ獲得できましたが、この方法が当たり前になってはいけないと素直に思いました。          

 <卒業生への思い>昨年、日本福音ルーテル松本教会(教会員)に清重元学長が説教ご奉仕にきてくださいました。私が現役学生時の学長は清重先生でした。   大学卒業以来はじめてお会いしました。従って、およそ30年ぶりでした。       「キリスト教社会福祉」を学んだことに感謝しますと私は先生にお礼を述べました。30年ぶり(?)、やっと気付いたことでした。 

<私たちが取り組むべきこと> 心配をしていることがあります。インドのコルカタにはマザー・テレサが開設した「死を待つ人の家」があります。世界中からボランティアが集まります。修道会のシスターだけでは手が足りず、ボランティアが加わってこそ運営が維持されていると思います。私も学生と一緒によくでかけます。今年は、このコロナ禍でボランティアが制限されています。この夏はどうだったのかなと心配します。 

 これまでの時々の市川先生からの連絡は、いつも仕事の話です。しかし今回は違いました。「契機は、突然届いた、ニューヨークの病院の看護師として働いている岩◎さんという1992年の卒業生からのラインです。」とありました。          

 心配を分かち合うことの大切さにふと気がつきました。キリスト教社会福祉を同じく学んだ者が今において繋がって心配を分かち合う意義を教えてもらいました。社会福祉の前にキリスト教がつく社会福祉を実践している仲間を心から心配します。
                                  尻無浜/松本大学

大切な思い出の一コマ

同期の卒業生とご家族(大学内ブラウンホールにて)
学園祭に戻ってきた卒業生とご家族
長野県の親友
卒業生と和田先生との暑気払い
地域福祉パワーアップカレッジねりま 10期の活動
私が着任した1983年度の入学式
いつもの卒業式の一コマ(1987年)
石巻市日和山より(2020年1月5日)
ルーテル諸学校(九州学院・九州ルーテル学院・聖望学園・浦和ルーテル学院・ルーテル学院大学)教師研修会(神戸ルーテル神学校にて)
ルーテル諸学校代表者会の方々と熊本バンドの碑の前で
地域福祉パワーアップカレッジ練馬の学園祭
学園祭に家族を連れて戻ってきた卒業生(学長室にて)
謝恩会
真冬の阿寒湖
奥磐梯高原ホテルからの磐梯山
桧原湖からの磐梯山
弥六沼からの磐梯山
熊本県天草「ホテル アレグリアガーデンズ天草」からみる夕日
岡山県備中国分寺五重塔(総社市)
長野県駒ヶ根市光前寺三重塔
高松市栗林公園
宮城県地域福祉活動者研修会(3月11日、震災が起こった時刻に黙祷を献げる)
平成14年宮城県ボランティアコーディネーター研修会(外は吹雪)
石巻市社協の仲間たち(第2次石巻市地域福祉活動計画策定時)2011年以降、2020年4月まで地域福祉アドバイザーとして一緒に勉強させて頂きましたこと、心より感謝いたします。
被災後再開された石巻市「地域福祉フォーラム」
石巻市社協勉強会
石巻市ボランティアセンター連絡会でのワークショップ
石巻市第2回社会福祉大会記念講演(2020.11.1)
立川市平和公園
宮崎県高千穂渓谷

2011/ 3/ 7 22:19
木曽郡大桑村伊奈川ダム
大桑村にある阿寺(あてら)渓谷のエメラルドグリーンの清流
木曽郡大桑村サロン
民生委員100周年記念会
日曜礼拝のメッセージ後の阿部志郎先生(田浦教会)
芦ノ湖
鳥取砂丘 砂の美術館

シェーンブルン宮殿(研修旅行でオーストリアに)
宮崎県小林市須木地区宿泊施設(スキムランド)
スキムランドの池に現れた朝日(午前9時頃?)
須木村地区懇談会
過疎サミット須木
宮城県西米良村小川地区
西米良村での地域福祉関係者懇談会
西米良の公共施設のあった写真
西米良名物猪うどん
今は廃止された高千穂鉄道(延岡⇔高千穂)
仙台の七夕まつり
国立療養所 邑久光明園(岡山にある国立ハンセン病療養所)
光明園回春寮
2013/ 6/22 14:34
連れてこられ患者が入る場所(上の小さな桶は消毒液で満たされ、持ち物を入れるとの事)
石巻市雄勝地区
長崎
広島原爆ドーム
2002年度第3回徳島県ボランティアパートナー研修
同研修ワークショップ
徳島県脇町(現美馬市)のうだつ通り
うだつ(家事の延焼を食い止めるための工夫)
山田洋次監督の映画の撮影が行われた劇場(脇町)
徳島県の南東部、海陽町にある轟の滝。深い谷にあり、古くから神聖な場所とされてきました。
宮崎県青島瓦岩
島根県松江宍道湖の夕日
津和野うみに
キリシタン迫害の歴史
尾道 林芙美子の碑
尾道の丘
尾道
海に沈む夕日(西伊豆堂ヶ崎)

