松本市四賀地区にある「ほそばら」は、お薦めのそば屋さんです。四賀地区の市街地から車で道路をしばらく登り、「ほらそば」に到着する。私はそばが大好きなことを知っておられ、数年前、社協関係者の方々と一緒に食事をした思い出がある。そばは更科で食感と香りに感動します。そしてそれ以上に、その量の多さを度肝を抜かされます。またお通しなのだろうか、お新香や煮物が出され、これがまた美味。
「ぼらそば」は、儲けを度外視し、お客さんに喜んでもらえることを望んで、店を開いていた。講演の前に経験した、四賀地区ならではのそば屋さんです。

これで一人前
投稿日 16年07月30日[土] 8:57 AM | カテゴリー: 思い出記
四賀地区は益々、高齢化が進み、地域における福祉・生活課題は多様化しています。松本市社会福祉協議会四賀地区センターでは、住み慣れた地域で安心して暮らしていけるための様々な生活支援サービスを平成23年から行っています。平成21年から行われている、地域における「お互いさま」と「協働」を共に考え、より安心して暮らせる四賀地区を目指す人づくり「人材育成講座」が今年も四月から始まりました。当初から市川一宏先生に関わっていただき「地域に求められる人」が大勢育ち、地域でキーパーソンとして活動していただいております。今年の講義では「地域の課題を見つけ、地域で一緒にやってくれる人を探し、専門職と連携し、ムリ・ムラ・ムダの無い活動のイメージを作りながら、できる事から始めることが大事で、決して一人では背負わないでみんなでやる事をお勧めします」と話された先生の言葉に受講生はうなずき、わかりやすく楽しい講義は今回も好評で、あっという間に時間が過ぎました。これからも、地域の人づくり・課題解決には市川先生の力を借りつつ、安心して暮らせる四賀地区の地域づくりを進めていきます。(社協四賀地区センター 山岸勝子)
市川コメント:山岸さんは、20年以上前に行われた長野県ボランティアコーディネーター研修の時からの友人です。山岸さんの住民の生活を重視する姿勢は、四賀村時代から一貫しており、学ばせて頂いています。

会場:四賀保健福祉センターピナスホール

講演:「地域に求められる人とは」
投稿日 16年07月29日[金] 2:14 PM | カテゴリー: 社会福祉関連
2016年7月25日、石巻市社協「第2次地域福祉活動計画」の検証と課題把握の作業がスタートしました。今回は、支所職員も検討委員に加わり、総勢24名の職員で職員研修も兼ねて進めることになりました。初めに市川アドバイザーから活動計画の重要性につい講話を頂いた後、ワークショップで各々が感じている地域の課題を出し合い、その課題についてまとめたものを参加者全員で共有しました。
先生から、計画は皆さんが作成したものであることから、皆さん自身が達成しなければならないので、その為に、現在の達成度を評価しつつ課題を検証することが大切です、とアドバイスを頂きました。何となくボンヤリしていたものが、ハッキリと見えてきた様に一人一人の眼が輝き始めました。(渋谷氏)
市川コメント:今回の石巻市地域福祉活動計画は、市社協の中堅が自分たちで作り上げ、皆で共有してきた「第2次地域福祉活動計画」を基盤に、さらに「求められる社協」になるべく、住民等の意見を把握し、住民、ボランティア、民生委員児童委員、町会、関係団体と協働して困難に直面する方々への具体的な支援を描こうとするものであると感じています。それだけ職員が育ってきています。今回は、ニーズに関するワークショップを作成に関わる担当者全員参加で行いました。



投稿日 16年07月28日[木] 10:11 PM | カテゴリー: 社会福祉関連
小川村から見られる素晴らしい景色の写真を、お送りします。
春夏秋冬、それぞれの季節で美しい景色を見ることが出来ます。
個人的には秋から春にかけての雪の積もった北アルプスが本当にキレイで好きです。

