思い出記2003年度(旅日記)-3

倉吉市の「白壁土蔵群」

 鳥取県市町村社会福祉協議会の講演で、倉吉市に招かれた。鳥取空港から車で約1時間ぐらいのところに倉吉市がある。講演が終わり、飛行機まで数時間あったので、時間をいただき、タクシーを頼んで街並を探索する。全体的に落ち着いた雰囲気の市であるが、特に「白壁土蔵群」は伝統文化の継承を念頭に、古くからの建物をそのままにしたような雰囲気がただよう。

 またトイレの美しさは、市のテーマであると、私がもっていた旅行案内には出ていたが、タクシーの運転手も首をかしげた。

 それでもタクシーを予約して20~30分の市内名所見学は、3000円ぐらいの出費になったが、川の広さと橋の美しさ、自然に囲まれた情緒ある街並と、思い出として残った時間であった。
2003年6月

踊りは文化である

徳島の阿波踊りに匹敵する高知の祭りはよさこい踊りであろう。
 地域福祉学会の全国大会が開催され、高知県民のおもてなしとして、よさこい踊りをたびたび見せていただいた。伝統的なものから現代風のものまで、そして高齢者から幼児まで、すばらしいリズムで踊る。踊る習慣が染み付いた県民性なのかもしれない。踊りは文化である。

2003年6月

六日市町の温泉

2つの講演が終わり、温泉に連れていっていただいた。とても広いので、建物の由来をお聞きしたら、駅として準備していたが、廃線になったので、再度手を入れて町民向けの温泉にしたとのこと。入浴料は300円だったと思う。でも、全体的に赤字とのこと。私は思う。適正な経営がなされ、かつ町民の福利厚生となったいるところが、赤字だとしたら廃止すべきか。そのマイナスの影響の方が大きいのではないだろうか。
 土曜日にとても多くの家族連れが来ており、笑い声が絶えないこの場所こそ、まさにパブリック。公共の場である。

六日市の夕焼け

六日市は、有名なホタルの場所でもある。夜8時頃、川に行くと、ホタルが舞っていた。そしてその数が頂点に達した時、ホタルの川のようになり、ホタルの光で周りが明るくなるそうだ。残念ながら、今回はそこまでのホタルは現れなかった。しかし、何十年も前に東京にある小石川で、ホタルを見た覚えがあるが、それよりも、範囲が広く、そして優雅であった。残念ながら、何枚も撮った写真に写っているホタルは2匹だけ。ホタルが住めるこの自然の宝庫に、また来たいと思った。

益田海岸

萩・石見空港から東京に帰る予定であった。空港に向かう車の中で、「是非美しい海を見ていただきたい」という御配慮をいただき、益田市の日本海に面した海岸を御案内いただく。そして、私の期待は驚きに変わる。私の海岸とは、多くが大平洋に面した海岸である。そして交通の便は良いが、残念ながら海の水はきれいとは言えず、かつ人の人数に圧倒され、駐車場の確保に奔走し、宿泊するホテルの値段の高さにため息がもれる。しかし、これが当たり前の生活である。唯一、子どもの笑顔が救いであり、そのために高い出費を覚悟する。
 この海岸を見て、どうしたら、都市部の人も、ゆっくりと自然を堪能できるのか考えてしまう。それだけの価値のある海。そして泳げる海岸である。日本全体の生活の質に関わる構造改革を考えられるならば、これは列島創造論である。

萩・石見空港

 羽田空港から広島空港経由で島根県六日市に入り、そして翌日の夕方、萩・石見空港から羽田空港に飛び立つ予定であった。萩・石見空港は、羽田→石見→伊丹空港→石見→羽田という便があるのみとのこと。でも、整然と空港の周りは整備され、憩いの場としても優れている。空港ができた経緯は知らない。しかし、これは、大きな可能性を秘めた社会資源に思えた。それを活用できるアイデアと人が生まれるかが、左右するだろう。来て本当に良かった。神秘的な風景が記憶の中にいつまでも残るであろう。