迫りくる台風との格闘(まちづくり研修)

「人にやさしい福祉のまちづくり学園」が宮崎県で行われた。実践講座を含め、6回講座の最初の講演を担当させていただいた。企画運営は、恵佼会(代表者土居雅郎氏)が中心となっていた。私の講演テーマは「福祉のまちづくりと実例」であり、物理的バリアフリー、制度的バリアフリー、文化・意識のバリアフリー、情報面のバリアフリーをめざしたまちづくりの意味を、1.地域性の尊重、2.当事者性の確保、3.連携、4.生活者の視点、5.多様性・柔軟性・総合性という特徴を具体的な実例を通して説明していった。

風が非常に強い大型台風16号が南から近いづいてきており、前日まで、講座そのものの開催が危ぶまれていた。その強さをいっこうに衰えさせることなく、ゆっくりと、しかし着実に九州に近づいてくる台風の進路を見極めるため、主催者は前日の午後1時に、開催するとの最終な決断をした。私は数日帰れないことを覚悟しながら、依頼された講演の責任を最後まで全うできることを目指した。長い間、十分討議しながら準備を重ねてきた企画である。自分のできることは、精一杯したい。

前日の最終で宮崎に入ったが、九州に近づくにしたがって、飛行機の揺れが激しくなり、横風を受けながらの着陸となった。そして一晩中、風がうねり、きしむ音が鳴り続いていた。また予約していた午後4時台以降、台風が通り過ぎるまで飛行機は運休することが予想されてたため、伊丹経由羽田行き12時台の飛行機に変更し、講演後すぐに、待たせていたタクシーに飛び乗り空港に向かった。

飛行機の到着が遅れたため、伊丹では走って乗り継ぐことになった。伊丹行きは、横5席、縦30席程度の飛行機であったため、離着陸時の揺れは、なかなかスリリングであった。窓から見える地上は、いつもの通り平穏であり、たくさんの車が走っている。飛行機の中からその景色を見ていると、心が落ち着いてくる。 「あともう少しの辛抱だ」というサインに思えるから不思議である。寸前まで雲で覆われていたら、精神的不安は大きい。

約3時間かけて羽田に到着し、電話をかけた。宮崎発の飛行機の運航はむずかしい様子。しかし、午後の車椅子体験は、天候の崩れも限界値を超えることなく、無事済んだとのことであった。「雨の天気でも、障害者は出かける。そのことを経験してください」という主催者の思いが通じたのか。

嵐の前の宮崎空港

雲の間に挟まれて飛ぶ飛行機

講座参加者