春の北アルプス 立屋地区より

田植え前の季節 成就地区より

雪解けの始まった北アルプス 成就地区

冬の北アルプス 成就地区
投稿日 16年07月24日[日] 10:08 PM | カテゴリー: 思い出記
日本キリスト教社会福祉学会 会長声明
「今日における平和の大切さを考える」
日本キリスト教社会福祉学 会 長 市川 一宏 副会長 岸川 洋治 ・山本 誠
戦後70年の節目となった2015年は、多くの国民が改めて第2次世界大戦によって亡くなられた方々を覚え、世界の恒久平和を祈り、戦争を二度と起こさないことを誓いました。私は、近隣諸国の多くの方々の尊いいのちを奪う戦争を起こした日本の戦争責任は、決して過去のことではなく、今に受け継がれていると考えています。戦争によって被害を受けた方々の悲惨な体験と厳しい生活環境から生じたさまざまな傷は、決して消し去ることができるものではありません。
私は、日本キリスト教社会福祉学会(以下学会)がこの現実に真摯に向き合い、今後どのような歩みをすべきかを考えることが今求められていると思います。そのため、以下の3点を今後の学会の取り組みの起点とします。
1.謝罪し、和解を求める
そのため、本学会が考えるべきことは、戦争の責任を自覚し、いのちを奪われた人々に謝罪し、和解を求めることではないでしょうか。日本の戦没者は310万人とされていますが、アジア諸国での戦没者はそれをはるかに超え、日本は力でアジア諸国を占領し、多くの方々のいのちを奪いました。聖書には、「わたしたち強い者は、強くない者の弱さを担うべきであり、自分の満足を求めるべきではありません」(ローマ信徒への手紙第15章第1節)と書かれています。今日にいたるまで、戦争被害を負っておられる方々に対して、本学会はどのような行動をしてきたか、自ら問い直さなければなりません。
2.2度と戦争を繰り返さない
平和の意味と平和を実現する術を学び、社会に発言していくことが必要です。ふりかえって、第2次世界大戦は、突然起こったものではありません。戦争に至る前に、私たちがどのようなことをすべきであったか、過去から学ぶことが大切です。また、紛争やテロの頻発する現在、憎しみの連鎖を断ち切るために、本学会は、どのようなことが可能か、絶えず模索し、さらに実践していくことが求められています。
3.多様性の理解と対話
第3に、平和の危機とは、戦争がもっとも大きな要因ですが、いのちや生存に対する脅威、差別、偏見、貧困、不平等、人間性の否定、基本的人権の蹂躙、環境破壊、核(原発を含めて)の脅威等も含みます。まず、本学会では、宗教、文化、伝統、人種、性、生活習慣等の相違を理解し、多様性を尊重し、対話と協力を深めていくことが大切です。そして、日本という一国を超えて、人間のいのちと存在、そして生活を支える「人間の安全保障」の視点から、地域、社会、国、世界を見直そうとする「ヒューマン・セキュリティ」の視点を忘れないこと。事実、軍事的手段による安全保障だけでは、平和は望み得ない事実に私たちは直面しています。開発においても人間中心の考え方を強調され、経済が推進するグローバル化した社会において、生活の豊かさについて、一国を超えて考えていくことが求められています。
以上の視点を踏まえから、本学会は、具体的な取り組みを模索できないでしょうか。
1)平和を目指した実践から学ぶ
平和の実現にむけて、たとえ小さいと思われていた行いでも、一つひとつを大切に、先達や会員の働きを学び、理解する取り組みを積み重ねていくこと。国を越えたNGOや教会も、飢餓、内戦、絶対的貧困、環境破壊、政治的抑圧等の困難な問題を解決する取り組みが盛んに行なっています。また、本学会の会員には、それらの活動に関わっておられ、また独自に実践されてこられた方々もおられます。
2)キリスト教社会福祉実践の意味を学ぶ
キリスト教社会福祉実践とは、それぞれのいのち・存在を大切にするという原点に立ち、多様な側面から人間を理解し、生きていくことを大切に、日々共に生きていく道程であると思います。そのために、以下のことが必要です。
① いのちの意味を学ぶ
すべてのいのちは、神様から祝福されて与えられたもの。この事実に、疑義をはさむ余地はありません。だれもが、脈打つそのいのちを感じながら日々の生活を送り、明日に向かって歩んでいくことが求められます。
② 人間の存在の意味を学ぶ
人間を、医学的、生物学的に分析することは可能です。しかし、それでは人間そのものの姿が見えません。それぞれには、宗教、生活文化、伝統などの異なる背景と、それぞれの生き方、個性、能力に違いがあります。そのような一人ひとりの存在に敬意をはらい、そこから学ぶことが大切です。
③ 生きることの意味を学ぶ
