「民生委員・児童委員のお悩み解決!方面道場」 お悩み事例<基礎編><応用編>

 2020年9月より11月、大阪府社会福祉協議会は、大阪府内(政令市を除く)すべての民生委員・児童委員を対象に、委員の現状、委員の意識等に関して、また大阪府内の市町村民児協(連)41団体を対象に、組織・体制、活動・事業、班活動等に関して、調査を行いました。その内容は、『民生委員・児童委員の担い手確保・活動環境改善に関する調査研究事業 報告書』として公表されています。

 さらに今回、大阪府民生委員児童委員協議会連合会は、調査結果を踏まえ、民生委員・児童委員活動における“こんなときどうしたらいいの?”という場面や事例を取り上げ、基本的な考え方についての解説やアドバイスを行う、事前収録形式のオンライン研修会を開催することになりました。

 その趣旨に賛同した上野谷加代子(同志社大学名誉教授)先生と私が、講師となり、対談形式でお答えし、一般社団法人日本ソーシャルワーク教育学校連盟スタジオで収録しました。

2022(令和4)年1月1日(土曜日)から3月31日(木曜日)の期間、大阪府内の民生委員・児童委員、民児協関係者に向けて配信される予定とのことです。

お悩み事例は、以下の通りです。

「民生委員・児童委員のお悩み解決!方面道場」 お悩み事例<基礎編>

  • 見守り訪問の際、話が続かない。どんな話をしたらいのか。
  • 見守り訪問などで「民生委員の○です」と訪ねても、受け入れてもらえず、玄関先で追い返えされたり、民生委員の関わりを拒否されてしまう。
  • 前任の委員が辞めた後、十分な引き継ぎや研修が無く、委員として何を

すればいのか、どうすればいのかが分からない。

  • 生活に困窮した対象者からお金を貸してほしいと言われた。
  • 独居高齢者宅を訪問した際に、ゴミ出しや電球の交換、庭木の手入れ

を頼まれてしまった。

  • ひとり暮らし高齢者から足が痛くて市役所に行けないので車に乗せて欲しいと頼まれた。
  • ひとり暮らし高齢者が病気で倒れ、救急搬送されることになり、救急隊

員から「救急車に同乗してほしい」と言われた。

「民生委員・児童委員のお悩み解決!方面道場」お悩み事例<応用編>

  • ゴミ屋敷状態の家に住む精神疾患があると思われる対象者が、

夜中に大声を出したり、誰かに監視・盗聴されていると話している。本人に病気の自覚無く、病院にも連れていけない。家の片付けを促すと怒り出す。

  • 支援を必要とする人々の個人情報が行政、関係機関等から民生委員に適切に提供されないことがある。

<具体例>地域住民から、自宅が分からなくなり、家に帰れなくなった認知症の高齢者を保護していたと連絡があり、その高齢者の話を聞き、家を探そうとしたが分からず、警察に連絡したが個人情報を理由に教えてもらえなかった。

  • 面識のない住民から単身世帯であることの証明(署名)を求められた。
  • 近隣住民から、頻繁に親の怒鳴り声、子どもの泣き声、大きな物音が聞

こえると連絡があり、様子を見ているが、緊急性は無いようにも見える。

児童虐待として通報すべきか、しばらく様子を見るべきか。

  • 対象者からの頻回な訪問、時間帯を構わずかってくる電話に困っている。自分自身も自分の家族も疲弊している。
  • 近所の方から最近対象者を見かけない、新聞が溜まっていると連絡があった.ドアや窓ガラスを壊して確認すべきなのか。

 私は、長くご指導頂き、もっとも信頼する研究、教育、実践の仲間の一人である上野谷さんと対談できたことに感謝するとともに、大阪府民生委員児童委員連合会、一般社団法人日本ソーシャルワーク教育学校連盟の方々と一緒に仕事し、とても楽しく、良い思い出となりました。