希望ある明日に向かって歩むぞメッセージ

                                Marie O. 

―あなたがたはそれぞれ、賜物を授かっているのですから、神のさまざまな恵みの善い管理者として、その賜物を生かして互いに仕えなさい。(Ⅰ ペテロの手紙4:10)―

 世界中の新型コロナウイルスの感染爆発により、私たちの生活は一変しました。公共交通機関を使っての通勤、仕事仲間との自由な意見交換、ちょっと気分転換の買い物、おいしいと評判のレストランに行くこと、すべてがあたりまえではなくなりました。そして、新たな生活行動様式という名のもとに3密を避け、他の人々との社会的接触を最小限に抑え努力することを要請されました。

 さて、自己紹介からさせて頂きます。私は、ルーテルを1990年に卒業し、他大学の大学院で修士を終えた後、大学病院のMSWとして勤務しました。その後、博士後期課程を終え、現在は東京都内の大学教員です。今年、教員生活20年目を迎えました。皆さんがご存知の通り、大学はオンライン授業が主流になりました。この5カ月、私も自宅での生活を余儀なくされ、毎日のようにパソコンに向かいリモートワーク、画面の向こうにいる学生達に話しかけ、理解を求め、慣れない生活から、身も心も限界に達することがしばしば。

 その間に、様々なことを振り返り、自分に、社会に、世界に問いかけてみました。人生において何が必要なもので、何が必要でないのか、どう生きていけるのか、どう生きたいのか、各人が問われてきたのではないでしょうか。

 今回は折角の機会、思いつくままに筆を走らせてみたいと思います。皆さんは、ルーテルで過ごした学生生活がその後の人生にどのような影響を与えたでしょうか。そんなことを思いながら、私は30年前にタイムスリップして、今回はルーテルの先生方から支えられたことが今の私の礎になってきたことをお話しします。

この企画をされた市川先生、30年前の話になりますが、アメリカに行くことが決まっていた私に、当時、入手困難な越乃寒梅で乾杯してくださり、送り出してくださったことを今でも覚えています。最近では、お仕事でご一緒させて頂くこともあり、素晴らしい研究者である先生にお頼りすることが多くあります。学生達を大事にされている市川先生の姿勢は多くの卒業生の励みであり、学生達から慕われる先生は私の憧れです。 

 そしてK先生、私にソーシャルワーカー魂を教えてくださったロールモデルであり、あり続けています。当時、先生は、「モーセは約束の地に辿り着くまで40年間かかったのだから、貴方も数年間の修業をしてきたら」と海外で学ぶ機会を与えてくださいました。これまでも人生のターニングポイントで適切なアドバイスを頂いています。今も忘れない・・お優しいお母様のようなI先生。当時ルーテルには実習がなかったのですが、精神科病院の実習先を探してくださいました。これが私のMSWになるきっかけとなりました。私にとっては本当に貴重な経験でした。

 皆さんもご存知の学生全員の名前を覚えてらっしゃった今は亡き、N先生。的確に、端的にご意見をおっしゃる先生からは、当時、苦手な英語の勉強方法を教えて頂きました。そうそう、どこからか頂いてきたパンを寮生に配っていた(と言えばわかるのでは)アメリカからいらしていたN先生は、偶然にもアメリカの大学でもご一緒することになり、テニス仲間でもありました。チャレンジ多き時期に「信仰」の大切さを先生から教えて頂きました。

 最後にF先生。学問の師であり、人生の師であり、言葉では言い尽くすことのできないほど、感謝しています。日本のソーシャルワーカーの育成のために邁進されている先生とご一緒させて頂ける機会が多くあり、私にとっては学びの機会でもあります。その中で「尊厳」の具現化するソーシャルワークを考えさせられています。これは人が人を「尊厳」をもって関わることですが、このコロナ禍だからこそ、尊い命ある一人一人が、自らを大事にし、自分と同じように他者を大事にすることが、互いに仕え合うことにつながり、誰にも優しい社会が生まれるように思います。