お金を失うと生活の危機、誇りを失うと心の危機、希望を失うと存在の危機と言われます。生活の危機にある方々へのさまざまな取り組みは、キリスト教社会福祉実践も担ってきたという歴史があります。本学会は、2012年全国大会から3回にわたり、「希望の光が見える新たな社会づくり」をテーマに掲げ、学んできました。それぞれの人の誇りを大切に、それぞれの希望を見いだし、それぞれに届けることができるのか、学会自身が問われています。
3)共に歩む
本学会だけでなく、他学会、他機関、そして平和の実現を目指して、社会福祉現場、教育現場、宣教の現場で共に働いている人々と連帯して、希望の光を灯す学会でありたいと思います。
平和とは、与えられるものでなく、創るものであり、すでに達成しているものでなく、たえず達成を目指して挑戦し続けるものです。ならば、将来に向かう学会の存在の意義の根幹は、「あなたがたは神に選ばれ、聖なる者とされ、愛されているのですから、憐みの心、慈愛、謙遜、柔和、寛容を身につけなさい。互いに忍びあい、責めるべきことがあっても、赦し合いなさい。主があなたがたを赦してくださったように、あなたも同じようにしなさい。これらすべてに加えて、愛を身につけなさい。愛は、すべてを完成させるきずなです。また、キリストの平和があなたがたの心を支配するようにしなさい。この平和にあずからせるために、あなたがたは招かれて一つの体とされたのです。いつも感謝していなさい。」(コロサイ信徒への手紙 3:12-15)という聖句に固く立ち、キリスト教社会福祉実践に取り組んでいくことと信じています。
2016年6月24日 総会報告
投稿日 16年07月15日[金] 11:22 PM | カテゴリー: 教会関連
毎年、自治大学校で、2コマから3コマの授業をさせて頂いています。幹部候補生である受講生は、きわめて士気が高く、勉強に対する意欲も旺盛で、礼儀正しい。私は、彼らに、それぞれの市町村の土台骨になって頂き、困難にある住民に対して、関係者、関係機関と協働して支援して頂きたい。そして、社会福祉協議会等と協力して、民生委員児童委員、住民、ボランティア、NPOや社会福祉法人、地域の農協、漁協等の活動を支援し、さらに連携して、福祉のまちづくりを進めて頂きたい。期待しています。第2部も担当しておりますが、教える方も楽しいです。
第3部過程
1.目的 現に都道府県及び市町村の幹部職員である者に対し、幹部職員としての政策形成能力及び行政経営能力を増進し、かつ、公務員としての使命感及び管理者意識を高揚するこ とを目的として、高度な研修を行います。
2.研修課目
ア 講義課目
地方公共団体における公共政策及び行政経営に関する高度な知識の修得、現下の地 方自治の課題及びその背景となる政治、経済等の分野にわたる広範な見識の修得及び 効率的な行政運営手法等に関する知識を修得するための課目により編成します。
イ演習
現実の事例を題材とした集団討議等の方法を通じ、新しい政策課題に対応して問題を発見、解決する能力を育成し、併せて、危機管理能力など管理者として必要な資質 を涵養するための課目により編成します。
3.対象
①都道府県及び市町村(特別区を含む。以下同じ。)の職員
②都道府県又は市町村を構成団体とする一部事務組合等の職員
4.研修期間
第107期 平成28年7月12日(火)~8月5日(金)
5.定員 140名
6.推薦できる研修生の数
原則として1名又は2名。
7. 選考の基準 推薦する研修生の選考に際しては、次の基準によるものとします。
(1) 勤務成績が優秀であり、かつ、健康である者。 「健康」であることの基準は、自治大学校での研修生活(学校生活及び寮生活)を支障なく行うことができる者であることとします。
(2) 積極的な学習意欲を有する者。
(3) 現に都道府県、市町村一部事務組合等における課長又はこれらに相当する職以上の職にある職員。
シラバス
投稿日 16年07月05日[火] 12:27 PM | カテゴリー: 大学関連
2016年6月13日、石巻市の福祉教育の講義を終え、仙台空港まで送って頂きました。
私は、仙台空港に久しぶりに来ました。東日本大震災で被災した時のことはテレビで見ていましたが、とても素敵な建物と雰囲気は以前とまったく変わりませんでした。
大阪空港に向かう飛行機の中から、空港の写真をとりながら、たくさんの思いが湧き上げてきました。頑張れ友人。頑張れ住民。頑張れ専門職。それぞれが、いつも原点に戻り、将来に向かって一歩一歩、時には休みながら、歩み続けて頂きたいと思っています。そのためにお役にたてたら、感謝です。
飛行機は雲の上を飛んでいましたので、一面白いじゅうたんのようでした。うとうとしていたら、いつものように、真っ赤な夕陽が見えました。雲に覆われた地上からは見えないと思いますが、毎日「陽は昇り、陽は沈む」。そのことを忘れず、私も一日一日を大切にしていきたいと思いました。多くの友人たちと一緒に。




