明日に向かって歩むぞメッセージ(with ニューヨークの卒業生)

 岩◎さん、おはようございます。そちらは夜だね。
 今、ニューヨークはどうなっていますか?
 ちなみに、僕は、日本のトップのリーダーシップのなさに失望しています。だから、自分たちで防衛しようと考え、地域の保健医療福祉のネットワークを作ろうとしています。また、現場で働く卒業生や、ケアマネ、福祉士、社会福祉協議会や施設の職員を応援して、少しでも、援助を必要としている方への支援を継続できるようにしたいと思います。そして、まず卒業生を守りたい。
 確かに、自殺者が増えている。誰でも孤立感、不安、生きていくことへの失望が大きくなると思います。だから、それぞれの働きの場、生活する場で、互いに大切と思うことをしていきたいね。最近、石川久展先生を想う会にメッセージを送るために、卒業生とコンタクトをしました。結果、ラインのグループが増えましたよ。そして、そこで悲しみを受け止め合い、歩み出すことができていると私は感じています。
 当然、在学生も、コロナの影響を受けていると実感しています。岩◎さんも経験したでしょうが、直接会ったface to faceの個別教育は本学の教育の特徴でした。しかし、今は、それがなかなか難しい。ですので、各教員は工夫しながら学生を支援しています。学びたい思いを持って入学をしてきた学生です。可能な限り応援していきたい。ちなみに、コロナの影響で、家に帰れず一人で正月を迎える学生たちに、12月31日に少し豪華な弁当を届けました。在学生に、一緒に勉強していきたいという気持を届けたい。
 岩◎さんも、元気で頑張って下さい。
 また、お会いしたいですね。     市川

市川先生、お便りありがとうございます。日本のリーダーシップには私も希望を見いだせない気持ちでいっぱいです。私たちもトランプなんて言うとんでもない大統領がいた反面、各州の州知事が偉大なリーダーシップを発揮しコロナの中で頑張ることができました。日本はこれから、先生のおっしゃるように、自分たちが作っていかなくてはならないのですね。それこそ、草の根運動が必要になりますね。ルーテルならではの卒業生のネットワークなども強化していけば実現するのではないでしょうか? 上からではなく、下からの力で社会を変えていくことができるのではないでしょうか。そう信じています。こちらの大学での学生さんのダメージは少なくなっているようです。特に看護学生はこのコロナのパンデミックを通して成長していることが多くの教員から聞かれます。世界のどこの国でも看護学生の20パーセント前後が鬱になったり不安になったと言う統計があるますが、辞めないで頑張る学生に共通しているのがレジリエンス、困難の中から立ち直って強くなることと、セルフエスティーム、自己肯定感です。セルフエスティームは高いレベルのコーピング能力と関係があります。看護を価値のあるものとして考えること、そして、看護学生としての誇りを持つこと、最後にプロとしての看護のしごとに目覚めプロ意識を持つことの3つがそれに関係しているとの研究があります。私も確かにそうだなと思い、実習や授業でもそのあたりに焦点をしぼっています。授業のあとはそのままzoomをオープンにして、残ってお話をしたい学生さんとお話をするようにもしています。学生さんの気持ちに寄り添うことも必要ですが、難しいですよね。私も試行錯誤です。社会が少しでも良い方向に動き、学生さんがイキイキと学べる日が早くて来てほしいなと願っています。