 ルーテルの卒業生の皆さんが、色々なところで活躍されていることを心から嬉しく、そして誇りに思いました。多くの私たちの仲間が牧会で、社会福祉の現場で活躍し、それぞれの賜物を神様が豊かに用いてくださっていることを皆さんの声を通して、私にも届きました。このコロナ禍にあっても、仲間が、そして神様がこれからもあなたを、私を支えてくれていることを確信しています。きっとお読みになっている方々も同じような思いではないでしょうか。

希望ある明日に向かって歩むぞメッセージ

ルーテル学院大学、大学院 卒業生の皆様

 石田賢哉と申します。2003年3月にルーテル学院大学大学院修士課程を修了しました。福山和女先生、前田大作先生に修士論文をご指導いただきました。2007年より青森県立保健大学で精神保健福祉士養成課程の担当をさせていただいております。出身は静岡県で青森県とは何のかかわりもなかったのですが、青森に来させていただいてから14年目をむかえています。職場の方々や、福祉や医療現場の方々、当事者の方々やそのご家族の方々、たくさんの素晴らしい方々と出会いがあり、多くのことを学ばせていただいております。プライベートでも青森の方と結婚しました…。最近では、青森の現場の方々、研究者と一緒になり、青森の福祉の取り組みを1冊の本(石田賢哉・工藤英明・村田隆史(2020)「福祉課題への挑戦~青森の未来へ~」泰斗舎)にまとめることができました。すべてはご縁なんだろうなと思っています。

 コロナ禍において、大学も大きな影響を受けました。一番は実習でしょうか。医療機関や福祉事業所、行政機関などで実習受け入れの中止、見送り等がありました。患者さん、利用者さんの命を守ることが最優先であり、実習現場の指導者の方々も申し訳ないということをお話してくださりました。

 養成校としては、学生にとって実践現場で学ぶことが何より大事であると考えていて、学生自身もそのように考えていてくれていると思います。学生は実習に気持ちを高めている中で、突然の延期、中止、本当に申し訳なく思いました。多くの学生は今できることに気持ちを切り替え、学内実習に取り組んでくれています。

 幸い、多くの医療機関、福祉事業所では、感染症対策をしっかりやるということで実習が再開されました。ただ、今年1年は実習受け入れNGという機関・事業所や、突然、実習中止ということがまだあり、安定しない状況は続いております。

 学内においても、手洗いうがいの推奨、マスク着用、Web授業など今までと異なる形で大学が再開されています。きっと不満があるのだろうと思うのですが、学生さんたちは、今の状況を理解し、学業、大学生活を送っています。若い人たちの生活態度、本当に素晴らしいと思います。こちらが学ぶことばかりです。

 現在、医療機関や福祉事業所、福祉行政等で活躍されている方々が多くおられることと思います。多忙な業務に加え、コロナ感染対策を含め、心身ともにきつい状況にあるのではないかと思うと、自分自身本当に苦しく思います。

 そのような中でも、皆さんの支援や応援を必要としている人たちがたくさんいると思います。私自身のことになりますが、昨年12月に母が亡くなりました。2017年から介護保険サービスを使うことになり、利用者の家族としてたくさんのスタッフの方々のケア、支援を受けました。そのなかで、素晴らしいスタッフの方々の応援があり、最後まで母を看取ることができました。病気や障害は良くならないとしても、最後の最後までその人らしさを尊重し、その人が旅立った後も、その人がいたことの意味を認めてくれる、本当に福祉の仕事は尊いこと、福祉は誰にとっても必要であるのだ、ということを家族という立場から実感することができました。皆さんが担当されている患者さん、利用者さん、ご家族の方々は、みなさんの支援やケアを必要としている人たちで、皆さんからの支援にきっと勇気づけられていると確信しています。

 感染症対策でやれることは皆さん徹底していることと思います。やれることが分かってきているので、その範囲でまず私たちはしっかり対策に取り組んで、必ず良くなる、必ず落ち着くということに確信をもって、誰のために仕事をしているかということを忘れず、今起きていることに向きあうことが私たちのすべきことだと思っています。落ち着いてから、いろいろな検証をおこない、責任問題などについて追及していけばよいわけで、今はそのような時期ではないと思います。不安を煽ったり、コロナ感染者のプライバシーを侵害したり、そのような情報を目にするたびに本当に怒りの気持ちになります。そうではなく、私たちがすべきは認め合い、問題があればお互いに注意し合って、すべきことをしっかりやって、ということだと思います。

