希望ある明日に向かって歩むぞメッセージ

主の導きが常に皆さんの上にありますように。

 市川先生より、アメリカの病院で働いておられる岩◎さんのお話を伺いました。また、その他の現場でも、この問題の中多くのご苦労を負っておられる皆様のことを聞き、筆を執らせていただきました。私は、現在、青森県の弘前学院大学で教員として学生たちとこの時を過ごしている、社会福祉の第3期卒業生です。うちの大学では、患者の少ない東北ですので、ゴールデンウイーク開けには、通常の授業が開始できました。その点では、リモート授業を行っておられる教員の方々、密集せざるを得ない、各種施設の職員の方々など、本当にそのご苦労に感謝の念を禁じえません。

 今回のパンデミックは、歴史上にも稀に見る出来事です。もちろん、その人的被害は、中世のペスト、アメリカ大陸の現地の人々をほとんど壊滅の瀬戸際まで追い込んだ天然痘、第一次大戦の戦死者よりも多くの死者を出したスペイン風邪の流行、などに比べれば、まだまだ少ないものと言えます。しかし、世界の経済に与えた、もしくは与え続けている、さらに今後も与えていく影響、世界の情勢にこれから与える影響など、は世界恐慌を超え、大戦の惨禍をも合わせるほどになる可能性のある、未曽有の状況を世界にもたらすかもしれないほどの存在です。

 さらには、長江を始めとした、中国各地の洪水の惨禍、アフリカから南アジア、さらに来年には、中東にも至るかもしれないバッタの被害、その結果来年以降に訪れるかもしれない、巨大な世界的食糧危機の時代。まさに世界に黙示録的な危機の時代をもたらす災厄の年と言えるかもしれません。

 このような未曽有の状況の中にあって、最も身近に利用者さんと接している現場の皆さん、学生たちと交わっている皆さんの働きこそ、社会を支え続ける根本となるものです。黙示録的な危機と不確実性の時代に突入しようとしている世界に、キリストにある、確かな光を灯し続ける役割、それが今、皆さんが担われている役割と学びました。

 ルターの言葉と言われる言葉に、「明日、世の終わりが来ても、今日私はリンゴの木を植える」があります。このあまりにも激動する時代の中で、身近な今を大切にしておられる皆さんの仕事が、最も重要な存在であることを忘れずに、向かっていってください。世の終わりにこそ、最も日常的な仕事こそが、本当に需要なものとなるのです。

 主が皆さんのお仕事と、皆さん、及びご家族の上にありますように。

             社会福祉第3期卒業生 弘前学院大学 柘植秀通