「VCの皆さんへ ~皆さんへのエールと今の私たちができること~」『ボランティア情報』

 全国ボランティア・市民活動振興センターが発行する『ボランティア情報』に投稿した本原稿は、私にとって思い出に残る、貴重なものとなりました。その理由は、以下の3つあります。

 第1に、事務局より、今までの私の経験を通した、地域をめぐる状況とボランティア・市民活動、社協の最前線としてのボランティアセンターの役割、コーディネーターの役割(社協内での他職種との連携)、協働の考え方について私にインタビューし、原稿にしたいとの連絡が入りました。私は、今までに書いた原稿や関わった委員会報告を見直し、お答えしましたので、私の原点に立ち戻ることができました。

 第2に、お引き受けした時は予想していませんでしたが、新型コロナウイルスの感染が急激に広がり、たくさんのボランティア活動やNPO活動が休止に追いこまれました。ボランティアセンターも、予定していた事業を中止、延期したりして、感染防止に努めることになりました。そこで、どのような現状にあるのか、私が今までの御世話になった全国の都府県社協、市町社協の方々に問い合わせをし、現状を教えて頂きました。ボランティア活動の相手である方々の生活は依然として深刻であり、いやさらに困難な問題が顕在化してきており、そのことを心配するボランティアの方々のお気持ちが伝わってきました。その「居ても立っても居られない」お気持ちをもって、今できるいろいろな活動が生まれていました。その実績を本原稿でまとめさせて頂きました。

 第3に、これからコロナの影響はますます広がり、私は、底知れない不安をもっています。コロナウイルスの広がりは、今までの関係を打ち砕き、不安、恐怖、不信、怒りを生み出し、負の連鎖が広がってきています。このような深刻な社会状況の中で、私たちがどのような未来を築いていくか、私たち自身が問われていると思っています。だからこそ、私は、大切なもの、大切なことを守る決意が必要だと思います。私は、その中に「人への思いやり」を加えたい。それは、ボランティア活動の原点にあるものです。

 それらの意味で、本原稿は、社会を築くボランティア、NPOの活動への期待をもって、送り出した私の思いです。どうぞお読み下さい。