 自分自身の挑戦ですが、青森には素晴らしい実践家、利用者さん、ご家族、行政スタッフの方々がたくさんおられます。とても魅力的な人たちですし、素晴らしい熱意や思いをもっています。そのような人たちの取り組みを継続的に全国に発信していけたらと思っています。記録がなければ、素晴らしい取り組みも引き継がれていくことは難しいですし、その活動を知らない人にとっては「ない」ということになってしまいます。文章に起こし、論文に残したり、本にするなどして、これからの社会の財産にしていくことが大事だと思っています。コロナ禍において何が行われたのかということは記録に残し、最終的には本に残して、医療・福祉現場の人たちがこんなにも頑張ったのだと、どのような取り組みが友好的であったのか、あるいはどのような取り組みに問題があったのかを検証するなどして、改善をしていく事が大事なのではないかと今の自分は考えております。

 最前線でチャレンジされている皆様を本当に尊敬します。自分も微力ではありますが、精一杯チャレンジをして、今起こっている出来事から学ぶべきことを記録に残していきたいと思います。

希望ある明日に向かって歩むぞメッセージ

大学院卒業生の西田ちゆきです。

 岩◎さんのメールを市川先生から配信いただき、最前線で頑張っておられる様子にエールを送りたくなりましたし、そんなルーテルの仲間がいることがとても励みになりました。

 さて、私にとっても新型コロナウィリスの感染拡大は少なからず生活に変化をもたらしました。

 まずは仕事の面での影響についてご報告します。

 現在大学の実習指導室に勤務しており、学生を実習に出さなければいけないのですが、緊急事態宣言出された後、相次いで医師薬系実習がオンラインに切り替わっている中、SW・PSW実習の現場に送り出すかどうか話し合いが重ねられました。

 厚労省から、学内での実習(演習形式で行う)に代替えできるとの通知も出されましたが、たとえ事務室に座っているだけであっても、現場の雰囲気を体験するのとしないのとでは学びの深さが違ってきますので、私としてはどうしても現場に行って欲しいと考えていました。幸い加入している保険もコロナにも対応できるようでしたので実習実施となりました。

 その後、実習生受け入れ中止になった施設も多数ありましたが、なんとか再配属でき、一旦は安堵しました。ただ、現在は、第二波の到来による実習受け入れ中止の電話にハラハラドキドキする毎日です。また、夏休みに入り、すでに実習を開始している学生もおります。感染する・させることなく終わってくれるのを祈るばかりです。

 もうひとつは同居家族以外の人々との接点が極端に減少したことによるストレスの問題です。

 私自身は、コロナ禍でも、授業以外の仕事では対面で仕事ができていましたので不満を感じることなく生活できていますが、気になったのは障がいのある方のストレスです。

 私が所属する法人後見で後見をしているOさんは、グループホームに暮らし、作業所に通う日常でした。しかしコロナ禍で作業所は閉鎖、GH待機となりました。真面目な性格のOさんは、外出を極力控え、ストレスを感じていましたが、朝夕作業所からかかってくる確認の電話ではうまくその感情を伝えられず、体調を崩していました。幸い、7月から作業所に通えるようになったことや、訪問看護を開始することで、現在は日常を取り戻しつつありますが、障がいのある方のリモートワークの支援については課題が多いと感じました。総じて一見自立していそうに見える方の変化は見逃されやすく、放置されやすいので、後見人としては引き続きアンテナを張っていかなければならないと思ったと同時に、電話やリモートだけの対応に限界があることや対人コミュニケーションが少なくなくなる弊害について実感した出来事でした。

 コロナウィルスの猛威はまだ衰える様子がありません。今はただ、少しでも早く、以前と同様に教室で授業ができ、自由に出かけ、思いっきり知人・友人と話ができる生活に戻って欲しいです。

 ルーテル学院大学をご卒業された皆様のご活躍は市川先生や同窓会を通じて伝え聞いております。これからも皆さんの頑張りを励みに、様々な課題に取り組んでいきたいと思います。

 最後になりましたが、これからも市川先生はじめ、皆様のご健康を祈願しております。