会津慶山焼

夏の真っ最中、35度近くの灼熱の中を歩いていると、会津武家屋敷と飯盛山の間に「会津慶山焼」の窯元がある。

歴史は1592年にさかのぼる。唐津の技と結びつき、植木鉢、丼鉢、煉瓦、そして茶器等へと発展し、現在の道筋は、日常用品の製作である。昔ながらのロクロ、手びねり、灰釉(灰を原料にした、つやを出す薬)を伝統的に守っている。

店構えの奥ゆかしさと、中に入った時の涼しさ、さらに作品の一つひとつに清涼感を感じた。比較的気安く買い求めることができる値段であるが、手作りであるため作品は一つひとつ形や色が異なり、自分が納得するまで、選ぶ機会を与えてくれる。特に、流れるような釉をきれいに収めた清楚なうつくしさに、私は心を惹かれた。

私は、直径7?と6?の小振りの湯飲み茶碗を所望した。幾種類もあり、手にとって、外の光にも照らしたり、とても楽しいひとときであった。

冷たいお茶をいただき、心身とも癒され、外に出た。