熊本地震の被災者を思う

2016年5月13日午後より熊本に入り、15日午後の飛行機で東京に戻ってきた。熊本には、ルーテル学院大学と関係のある九州ルーテル学院大学・中高校・幼稚園、九州学院中高校・幼稚園総合施設慈愛園、広安愛児園・情緒障害児短期治療施設こどもL.E.C.センター等の社会福祉法人、そして健軍教会、大江教会、熊本教会、室園教会等の教会がある。

地震の発生時から、学生とご家族のため奔走した教職員の方々、揺れる中で、乳児の体温低下を防ぐため、車の中でケアをしていた職員、施設に届いた食料等の物資の一部を、不足している避難所等にも届けていた子どもたち、避難してきた住民に安心した場所を提供してきた学校、教会の働き等々、自らも被災しながら、生徒、子ども、利用者を守り続けた方々に、心より敬意を表したい。

福祉新聞2016年5月23日

地震による被害はまだ続いている。本学の卒業生で、震災の影響もあり、無理をして亡くなられた小原君のご遺族にお会いし、祈りを捧げてきた。彼の写真の横には、亡くなる直前まで小原君が看病していたお父さんの写真も飾られていた。心がかきむしられる。生活の様々なところで、震災の影響が出ている。

また、益城に行って、その被害のすさまじさに、私は、言葉を失った。まだたくさんの方々が避難を余儀なくされている。心の傷を負った方々の問題は、顕在化することが予想される。だから、熊本の現状を忘れないこと。コミュニティを再建しようとする動きが徐々に生まれており、この地道な歩みと足を揃えることが、今、求められている。明日を目指して、被災地で生まれた歩みを大切に支援したい。

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熊本訪問から1週間後のことである。北海道の旭川市の2日間の仕事を終え、旭川空港までのバスに乗ろうと旭川駅に向う先に、たくさんの若い声が聞こえた。少年野球の諸君が、熊本のために寄付を募っていた。「九州に元気を」「九州の力になろう」と訴える彼らを見て、私は涙が出そうになった。熊本から遠くの北海道で、熊本を思う声が響いている。「ありがとう」

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旭川北陵球団の選手たち