投稿日 16年06月18日[土] 10:29 PM | カテゴリー: 思い出記
平成28年度石巻市福祉教育推進研修会開催要領
1 目 的
児童・生徒の福祉教育について、今回は「日常の中での子供たちの気付き」をテーマに情報を共有することで、今後の学校や地域での実践活動を一層促進し充実を図ることを目的とします。
2 主 催 社会福祉法人石巻市社会福祉協議会
3 後 援 石巻市 石巻市教育委員会 石巻市PTA協議会
4 参集範囲
① 石巻市内の小・中学校教職員
② 石巻市内の小・中学校PTA役員
③ 主任児童委員
④ 福祉教育協力ボランティア
⑤ 市内の関係機関
⑥ 社会福祉協議会職員
5 日 時 平成28年6月13日(月) 13:30~15:40
6 会 場 石巻市桃生公民館2階会議室(石巻市桃生町中津山字江下10)
7 日程・内容
13:30 14:10 15:20 15:30
開会 事例発表 講演 連絡事項 閉会
【事例発表】
「学校における福祉教育、協働教育の取り組み」
・石巻市立東浜小学校 教諭 佐 藤 仁 美 氏
・石巻市立雄勝小学校 教諭 髙 橋 瞳 美 氏
「地域における取り組み(世代間交流事業)」
・渡波地区民生委員児童委員 金 子 啓 子 氏・大 槻 やす子 氏
【 講 演 】 テーマ:「現代社会の動向と福祉教育の在り方」
講 師:ルーテル学院大学 学事顧問 市川 一宏 氏
私にとって、石巻は、たくさんの仲間がいます。一緒に石巻の明日を描くことができることは、地域福祉に携わる者として、本当に光栄なことです。これからも、健康の続く限り、石巻市社協等の関係者から断られるまで、私は石巻に通い続けさせて頂きます。




