3つのGood Message

 大型台風18号が九州、中国地方を経て日本海に進んでいる影響で、東京の空も異常に荒れた。風が夜空にうずまき、雲が猛スピードで通り過ぎていく。雨が突然地上を打ち、そして何もなかったかのように消え去る。その晩は、きっと熟睡できないだろうと覚悟した。その理由は、この天候だけではない。翌日は、とても大切な2つの結論が出されるから。1つは、義母の手術があること。2つ目は、ルーテル学院大学大学院臨床心理学専攻の審査結果が出されることである。いずれも午後3時以降。そして宮崎行きの飛行機の出発は午後4時45分。だから、キャンセルも選択肢として考えていた。

当日は、朝から、落ち着かない。そして、飛行機の時間も迫ったきた。しかし、離陸の約20分前に、時間を合わせたかのように、ずっと手に握っていた携帯が震えた。妻からのメールが届く。「手術成功」。そしてその数分後に、文部科学省に行った職員から電話が。「教員審査全員合格」。優秀な教員をそろえていたこともあり、私は強い自信をもっていたが、自信は確信となった。

飛行機に乗り込む間際に届いた2つのGood Messageをもって、飛行機は、ほぼ予定通りに離陸した。台風が日本に近づいていたこともあり、窓から見える景色は、一面、厚い雲のじゅうたんである。私が、ぼんやり外を見ていると、ふと太陽が降りてくることに気づいた。機上から見える太陽は、だんだん雲の中に沈んでいく。窓には、氷がついてきたが、確かに太陽が見える。そして最後には、赤く燃え、雲の中に隠れた。雲に覆われて、地上では見えなくても、自然は繰り返されているのである。

真っ赤な夕焼けを見ると、明日の天気が良いことを予想し、期待する。雨や曇りの日は、夕焼けは地上から見えない。しかし、いつも明日を迎えるために、夕日はいつものように沈んでいる。ただ、私には見えないし、気がつかないだけ。雲に包まれ、光が見えない暗い今だからこそ、「いつも夕焼けを見つめ、明日への期待をもとう」と、雲の上の夕焼けを見て感じた。それは、偶然に見た夕焼けがくれた3つ目のGood Message。