自然の輝きとそこ知れぬ空間
夕方から翌日の昼にかかる2日間、福島県にある磐梯山を見る機会が与えられた。裏磐梯高原から磐梯山の姿との出会いであったが、それぞれが十分すぎる感動を与えてくれた。表磐梯から見る景色が穏やかな顔とすると、裏磐梯から見る表情は、底知れず厳しい。噴火の際に、地域にとてつもなく大きな被害を与えた顔である。
弥六沼に面した庭から磐梯山を眺めていると、雲が突然あらわれ、流れては消え、そしてまたあらわれる。その激しい動きはとても幻想的。時に、磐梯頂上を包み、高い空へとつながる。その動きは、あたかも噴煙がたっているかのよう。
しかし、日没まぎわになって、今まで包み込んでいた雲がはれ、頂上が赤い夕焼けに照らされた。ものすごい噴火の跡を今も残す山肌が、美しい舞台とかわる。そして突然、虹の橋が山頂から天にのぼる。5~6分のすばらしい光景が浮かび上がり、暗闇が一気に磐梯山をつつみ込んでいく。
自然の輝きとは、このことを言うのだろう。底知れぬ空間がそこにはある。
投稿日 06年04月25日[火] 4:13 PM | カテゴリー: 思い出記