投稿日 9:56 PM | カテゴリー: 社会福祉関連
平成28年度 宮城県民生委員児童委員協議会会長研修会 開催要綱
1 趣 旨
地域住民が抱える福祉課題が複雑化・多様化するなかで、さまざまな生きづらさ・暮らしづらさを抱える人びとに寄り添い支援活動を行う民生委員・児童委員への期待が高まっています。こうした厳しい地域社会の動向を踏まえ,介護保険制度の改正や生活困窮者自立支援施行等をはじめ社会福祉を取り巻く状況も大きく変革しようとしております。
一方で,身近な存在として相談支援や地域福祉活動等を通じて地域社会づくりに努めてきた民生委員児童委員も様々な悩みを抱えながら活動にあたっている現実があります。
そうした現状において,地域においてリーダーシップを担う民児協の会長・副会長方は地域の課題にどのように対応して行くか,また,委員を如何に支えて行くかなど
本研修会では,民生委員児童委員協議会の会長・副会長を対象に,地域社会の動向や単位民児協の役割等を確認することを通じ,民生委員・児童委員活動の充実及び民児協の機能強化につなげることを目的に開催します。
2 主 催 社会福祉法人宮城県社会福祉協議会
宮城県民生委員児童委員協議会
3 期 日 平成28年6月8日(水)~9日(木)
4 会 場 ホテル松島大観荘 〒981-0213 宮城県宮城郡松島町松島字犬田10-76
5 定 員 200名
6 対象者 単位民生委員児童委員協議会会長・副会長
市町村民生委員児童委員協議会担当職員
7 研修内容・日程
6月8日(水)
10:00 受付
10:30 開会
・民生委員信条朗読
・主催者あいさつ
宮城県社会福祉協議会
宮城県民生委員児童委員協議会
・来賓あいさつ
宮城県保健福祉部
・オリエンテーション
10:50 活動報告「生活困窮者自立相談支援の現状と関係者との連携について」宮城県北部自立相談支援センター (調整中)
説明 「民生委員児童委員一斉改選に関して」宮城県保健福祉部社会福祉課
12:10 昼食・休憩
13:10 事例報告「涌谷町民児協の取り組み」
涌谷町民生委員児童委員協議会 会長 今野 武則 氏(調整中)
13:40 講 演「今、単位民児協に求められていること」(仮題)
講師 ルーテ学院大学事顧問・教授 市川 一宏 氏
15:20 休 憩
15:30 グループ討議
【テーマ】
・単位民児協における人材育成について
・課題の共有、連携・協働について
(定例会・部会の持ち方、関係機関・地域住民連携など)
・単位民児協としての役割について 等
17:00 1日目終了
6月9日(木)
9:30 講 演「地域包括ケアシステム構築に向けて~介護保険制度改正と支え合いの推進~」(案)講師 東北福祉大学 教授 高橋 誠一 氏
11:15 閉 会
今回の研修にお招き頂き、私は、正直、迷いました。なぜなら、6月8日は私にとって大切な日だからです。
ただ、民生委員児童委員の働きに対する期待と共に、委員にあまりにも依存する現行体制に対し、私は問題意識を持っています。自分でもできないことを民生委員児童委員に頼むのは、専門職の責任放棄と思っています。だからこそ、活動をしている方々にお礼を申し上げたく思い、研修を引き受けました。参加者の方々より、たくさんのことを教わりました。感謝!!!


