希望ある明日に向かって歩むぞメッセージ

 山口と東京を拠点にして、日本の福祉業界へのファンドレイジングを行う文化の定着と「お金がないで終わらせない福祉」を実現させる活動を行っている久津摩と申します。新型コロナが広まって以降は、山口県の自宅からオンラインによる福祉団体への支援活動や職員研修、社会福祉士の新しいカリキュラムに沿った教科書の執筆などを行っています。

 世界中でこのような状況になるのは、1918年に始まったスペイン風邪が流行った時以来です。医療の進んだ現代では、もうあり得ないと誰もが考えていたと思いますが、この数ヶ月で一気に生活が変わり、不安の中で過ごされている方も多いことかと存じます。私自身も、国境なき医師団日本のアドバイザーとして関わってきた立場もあり、エボラなどの状況も現地に行った医師やスタッフから聞いており、一般の方々よりは心構えがあったはずなのですが、実際に日本で起こっている状況や、仲間の福祉職が最前線で戦っている姿を目の当たりにすると、心配な日々を送っています。

 このように、命にも関わる過酷な状況になった時は、人生においても、組織論においても、最悪の事態を想定し、一つでも多くの不幸が回避されるように動くことが大切です。なぜ、それをお伝えするのかというと、残念ながら、これからさらに大きな波が何度も来ると予想されているからです。私が交流のある、国際情勢や経済などに精通している経営者や作家などのトップランナーの方々は、これからくる大きな波に備えろと口を揃えたように言っています。

 具体的には、まず、6月以降に1回目、秋から冬以降に2回目で、ほぼほぼ確実に恐慌の波がきます。聞いたことのある企業がどんどん倒産するほか、税収も過去に例がないほど大きく下がる可能性も高く、福祉業界も人ごとではありません。また、緊急事態宣言が解除された後も、1世紀前のスペイン風邪の教訓もあり、秋以降に第二波、その後にも第三波が来て、数年は続くという予想されています。感染して免疫をつけた人、またはワクチンを摂取した人の合計が6割以上になって、集団免疫ができるまでが一つのゴールであり、それまでは、拡大→自粛→解除→拡大→自粛・・・という流れが続きます。これは、開発されたワクチンが大量生産されて世界中に届くようになる2〜3年後までかかると予想されてます。そのため、我々は長く続く大不況と闘いながら、新型コロナとも長期戦で戦う準備をしていく必要があります。さらに、今年は豪雨が例年より多くなると予想されているほか、地震が起こる可能性も囁かれており、新型コロナに加えて災害が起こることを想定しておくことが必要です。避難所に行くことも三密になり、問題が出てくるでしょう。また、アフリカで発生し、中国まできているバッタの大量発生や世界での新型コロナの影響により、食糧難の可能性も出ているほか、大きな戦争、金融危機などについても起こる可能性がある状況です。

 このような波がどんどん迫っており、5月末または6月までの緊急事態宣言が解除されれば元どおりということは、まずありません。むしろ、これから本格的に、数々の困難が重なってくることが予想されます。なぜ、このような暗いことをお伝えするのかというと、「この数ヶ月間を乗り切ればと終わりだ」とだけ考えている人は、次の波でショックを受け、「今度こそこれで終わりだ」と思っていた人は、また次の大きな波がきて、その次にもまたさらに波が来て、心が打ちのめされてしまうからです。アウシュビッツでも、生き残ったのは、なんとなくどうにかなると考える楽観的な人ではなく、調べ尽くして正確に最悪な状況を想定して動いた人だったそうです。良くない状況がしばらくは続くため、このような話ばかりするのは心苦しいところですが、ほぼほぼ確実に津波が迫っている現状の中で、一人でも多くの卒業生、在校生、先生方、関係者の方々が、事前の備えを行い、この大津波を乗り越えていただければと思い、情報を共有させていただきました。激動の時代にはなりましたが、乗り越えた先には「博愛の時代」が来ると言われています。

 皆で乗り越え、大学のホームカミングデーなどで、先生方や皆様と楽しくお会いできる日が来ることを心より願っております。

一般社団法人日本地域福祉ファンドレイジングネットワークCOMMNET 理事長 久津摩和弘