髙橋健三さんへの感謝

髙橋健三さん、大学の発展期にあって、大学のために誠心誠意働いて下さり、本当にありがとうございました。

私は、1983年にルーテル学院大学で働き始め、本年の3月で40年を迎えました。この間、大学はブラウンホールの増築、トリニティホールの新築、寮の改築、図書館や食堂の増改築、バリアフリーの改修等を行い、大学のカリキュラムの充実と学生定員の増加を図ってきました、しかし、当初は、教職員の数も限られ、財政的にも毎年、大変でした。そのような大学の基盤をつくる1980年、90年代前半に、髙橋さんは本当に大学のために働いて下さいました。その思い出を3つ、上げさせて頂きます。

一つは、学生を守る働き。学生が安心して勉強できるように、バリアを取り除き、枯れ葉が貯まって雨漏りがした時にはその修繕をし、手すりが壊れれば修復し、学生が安心して学ぶ環境を維持して下さいました。また女子学生の寄宿舎が、ICU側にありましたが、不審者が入ってきた時、髙橋さんは危険を顧みず、対応して下さったことを思い出します。

二つめは、大学の自然環境の整備。ルーテル学院大学は、自然の中に校舎がある大学です。秋にはたくさんの葉が落ちてきます。また綺麗な桜が至る所に咲いていますが、花は散ります。髙橋さんは、小型のトラックを使い、落ち葉や花を集め、片づける仕事を1年を通してすることになります。

その仕事を、時には学生のバイトを使って迅速に行って下さいました。小型トラック、長靴姿の髙橋さんを今でも思い出します。

三つめは、建物の将来計画。例えば図書館の活用方法、改築方法や大学校舎の維持運営について、24時間365日、いつも考えて下さいました。朝、そのお考えを中山事務長に相談し、時には口論をしておられました。当時、教職員は、早朝のデスカッションと言っていたことを思い出します。また私が大学に行くと、待っていたかのように、髙橋構想を語るその姿を懐かしく思い出します。

私は、熱き思いと夢を語る髙橋さんの姿勢があったからこそ、困難な時にあっても、大学は将来に向かって、一歩一歩歩んでいくことができたと確信しています。学院にとって、髙橋さんは、かけがえのない方であったのです。

髙橋さんのお働きを振り返り、改めて感謝いたしますと共に、ご家族の皆様に神様からの豊かなみ恵みが注がれますことを、お祈りいたします。

                 2023年7月24日

                 市川一宏

(高橋さんは、昭和30年代に鷺宮にありましたルーテル神学校に勤められ、三鷹に移転した後も、管財責任者として大学・神学校の運営に携わり、定年退職後は図書館司書として2008年まで学生、神学生、院生の学びを支えて下さいました。)