遠藤会長、機会を与えて下さり、感謝です。
投稿日 9:46 PM | カテゴリー: 社会福祉関連
盲ろう者(「目(視覚)と耳(聴覚)の両方に障害を併せもつ人」)の理解を広げるために、当事者の方から語って頂きました・
1.盲ろう者に対する理解が不十分であること
そもそも「盲ろう」という障害があまり知られていませんし、障害者手帳にもそのような項目がありません。(私も手帳には視覚障害、聴覚障害の二つが記載されています)
そのため盲ろうとはどういう障害なのか、盲ろう者にどのように配慮したらいいかと言うようなことを知らない方がほとんどです。おそらく盲ろうと言う名前すら聞いたことがない方が多いです。
盲ろう者に対する理解が不十分なために、盲ろう者について誤解されたり、できることにもかかわらず「できない」と思われたりすることがあります。実際にいくつか例としてまとめましたので、ぜひ参考にしていただけると幸いです。
①盲ろう者だからできない=普通にできること、工夫すればできることでも「できない」と言うことにして、物事をさせてもらえなかったり、受け入れてもらえなかったり(受け入れ拒否)することがあります。学校に進学するにも、盲ろう者も教育を受ける権利があり、盲ろう児への個別指導や通訳介助者の配置などの工夫をすれば、盲ろう児も普通に学習できるにもかかわらず、受け入れてもらえなかったり、教育委員会に学校への出入りを認められなかったりすることがあります。教育以外でも、盲ろう者にも権利はあるのに…などと思う場面はあります。
私はまだ経験したことがありませんが、飛行機の単独での搭乗拒否などの話も聞きます。(ホームページにもスタッフがお手伝いするので、単独の利用は可能と記載されていますし、利用者(本人)もスムーズに相手とコミュニケーションを取れるよう工夫をしているはずです。私も経験済みですが、まったく問題ありませんでした。)
②過剰な配慮=差別とは少し違うかも知れませんが、盲ろう者=サポートが大変というイメージがあるのか、手引きがあれば自力歩行が可能にもかかわらず、車椅子を準備されたり、過剰なサポート(体を支えるなど)をされたりすることがあります。なかなか解決できない問題だと思いますが、障害者と言ってもいろいろな方がいますので、相手に応じて必要な支援をすること(過剰な支援をしないこと)が大切だと思います。
2.盲ろう者が利用される(悪用を含む)
盲ろう者について多くの人に知ってもらうことはとてもよいことですし、マスコミなどで取り上げていただけるのもいい機会だと思っています。
しかし、まれに「盲ろう者は特別な人なんだ」と言うように扱われたり、悪用されたりすることがあります。実際盲ろう者を動物のように扱い、イベントのキャラクター的な存在として活動させられたことがあります。また、障害者を受け入れているというお店で、皿洗いなどの一般的な仕事を経験させてもらおうと申し出たにもかかわらず、店長さんが私をアピールしたうえで、お客さんとのコミュニケーションの体験しかさせてもらえず、アルバイト料どころか、講師の謝金も支払われなかったという苦い経験をしました。
講師として講演をしたりすることは問題ありませんが、盲ろう者の扱いには十分注意して頂きたいと思っています。
上記の他にもいろいろ経験していますが、私としての希望をまとめると、以下のようなものになるでしょうか。
1.盲ろう者を正しく理解してもらうこと
2.盲ろう者でも自力でできること、工夫すればできることはあるので、それを知ってほしいこと
3.盲ろう者にも健常者と同党の権利があることを理解してほしいこと(教育など)
4.当事者として、してほしいこと(介助の方法など)の説明はするので、相手(障害者)に応じた配慮をしてほしいこと
5.盲ろう者も一人の人間であるので、過剰なアピールなどはしないでほしいこと(取材・講師などの依頼をするのはかまわないが、盲ろう者の扱いには十分注意してほしい)
以上のように私なりの意見をまとめましたが、最近は盲ろう者に対する理解も少しずつ進んでいることに感謝しております。また、盲ろう者が一つの障害として確立されていないにもかかわらず、盲ろう者向け通訳介助者派遣制度などがあり、そのおかげで健常者と同等の生活を送ることができるので、大変助かっております。(通訳介助者派遣制度では、日常生活において、様々な介助を受けることができます)
これからは盲ろう者に対する差別的な部分をなくし、盲ろう者がより生活しやすい環境になればよいなと思っています。先ほど述べた教育についても、盲ろう者のための学校をつくることは大切ですが、盲ろう者向けの学校を含め、盲ろう者が入学できる学校がもっと増えれば、盲ろう者(保護者を含む)にとっての選択肢も増え、学校へも通いやすくなると期待しています。
投稿日 16年06月01日[水] 2:24 PM | カテゴリー: 大学関連
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